マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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井戸野町旧正月のとんど

2011年03月18日 08時14分00秒 | 大和郡山市へ
井戸野町の氏神さんは八幡神社。

その境内に設えたとんど場。

丸い円を描いた砂盛り。

それは土俵のような形になった。

お正月を飾った大注連縄やゴンボと呼ばれる注連縄などはあらゆる箇所から外されてとんど場に置かれた。

万が一のために火消しのホースも準備している。

神さんに尻を向けたらとんでもないと本殿の方角に向けて火を点けた。

またたくまに燃え上がったとんどの火はまだ夜明けの闇を焦がしていく。

日の出間近の時間帯だ。

それらの作業をするのは自治会の神社係の役員たち。

古くなった神社用具の箒や熊手なども一緒に燃やされた。

勢い激しく天へ登るとんどの炎。

燃えさかるころ、地域の人たちは自宅で飾った注連縄や御札などを持ってきた。

次々と投入する。



珍しい形の大注連縄も見られる。

数軒では簾型の注連縄を作っているのだ。

先代から継いで作っている大注連縄はとんどの火よりも長くはみ出してしまった。

ペラペラのめくれ上がる書がある。

子供たちが書き初めした書が炎に包まれる。

上空まであがると上達するとされるのだが肝心の子供の姿はない。

そろそろ登校の時間なのだ。



神社は集団登校の集まる場所。

ランドセルを背負った十数人が集まった。

それを見た役員たち。

子供のときにはサツマイモを焼いていた。

それができあがってから登校したことを思い出された。

かつてはモチも焼いていたという。

境内は子供の遊び場所だった。

それは今でも変わらないが遊び方が変化した。

現代は機械的なゲームに熱中する。

40年も前は「ドウマ」をしていた。

一人目の股に頭をつっこむ。

お尻を突き出すような格好になる。

次の子はそのお尻に顔をつっこむ。

次々と顔をつっこむと「馬」ができあがる。

走っていって跳び箱のように胴の上に跨る。

乗り込む人数は一人ではない。

何人も何人も跳んで胴にのる。

おっせ、おっせすれば体重が加わって絶えきれず胴が崩れる。

それで負けだ。

人間の胴が馬のようになるので名付けられたと思われる「ドウマ」。

子供時代に育った大阪市内でもそれをしていた。

身体をはる子供の遊びは奈良も大阪も同じだった。

神社横の常福寺の先々々代の住職はタコを作っていたそうだ。

墨一色で描いたタコ。

竹籤で編んで紙をノリ付けする。

足は新聞紙だった。

それは強風ですぐに破ける。

そのときにはワラで修繕する。

そんな遊びをしていたなと懐かしく話された。

そうこうしているうちに正月飾りを持ち込む人の足が止まった。

片付けは境内を元の状態に戻すことだ。

水を撒いて完全消火、境内の砂を覆って綺麗にする。

そうして旧正月のとんどを終えた。

(H23. 2. 2 EOS40D撮影)


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