マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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長谷町・奈良市指定文化財南田原摩崖仏前の願掛け草鞋吊り

2022年06月03日 07時18分12秒 | 民俗あれこれ
奈良市水間町の砂もち調査を終えて、天理市の福住町に向かう。

一般的ルートであれば西名阪国道にハンドルを切るのだが、ふと奈良市別所町の様相を見たくなり、右折れした。

懐かしい景観にまだコスモス花は咲いていない。

郵便ポストのあるお家の景観

記憶に重ならないのはなぜか・・。

奥にある地蔵尊も見たかったが、そこへ行く里道から離れ、茗荷町に繋がる新設のトンネル越えになってしまった。

ならば、長谷町から峠越えの天理市山田町に出るのがいいだろうと車を走らせた。

久しぶりに拝見する奈良市指定文化財の南田原摩崖仏である。

摩崖仏に変わりはないが、囲っていた前面の木塀が消えていた。

なんとなく伺える経年劣化。

倒壊する前に撤去したのでは、と思った。

その加減もあって椿の樹に吊ってあった願掛けの草鞋もそのままの形で遺っていた。

と、いうことは満願のお礼であるかもしれないと思った、その草鞋。

2年ほど前に訪れた長谷町のTさんが、教えてくれた足痛除けの願掛けだと話していた。

きりつけ地蔵と云っていたその場は、この南田原摩崖仏だった。



その摩崖仏に遺る斜め状のひび割れ。

昔、昔の話のようだが、ある剣豪が試し斬りをした痕だと伝わっているらしい。

ちなみに高札によれば、摩崖仏二尊(※右手が弥勒菩薩、中央に阿弥陀如来)の造立は元徳三年(1331)。

東大寺の宗詮が願主となり、伊行宣が作ったとあり、石工は、東大寺再興のために、建長五年(1253)に宋の国から来日した伊派の作である。

なお、少し離れた左下位置の六地蔵菩薩は、大永三年(1523)の作である。

(R2. 8.23 EOS7D撮影)


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