マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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山添北野の民俗風習

2009年07月23日 07時08分25秒 | 山添村へ
かつてお垢離取り(おこうりとり)が行われていた山添村北野。

早朝の朝五時。

サカキの葉と竹箆を手にもって氏神さんの天神社と小川を33回往復する。

小川で一枚葉をもぎ取って水に浸し、それを拝殿に落としていく。

最後は枝ごとサカキをお供えする。

竹箆は長さ20cmほど。

これは33枚用意しておいて同じように拝殿に置いていく。

竹箆は33回のお垢離取りを数える道具だ。

Iさんの奥さんは昨年の九月にお垢離取りの話を聞いていたものをさらに詳細な作法を教えてくださった。

節句のころには「タブサ」を作って食べていたという。

「タブサ」は侍のちょんまげのような形をしていた。

五枚笹を採ってきて、その一枚にコメ粉とモチ粉を混ぜた粉を水で練ったものを包んだ。

一枚で足らんときは二枚使った。

それをススキの葉、もしくはカヤの葉の茎のほうから巻いていく。

半分過ぎた葉先側を折り曲げて「イ」で結んだ。

「イ」は花芽がついているほうを折り曲げたほうにしていた。

形はこんなんでしょうかと絵を描けばそれだという。

「タブサ」はチマキの代用だといって40年前のころの節句の食べだったが作るのが面倒になって止めたそうだ。

2月25日に天神社で祭礼された御田の祈年祭。

年預(ねんにょ)さんが作られた「ミトマツリ」のオソナエは田んぼの守り神にしている。

田植え始めを「植えはじめ」といって畔にフキの葉を並べてそこに生米を数粒入れる。

これをオセンマイと呼んでいる。

そこに12本のススキを挿す。

田植えが終わったら「植えぞめ」といって祈年祭でたばったサカキの「ミトマツリ」のお札を同じように畔に挿す。

そこにはフキの葉にキナコを振ってオニギリを入れたフキダワラを置く。

稲がよく育つように田んぼを守ってくださいと祈る。

Iさんの家では5月3日の朝八時半ころに「植えはじめ」をしているという。

北野ではほとんどの農家が人に頼んで田植えをしているから「植えはじめ」は行われていないが、来年には是非訪問したいものです。

(H21. 5.19 記)


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