マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

長谷の塔の森参り

2011年07月23日 08時51分49秒 | 奈良市(東部)へ
奈良市長谷(ながたに)町と天理市福住町の山中境に塔の森の史跡がある。

標高680mの国見山というからそうとう高い。

白砂川の最上流にある水源の森地でもある。

史跡はそれより下った660mに位置する。

塔の森にある県指定史跡の石塔は付近にあった塔尾寺(とうおじ)に関連する経塚的な供養塔ではないかと考えられている。

その史跡近くには長谷の稲荷神社が鎮座する。

かつてあったとされる長谷集落の稲荷講はここでお火焚きや初午祭を行っていたという。

それは十数年前のことだと・・・。

それはともかく6月の半ば辺りに長谷集落の人たちがここにお参りをされている。

一旦は村の神社に集まった人たち。

それぞれに四輪駆動の車に同乗して稲荷神社前の駐車場に向かう。

そこで下りてさらに神社を目指す階段は102段。

ここへ登るのも急坂であったがさらに登りがきつくなる。

車道が開通するまでは鬱蒼とした杉林に囲まれた下の道を歩いて行ったそうだ。

稲荷神社に神饌御供を供えて神事が始まった。

周りの木立からはコツ、コツと木を打つドラミング音が聞こえてくる。

鳴き声が聞こえなかったので鳥の種類は不明だがコゲラか、アオゲラかどうか判らない。

御供を納めた木製の台には朱印が見られる。

そこには瓢箪の形をしたものもあるが朱印の文様は牛玉宝印書に押される形と同じである。



かつてのお寺の存在を示す什物ではないだろうか。

祓の儀、祝詞奏上など賑々しく神事が執り行われたあとはお下がりのジャコをお神酒とともにいただく。

この日の祭典に「塔の森に行く」と言う村の人。

その状況は神事であったことから塔の森祭とも思えるがそういう詞は聞かれない。

塔の森へ参って村の安全を祈ることから「塔の森参り」と呼びたい。

(H23. 6.26 EOS40D撮影)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。