マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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市坂の座入り行事は中止模様

2022年08月23日 08時42分51秒 | もっと遠くへ(京都編)
令和元年の6月23日は、市坂の虫送り行事を取材していた。

その日に聞いた座入りの行事である。

場所は、京都府木津川市・市坂に鎮座する幣羅坂神社。

話してくださった長老こと、一老のOYさんに二老を務めていたOTさん。

それから、ほぼ4カ月後の令和2年3月5日に行われる御田祭を取材した。

一老を務めていたOYさんは任期を終えて、二老役に就いていたOさんが繰り上がり、一老役に就いていた。

7月1日の夏祭り・こもち式に訪れた際、10月の28日に行われる祭座のことを聞いていた。

祭座に座入りの儀式がある。

市坂に生まれた男の子は、神社に参って座入りをする習わしがある。

80年前の昭和15年に生まれたOTさん。

その年の10月28日に行われた「座入り(祭座)」の儀式に市坂座中の一員に認められた。

市坂の座は”講”でもある、という。

それ以前も、それ以降も、連綿と続けてきた市坂の座入り。

認められた子どもは一生涯に亘って幣羅坂神社に務めることになる。

尤も役に就くのは、成人になってからであろう。

座入りの儀式に膳がある。

こもち式とほぼ同様の膳は、神前に供える。

神さんが口にする神饌は、4cm角の豆腐が2個。

他に、金時豆や2枚の松風煎餅、15個の紅白小餅(上紅7個・下白餅8個)、大きな富有柿が1個。

そして、神さんが食べられる両口箸を揃える。

その日、80歳をもって勇退する一老のOTさんを拝見したく立ち寄ったが、予定された時間になっても始まらなかった。



どうやら、市坂の座入り(祭座)は中止になったようだ。

一老の他、宮さん関係者はどなたも来られなかった。

駐車場もチェーンしたままの午前9時半。

たまたま来られた2人の女性。



霊験あらたかな女の神さんやから度々来てはお参りしているという。

少子化もあるが座って何、という人もおられるらしく、座入りに申し出る家族が年々に減少。

今年対象の誕生者はいなかったようだから中止決定されたのでしょう、という。

また平日の座入りに予定がつかなくて、欠席になったことも考えられるが、いずれにしても中止でしょうね、と話してくれた女性は、友人女性とともに般若心経を唱えていた。

この年の中止はコロナ禍を避けての判断もあるだろう。



年中行事が多様と聞いている市坂の幣羅坂神社。

コロナが去った後、再び活気を取り戻すことであろう。

それまではじっと見守っていきたい。

(R2.10.28 SB805SH撮影)


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