マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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精華町菱田・春日神社の弓始式調査

2021年09月26日 10時06分54秒 | もっと遠くへ(京都編)
京都・木津川市吐師・大宮神社を訪れて意外な成果が見つかった。

時間がある限り、本日調査に手を広げたい。

気になるネット情報に民俗行事が見つかった。

行事は弓始式。

場は京都・相楽郡精華町菱田に鎮座する春日神社である。

木津川市から精華町までは近距離。

カーナビゲーションにセットした鎮座地を目指して車を走らせる。

精華町に名高い神社行事がある。

隣村の棚倉・涌出宮は2月に行われるが、祝園神社は1月。

いずれも「いごもり祭(居籠祭)」の名で呼ばれている行事である。

これらを調べているときにヒットした菱田・春日神社の弓始式

ネットにあった1月10日であるが、実施される時間帯はわかっていない。

下見だけでもしておきたいと思ってやってきた。

春日神社に到着した時間帯は、午後1時過ぎ。

終わっていてもあわよくば出会える可能性もある。

金属製の鳥居を潜ったそこは車止め。

降りて見た春日神社であるが、奥の境内に人影無し。

ふと向こうから歩いてきたもんぺ姿の高齢女性。



旧家のひとであればたぶんにわかるであろう年中行事。

尋ねてわかった弓始式は1月10日。

で、本日であるが、朝に通ったときは誰もおらなんだ、という。

ならば今日ではないのか。

婦人の旦那さんは元総代のTさん。

詳しいことを教えてくだされば、いいのだが、婦人が云った言葉はとんど。

最近は、そのとんどが終わった週の日曜日になった、という。

へぇー、そうなんだと、指で示してくれたとんど場に伐って運んだ竹があった。



すぐ傍にはお家で飾ったと思われる注連縄もあるから翌週、それとも翌日なのか。

婦人が話してくれた弓始式。

朝の10時に始まる。

三重◎を書いた「ハリマト」に弓を引くのは総代、一年神主に役員たち。

的は拝殿左に植生する樹木向こう側に設えていた。

祭事に供えた鯖一尾は焼いて切り身にして手で掴んで食べる。

古式ゆかしい宮座の様相をもつ行事と思われる。

ちなみに神社前の川は、西の丘陵地が上流の煤谷(すすたに)川だという。

実態を掴めなかった春日神社の弓始式



今後の調査に期待して初参拝。

拝殿前に門松を設えていたと思われる痕跡がある。



門松立ての盛り砂跡である。

振り返った右手に消火栓の印。

目立つ葉牡丹に松。

南天らしき赤い実もあれば梅のような枝木もあるだけに歳神さんを迎えた門松を崩して、この場に置いたのだろう。

もっと寄ってみたら藁束もある。

七五三の藁があるから注連縄であるが、傍にあった見慣れぬ祭具に目がいく。



白いヒラヒラ。

コヨリでなく、引いたおみくじであろうか。

おみくじにしては、1本の竿竹に、こんだけ巻き付けるのも珍しい形態。

もっと近づいてみたら竹ひごのようなものもある。



竹は割った残りもんであろう。

さて、これらは何を意味しているのだろうか。

後日に判明したそれは弓始式に用いられた祭具の残欠のようだ。

(R2. 1.10 SB805SH撮影)


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