マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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勾田町稲荷大明神社の初午祭

2017年12月30日 09時20分10秒 | 天理市へ
「初午祭」行事を案内するポスターを見つけたのは2月7日だった。

たまたまというか、通院終わりに通りがかった街道道は天理市内。

ポスターに場所を明示していた地名は勾田(まがた)町。

祭事の場は春日神社の境内社になる稲荷神社だった。

勾田町の春日神社行事は2度伺っている。

一つは平成17年4月9日の当屋座行事である。

午前中は版木で刷って作るごーさん札、ヤナギの木の挟みに餅つきもあった。

当屋の家はどこであるのか、随分と探し回ったことを覚えている。

当屋の家で行われる作法は厳格な形式。

しかも当屋婦人は和服姿で献酒していたのが目に焼き付いている。

二つ目は同年の12月30日に行われた迎春飾り。

当屋座行事の際に聞いていた行事は門松立てが主だった。

それから12年も経った今年。

十二支も一巡した酉の年である。

酉年とはなんら関係もない初午祭にぜんざいが振る舞われるとポスターに書いてある。

当日は多くの参拝者でにぎわう様相が頭の中で描かれる。

それも大事なことだが、私にとっては初午に供えられる御供である。

近年になって調べ始めた初午祭に供える「旗飴」御供である。

その「旗飴」を供える地域分布を調べている。

これまでわかっている地域は。

桜井市、橿原市、大和高田市、田原本町、広陵町、葛城市、御所市などの県中央部。

東西に広がる幅狭い地域であるが、天理市はどうなんであろうか。

初午祭に来られる氏子に尋ねてみたい事項である。

その件もあるが、12年ぶりにもう一度拝見したくなった当屋座行事である。

12年も経過しているなら行事の変革があってもおかしくはない。

そう思っている。

それも確かめたいから出かけた勾田町の初午祭。

神社に着いたら境内いっぱいに立ててある幟に目が行く。

紅白の幟は稲荷大明神社周辺にある。

神社後方に植わっている木は桜の木。

この時期は葉っぱさえ見られないが、幟に花が咲いた。

12年ぶりに伺った旨を伝えたら、当時に当屋を務めたURさんもおられる。

確か、Uさんはテレビに出演したことがある。

関西テレビで放映していた「走れ!ガリバーくん」という番組だった。

番組は平成8年から始まって平成17年9月に幕を閉じた。

出演されたのは4月以降であるが、仕事場におられる姿だった。

12年前に取材してからの当屋座は随分と改革をしてきたというUT区長。

座行事の場は神社会所になったし、和服姿の当屋婦人はもう出ることがなくなったという。

そういう状況であるが、違いがどうなったのか、拝見したく再取材をお願いした。

さて、初午祭の神事である。

参列者は区長の他、勾田町の評議員である。

一般の人たちの姿もなく、ぜんざいも見られなかった。

旗飴は聞き始め。昔からそのような御供はなかった、ということだ。

神職は石上神宮の神官。

一同は紅白の幕を張った稲荷大明神社の前に並ぶ。



祓えの儀、献饌、祝詞奏上、玉串奉奠、撤饌。



最後に宮司一拝で終えた。

勾田町はかつて36軒だった。

いつしか戸数が減って26軒。

旧村26軒の氏子長男による当屋座が務め、営んできた。

当屋の廻りは年齢順。

12年前に訪れたときは壮年層の年代だった。

それからだと思う。

ぐっと下がった若年層になったというから、今年、4月8日に行われる当屋座(頭屋祭)は、この日に参列された人たちではないようだ。

ただ、当屋座には必ず区長が参列される、ということだ。

早朝に集まった若年層当屋座中はカワヤナギの枝木を用意することから始まるようだ。

座中は52歳の一老から順に下った40歳代の十老まで。

いわゆる十人衆である。

当屋座行事は一年に2度ある。

4月は春の大祭で10月は秋の大祭になるらしい。

また、8月は地蔵まつりがある。

本来なら8月23日、24日であったが、今は一日限りの直近の日曜日。

今年は8月20日の日曜日。

子供会を中心に長寿会や婦人会が催す出店に冷やしソーメンや綿菓子なども。

地区の子どもたちが大勢やってきて賑やかになるらしい。

ちなみに下見に来た2月12日。



記憶はあるのだが、神社の位置がすっきりしない。

念のためと思って探索した際に見つけた竹挟み御幣。



いつここに立てたのかわからない。

八王子の石標があるから八王子には違いないかと思うが、それは岩のような大きな石だった。

(H29. 2.12 SB932SH撮影)
(H29. 2.26 EOS40D撮影)


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