マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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第5回・雛の会

2018年03月02日 09時32分19秒 | 高取町へ
友人、知人にしかお見せすることのできない「雛の会」の案内葉書が届いた。

3月の節句も過ぎた10日ころだった。

その日からずっと楽しみにしていた雛の会の展示物を拝見できる。



陶芸家山本義博家に保存されているお雛さんコレクションが拝見できる案内に感謝する。

昭和の時代、大正の時代、明治の時代に作られたお雛さんもあるが江戸時代もある。

江戸時代後期の立雛。

嘉永二年の古今雛からさらに下った文政年の享保雛もある。

人さんが座る籐製の椅子にちょこんと座っていた大きな姿のお雛さんには感動したが、さらに驚くのは明治時代のお雛さん。

一般的にお雛さんといえば段飾り。

明治時代の御殿雛も豪華で見応えがあるが、とにかく驚いたのは、周囲にある江戸時代後期の極彩色三十六歌仙屏風を立てていた居間の隅々まで広がるように座敷に座ったお雛さんだ。

初めて見る平面体の雛飾りに圧倒される。

奥行きがあるからなおさらだ。

大正時代の有職稚児雛は可愛い、というか愛くるしい顔立ちだ。

この日の午前中は旧暦の節句行事にヒシモチを供える京都府相楽郡笠置町、切山の神社行事を取材してきた。

ヒシモチの下段はヨモギで作った草餅。

中段は桃色の色粉で作った。

上段はヒシ型でなく丸い鏡餅のような小餅である。

その上に蕾膨らむ桃の枝を載せていた。

雛の会で拝見した雛飾りにもヒシモチがある。

同じように三段重ねもあれば四段、五段形式もある。

明治時代の古今雛のヒシモチの下段は緑色。

中段は白色。

上段が桃色であった。桃の枝はない。

当主がいうにはその色合わせは下段が「草」。

中段は「雪」。

上段が「花」を表現しているという。

なるほど、である。

ところが、大正時代の有職稚児雛のヒシモチは四段。

下段は桃色。

その上は黄色。

その上は緑色で上段が赤色であった。

また、明治時代のお雛さんのヒシモチは5段。

下段が白色でその上は紫。

その上は白色、またその上は緑色で上段に赤色であった。

そういえば、これまでまったく何も気にしてなかったヒシモチの色の構成はどういう意味があるのだろうか。

(H29. 4. 3 SB932SH撮影)


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