マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
すべての写真、文は著作権がありますので無断転載はお断りします。

曽爾今井の延命地蔵会式

2010年05月31日 09時34分56秒 | 曽爾村へ
毎年4月21日に会式が営まれている曽爾村今井の延命地蔵尊。

平成22年には横輪の中の組の幟が立てられた。

当屋の組は毎年変わる。横輪からは上、中、下、新(あたらし)の4組。

今井は上、中、下、宮の4組の小字(こあざ)。

8年にいっぺんは回ってくる年番の当屋の組だ。

あたごさんの当屋は組で決められる。

正月にする組もあるが、行われる時期はまちまちの汁椀のフリアゲで決まるそうだ。

午前中には昨年の幟を降ろして境内を清掃した葉っぱなどと一緒に燃やされる。

お地蔵さんには花束を添えている。

再び集まるのは正午。

塩井の明安寺の住職を迎えて会式の法要が始まった。



境内にシートを広げる。

地面の温度は低いのでさらに布団敷きを敷いた上に参列者が座る。

地蔵尊の前には黒塗り器の「ホッカイ」や藁製の「フゴ」に入れられた色とりどりの御供モチが置かれた。



赤、緑、黄色などは色粉で色つけ。

色粉を入れる小字や熱湯で溶かした色粉をモチ搗きのときに入れる小字など作り方は様々だそうだ。

色粉は自然な色合いで特に味はないという。

だからどれをとってもモチはモチに違いないと話される。

ホッカイは目出度いときに赤飯を入れていた器。

その名を思い出してくれたのはおばあさんだった。

昔は嫁入りのときに持ってきたのよと話される。

山間の空間に読経が静かに流れる。

すくっと立ち上がった住職。



右手に持った華を撒いた。

いわゆる散華だ。

ひらひらと舞い落ちた散華を拾って村人に配られた。

そのあとは一人ずつ焼香される。

地蔵尊の右手を流れる沢。

迂回道の道路ができるまではその沢道を登って赤目まで行ったそうだ。

現在は立派な村の道。

崖崩れなどで国道81号線が塞がったら三重県に行くにはこの県道を通っていくしかない。

昨年もそうだったと話す。

かっての地蔵尊はその迂回路傍の平坦地にあった。

唐招寺(唐招大寺の分院だったが廃寺)に頼まれて移設した。

「目の神さんとして親しまれてきた延命地蔵さんに参らなんと選挙も当選せーへん」という。

実際にそうなった人もおったという。

移設後、目が悪くなったり、死人が出たりしたんで元の位置に戻したという延命地蔵は通称「めなし地蔵」とも呼ばれている。

(H22. 4.21 EOS40D撮影)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。