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マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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山添村春日のアタゴサン

2014年04月25日 09時19分59秒 | 山添村へ
つい先日、NHKの番組であるならナビで山添村春日の申祭りを紹介していた。

馴染みの人たちが出演していて祭りのことを語っていた。

みなさん元気にしているし、宮司を勤める柳生の筒井一雄さんもお元気な姿で神事を勤めていた。

ここ数年間はご無沙汰している大字春日。

紹介された申祭りは何度か取材をさせていただいた。

それとは別に大字春日の祭りである若宮祭典のオトナ祭りに興味をもって取材したこともある。

これらは数年前に発刊した『奈良大和路の年中行事』に相当数の頁をさいて春日の「オトナ祭り」を紹介したこともある。

久しぶりに村の人たちの顔を見たくなって出かけた。

この日はアタゴサン。祭事の場は春日神社向こう側にある山の中。



金比羅神社、愛宕神社に天明元年(1781)に建之された冨士大権現を祀っている。

金比羅神社の行事は春と秋に行われるコンピラサンがあるが、愛宕神社の行事はこの日限りだ。

コンピラサンには幟を立てて祭りらしくなるが、アタゴサンに幟は見られない。

ひっそりとした祭りだと話す氏子たち。

あれから4年も経過すれば年齢を重ねた氏子も足腰にくる。

山を登るのも難しくなった人もいる。



それぞれの社に賽銭を捧げて手を合わせる。

アタゴサンには神職が出仕しない。

代表者が愛宕神社の前に立って祓えの詞を述べる。

集まった氏子たちも一緒に唱和する。



玉串奉奠をされて終えた村の祭りはどこか風情を感じるのである。

昔の愛宕神社は鎮座する山のてっぺん辺りにあったそうだ。

いつの時代か判らないが、当地に遷したと云う場には享保九年(1724)の刻印がある手水鉢もある。

その頃に社を寄せたのであろうか。

かつて大字春日は大字広代(ひろたい)の方角にあった。

山脇と呼ばれる地が火事になった。

それを供養するようになったという日待ちも兼ねてのアタゴサンである。

村の集会センターに戻った人たちは会場で直会。

この日は日待ちも兼ねた祭りの直会。

数年前から忘年会も兼ねるようになった場にはすき焼きの用意もした。

昔から牛肉のすき焼きだと話す寒い日にはご馳走である。

大字春日の庚申さんは二カ月おき。

御供はなぜかパンになったと云う。



3月中旬には春日神社境内社の木の宮神社で「キノミヤサン」と呼ばれる村の行事もあるそうだ。

いつかは再訪してみたいものだと思った。

(H25.12.21 EOS40D撮影)