遠くでオマエを呼ぶ声が聞こえたが、
オマエの唇はそこへ向かわなかった。
どこかへ出て行こうと思っていたが、
行く先を訊ねられても、
オマエは向かうべき方角を告げることができなかった。
そこに否定すべき執着があるのか、
それともそれは強いられたものなのか。
ひとつだけ明らかだったのは、
オマエの眠りはまだだれかに守られていたということだ。
じぶんの弱さを裁断するこころが、
差し出された現実を呑むとき、
倒れるひとつの全体がある。
気の迷いにとどまるこころが、
みずからの限定にむせびながら、
こまやかさを語るとき、
死に瀕するもうひとつの全体がある。
眠り足りないからだに引きずられて、
こころにもない歌に唱和したとき、
オマエは腐食するじぶんを目撃していた。
そうして結語は、道連れに、
アナタがたとともにであったのか。
オマエのこころが発語へと向かわないなら、
オマエは発語を断念してそれを引き受けろ。
拒むことだけがオマエを証するものなら、
オマエは喜んでその対価を支払って、
そうして、本当に拒むために時間をかせげ。
装われた温顔と手厚い慰安を湛えた、
どんなふうにでも転ぶことができる手管の敵たちが、
糸の切れた凧のようなオマエの、
焦点を結べないでいるまなざしや、
ひ弱な足許をすくおうと身構えている。
周到に設計されたガイドブックを片手に、
手ごわい現実の司祭たちがオマエの骨を抜いて、
一切の結語である忘却のプログラムへと誘っている。
まだ見ることのない明日が、
オマエにとっていったいどんな意味があるのか。
オマエの夜と引き替えにできるほどの何かがあるのか。
どう考えてもその閉じられた情の温もりに、
オマエの夜を飼い慣らすチカラはないのだから、
季節の結び目をめがけてプログラムされた交歓から身を引いて、
まだ血を流したことのないオマエを、
神殿から放たれた飼い犬たちが襲ってくる日のために、
オマエはオマエの孤独な夜を磨いておけ。
オマエの唇はそこへ向かわなかった。
どこかへ出て行こうと思っていたが、
行く先を訊ねられても、
オマエは向かうべき方角を告げることができなかった。
そこに否定すべき執着があるのか、
それともそれは強いられたものなのか。
ひとつだけ明らかだったのは、
オマエの眠りはまだだれかに守られていたということだ。
じぶんの弱さを裁断するこころが、
差し出された現実を呑むとき、
倒れるひとつの全体がある。
気の迷いにとどまるこころが、
みずからの限定にむせびながら、
こまやかさを語るとき、
死に瀕するもうひとつの全体がある。
眠り足りないからだに引きずられて、
こころにもない歌に唱和したとき、
オマエは腐食するじぶんを目撃していた。
そうして結語は、道連れに、
アナタがたとともにであったのか。
オマエのこころが発語へと向かわないなら、
オマエは発語を断念してそれを引き受けろ。
拒むことだけがオマエを証するものなら、
オマエは喜んでその対価を支払って、
そうして、本当に拒むために時間をかせげ。
装われた温顔と手厚い慰安を湛えた、
どんなふうにでも転ぶことができる手管の敵たちが、
糸の切れた凧のようなオマエの、
焦点を結べないでいるまなざしや、
ひ弱な足許をすくおうと身構えている。
周到に設計されたガイドブックを片手に、
手ごわい現実の司祭たちがオマエの骨を抜いて、
一切の結語である忘却のプログラムへと誘っている。
まだ見ることのない明日が、
オマエにとっていったいどんな意味があるのか。
オマエの夜と引き替えにできるほどの何かがあるのか。
どう考えてもその閉じられた情の温もりに、
オマエの夜を飼い慣らすチカラはないのだから、
季節の結び目をめがけてプログラムされた交歓から身を引いて、
まだ血を流したことのないオマエを、
神殿から放たれた飼い犬たちが襲ってくる日のために、
オマエはオマエの孤独な夜を磨いておけ。
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