くもりがちでも、暖かな日中、夕刻前から本降りの雨。
一昨日(10日)。隣市シネマコンプレックスで、『35年目のラブレター』を鑑賞。
古都・奈良で静かに暮らす鮨職人の西畑保さん(笑福亭鶴瓶)は、定年退職に伴い、夜間中学に入学することを決意。夜間中学には、様々な理由で、学業を諦めた人たちが、集っていた。
保さんは、過酷な少年時代を山奥で過ごす。片道3時間かかる通学のために、次第に学校へ通うことを諦めたため、文字の読み書きができずに成人した。
そんな保さんのために、奥さんの皎子さん(原田知世)は、苦労することも多かった。
保さんが、夜間中学で、読み書きを覚え、皎子さんにラブレターを書いた。
今では、『文盲(もんもう)』は、差別用語らしい。
読み書きできない人の事だけれど、世界でも識字率が高いとされる日本で、文字の読み書きができないことは、差別の対象になるのだろう。
けれども、太平洋戦争中に、様々な理由で、文字を学ぶことが出来なかった人たちは、意外と多く存在するそうだ。日本の識字率は、100%ではないらしい(・・・というより、調査していない???)。
この映画の主人公である西畑保さんも、小学校での差別やいじめで、精神的に文字を覚えることができない状態迄、追い込まれてしまったのだろう。
実話に基づく物語。
ひとは、幾つになっても、学ぶことができる。
夜間中学の担任の山谷恵先生(安田顕)の忍耐強い教育、同級生、妻と家族の励ましで、20年かかって書いたラブレター。
古都奈良の美しい背景と文字で伝えることの優しさ・・・。
そんな映画。