鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

宇都宮美術館・水木しげる 魂の漫画展~量産を拒む世界観???

2019-09-08 13:50:20 | 藝術

台風15号接近中。深夜あたり関東に最も接近、上陸の可能性とニュースは、お昼のニュースで伝えておりました。

厳しい残暑が続いております。

 

昨日、映画のあとで、県央の美術館へ。

『水木しげる 魂の漫画展』へ。

鬼太郎さんと妖怪の仲間のオブジェがお出迎えです。

 

太平洋戦争で、南方へ従軍。爆撃で、片腕を失い、マラリアを患い、九死に一生を得て、帰還。

代表作『ゲゲゲの鬼太郎』を始め、様々な作品の生原稿、原画を始め、妖怪オブジェなどの展示も。

土曜日だけあって、盛況な美術館でした。

 

テレビアニメでしか知らなかった『ゲゲゲの鬼太郎』の原稿のなんと緻密で、精緻さに驚きでした。

展示室の外には、漫画の読めるコーナーも。

・・・最近の『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメーション化で、鬼太郎さん、猫娘さんも、そこらに転がっているようなつまらない美少年・美少女化されて、味がなくなったように思うけれど、やっぱ・・・オリジナルの奇ッ怪さ、オドロオドロシさ・・・やはり、『ゲゲゲ・・・』は、この昭和感があってこそ・・・。

(なんでもかんでも、今はやりの特徴のない小奇麗なキャラクターにすればいいってもんじゃないね。ワタシ的に、水木しげるキャラって、好みじゃないんだけどさ・・・)

水木しげるの生原稿をみて、感じたのだけれど、背景を細かく書き込む手作業なんて、たぶん、今の漫画家さんは、やらないと思うし、締切の短い中で、或る程度のデジタル化は、仕方のないことなんだと思うし、量産しないと、すぐ飽きられてしまう現代の消費的構造が、作品を薄っぺらなものにしているんだろうなぁ・・・と思います。

誰にでも出来る、誰にでも書ける作品は、才能を消費されて、すぐ使い捨てされてしまう・・・

才能のカタマリの手塚治虫さんあたりが、パソコンで、機械的にサクサク作画していたら、もっともっと凄い作品を量産出来たりしたのかも・・・なんて思うけれど、水木ワールドに限っては、緻密で地道な手作業が、作品に命を与えているのかもしれないな。

良いか、悪いか、好みか、嫌いか・・・。

現代の画一的で、個性のない作品群のなかでも、名を馳せるものは、やはり、機械では唯一叶わぬ・・・魂を削って作り出す作品なのだろうと改めて思った次第で。