鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

『狭き門より入れ』②~世界を構築する深遠なる謎解き

2009-08-24 21:04:54 | Weblog
湿度の低い乾いた暑さ・・・。夕方から雷雨。
昨日の続き。

新世界へ転位できるひとは、60%、残り40%のひとは、旧世界に取り残され、3年後の崩壊のリミットまで、この世界で生き続けなければならいない・・・そのことを知らされたアマノ。

友人のハカリは、生前?通り魔により、妻子を殺され、この狂いはじめた世界に歯止めをかけようと奔走する・・・。
ハカリは、アマノに、自分の今の仕事を手伝ってくれるよう誘う。

ハカリの上司???ともいうべきキシは、世界の更新のメカニズムを知る男。このひとは、神?なんだろうか・・・???
この舞台で、この世のひととは、一線を画す不思議なキシ役を演じるのは、手塚とおるさん。
スレンダーな身体に、黒いテーラード・ジャケット風の衣装を、格好よく着こなして、身のこなしは、天使のようだ。椅子の上に膝を抱えて座ったり、やはりこの世のひとでない超自然的な役(たとえば、死神?とか・・・)を演じさせるともう他の追随を許さないくらい上手い。
ほんとに、不思議なオーラを放つ役者さんだ。

海だとか水の事故で無くなった人間で、遺体の発見できなかったひとは、この世のものではない他の世界で生きていけるんだろうか・・・?
そういう言い伝えがあるのかどうか・・・わからないのだけれど、そんな小説を読んだことがあったな・・・とふと思った。

世界の更新を知ってしまったアマノを追い越すように、時間は、過ぎて行く。

人の往来の激しいコンビニのドアが、現世界と新世界を分かつゲートになっている。
最後の審判が始まった・・・。

新世界へ移行するひと、旧世界へ残る人は、世界が分かれるとき、双方の存在の記憶が消されてしまうという。
どちらの世界に振り分けられても、かつて一緒に存在していたひとの記憶はなくなり、当然のように生活していくという・・・。
アマノは、それを拒む。
・・・忘れてしまったら、また同じ、過ちを人類は、繰り返す・・・。

悩めるアマノを好演する佐々木内蔵介さん。社内の不正を内部告発したがために、人事部のリストラ担当に異動させられてしまい、結局、退職という選択をするはめになってしまったサラリーマンをクールに演じている。規模は、違えど、ヒトを選別するという仕事を受持つキシ(手塚とおるさん)と好対照。

この物語、奥が深い。