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鼎子堂(Teishi-Do)

三毛猫堂 改め 『鼎子堂(ていしどう)』に屋号を変更しました。

天上紅蓮:渡辺淳一・著

2019-06-27 23:59:34 | 本・読書

深夜になって、雨が本降りに。

気温30℃湿度63%。蒸し暑い。

熱帯低気圧が、四国沖で、台風に昇格したようで、日本近海で、台風になるのは、わりと珍しい・・・とニュースは、伝えていた。

 

久しぶりに、小説を読んだ。

渡辺淳一の『天上紅蓮』。

氏には、珍しい?歴史小説・・・と言っていいのかもしれない。

鳥羽天皇の后・待賢門院璋子の生涯を描いた平安王朝絵巻・・・なのだろう・・・。

渡辺淳一の作品は、初期の頃の『花埋み』、『無影灯』などは、名作だと思う。

『花埋み』は、日本初(医師免許を取得した)女医、『無影灯』は、不治の病に侵された外科医の物語で、どちらもテレビドラマ化された作品だった。

初期の頃は・・・よかった。

いつからか・・・かなり際どいエロの世界の書き手となったようで、『失楽園』あたりから、だろうか?そのへんの変遷は、そのあたりの作品は、未読なので、何とも言い難いのだけれど。


『天上紅蓮』は、養父である白河法皇の愛人として、まさに掌中の珠として育てられ、その権力に守られた待賢門院璋子が、養父である法皇と夫である鳥羽天皇のふたりの間で、栄華を誇る暮らしから、権力者である白河法皇の死後、落日の如く、落ちていく物語なのだけれど、待賢門院璋子のセリフがほとんどなくて、ただいつも身悶えして

『法王さまぁ・・・。』

・・・と言っているだけの・・・小説であった(ような気がする)。

白河法皇と待賢門院璋子の・・・所謂、床の中の描写が、生々しいし、幼い頃から、白河法皇に、性技を仕込まれた待賢門院璋子の夫との閨での描写は、まさにエロス・・・なんだろうなぁ・・・。

まあ、それだけです。

同じ、待賢門院璋子の登場する『宮尾本・平家物語(宮尾登美子・著)』とは、一線を画すもの。

やはり、王朝絵巻とは、かなり離れた・・・天上紅蓮・・・だったように思う。

 

 


北の空・南の空

2019-04-09 23:13:23 | 本・読書

県央の桜(ソメイヨシノ)満開宣言。

咲き始めが3月28日/満開4月9日で、満開から咲き始め迄の期間12日は、最長記録だとか?とニュースは伝えていて、明日は、真冬の寒波襲来。

折角の桜も今日が見納め?かも???

満開後の雨では・・・。

 

寒波の襲来の前ぶれのように、午後から風が強くなってきて、居室窓から北の空を見上げると、鉛色の重たい雲が、地平線を覆っていた。県北は、雪だろうか?

今春最終寒波がやってきて、明日は、真冬の寒さとなるらしい。

 

南側のベランダに出てみると、こちらは、明るい空の色。

同じ時間でも、南と北では、全然違う・・・。

高橋たか子氏の小説の中に

『北の空は、南の空に比べて、青い色が薄い。』

・・・と、いうようなことが書かれていて、そんなこと、何十年も生きていて、気が付かなかったな・・・と思ったのが20歳台で、氏の小説を読んでからだったのだけれど、不思議な小説を書く人で、何冊か読んだけれど、未読のものも、未だに多い。

文字だけで、こんな雰囲気を作り出すのか・・・ということを、教えてくれた作家でもあった。

 

 


読書の秋・・・。

2018-10-18 22:07:24 | 本・読書

午前中は、良く晴れていたのだけれど、午後になって、雲行きが怪しくなってきたような・・・。
明日は、雨になるのかなぁ・・・。

読書の秋・・・なんて言うけれど、秋に限らず、冬は、寒いから、外出は、億劫なんで、自宅で、読書。
夏は、暑いから、やはり外出は、億劫だし、今年の夏は、異常な猛暑で、屋外での運動と不要不急の外出は、控えた方が宜しいらしく、涼しいエアコンのお部屋で、読書。
春は、なんだか、眠くて仕方がないので、寝てばかりで、読書が出来ず・・・ってことで、読書をするのに不適切な季節は、春なのかもしれません。

・・・で、今は、読書の秋。

読書に限らず、食欲だの芸術だの味覚(食欲と一緒か)だのスポーツだのと・・・秋は、行動することが多い季節なのかも?

最近の運動会は、春に催行する学校も増えたけれど、我が居住地の学校は、9月中旬頃から10月の始めってところが、多いようで、朝の6時頃から、花火が上がって、運動会ですよ~~~!パンパンパパン!と朝から喧しいことこのうえないのは、何故でしょう?
電話やEメール、SNS、Line と文明の利器がそろってんだから、花火上げる必要があるのかねぇ・・・戦国時代の狼煙じゃあるまいし・・・。
単なる慣例のような気もしないではないし、我が家が、学校と至近距離に建っているので、勤め人をやっていた頃は、至福の土曜日の早朝に、カンベンしてくれよ・・・と・・・毎年思っておりました。


・・・で、閑話休題(話は、モトに戻る)。

会社員をやっていた頃は、少なくても、日々一時間くらいは、読書時間に充てていた・・・充てていたというより、寝る前に本を読まないと眠気が来なかったし、その1時間のために、日々10時間くらい(通勤時間とかも含めると)働いていたようなところもあったのだけれど、会社員をやめてからは、全く、本を読まなくなってしまいました・・・ということは、この拙なブログに書きました。

春に限らず、やたら眠くて、本を読み始めても、2,3ページも読むと、寝落ち・・・というパターンだとよいのだけれど、その寝落ちも30分と続かず、すぐに、目が覚めてしまい、また本など読んでみても・・・眠くなり・・・そして、睡眠が長く続かない・・・という一種の睡眠障害みたいなものになり、現在に至っております。

何をやっても続かないし、目も悪くなってきて、もう読書はいいや・・・と思っていても、手許不如意の中から、わずかな本代を捻出して、本を買っても・・・結局、最後迄、読むに至らず・・・なのでした。

昔は、何のために、本を読んでいたのだろう・・・と思います。
本当に楽しかった・・・ということあったかもしれませんが、日常を忘れるために、自分以外の世界に居たかったのかもしれません。

演劇なんかもそんな感じで、月に一度か二度の土曜日に、都内迄、出向き、外食をして、そのあと観劇する・・・なんてことを、半ば、義務のように繰り返していたような気がします。
その証拠に、印象に残ったもの以外、覚えていない・・・観た記憶はあるけれど、どんな内容だったかなぁ・・・?

それでも。やはり、本を買ってしまったり、舞台中継が、映画館で、上映されたりすると・・・出かけてしまいます。

読書と芸術の秋だしな・・・。






典座教訓・道元/藤井宗哲・訳・監修

2018-09-10 21:04:54 | 本・読書

午後から雷雨。
蒸し暑さ続く・・・。


水上勉の『精進百選』を読んでいたら、『典座教訓(てんぞきょうくん)』のくだりの記載があったので、抄訳本を読んでみた。

典座とは、禅寺の食事全般を担当する職である。

著者の道元は、鎌倉時代初期の禅僧で、日本に於ける曹洞宗の開祖。
24歳のとき、南宋へ渡るも、上陸を許されず、停泊中に、典座職の老僧に出会い、帰国後、寺院の規律を保つための新たな基準となる書を撰述しようとし、『典座教訓』を著した・・・。

現在の精進料理はお寺の宿坊などで、供されたりするのが一般的だろうか?

例えば、高野山の宿坊など・・・。
或いは、寺院などの多い鎌倉なども、精進料理を供する料理屋もあったりする。

私の近隣?というか・・・(実際に、それ程、近いわけではないけれど)、日光なども、名産の湯波(日光では、ゆばを湯の波と書くようで、京都などでは、湯葉が普通らしい)をメインにした精進料理タイプの料理を供する店が多い。

肉・魚などは、使わず、たんぱく質は、大豆や小麦などから、手間暇かけて抽出し、動物性たんぱく質と同じような食感、見た目、味などを再現したりする。

調理に手間が、かかるため、普通の料理よりは、かなり高額な場合が多いけれど、質素な中にも滋味深く、濃い味に慣れた現代人にとっては、(量的に)物足りない場合も多いかもしれない。

お値段の割には、あまり満足できない・・・そんな感じだろうか?


今年になって、既に練り上げられ、ビン詰めされている胡麻を使って作る、簡単な胡麻豆腐のレシピを見つけたので、時々、作っているけれど、暑さの厳しかった今年の夏には、滋養と薬効のある葛粉と胡麻を使うので、老齢の家人などには、好評であった。

実際、禅寺の胡麻豆腐などは、炒った胡麻を、アタリ鉢で丁寧に摺ることから始めるのだろうと思うけれど、練り胡麻を使う簡単レシピでも、後片付けが、結構、面倒だったりする。

料理は、典座職の修行で、大地の恵みに感謝し、心を込めて、調理し、後片付けなども手を抜かず・・・手間暇をかけて・・・が、修行だから、炒り胡麻をフードプロセッサーにかけて・・・なんてことは、会社勤めで、食事も作らなければ・・・という普通のひとは、やらないし、時間的に制約もあるし、出来ない。

食に対する心構え、食と修行、極める先は、食材も、また命あるもので、命をいただく・・・ということに尽きるのではないだろうか・・・。

そう思いつつも、忙しかったり、面倒だったり・・・食事作りに充分な時間の取れない現代人には、現実的に難しい。

・・・だから、スーパーの胡麻豆腐には、身体に悪い原材料不明の加工デンプンや増量剤、増粘剤だの訳の分からん添加物がてんこ盛り・・・精進料理の対極の商品を臆面なく売り出し、消費者もソレを疑いもなく買うのである。


本書は、道元の原文に、訳・監修の藤井宗哲氏の体験などを織り込み、禅の精神を語る。

章の間に、精進料理のレシピなども紹介されている。


やはり、電子本は、嫌いだ。

2018-02-10 15:05:05 | 本・読書

くもりがちな3連休初日。
気温は、高めで、春の訪れを予感させるような空気。
宵から、雨の予報・・・。


先週末から、体調不良というか。
寝込む程ではないけれど、外出などは、したくない。

・・・というわけで、久々に、本など読んでみる。

もちろん・・・紙の本である。

『本』という文字は、『木』に『一』を足したもの。
だから、電子本は、本とは言わないと思う。

電子本は、データだ。
情報の羅列。

デバイスよっては、簡単に消え失せてしまうし・・・。
(そりゃ、紙の本だとて、売却する、捨てる、燃やす或いは燃える・・・などして消えるが・・・)

電子本は、場所を取らない。コレは、良きことだけどね。

電子本は、質感がない。
紙の本には、重みがあって、雰囲気があって、匂いがあって、ページを開くという物理的な愉しみがあったりする。
電子本もめくる・・・というか、タップするという行為があるが・・・。

電子本は、製本しなくてもいいから、価格が安価で、手に入り、絶版もないのだろうし、秒速で、入手できるわな・・・加速度のつく世の中で、便利だな。
だけど、読むたびに電磁波攻撃にさらされて、目や脳をはじめ、身体に影響がある(らしい)。
紙の本とて、埃で、アレルギーになるかも?

まあ、いろいろと利点欠点とあるけれど。

でも、きっと、あと少しで、紙の本は、淘汰されるんだろうけれども。

出版界も大きく変わっていくことだろうな。


『凪のお暇(いとま):コナリミサト・著』

2017-10-28 16:16:16 | 本・読書

昨日、一昨日の秋晴れも長く続かず。

午後から雨が降りだし、これから日曜日にかけて、台風の影響と天気情報は伝えておりました。
週末の雨・・・って、嫌いじゃないけど。
お出掛け以外だったらね。


このところ、本を全く読んでいなくて、読みたいのだけれど・・・読めないです。
読めない・・・というのは、物理的というか生体的に・・・例えば、目が遠くなった(老眼)とか、そういうこともあるのかもしれないけれど、読み始めても、すぐ別のことをしたくなるというか、集中できないというか・・・。
そして・・・何故だか、すぐに眠たくなり・・・。


・・・私は、これから移行していくであろう電子媒体の本というのが嫌いです。

本・・・と言う気がしない。

場所を取らず、読みたい時に、スマートフォンがあれば、いつでも読める・・・という便利さもあるのだけれど。

・・・私にとっての本は、寝床で、めくる紙の本なのでした。
そして、近い将来、たぶん、この世から淘汰されるであろう・・・紙の本。

さて。その紙の本。

出版が不調というか、電子本に押されて、あまり在庫がない・・・ようです。


本日のお題。



『凪のお暇』・・・この本は、スマートフォンでの試し読みで、続きが読みたくなったので、紙媒体の本(何だか、変だ。本にイチイチ紙の本って・・・)で、購入しようと思い、amazonなどで、探してみたのだけれど、新品は、品切れ。

中古本の方が、高額になっておりました。

・・・ごく最近、出版されたのに、早、在庫なしだと?・・・中古本の方が高く、更に配送料上乗せ?

・・・コレは、買うなってことなのか・・・。

いくつかのネット書店を検索してみると、『e-HON』というサイトがありました。
リアル書店系で、在庫のある書店から、系列のリアル書店へ本を、お取り寄せしてくれるサービスのようで、登録してある地元のリアル書店で、引き取れるというシステムのようです。

もちろん、配送料を支払えば、宅配もOKってことなので、本代+配送料の合計が、中古本より、安かったので、宅配してもらいました。


自分の意志は、無視して、会社の人間や恋人の言いなりの大島凪(28歳)は、クズ彼氏の一言で、過呼吸障害を起こして、会社を退職。
自分をリセットする意味で、家財道具一切(冷蔵庫を除く)を断捨離して、引っ越し、過去の繋がりを立つために、LINE、SNSなども一切切断。

貯金残高100万円の新しい節約生活が始まった・・・。

どうやら、凪には、自分自身を抑える事で、自分を守ろうとした潜在的なトラウマがあるようです。

外見ひとつとってみても、本当は、天然パーマでしたが、母親や同級生から、おかしな髪型と言われ、傷つきます。
だから、ストレートパーマをかけて、毎朝1時間、ヘアアイロンで、直毛を保つ・・・という努力をしていました。

『NO!』と言えない凪に追い打ちをかけるのは、同じ会社で営業部のエース・我門慎二。
場況読みにたけて、その場の空気をいち早く読み、相手の心に入って行き、仕事を取って業績を上げる・・・一種のエナジーヴァンパイア的存在で、凪の存在を否定しまくります。

そんな慎二に、本来の凪は、抵抗することでできないようなのですが・・・。
慎二に隷属する自分に嫌悪します。

この慎二にも、なにやら、深いトラウマが、ありそうな第1巻で、続編が楽しみです。

この漫画家さんの作品を読むのは初めてですが、瞳の書き方の特徴のある柔らかい線で、フワフワっと軽くえがかれているようです。

映像化するなら、大島凪役に、綾瀬はるかさんか、深田恭子さんなんかがよさそうかな・・・?などと思いながら読んでいました。



リアル書店で、本を買う。

2017-09-10 22:12:24 | 本・読書
 
気温も真夏日・・・と言う訳で、少し夏が、後戻りしたような週末でした。

近在の中学校の運動会の関係で、路上の混雑など、思わぬアクシデントが予想されてので、かなり早く自宅を出た昨日(9日)でしたが、それで、思わぬ誤算が生じて、結局のところ、当初の乗車予定の電車に途中から乗ったので、診療開始時間には、少し時間ができましたので、病院隣接の駅ビルの書店を覗いてみることにしました。

・・・リアル書店・・・ずっとずっとご無沙汰でした。
もう・・・何年も行っていない・・・と思ったのですが、よくよく考えてみれば、相方から図書カードをいただいたので、インターネットで発注し、リアル書店で受取・・・なんてことが、数年前にありましたかね?
それ以来かな・・・とも思いましたが、そう言えば、1ヶ月前くらいに、映画館隣接のショッピングモールの中にあるリアル書店にも行きました・・・全く、御縁が切れた訳でもなさそうですが・・・。

・・・で、リアル書店で、森茉莉の本に出会ってしまいました。

・・・コレは、買わずには、いられません。

文庫本で、彼女のアンソロジー集でした。
もしかしたら、以前、購入した本の中の記載と重複しているものもあるかもしれないけれど・・・と思いながら。

作家・森茉莉が、晩年を過ごした下北沢の街・・・。

本を買ったのは、中央線沿いの街ですが、はやり少し武蔵野の面影が残っているような気がして。
下北沢とは、お隣?くらいでしょうか?

そこで、森茉莉(・・・の本)に、出会ってしまうとは・・・。

この拙すぎるブログで、森茉莉のことは、何度か書いていますが、やはり、再び、書かずにはいられないのです。
もう亡くなられて、数十年になりますかね。
それでも、小出しにするように、切り取ったエッセイ集が、数年おきに出版されます。

森茉莉ゆかりのちくま書房から。



リアル書店のカバーをつけてもらい、嬉々として、バッグにしまい込みました。




豪雨・古書売るる②

2017-08-15 23:45:23 | 本・読書

深夜から、午前中にかけて、豪雨。
陽がのぼる時刻になっても、なにやら薄暗く、肌寒い。

昨日、一昨日と随分、長く寝てしまったので、さて、起きねば・・・と思うものの、寝過ぎの片頭痛そして、セットになっている吐き気、嘔気。

・・・起きられんではないか・・・!
仕方がないので、横になって、やりすごすことにする。

アレだけ眠ったのに、またまた眠る・・・。


嘔気もやや治まってので、パソコンのメール・チェック。

絶対に売れないだろう・・・とタカを括っていた古書が、売れていた。

30年くらい前に、出版された民間医療本である。

販売価格の15倍近い価格であった。
同本が、他に3冊程、出品されていたけれど、それでも、私のつけた価格が一番安価だった。

家人が購入した本であった。

梱包して、発送のため、郵便局迄、出向く。

アレ程激しかった雨は、上がっていた・・・。

車外気温は、20℃
涼しいを通り越して、少し寒いくらいだった。




梨園の妻~『きのね:宮尾登美子・著』

2017-06-25 21:25:22 | 本・読書

深夜から雨。
朝方から本降り。
梅雨が、戻ったみたいです。


週末(23日)。

元アナウンサーで某・歌舞伎役者夫人の訃報。
既に、癌細胞が転移して、医学用語でいうステージⅣ・・・末期癌ということでした。
闘病生活を御自身のブログに綴り続けましたが、34歳という若さで、旅立たれました。

謹んで、ご冥福をお祈りいたします。


私の祖母も34歳でみまかりましたので、祖母を知りません。

母は、まだ7歳だったそうです。
・・・そんな話をしていて、ふと、大昔読んだ宮尾登美子さんの『きのね』を思いだしました。


11代目市川團十郎夫人の物語でした。
一切、表にでることもなく、影で、團十郎を支えたひとでした。

梨園というところへは、芸能人の方が、嫁がれることが多いようで、今回ご逝去された夫人の職業のアナウンサーさんなども、いらしたようです。
坂東三津五郎さんの二度目の夫人でしたかね?
フジテレビの局アナさんとご結婚されたのは?
結局は、離婚されたようですが???

芸能界・・・というところは、不思議な世界です(アナウンサーが芸能人かどうかは、意見の分かれるところですが、昨今のフジテレビは、アナウンサーとタレントさんの線引が曖昧なようですし?)。

女優、歌手、タレントとアナウンサーでは、やはり違うものなのでしょうかね?

よくわかりません。

梨園に嫁ぐということは、芸能界(・・・というか)を、引退しなければ、勤まらないところ・・・。

まず、跡継ぎを産み、ご贔屓筋へのご挨拶、お弟子さん、舞台関係者(特に松竹さんなどの興行主)、マスコミと様々な対応。

片手間では、成り立たない所だと聞いています。

そんな場所で、女中からスタートした11代目市川團十郎夫人。

役者は、人気商売ですから、夫人の存在を隠したがるのは、歌舞伎役者に限らず、昔の俳優さんたちには、多かったように思います。

人気俳優が、結婚するとファンが離れますからね・・・。

それに比べると、今の俳優さんやタレントさんは、遠慮がない・・・というか・・・怖いモノ知らずというか・・・???節操がないと言えば、ソレまで。
堂々とご自分の幸せを見せつける・・・感が強いような気がしています。
(ファン以外は、どうでもよいことだと思うのですが???)

11代目團十郎も、夫人とお子さん(12代目)の存在を隠し続けましたね。ある時期迄は。

宮尾さんの筆にかかると、美貌でもなく、身分も一般庶民・・・ただ、とにかく控えめで、健気な糟糠の妻を、好ましく、物語にしてしまうところは、流石です。

筆者自身、健気で、賢く、前に出ることはせず、ひたすら頑張り・・・という、昔の日本女性が好きだ・・・と何かに書いていらっしゃいました。

・・・現代では、こういう女性は、評価されなくなりましたね。

ただ慎ましく、辛抱強く、夫につくし続ける・・・そんな昔の物語でした。
(今時では、そんな女性は、国宝級?ですかね???)


『花戦さ:鬼塚忠・著』

2017-06-12 23:24:00 | 本・読書

夏日なれど、風冷たい。

湿度低く、凌ぎ易い雨期の始まり・・・。


先週、映画『花戦さ』をみて、是非とも原作を読んでみたい・・・と思って、買い求めました。
私は、基本的に、書物は、それなりの代価を支払う・・・を旨としておりますので、購入した文庫本は、新品のもの。
古書なども十数点の出品がありましたが、配送料など含めると、新品と幾らも変わらないかったですし(←タダ、それだけ・・・なのですがね・・・)

さて・・・。

書物の内容。
意外と、サラリ・・・と書かれた文章ですね。
鬼塚さんという作家さんの御本は、初見でしたが・・・。

どうも・・・。
映画の池坊専好(野村萬斎さん)のイメージが強くて、なかなか原作の専好さんのイメージと繋がらなくて・・・。

映画の千利休(佐藤浩市さん)は、何故か、最初から違和感がありすぎて・・・。
そして、本書の千利休さんも・・・同じく・・・(たぶん、三浦綾子氏の『千利休の妻たち』が、私のイメージの原点になっているからなのかもしれませんが。なかなか更新されないのよね?イメージってさ・・・)

読んでから見るか、観てから読むか・・・(角川映画創生期のキャッチコピー、因みに本書は、角川さんの出版)。

読んでから見ても、観てから読んでも・・・たぶん、違和感アリアリ・・・なのでしょうね(個人的感想です)。


池坊専好さんというひとは、実在の人物・・・だそうです。

そういう人物の存在すら知らなかったけれど、イケバナをされている方には、常識?なのでしょうかね???

映画では、野村萬斎さんが、上手く作り上げた感じでしたが、原作本では、あまりインパクトがないような・・・まあ、穏やかで、優しい・・・美の天才という描かれ方をされていました。

利休さんについては、色々な小説で、様々に取り上げられており、茶道の天才、只の業突く張りの商人、美輪明宏さんなどは、『単なる喫茶店の親父が、エラぶって、安物のクズ茶碗に高値つけている!』なんておっしゃっていましたが・・・実際のところは、どうなのでしょうか・・・?

映画に登場する天才絵師の娘・蓮(れん)は、映画の中だけのお話だったようです。

ただ・・・やはり、花というイキモノを扱う上で、映像の方が、強かったかもしれません。
原作本には、『色』がなかったような気がします。

戦国の世を生き、己の『美』を追求する天才たちを描く・・・。


『読んでから見るか、見てから読むか・・・』は、あなた次第???