未熟なカメラマン さてものひとりごと

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2016高校女子駅伝 感動をありがとう! 大阪薫英女学院高等学校の巻

2017-01-05 00:27:00 | 駅伝
岡山県井原市・経ヶ丸山頂から見る初日の出

大変遅くなりましたが、今回もデータをもとに分析してみたいと思います。例によって敬称略、過去の駅伝記事は、カテゴリーから‘駅伝’をご覧ください。

終わってみれば、大阪薫英女学院高等学校(以下、薫英女学院)の完全優勝となりました。安田監督も、「一昨年の優勝チームより力は上」と言っていましたし、実際、大阪府大会では、悪条件の中、大会新記録で優勝、特に2区を走った高松智美ムセンビ(2)は区間新記録を出しています。
また、3年生エース・主将の嵯峨山佳菜未がケガから実戦復帰したこともチームの士気を多いに高めたようです。
(データ)
大阪府予選会 1.09.27 大会新記録
近畿地区大会 1.08.50 1位
平均タイム 9.14 2位(1位・西脇工業、3位・神村学園)

2015 1.08.10 3位
2014 1.07.26 優勝
2013 1.08.33 8位
2012 1.08.15 5位

3000m今期ランキングベスト50位
03位 8.58.86 高松智美ムセンビ(2)
25位 9.15.78 村尾綾香(1)
31位 9.17.18 竹内ひかり(2)

それでは区間ごとにレース展開を見ていきましょう。
(1区)
中盤以降、山梨学院・小笠原朱里(1)、長野東・和田有菜(2)、世羅・大西響(2)、成田・加世田梨花(3)、西脇工業・田中希実(2)らがトップ争いを続ける中、嵯峨山は37秒差の10位でタスキを渡しました。
とにかく慌てず、無理をせず自分の走りをすることを意識したとのことです。このことはレース後、安田監督もインタビューで勝因の一つに挙げ、評価しています。とにかく1区が一番気をもんだようです。
1位を征したのは、長野東の和田でした。ラスト500mで仕掛けようと思っていたとのことで、言葉通り最後はしっかり手を振って後続を引き離しました。意外にも西脇工業・田中は、ラストで付いていけず、17秒差の4位となりました。

(2区)
10位でタスキを受けた高松智美ムセンビはまるで異次元の走り。148㎝の小さな体は、弾むようにみるみるトップに躍り出ます。昨年、最終5区で大逆転を演じた世羅高校の向井優香は、区間10位の不本意の成績でした。まだまだ復調しておらず、7.8割の出来。楽々と高松にかわされ順位を一つ落としてしまいました。これが駅伝のきびしさでしょうか。

考えてみると、勢いがあるのは、やはり1・2年生ではないでしょうか。3年生までその力を維持成長させているのはほんのわずか。
過去印象に残っているのは、新谷仁美(興譲館)、高島由香(興譲館)関根花観(豊川)
小林祐梨子(須磨学園)、鷲見梓沙(豊川)などわずかです。
さて、区間記録ですが、仙台育英のヘレン・エカラレが自身の記録12.27のタイ記録を出しましたが、これは別格。こちらも2年生ですが、体格や足の長さを見ても、とても高校生には思えません。
さて薫英女学院、この時点で長野東との差は、ほんのわずか、タイム差はありませんでした。

(3区)
3区を任されたのは、新鋭1年生の村尾綾香、都府・桂中学の出身です。(そういえば、1区・嵯峨山佳菜未も大阪府外・兵庫県塩瀬中学の出身でした。)桂中学は全国中学校駅伝で堂々の2連覇、全国都道府県大会では8区の中学生区間で区間タイ記録を出した逸材です。
1年生とは思えない落ち着いた走りで、長野東の同じく1年生高安結衣を徐々に引き離していきます。最終的に13秒差で、4区中島紗弥に引き継ぎます。
結局、中島は区間賞と大活躍し、これで薫英女学院の優勝をぐっと引き寄せたのでした。
安田監督、2区・3区・4区には少なからず自信があったとのことでしたが、層の厚さを感じます。

(4区)
4区、中島紗弥(2)も落ち着いた走り、さらに長野東との差を13秒広げ、最終的にその差は26秒となりました。まさに独走状態でした。中島は今季3000mでは、9.29.40とベスト50位にも入っていませんでしたが、終わってみれば区間賞ですから驚きです。4区終了時点で安田監督も、優勝は確実と思ったことでしょう。
(5区)
最終区は、竹内ゆかり(2)。昨年は、急遽1区を走りチーム表彰台に貢献しています。タスキをもらった時点で2位とのタイム差を確認しており、自分だけの走りを心掛けたそうです。
画面からも、落ち着いた余裕の表情が伺いしれました。
今年は、もう少し混戦になるかと思いましたが、2区から薫英女学院がずっとトップだったので、観戦する側からすると面白さには欠けましたが、それほど薫英の底力を痛感しました。

5区は、西脇工業の後藤夢(2)と神村学園の留学生カマウ(1)とのデットヒート、豊川の猿見田裕香(3)の最後の追い上げ、そして陸上競技場のトラックで倒れながらも完走した、愛媛・八幡浜高校、是澤恵夢(3)には感動をもらいました。

薫英女学院高校の2度の優勝と、層の厚さを考えると、まさに強豪校から伝統校になったと言っても過言ではないでしょう。優勝インタビューで安田監督が、地元の先生方が優秀な子を送り込んでいただいたおかげと発言していましたが、まず素質を持った選手を獲得することが、強いチームを作る前提条件である、という図式は否定できないと思います。
今後も大阪薫英女学院高校の活躍に注目していきたいと思います。そして2度目の優勝を心から祝福したいと思います。

最後にNHKの解説者、鯉川なつえさんの心地よい解説はとてもよかったと思います。来年以降もぜひお願いしたいと思いました。
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