最近、地区の秋祭りや、お茶会などの行事が重なり、なかなか出掛けられませんでした。
さて、その福山でのお茶会の帰り、井原市民会館の前辺りでふと田中苑の楷の木(かいのき)を見かけました。ご覧のように早くも一部が色づき始めていました。この楷の木が紅葉するとそれこそ鮮やかな紅に染まりとても美しいのです。
今では、見ごろの頃(11月の初め)には県内外から多くの人が訪れます。田中美術館とセットでご覧になるといいのではないでしょうか!できれば、もう少し足を延ばしていただいて、高屋町の華鴒美術館なども合わせてご覧になると、充実した一日となるでしょう!
田中苑の楷の木のご紹介
楷の木は中国原産の木で、黄蓮樹ともいいます。うるし科の落葉高木で、葉は対生複葉、高さは20m以上に達するものもあります。雌雄異株で花がつくまで数十年を要するといわれています。中国では孔子の生誕の地、曲阜の孔林に多数の巨木があります。日本では、牧野富太郎博士が「孔子木」と命名しました。孔子との関係で「学問の木」ともいわれています。大正4年(1915年)、農商務省林業試験場の初代場長であった白沢保美博士が中国・曲阜の孔子墓所から「楷の木」の種を採取し、当時の農商務省林業試験場で育苗しました。その後、日本国内の孔子や儒学にゆかりのある学校(湯島聖堂3本(雄)、足利学校1本、閑谷学校2本(雌)、多久聖廟1本(雄)など)に配られました。田中苑にある3本の楷の木は、昭和50年前後、馬越恭平翁の孫にあたる人が中国から苗を持ち帰り寄付されたものです。特に市民会館側に植えられた1本は成長も著しく、その紅葉の美しさは現在、閑谷学校の楷の木と並び称せられるほどになっています。