未熟なカメラマン さてものひとりごと

ようこそ、おいでくださいました。

「神勝寺 禅と庭のミュージアム」を訪ねて 福山市沼隈町 平成29年9月11日(月)

2017-09-14 21:04:44 | 美術館・博物館
先日、岡山県と近県の、旅と食をテーマとする情報誌に、神勝寺内のアートパビリオンが掲載されていました。平べったく、まるで未確認飛行物体のような異様な形状と、日本庭園との異色の組み合わせに、これは行ってみなくてはと、出かけることにしたのです。


総門 江戸時代末期京都御苑内にあった旧賀陽宮邸より移築

所要時間は自宅から一般道で30km、1時間弱の行程です。沼隈町に入るとさすがにぶどうの産地、山の傾斜地にビニールハウスが目立ちます。
総門を潜ると左手に受付がありました。ここで境内の案内を受けます。入園料は大人1200円と、少々高めです。通常、寺院というと、少なくとも境内は無料があたりまえですが、こちらでは、すべてが庭園という考えなのでしょう。


松堂 受付を行う寺務所

この神勝寺、パンフレットによりますと、1965年、当時の常石造船株式会社社長の神原秀夫を開基、臨済宗建仁寺派第7代管長益州宗進(えきじゅうそうしん)を勧請開山として建立された臨済宗建仁寺派の特例地寺院だそうです。ミュージアムとしてオープンしたのは、2016年9月11日です。


多宝塔


アートパビリオン洸庭へつづく陸橋


外観はまるで未確認飛行物体

それにしても、とてもきれいに管理された庭園です。カメラの被写体としては申し分ありませんが、まず向かったのは、アートパビリオンの洸庭(こうてい)です。この難しい名前、この建物をいうのか、庭というからには、庭と建物全体を含めたものか、よくわかりません。
建物内での映像は、禅の世界を光と音で表現したものです。
私には難しくて、なかなか理解ができませんでした。照明がすべて消され、真っ暗闇の中で徐々に拡大し消えていく光と音、かなり抽象的なモノトーンの世界です。下には水が張られているようでした。上映時間は25分で、30分ごとに入替となります。


下から見るとこんな感じです


伝統建築のこけら葺きの技法で表面を覆う




ハスがまだ咲いていました

そして、次に向かったのが、茶室・秀路軒(しゅうろけん)です。表千家を代表する書院「残月亭」、及び茶室「不老庵」を、古図をもとに、数奇屋建築の第一人者京都工芸繊維大学名誉教授・中村昌生氏の設計により創建当初の姿に詳細に再現したものだそうです。
 入り口の木槌で来訪を伝えます。そうすると係りの人がすぐに現れ茶室に案内されます。当たり前といえばそれまでなのですが、照明のない薄暗い空間です。毛氈の上に座って待っていると、すぐにお菓子が運ばれてきました。ほどなくして抹茶が点て出しで出てきます。なんという美味、静寂な中でいただくお茶は格別で贅沢ですね。料金は800円と少々高めでした。


秀路軒は不審庵を再現したもの


抹茶とお菓子はとてもおいしい


無明院の枯山水庭園

ひと時を過ごしたあと、次に向かったのが本殿のある無明院です。傾斜地を登ること5分、大きな鉄筋コンクリート造りの塀と建物が見えてきました。砂利が敷き詰められた枯山水庭園の石畳を進むと、階段の上に案内係りの女性の姿がありました。建物の一角に、荘厳堂があり、中には白隠の禅画が展示されています。


荘厳堂 撮影は自由です


白隠彗鶴の禅画や墨蹟

白隠彗鶴(はくいんえかく)は、江戸時代中期の僧で、臨済宗中興の祖といわれています。そのユーモラスとも思える禅画は主に達磨や観音を描いたものですが、すべてに禅問答の問いかけがあります。この荘厳堂には、白隠の禅画・墨蹟200点を収蔵しているそうです。係の女性方が見所や意味を説明してくださいました。一番気に入ったのは「楽は苦の種、苦は楽の種」とかかれた墨蹟です。


カエデが目立つ境内

このあと、本堂を拝見し、長い石段を下り、向かったのが五観堂(ごかんどう)でした。こちらでは名物・神勝寺うどんがいただきます。営業時間が2時半までとなっていましたが、なんとか間に合ったようです。
最初に尋ねられたのが、「麺を茹でるのに20分ほど掛かりますがいいですか?」でした。このあと、修行僧=雲水の食べ方に習って、作法の説明があります。箸はびっくりするほど大きく、麺は、伊勢うどんのように太い麺でした。あとでご飯も出てくるので結構、お腹も膨れます。料金は1000円でした。
奥の庭に出ると、水車があり、小さなせせらぎもありました。


水車とせせらぎ


名物神勝寺うどん、麺は太目


美しい日本庭園


餌をやると群れてくる池の鯉


ニシキギの紅葉


ムラサキシキブ


白いハギが建物と合って美しい


ベニマンサクの紅葉 ハート形の葉っぱがかわいい


非佛堂 写経体験もできる

この神勝寺、池には、この時季にしてはめずらしいハスやスイレンが咲き、遊歩道沿いには、秋の風情を感じさせるハギが白い花を咲かせ、ムラサキシキブがきれいな紫色の実を付けていました。ニシキギや、ハート型の葉っぱがかわいいベニマンサクはすでに紅葉していました。境内には、国際禅道場もあり坐禅の体験もできるようです。
そして一番の魅力は、園内のいたるところに見受けられるカエデ、隠れた紅葉の名所かもしれません。今度は秋のシーズンに来てみたいと思いました。


含空院は滋賀県の永源寺より移築 築350年以上


光悦寺垣に似た特徴ある竹垣
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

焼き物の里 信楽を訪ねて 平成27年8月1日(土)

2015-08-08 16:38:49 | 美術館・博物館
伊勢神宮を訪ねたあと、次に向かったのが焼き物の里・信楽(しがらき)です。朝来た道を引き返し、新名神高速道路信楽ICから10分ほどで到着しました。最初に向かったのが、観光案内所も併設してある信楽伝統産業会館です。そしてその途中で見かけたのが、おなじみの狸の置物です。それも道路を挟んであちらこちらにありました。  

信楽伝統産業会館の駐車場に車をいれ、まずは町歩きのパンフレットを入手します。こちらの施設では、日本六古窯のひとつである信楽焼きの歴史をわかりやすく紹介してありました。外は猛暑、エアコンの効いた館内で一息入れ、町並み散策開始です。最初にメイン道路の信楽駅方面に向かいます。一口に狸の置物といっても大きさや形もさまざま。ここが作家さんたちの腕の見せ所です。中にはサッカーボールを小脇に抱えたかわいい狸もありました。



かわいいタヌキの置物がかわいい

また狸だけではなく、カエルや亀の置物もあります。目に留まったひとつのお店で私が集めている亀の小さな置物を二つ購入しました。それにしても暑い、結局100mほど歩いて今日の町歩きを断念しました。

次に向かったのが、同じ信楽町にある全国的に有名な私立の美術館「ミホミュージアム」です。所要時間は10分ほどでしたが、ナビのとおり進むと細い山道に入ってしまいました。何とか駐車場に到着と思ったら、小型のバスが待機しており受付のあるレセプション棟までピストン送迎をしていました。やれやれ着いたかと思うと、美術館棟はさらに500m.先で、電気自動車の送迎もあるとのことでしたが、もう少しだけ気力の残っている私は、待ちきれず結局歩いていくことにしました。道の両側に植えてあるのが枝垂れ桜、4月の桜並木となりさぞ美しいことでしょう。



トンネルは異次元の世界


つり橋は、美術館のトレードマーク

やがてトンネルに入るとなぜか急に涼しくなり心地よい風が吹いています。照明もセンスがよく、まるで異次元の世界にいるようです。そしてトンネルを抜けるとパンフレットでおなじみのつり橋が見え、その向こうにやっと美術館棟が見えてきました。館内に入ると広いエントランス、そのガラスの壁面の向こうに見えるのは形のよいマツ、まさに和と洋を融合させた見事な作りです。この美術館を設計したのが、世界的建築家=I.Mペイ氏で自然の環境に配慮し、8割を地下に埋没させているそうです。


美しいエントランス、正面の松が美しい

当日は、特別展「生誕300年お同い年の天才絵師 若冲と蕪村」が開催され、とにかく入館者の多いことにびっくりしました。入館料は少し高めの1,100円。JAFの割引が効いて900円でした。蕪村と若冲はまったくの同年代の人物で、しかも一時期京都市内のすぐ近くに住んでいたようですが、当代きっての絵師であるこの二人の交流を示す資料は何も残されていないとのことでした。しかし共通の知人はいたようですので、何か意図的なものを感じざるを得ません。一番気に入ったのは、何といっても当館所蔵の大作、若冲の「象と鯨図屏風」と最後の方に展示されていた、「白梅錦鶏図」でした。また野菜で描いた京都国立博物館像の「涅槃図」もおもしろいと思いました。

帰りはさすがに歩く気力もなく電気自動車にお世話になることにしました。さて、美術館を出てすぐのところに茅葺の家が二棟あるのを発見しました。茅葺の民家に興味を持っている私はせっかくなので訪ねてみることにしました。入口から覗くと、見学の方は事務所までひとこと声をかけてください、とありました。そして茅葺の民家を見学させていただくことに。この建物は、湖北地方から移築した築200年の茅葺の古民家でした。そして目の前には青々とした田園が広がっていました。この施設は、秀明自然農法ネットワークというNPO法人が運営しているそうです。

こうして、信楽から今宵の宿、長浜市の長浜ロイヤルホテルに向かいました。予定の時間より1時間ほど早いペースでした。



湖北地方から移築した築200年の茅葺きの民家
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高知の旅 その1 高知県立牧野植物園 平成27年5月24日(日)

2015-05-28 00:27:30 | 美術館・博物館

正門から本館への道 高知県の植物が植栽されています。

当日の朝まで、行き先を迷っていました。出雲大社にしようか、それとも六甲方面に、いやいや、四国は高知県の牧野植物園にしようかと。
最終的に、まだ行ったことのない高知県立牧野植物園に決めました。自宅を午前9時に出発、瀬戸大橋経由で高知市には、11時半ごろ到着しました。

植物園は五台山にあり、車道は一方通行になっていました。植物園は四国霊場第33番札所・竹林寺に隣接しており付近には大勢のお遍路さんの姿もありました。植物園の第一駐車場はほぼ満車状態、次々と入園者の車がやってきます。
入園口までのエントランスが美しく、木々にはいかにも植物園らしく、ていねいに説明が書かれたプレートがひとつひとつ挿してありました。



本館の中心には竹林があり涼やかな印象を与えています。

受付を入ると、そこは本館で床は心地よい木製です。中央の切り取られた丸い円内には、竹林があり、とても涼やかな印象を与えています。大きな水鉢を多用しているのもこの植物園の特徴でしょうか。一角で季節の花、ヤマアジサイ展が開催されていました。控え気味にこっそり咲くその姿は、飾らない日本人好みでしょうか。中でも、やはり私のお気に入りは、「紅」という品種です。


五台山にある植物園、眺めも抜群です。

回廊を渡って次に向かったのが、展示館です。かなり立派な施設です。富太郎博士の一生が、わかりやすく展示されています。私が感心したのが履歴書に書かれたその達筆な文字でした。94歳という天寿をまっとうしましたが、そこは波乱万丈の人生。子どもは13人もいて、さぞ婦人は苦労されたことでしょう。青年期、壮年期はかなりのハンサム、そして晩年の白髪の笑顔は、もう類人猿(失礼)にも似て、思わず「あなたの人生、よかったですね」と声をかけてしまいました。

お隣のスペースでは、太田洋愛・ボタニカルアート展が開催されていました。写真よりも鮮明でわかりやすい、とても精密な描写です。ボタニカルアートとは、あまり耳にしないことばですが、直訳すると「植物学的な絵画」ということになります。植物図鑑の絵(標本画)がそうです。
1.実物大に描く
2.背景を描かない
3.人工的な物を描かない
4.植物の持つ特性を変えない
という4つの約束事があるそうです。原画を近くで見ると、ほんとに感動します。



太田洋愛・ボタニカルアート展会場 内部は撮影禁止です。


50周年記念庭園から望む温室。広い園内です。

さて、記念館を出て、次に向かったのが温室です。連絡道の下に広がるのは、東洋の園芸植物を中心に集められた50周年記念庭園です。小さな池もあって、トンボやチョウが飛び回っていました。温室は2010年にリニューアルしたそうで、熱帯花木が生い茂っています。大きなバナナの花は初めてみました。このあとガーデンショップのとなりにあったオープンカフェで冷たいジュースでひと休みし、最後に本館で開催されていたサツキ展を見て植物園をあとにしました。
(高知の旅 つづく)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

美術展観賞旅行神戸へ。終日雨でした。

2013-10-22 22:34:25 | 美術館・博物館

兵庫県立美術館 建築家安藤忠雄氏の設計によるもので2002年に開館

10月20日の日曜日、華鴒大塚美術館友の会・秋の美術展観賞旅行があり参加しました。当日は雨の予報でしたが、予報通りしっかり朝から雨でした。こうなると雨かどうか心配することもなく、あきらめがつくというものです。ただ、カメラの被写体という点ではあきらめざるを得ませんね。
本日の訪問先は神戸市で、兵庫県立美術館と神戸市立博物館を訪ねます。高屋を定刻の7時半に出発、総勢39名の参加者がありました。
兵庫県立美術館は、あの安藤忠雄氏の設計によるもので、独特のコンクリートの打ちっぱなしの建物です。素晴らしいデザインで、屋上から大きなカエル(?)が顔を出しているのもご愛嬌です。ただ、デザインを優先しているのか、館内がわかりにくい、という印象もありました。当日は、「橋本関雪・生誕130年記念特別展」が開催されており、最終日ということもあって多くの入館者で混雑していました。若い人が多いというのも印象に残りました。
まず、ミュージアムホールで学芸員さんから、特別展の概要の説明がありました。概略だけとのことでしたが、結局15分ほどかかりました。映像を使用しての説明で内容はよく理解ができました。我が華鴒大塚美術館からも数点貸し出していて、他の大きな美術館と肩を並べて展示されているのを見て少しだけ誇らしく思いました。お話の中で特に印象に残っているのが、「文展に1点入選すると家が建つ」というものでした。文展にたびたび入選したからでしょうか、京都銀閣寺近隣の白沙村荘の紹介では、その立派さにただ驚くばかりです。 

学芸員さんの話で、「これだけ橋本関雪の作品が一堂に集うのは他にない」との話のとおり、各年代、テーマ別にところ狭しと並べられている作品には圧倒されました。関雪の力量を改めて感じました。残された時間内で紹介文まで読んで歩くにはとても時間が足りなくて、結局、作品だけ見て歩くことになりました。華鴒大塚美術館所蔵の「琴高騎鯉図」は特に異彩をはなっていました。あの躍動感はまさに一級品だと改めて思いました。こうしてあっという間に終わった兵庫県立美術館の観賞でした。鑑賞の時間設定には、バス到着が約30分遅れたせいもありますが、今回のように説明があるときには別枠で設ける必要があると感じました。さて次はお楽しみの昼食です。場所は、神戸メリケン食堂とありました。

ポートタワーに併設されたメリケン食堂別館(中突堤中央ビル)、整然と人数分並べられた料理には、威圧感さえあります。まさに団体様用の食事場所という感じでした。土地柄、中国語?韓国語?の団体さんの話し声も聞こえ、さすが観光都市神戸という印象でした。食後、折角なので港周辺を散策してみました。実は数週間前にも来たばかりで、勝手知ったる何とか、で撮影のポイントを歩いてみました。当日は、イベントが開催されていてたくさんのテントが並んでいました。素晴らしい歌唱力のタカラズカ歌手のワンマンショー、B級グルメ、カーニバルの踊りなどなど。しかし雨の中での開催で、誠に気の毒でした。

昼食後は、最後の目的地、神戸市立博物館です、旧外国人居留地の中にあって、建物自体も明治に建築されたものであり、登録文化財となっています。このあたりの町並みは、とてもきれいに整備されています。当日は、「プーシキン美術館展・フランス絵画300年」が開催されていました。関雪を見た後の西洋画は、また違った見ごたえがありました。学芸員さんの紹介もなく、入館するとすぐに絵の観賞となりました。モネ、アングル、ドガ、ゴーギャン、ルソーやゴッホなどの世界的な画家たちの作品を直に見ることができて感激でした。中でも展覧会の巨大パネルにも使用されたルノワールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」、モデルの愛らしい表情は何とも言えません。また、他の作者の作品の中に描かれた白いドレスなども、いくら近くで見ても写真のようにしか見えません。その描写力にはただ驚くばかりです。
ひと通り見ると、予定の時間にはあと1時間もありました。1回のロビー脇の常設展で神戸の歴史や外国人居留地の紹介コーナーを見たあと、館外に出て町並みを散策しました。どこか西洋的な趣きもあって、とてもきれい、町を歩く人々もとてもおしゃれに感じました。さすが神戸だと思いました。

こうして、本日の予定は終了しバスは帰途に。それにしても今日の井笠観光の添乗員さん、中年の男性の方でしたが、まさに完璧な案内。ことばもはっきりして聞きやすく話もお上手。また事務局、役員の皆さまにも、いろいろとお世話になりました。楽しい一日を過ごさせていただきました。



旧外国人居留地跡の一角にある神戸市立博物館。明治時代に建てられ、登録文化財となっています。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

砂の美術館に感動!

2013-07-18 22:25:15 | 美術館・博物館

大作が並ぶ砂の美術館。

7月14日(日)鳥取市の「鳥取砂丘・砂の美術館」に行って来ました。自宅を8時半頃出発、例によって岡山自動車道・賀陽ICから高速に乗り、中国道・津山ICで降りて国道53号線を北上、智頭から鳥取自動車道を経由して、11時半過ぎに現地に到着しました。駐車場はどこも満車の状態でしたが、運よく美術館に近いお土産センターの無料の駐車場に停めることができました。
この「砂の美術館」、初めての訪問でした。資料によると世界で唯一の全天候型の砂像の美術館だそうです。もともと屋外の展示のみでしたが、昨年から作品のほとんどを屋内に展示しています。これにより保存度が随分よくなったようです。世界の著名な砂像彫刻家による作品が、体育館のような会場にずらりと並んでいます。今回で第6期になるそうで、テーマは「砂で世界旅行・東南アジア編」となっていました。会期は今年の4月20日から、来年の1月5日までです。うれしいことに撮影はOKで、多くの入館者が記念写真や思い思いのカットで撮影を楽しんでいました。砂像のうち、アンコールワットは、一番の大作で、クメール王朝の繁栄を表した、象での行進、古い寺院、ジャングルなどが砂のレリーフで見事に表現されています。

それにしても、砂だけでよくこのような砂像を作れるものだと感心しますが、ほんとに砂と水だけで作られているのだそうで、ただただ驚くばかりです。木枠の中に砂と水を入れよくかき混ぜて圧縮して空気を抜き固める、この作業を繰り返して大きな塊(土台)を作るのだそうです。砂像はそのうち水分が抜けて白っぽくなりますが、強度には影響がないようです。
3階にも上がることができ、そこからの俯瞰した眺めは、感動的です。また直接、屋外に出ることもできて、いくつか作品が展示されていました。アウンサンスーチン女史の砂像は大作です。

今日は天気もよく、展望台から見る砂丘と空のブルーがとてもきれいに感じられました。美術館を堪能したあと、もうお昼の時間になっていたので、ちょうど美術館の隣にある、鮮魚仲買人直営の「海鮮問屋村上水産・どんぶり」で昼食を摂ることにしました。人気店だからか、場所がいいのかずっと列ができていました。しかし、丼がメインなので客の回転率もいいのでしょう、先客が5組ほどありましたが、10分少々の待ち時間で席に着くことができました。仲買人直営のお店なので、浦富定置網で捕れた新鮮な魚介類は、当然味も良く、お値段も手ごろです。
このあと、せっかくなので砂丘を歩いてみることにしました。カメラの撮影からすると、歩いたり登ったりと苦戦する観光客の様子、また飛んだり、風にあおられたりする姿も、被写体としては最高なのです。
ということで、私も、日本海岸が真下に見下ろせる馬の背まで歩いて行こうと思いましたが、カラカラに乾ききった砂丘の砂はサラサラで、柔らかく、足をとられて、なかなか前に進みません。特に馬の背の急な斜面は何度も休憩しながら登りました。やっと登りきると、皆さん、安どの表情です。眼下に見渡す日本海の海の景色はまさに爽快。多くの人がカメラにおさめていました。帰りは、斜面を下るわけですが、のぼりと違い、なんと楽なことか。砂がショックを吸収してくれ、膝への負担もなく、走って下りました。こうして車に帰ると、疲れがどっと出て、今日は他を回る気力もなくなり、あらかじめ決めておいた三朝温泉に向かいました。    



とても歩きにくい砂丘。でもあの上まで行ってみたい。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする