先日、岡山県と近県の、旅と食をテーマとする情報誌に、神勝寺内のアートパビリオンが掲載されていました。平べったく、まるで未確認飛行物体のような異様な形状と、日本庭園との異色の組み合わせに、これは行ってみなくてはと、出かけることにしたのです。
総門 江戸時代末期京都御苑内にあった旧賀陽宮邸より移築
所要時間は自宅から一般道で30km、1時間弱の行程です。沼隈町に入るとさすがにぶどうの産地、山の傾斜地にビニールハウスが目立ちます。
総門を潜ると左手に受付がありました。ここで境内の案内を受けます。入園料は大人1200円と、少々高めです。通常、寺院というと、少なくとも境内は無料があたりまえですが、こちらでは、すべてが庭園という考えなのでしょう。
松堂 受付を行う寺務所
この神勝寺、パンフレットによりますと、1965年、当時の常石造船株式会社社長の神原秀夫を開基、臨済宗建仁寺派第7代管長益州宗進(えきじゅうそうしん)を勧請開山として建立された臨済宗建仁寺派の特例地寺院だそうです。ミュージアムとしてオープンしたのは、2016年9月11日です。
多宝塔
アートパビリオン洸庭へつづく陸橋
外観はまるで未確認飛行物体
それにしても、とてもきれいに管理された庭園です。カメラの被写体としては申し分ありませんが、まず向かったのは、アートパビリオンの洸庭(こうてい)です。この難しい名前、この建物をいうのか、庭というからには、庭と建物全体を含めたものか、よくわかりません。
建物内での映像は、禅の世界を光と音で表現したものです。
私には難しくて、なかなか理解ができませんでした。照明がすべて消され、真っ暗闇の中で徐々に拡大し消えていく光と音、かなり抽象的なモノトーンの世界です。下には水が張られているようでした。上映時間は25分で、30分ごとに入替となります。
下から見るとこんな感じです
伝統建築のこけら葺きの技法で表面を覆う
ハスがまだ咲いていました
そして、次に向かったのが、茶室・秀路軒(しゅうろけん)です。表千家を代表する書院「残月亭」、及び茶室「不老庵」を、古図をもとに、数奇屋建築の第一人者京都工芸繊維大学名誉教授・中村昌生氏の設計により創建当初の姿に詳細に再現したものだそうです。
入り口の木槌で来訪を伝えます。そうすると係りの人がすぐに現れ茶室に案内されます。当たり前といえばそれまでなのですが、照明のない薄暗い空間です。毛氈の上に座って待っていると、すぐにお菓子が運ばれてきました。ほどなくして抹茶が点て出しで出てきます。なんという美味、静寂な中でいただくお茶は格別で贅沢ですね。料金は800円と少々高めでした。
秀路軒は不審庵を再現したもの
抹茶とお菓子はとてもおいしい
無明院の枯山水庭園
ひと時を過ごしたあと、次に向かったのが本殿のある無明院です。傾斜地を登ること5分、大きな鉄筋コンクリート造りの塀と建物が見えてきました。砂利が敷き詰められた枯山水庭園の石畳を進むと、階段の上に案内係りの女性の姿がありました。建物の一角に、荘厳堂があり、中には白隠の禅画が展示されています。
荘厳堂 撮影は自由です
白隠彗鶴の禅画や墨蹟
白隠彗鶴(はくいんえかく)は、江戸時代中期の僧で、臨済宗中興の祖といわれています。そのユーモラスとも思える禅画は主に達磨や観音を描いたものですが、すべてに禅問答の問いかけがあります。この荘厳堂には、白隠の禅画・墨蹟200点を収蔵しているそうです。係の女性方が見所や意味を説明してくださいました。一番気に入ったのは「楽は苦の種、苦は楽の種」とかかれた墨蹟です。
カエデが目立つ境内
このあと、本堂を拝見し、長い石段を下り、向かったのが五観堂(ごかんどう)でした。こちらでは名物・神勝寺うどんがいただきます。営業時間が2時半までとなっていましたが、なんとか間に合ったようです。
最初に尋ねられたのが、「麺を茹でるのに20分ほど掛かりますがいいですか?」でした。このあと、修行僧=雲水の食べ方に習って、作法の説明があります。箸はびっくりするほど大きく、麺は、伊勢うどんのように太い麺でした。あとでご飯も出てくるので結構、お腹も膨れます。料金は1000円でした。
奥の庭に出ると、水車があり、小さなせせらぎもありました。
水車とせせらぎ
名物神勝寺うどん、麺は太目
美しい日本庭園
餌をやると群れてくる池の鯉
ニシキギの紅葉
ムラサキシキブ
白いハギが建物と合って美しい
ベニマンサクの紅葉 ハート形の葉っぱがかわいい
非佛堂 写経体験もできる
この神勝寺、池には、この時季にしてはめずらしいハスやスイレンが咲き、遊歩道沿いには、秋の風情を感じさせるハギが白い花を咲かせ、ムラサキシキブがきれいな紫色の実を付けていました。ニシキギや、ハート型の葉っぱがかわいいベニマンサクはすでに紅葉していました。境内には、国際禅道場もあり坐禅の体験もできるようです。
そして一番の魅力は、園内のいたるところに見受けられるカエデ、隠れた紅葉の名所かもしれません。今度は秋のシーズンに来てみたいと思いました。
含空院は滋賀県の永源寺より移築 築350年以上
光悦寺垣に似た特徴ある竹垣
総門 江戸時代末期京都御苑内にあった旧賀陽宮邸より移築
所要時間は自宅から一般道で30km、1時間弱の行程です。沼隈町に入るとさすがにぶどうの産地、山の傾斜地にビニールハウスが目立ちます。
総門を潜ると左手に受付がありました。ここで境内の案内を受けます。入園料は大人1200円と、少々高めです。通常、寺院というと、少なくとも境内は無料があたりまえですが、こちらでは、すべてが庭園という考えなのでしょう。
松堂 受付を行う寺務所
この神勝寺、パンフレットによりますと、1965年、当時の常石造船株式会社社長の神原秀夫を開基、臨済宗建仁寺派第7代管長益州宗進(えきじゅうそうしん)を勧請開山として建立された臨済宗建仁寺派の特例地寺院だそうです。ミュージアムとしてオープンしたのは、2016年9月11日です。
多宝塔
アートパビリオン洸庭へつづく陸橋
外観はまるで未確認飛行物体
それにしても、とてもきれいに管理された庭園です。カメラの被写体としては申し分ありませんが、まず向かったのは、アートパビリオンの洸庭(こうてい)です。この難しい名前、この建物をいうのか、庭というからには、庭と建物全体を含めたものか、よくわかりません。
建物内での映像は、禅の世界を光と音で表現したものです。
私には難しくて、なかなか理解ができませんでした。照明がすべて消され、真っ暗闇の中で徐々に拡大し消えていく光と音、かなり抽象的なモノトーンの世界です。下には水が張られているようでした。上映時間は25分で、30分ごとに入替となります。
下から見るとこんな感じです
伝統建築のこけら葺きの技法で表面を覆う
ハスがまだ咲いていました
そして、次に向かったのが、茶室・秀路軒(しゅうろけん)です。表千家を代表する書院「残月亭」、及び茶室「不老庵」を、古図をもとに、数奇屋建築の第一人者京都工芸繊維大学名誉教授・中村昌生氏の設計により創建当初の姿に詳細に再現したものだそうです。
入り口の木槌で来訪を伝えます。そうすると係りの人がすぐに現れ茶室に案内されます。当たり前といえばそれまでなのですが、照明のない薄暗い空間です。毛氈の上に座って待っていると、すぐにお菓子が運ばれてきました。ほどなくして抹茶が点て出しで出てきます。なんという美味、静寂な中でいただくお茶は格別で贅沢ですね。料金は800円と少々高めでした。
秀路軒は不審庵を再現したもの
抹茶とお菓子はとてもおいしい
無明院の枯山水庭園
ひと時を過ごしたあと、次に向かったのが本殿のある無明院です。傾斜地を登ること5分、大きな鉄筋コンクリート造りの塀と建物が見えてきました。砂利が敷き詰められた枯山水庭園の石畳を進むと、階段の上に案内係りの女性の姿がありました。建物の一角に、荘厳堂があり、中には白隠の禅画が展示されています。
荘厳堂 撮影は自由です
白隠彗鶴の禅画や墨蹟
白隠彗鶴(はくいんえかく)は、江戸時代中期の僧で、臨済宗中興の祖といわれています。そのユーモラスとも思える禅画は主に達磨や観音を描いたものですが、すべてに禅問答の問いかけがあります。この荘厳堂には、白隠の禅画・墨蹟200点を収蔵しているそうです。係の女性方が見所や意味を説明してくださいました。一番気に入ったのは「楽は苦の種、苦は楽の種」とかかれた墨蹟です。
カエデが目立つ境内
このあと、本堂を拝見し、長い石段を下り、向かったのが五観堂(ごかんどう)でした。こちらでは名物・神勝寺うどんがいただきます。営業時間が2時半までとなっていましたが、なんとか間に合ったようです。
最初に尋ねられたのが、「麺を茹でるのに20分ほど掛かりますがいいですか?」でした。このあと、修行僧=雲水の食べ方に習って、作法の説明があります。箸はびっくりするほど大きく、麺は、伊勢うどんのように太い麺でした。あとでご飯も出てくるので結構、お腹も膨れます。料金は1000円でした。
奥の庭に出ると、水車があり、小さなせせらぎもありました。
水車とせせらぎ
名物神勝寺うどん、麺は太目
美しい日本庭園
餌をやると群れてくる池の鯉
ニシキギの紅葉
ムラサキシキブ
白いハギが建物と合って美しい
ベニマンサクの紅葉 ハート形の葉っぱがかわいい
非佛堂 写経体験もできる
この神勝寺、池には、この時季にしてはめずらしいハスやスイレンが咲き、遊歩道沿いには、秋の風情を感じさせるハギが白い花を咲かせ、ムラサキシキブがきれいな紫色の実を付けていました。ニシキギや、ハート型の葉っぱがかわいいベニマンサクはすでに紅葉していました。境内には、国際禅道場もあり坐禅の体験もできるようです。
そして一番の魅力は、園内のいたるところに見受けられるカエデ、隠れた紅葉の名所かもしれません。今度は秋のシーズンに来てみたいと思いました。
含空院は滋賀県の永源寺より移築 築350年以上
光悦寺垣に似た特徴ある竹垣