ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

大前研一氏、アップルはアンドロイドに負けると予言

2010年12月31日 | モバイル・ウエアラブル
昔、Visor、ClieとパームOSのPDAを使って、「なぜこれで電話がかけられないのか」と素朴な疑問を感じていた。
その後、PDAにもなる電話機を志向してNokia6630, HTC X01HTと出始めのスマートフォンを使ってきた私としては、最近のスマートフォンブームは「来るべくして来た」と感じている。
スマートフォンに関しては、まだ「ビジネス用」「使いこなせない」というようなイメージがあるが、パソコンがワープロ専用機を駆逐したように電話機は多かれ少なかれスマートフォン的なものになっていくだろう。

この一年間でiPhoneはかなりシェアを伸ばしたが、これからアンドロイドOSのスマートフォンがどうなるか、気になる。
これについて、週刊ポストに大前研一氏が書いたコラムが結構面白い。

まず、WIN対MACでMACが負けたことを引き合いに出して、「その二の舞だ、それもわからないジョブスはどうかしている」という論調。そんなことわかっていないわけがない。ジョブスは当事者だったんだから。

そもそもアップルとGoogleはまったく違うビジネスモデルで戦っている。アップルは囲い込み、Googleはオープン、アップルはハード、Googleは広告収入。

囲い込みの方が儲けはでかい。だからアップルは囲い込みを徹底的に行い、それが継続するように商品のデザインにこだわり、信者を作るようなマーケティングをしている。

大前氏が言う
「ジョブズがスマートフォンで勝者になりたいなら、iOSをアンドロイドと同じくオープンソース、あるいはそれに近い方式にして誰でも自由に使えるようにし、SIMカードもフリーにしてユーザーがキャリアを自由に選べるようにすべきなのである」

はまったく的外れだ。そうしないことがアップルなのだ。今のアップルのビジネスモデルでOSをオープンにすることのメリットは何もない。少なくともこれで今はうまく行っており、アップルはGoogleよりも儲かっている。

大前氏は、中国には安いiPhoneのコピーがいくらでもある、という。それらは15ドルくらいで販売され、バッテリーも自分で交換でき、SIMが3つも装備できるものもある、これが正解なのだ、という。

いや、こいつらは中身は単なるGSM携帯であって外見だけのコピーであり、iPhoneの提供するエクスペリエンスはひとつも存在しない。そんなことより、バッテリーの交換やSIMフリーのほうが大事だ、といいたいのか?
どうにもこの喩えが言いたいことが今ひとつ理解できない。

確かに、今後アンドロイドを搭載した廉価モデルが登場し、OSの販売総数ではiPhoneを抜くだろうが、iPhoneは今のポジションをキープすると思う。

英語

2010年12月31日 | 雑記
雑談です。

高慢な言い方になっちゃうけど、もう英語で困ることはないとおもっていた。
夏のロス出張では無難に会議でスピーチをこなし、議論し、結論を出した。
しかし。

会議の後、アメリカ人4人とメキシコ料理の夕飯を食べに行って、彼らの話が家の換気孔の修理になってからどうもツボにはまったらしく、全員早口で盛り上がってしまい、正直1ミリも話しについていけず。really,hahaha,などといい加減に相槌を打つしかない状況になった。

で、大いに自信を失って帰ってきた。

テレビ通販で、「聞き流すだけで映画が字幕なしで楽しめるように」なんて言ってるけど、映画の会話はそう簡単には理解できない。ネーティブのナチュラルスピードは全く別モンだよね。Toeic900点でも映画は理解できないと思う。

ということで、最近は通勤途上で歌詞カードを見ながら英語の歌を聞いている。

若いころ、ディスコのチークタイムの定番だったプロコルハルムの「青い影」。
sixteen but still virgin
16歳で処女だとBut stillといわれるのか、やはり外人は早熟だね、なんて妙に感心していたんだけど、実は

sixteen vestal virgins (16人のウェスタの巫女)

であることがわかったり。

ITSがいまだにドライブスルー決済なんていってる

2010年12月30日 | ITS
時事.COMに、来春から始まる次世代ITS=ITSスポットサービスで近い将来ドライブスルーのキャシュレス決済が可能になる、というような記事が掲載されている。

もちろん、国交省が設置するITSスポットがこのサービスを実現するわけではなく、それに対応したカーナビ(ITSスポット対応ナビゲーション)がそれを可能にするわけだが、どうしてITSをやっている人たちはこの「ニッチの中のニッチ」のような利便用途を過大に評価するのか。まったく理解できない。

ドライブスルーで料金決済が車載器でキャッシュレスでできたとして、それに対価を払う価値があるか?
そもそも年に何回使う? 
さらに、所詮商品は止まって手渡しされるのに料金だけが車載器決済って、そんなに便利なものか?

もうひとつ理解できないのがITSスポットが設置されたサービスエリア(SA)や道の駅の専用エリアでは、インターネットに接続して、地域の観光情報などの閲覧が可能、ってサービス。

これは、明らかに「何が求められているか」ではなく「何が技術的に可能か」という発想で無理無理始めるサービスだ。
観光情報なんていまどき携帯でみれはいい。
というか、SAや道の駅は休憩やお土産購入のために立ち寄るんだから、観光情報は施設内で提供すればいい。

そもそもDSRCの民間商業サービス利用はいくらやってもさっぱり商売にならないんだから、いい加減あきらめたほうがいいと思うけどね。

ReadWriteWebの2011年予想

2010年12月29日 | モバイル・ウエアラブル
WEBテクノロジー関連の有力ブログ「ReadWriteWeb (RWW)」主宰者のRichard MacManus氏は、最近の記事で2011年の(webに関する)予言を行っている。

1.(iPad用のブログ・ツイッターリーダーである)FlipboardがNews readerとしてブレイクするだろう

これは、結構うなずける。Flipboardは見た目のデザインがとてもかっこいい。読む気になるリーダーアプリだ。
他のソフトやソーシャルサービスとの連携、他のプラットフォームへの対応で、さらに拡大する可能性がある。

2.2011年末までに、電子ブックは20%のシェアを獲得するだろう

北米では、2009年の電子ブックシェアが3.31%、2010年のそれが9.03%だという。
そこから類推すれば、20%は決して「大胆な予測」ではないかもしれない。
しかし、日本ではまだまだ先のことだろう。

3.インターネット自動車が大ヒットする

ははは。これは絶対に実現しないといっておこう。
記事にある「AutoBot」は、まだサービスを開始していないスタートアップだが、その事業内容は以下のとおり。
車両に通信モジュール(GSM系のGPRS)を組み込んだCANアダプター(車両情報通信ネットワークと通信する)を仕組み、スマートフォンで車両を遠隔操作できる、というもの。装置が300ドルで、それにプラスで月々の通信料もかかるだろう。

できることは、ロックアンロック、パワーウインドウの操作、駐車位置がわかんなくなったときのヘルプ、盗難されたときのトラッキング、など。

これほしい?

4.インターネットTVがブレイク

GoogleTVの立ち上がりの不調(米3大ネットワークがコンテンツ提供を拒否)にも言及しながら、2011年は消費者の認知が進み、コンテンツも改善することで(少なくとも北米では)ブレイクするだろう、といっている。

本当かな?どうもTVとネットは「親和性」が悪いように思えて仕方がない。
一人暮らしならともかく、家庭における居間のTVの画面と、きわめて個人的な行為であるネットサーフィンは絶対に融和しない。
それが数々のセットトップボックスの失敗につながっているのではないか?

GoogleTVもAppleTVも、たいしたことにはならないと思う。

5.POPミュージックスターがWEBでなんかすごいことをやる

これは、私はわからない。まあそんなことはあるだろう。

6.おまけ 2011年末時点での最も見られているYOUTUBEはもはやJustin Bieberじゃない。

Justin BieberはYOUTUBEからブレイクした弱冠16歳のカナダ人アーチスト。
ここに書かれていること(コメディアンと赤ん坊のコラボ)は何かジョークのようだが、私にはきちんと理解できなかった。

iPad用ブルートゥースキーボード付きケース

2010年12月28日 | モバイル・ウエアラブル
ebayで注文していたipad用ブルートゥースキーボード付きケースが届いたので、試しにそれで入力している。

実はタイのMBKで値引き交渉後実売2000バーツ(6000円弱)で売っていて、買おうかどうかかなり迷ってやめたのだが、ebayで香港の業者(TOMTOP)で送料をいれてもそれより安く購入(送料込みで4166円)できることがわかったので帰国後に注文した。香港からの発送なので、すぐ届いた。
国内の小売店で販売されている12800円のものと同じかどうかはわからない。
写真から判断するに、ケースはちょっと安っぽいが、キーボードは同じものの様に見える。

日本語入力が出来るか不安だったが、全く問題なし。Mac同様、日英はコマンド+スペースキーで切り替わり、普通にローマ字入力が可能。ブルートゥース接続設定も超簡単。英語の説明書しかついてないが、まあ困らないでしょう。

ただし英語キーボードなのでEnterキーがちいさく、enterをするたびに必ず”」”を一緒に押してしまう。まだブラインドタッチはできないが、それでも標準のソフトキーボードよりは断然良い。また、矢印キーがあるので、画面をタッチしてカーソルを動かすイライラからは解放される。
また、コピペもキーボードショートカットで機能する。

難点は、ケースとして見た時の使い勝手かな。タブレットとして使う時に全然持ちやすくない。
後は重さ。ipadと併せて1.2キロを超える。これなら軽量ノートの方がいいかもね。





交通事故死者数の減少

2010年12月28日 | 雑記
今年の交通事故死者は25日現在4775人。
5000人を切った昨年レベルとなりそうだ。

警視庁交通局が交通死亡事故についての統計資料を毎年まとめてる。
平成21年度版はここで入手できる。

このレポートは近年死者が減少している理由は以下であるとしている。
1.シートベルト着用率の向上、2.(事故発生直前の)車両速度の低下 3.無謀運転の減少、4.歩行者の法令遵守

しかし、シートベルト装着率はもうかなり昔から高かったのではないか?
事実、平成11年で81.8%から平成21年で93.3%に伸びているけど、増加率は1割強であり、それほど大きく事故死者減に寄与したとは思えない。
これは着用推進運動の手柄を強調したい警察の思惑だろう。

むしろ、若者の車離れが最大の要因ではないか。
実際、平成元年には3000人以上の若者(16歳~24歳)が交通事故で亡くなっているが、平成21年にはわずか519人だ。
平成になってから全ての年齢層で死亡事故は減少しているが、16歳~24歳の減少は圧倒的であり、この20年間で減少した死亡者5000人の半分は若者なのだ。

そして、これがまさに車両速度の低下と無謀運転の減少に関係しているのだろう。

そして我が国のITSだが。

今や、交通事故死者の約半数は歩行者、自転車で、その大半は高齢者だ。
自動車乗車中の事故死、いわゆる「走る棺桶型」の事故死者は平成21年度で1600人にすぎず、これは一貫して減少している。

さらに、1600人のうち、高速道路で亡くなった方はわずか180人。1割にすぎない。交通事故死全体でいえば3%程度。
そのうち追突などの車対車の事故はその半分以下、60人程度。
我が国の交通事故死者の1%程度だ。

一方でITSスポットは、高速道路の前方にある落下物や渋滞を後続車両に情報提供することで交通安全への寄与を謳っている。
しかし、それで防止できる交通事故死は極めて限定される。

2010年度、国交省は250億円をかけ、主要高速道路にITSスポット1600基を設置した。さらに、今後拡大していくと言っている。

ITSスポットは対応車載器が普及しないから宝の持ちぐされになる、と言ってきたが、100歩譲って仮に普及したとしたって、この程度の効果しかない。

本当にこれが正しいのか?

徳大寺有恒氏「女にモテる車を作れば若者の車離れは止まる」

2010年12月28日 | 雑記
「間違いだらけの車選び」でおなじみの自動車評論家、徳大寺有恒氏が週刊ポストで「女にモテる車を作れば若者の車離れは止まる」と語ったことに対して、「間違いだらけだ」「発想が昭和だ」と若者からの反論にあっている。

「女にモテる車を作れば若者の車離れは止まる」こと自体は正しい。「女にモテるXXX」があるなら、それがなんであれ絶対に売れる。
問題は、「車ではそんなものは作れない」ということだと思う。

モータリゼーション勃興期に若者だった徳大寺氏には、「車所有の有無と女にモテることは関係がない」という現実が直感的に理解できないだろう。

なぜ民主はまだ高速道路無料化を言うのか?

2010年12月25日 | 高速道路
高速道路平日2000円の発表に伴って、馬淵澄夫国交相は今後の無料化政策について「今は財政的な制約があるが、しっかり進めていく」と説明。新料金を導入した後も無料化の対象区間を拡大していくとした。

民主党が「しっかり」という副詞をつかうときは、たいてい「出来るか出来ないか分からない」場合で、かつそれはほとんど実現しないので注意が必要だが、これに限っていえば、なぜここに至っても無料化に拘泥するのだろうか。

ほとんどの調査で、無料化に対しては世論はネガティブだ。
自家用車を保有する20~60代自動車運転者を対象にした三井ダイレクト損保の調査で賛成反対はおおむね拮抗。
クルマ好きの人しか見ないと思われる「みんカラ」のアンケートでも何故か反対が8割。その他、自動車を持たない人まで対象を拡大した調査ではすべて反対が賛成を上回る。
政策コンテストでも散々な結果だったはずだ。

確かに高速道路無料化は馬淵氏の公約だったのだろうが、いまやそれは国民の意向に沿っていない。なのにまだ「しっかり進めていく」という大臣の意図は何なんだろう。


高速道路料金とETC

2010年12月25日 | ITS
昨日の報道では高速道路料金について、普通車平日2000円上限、土日1000円上限、軽・エコカーは常時1000円、中大車は従距離だが、大口、早朝深夜割を継続、というようなことで落ち着くらしい。

中大車が従距離となったが運輸業界からは特に反論が出ていない。各種割引を考慮すると、上限5000円よりは現状の方がいいのだろうか。
このへんがよくわからないが、我が国の高速道路料金は外国に比べ異常に高かったので、上限2000円というのはそれなりの落とし所だと思う。
ただ、70キロまで2000円、それ以上いくら走っても2000円というのはちょっと近距離利用に対して不公平な感じがする。

いずれにしても国交省が苦労してシミュレーションし決めた料金だろう。それを選挙対策とかで土日1000円の継続についてあっさりひっくり返されるんじゃ、役人の皆さんもやってられないだろう。

私が一番不満に感じるのはETCの扱いだ。どうも国交省は割引にETCを必須にしたいが、政府内に反論がある、というような感じを受ける。
はやくETCがいるのか、いらないのかを明確にした方がいい。

民主党のなかにはETCそれ自体の機能とそれにまつわる天下りや不透明なセットアップ手数料などをゴッチャにして、感情的に反対を唱えている人がいるのではないか?
いま、ETCの普及で有人収受でもさほど時間がかからない。ETCから割引特典を取ってしまったら、ユーザーにとってETC装着によるインセンティブは「ノンストップ」だけになり、これ以上の普及は望めなくなる。

しかし、そもそもETCを始めた理由は料金収受の合理化や、ITSへの活用だろう。ここで普及を止めてしまっては、今までかけたコストが無駄になる。
また、ETCによる合理化がコストを下げているのであれば、ETC装着車だけが割引を享受できる、ということにはそれなりの理屈がある。

いずれにしても明確にしないとユーザーにはETCをつけた方がいいのか、無駄になるのかの判断ができない。メーカーも来年の生産計画が立てられない。
ETCをどうするのかの方針を早く決めてアナウンスするべきだ。

3Dテレビ クリスマス商戦惨敗

2010年12月23日 | 雑記
3Dテレビが売れるわけない、と何回か書いたが、日本はもとより、アメリカでもクリスマス商戦は惨敗らしい。

私は、この商品が鉄板で普及すると大さわぎしている家電各社が不思議でしょうがなかった。

リンク先では「いずれは普及するが、今はコンテンツ不足、価格が高い」というような書き方だが、私はそもそも3Dテレビという商品自体、たいして普及しないと思う。

商品力は確かにある。しかし3Dなんて色物で、日常的に観るものではない。
茶の間でバラエティ番組やドラマを家族で(眼鏡かけて)で見る、なんて状況はどうにも想像できない。
映画だって、もしかしたら一時のブームで終わるかも知れないと思ってる。

まあ、数年たてば答えがでるでしょう。

ITSへの電波割り当て

2010年12月23日 | ITS
ITSスポット1600カ所、250億円の無駄使いについて書いてきたが、1月から設置開始ということはメーカーへの発注もたっているだろうから、いまさらどうしようもない。

なので、今からでも間に合う将来の計画に対して疑っていこう。

アナログTV波停波後の電波活用として、700MHz帯のITSへの割り当てが決定しているが、本当に使うのか。
SBの孫社長などが主張しているように、実用性に疑問がある用途に大切な電波を割り当てるのはやめて、携帯通信使うべきだという議論がある。

ITS(車車間通信)が本当に交通事故死者を削減することができるのなら、大切な電波を割り当てることに何の異論もない。しかし、この車車間通信が交通安全にどんな効果があるか、大いに疑問なのだ。

そもそも我が国の交通事故死者は、クルマ対歩行者、クルマ対自転車、二輪車で大半をしめており、4輪車同士での死亡事故は居眠り運転などによる正面衝突など重大事故に限定される。

一方で700MHz帯の車車間通信が防止する事故は、信号のない交差点での出会いがしらや、高速道路でのブレーキ感知による追突防止など、どちらかと言えば軽微なものが多い。

さらに、車車間は双方のクルマに装置がなければ機能しない。全てのクルマに装置がつくまでは機能しない。

実現のためにやらなければならない事と、それによる効果が見合わない。

事故死者減に実効を上げるためにはクルマ以外への拡大が必要だ。
これを通信でやるというのなら、二輪車、自転車、歩行者はどうするのか。国民全員が自動車とぶつからないように携帯機器を持つことになるのか?

この、700MHz帯を活用したITS(車車間通信)に関しては、どうしても有効であるというイメージがわかない。
宝の持ち腐れとなる前に、携帯通信に開放するべきだろう。

ITSスポット対応ナビ、ETCが普及しない理由

2010年12月21日 | ITS
昨日のエントリーで、ITSスポット対応のナビやETCは「普及に時間がかかる」のではなく、「普及は望めない」と書いた。
その理由を簡単に説明しておく。

確かに、ITSスポット対応ナビは今後ある程度市場に投入されるだろう。ITSスポット情報の表示対応であれば、それほどのコストアップではない。当然のことだが、ITSスポットビジネスに与している電機メーカーはこの機能を自社のカーナビに搭載するだろう。
しかし、全部ではない。上位機種だけになるだろう。

ポイントはITSスポット対応のカーナビをつけても専用のETCをつけないとITSスポット情報は表示されない、ということだ。これの普及は絶望的だと思う。その理由は以下の通り。

1.そもそもビーコンVICSがどれだけ普及しているのか?市場認知すらあやしい。一般的なユーザーはビーコンVICS(光、電波)がなんであるか知らない。
光ビーコンは旅行時間情報も発信するので、渋滞迂回ルートを案内するが、それもほとんど市場認知されていない。
ビーコンは光と電波で4万カ所に設置され、すでに10年の歴史があるのだが。

2.ETCはすっかり普及しており、ITSスポット情報のために買い替える人がいるとは思えない。しかも、ITSスポット対応ETCは高い。ETCの本質はノンストップ高速道路料金支払い機であり、ITSスポット情報機能はおまけ機能にすぎない。おまけのために買い替えるユーザーは多くはないだろう。

民主党「ITS議連」がITSスポットを視察

2010年12月20日 | ITS
国交省は12月6日、民主党「ITS議連」の国会議員にITSスポットの体験試乗を実施したらしい。

ITSスポットはVICSビーコンの次世代である、という説明を行ったようだが、民主党の議員さんたちはこの仕組みに税金を投入する価値を感じたのだろうか?

とりあえず、「ナビもETCも新しい物にしなければならない事はわかりました。普及には時間がかかりそうですね」という感想があったようだが、具体的な内容は報道されていないのでわからない。

「普及に時間がかかる」ではなく、「ほとんど普及は期待できない」が正しいだろう。

これが安全に寄与するというのなら、なぜその普及に時間がかかる特別なナビを付けた車だけに個別に情報を発信するのか?
その情報を誰でも見れるような方法(路側表示など)で配信するのが正しいのではないか?というような、基本的な質問はでなかったのだろうか?

こんなものに税金を投入する価値があるのかどうかをきっちり見極めるのが、国民に選ばれた国会議員の役割だろう。

タイ出張

2010年12月18日 | 雑記
一週間のタイ出張から今帰国。京成の中で書いている。
今回は公衆LAN経由で会社のメールにアクセスすることができた。一週間未読を溜めると、とても週末だけでは処理ができない。
とは言え、毎晩遅くホテルに帰り、かつ毎朝5時に起きて2時間集中してメールを処理するのも結構ハード。メールがない世界なんていまや想像もできないが、メールがたまる事への強迫観念みたいなのがある。

今回は取引先を精力的に回った。
バンコクから150キロほど東へいった田舎にある日系サプライヤーさんの打ち合わせが長引いたので、近くで軽く夕食というお誘いがあり、まあ田舎だから手軽なローカルフードかと思ってお受けしたら、田舎のリゾートホテルの中の和食だった。

私は結構アテンドのつかない出張が多く、自分でローカルフードを食べに行く事を楽しみにしている。
はっきりいってタイの田舎の和食で一回分を無駄にされるのは大迷惑なのだが、おもてなしなのでお受けするしか無い。
タイ料理は口に合わない人がいるからという気の使い方なのだろうが、まあ一言聞いてほしかった。

以前LA、ラスベガス、NY、アムス、ミラノという世界一周出張をした時は各所でアテンドがあり、ミラノ以外全部和食だった。まあアメリカ料理よりはましかもしれないけどね。
現地の日本人はお客さんが来ると自分が食べたいので和食を選ぶ。外国の方は気を遣って日本食を手配する。流行だから自分が行きたい、ってのもあるだろう。

後者の場合は好ましい気使いで、こちらも和食の文化や食材について講釈垂れる事で話がはずむので結構楽しいが、前者のケース、決まり文句は「そろそろ和食が恋しい頃かと思いまして」はやめて欲しいね。
と、おもてなしされる身分でこんなわがままをいってはいけないんだろうけど、やはり「なにがCSかはお客様に聞け」という事なんでしょう

なお、そのサプライヤーさんの工場は生産管理、品質管理ともとても優れたものでした。

ビジョンなき高速道路料金

2010年12月18日 | 高速道路
今度は土日1000円を継続するという。
確かに一度値下げしたものを元に戻せばそれなりの批判はあるだろう。しかし、従来3年間でつかうはずだった割引による財源2兆円はこれにより2年で使い切ることになるという。

報道によれば、継続する理由は選挙対策だそうだが、民主党の戦略ってのは、すべからく「政権を維持すること」なのだろうか。

この割引で根本的な高速道路行政であるボトルネックやミッシングリンクの解消のための道路建設費が犠牲になる。
わが国の財政と土日の行楽で往復2000円の出費増を天秤にかけたら、私は喜んで2000円を出費する。

さらに、私はこれが選挙でプラスに働くとはとても思えない。
土日1000円に起因する渋滞に嫌気を感じている国民は多いし、むしろバラマキはやめたほうがいいといっている国民も多い。それが支持率低下につながっている実際の理由なのではないのか。

ここで1000円を継続したら、もう未来永劫1000円にするしかない。その覚悟があっていっているのか?

高速道路料金は、まだまだ迷走するだろう。