ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

BMWのカーシェアリング、会員の38%が「車を売った」

2015年06月29日 | ITS

BMWが2011年からドイツとイギリス、一部アメリカで事業を展開しているカーシェアリング「Drive Now」は現在45万人、すでに収益は黒字化しているという。車両はミニとBMWの1シリーズ。1分31セント(1時間3000円程度)。決められたスペースに駐車されている空き車両はスマホで検索でき、街の中にある駐車スペースならどこでも乗り捨て自由、ガソリン代込。駐車中予約をキープする場合の料金は1/3程度に設定されている。

我が国のカーシェアリングであるTimesと比べるとかなり高い設定だが、乗捨できるから実際に乗っている時間だけの課金となり欧州の道路事情を考えれば街の中の移動は1000円程度で済むのではないか。

BMWの発表によれば、会員の38%が所有していた車を売却したという。これではカーメーカーにとってむしろマイナスなのではないかと思うが、BMWの顧客は50代以上、Drive Nowの会員はもっと若く、競合しないという。

路上駐車スペースに乗り捨てが自由にできる交通環境であれば、こうしたカーシェアリングが圧倒的に合理的であり今後さらに拡大していくだろう。BMWやベンツ、また他の報道によればFORDもこの市場に参入するのは何故か?

サードパーティーに主導権を持たれれば、カーシャアリングにBMWやベンツといった高級車が採用されることはない。普通に考えれば故障しない日本車か、安い韓国車が選ばれる。それこそカーメーカーに取っては悪夢でしかない。

将来を見据えれば間違いなく拡大するマーケットであれば、自ら参入して流出を食い止めようという考え方だろう。

今までこのブログで車+通信に市場なんてないと言い続けて来たが、このビジネスこそは車載の通信ユニットがあって初めて成立する。スマホが普及したことで、今後爆発的に拡大する可能性すらある。

基本的に路上駐車ができず、公園などの公共駐車場もほとんどない日本にいては想像もつかないビジネスであり、それがゆえか日本車メーカーでこれに参入するという話は聞かない。今後出てくるであろうサードパーティーが経営するカーシェアリングに車両を売り込むビジネスしかできず、それは極めて利益率が低い商売にしかなりえない。ここで後塵を拝すのは痛いんじゃないかと思うけどね。


佐川印刷事件とシンガポールのサーキット

2015年06月25日 | 雑記

京都の印刷会社「佐川印刷」元役員が会社の金を個人的に投資に回していたという。 Yahoo ニュース

ここで気になったのは、シンガポールのサーキット場建設に54億円。なぜにサーキット場の建設なのか調べてみたら、どうにも胡散臭い話がゾロゾロでてきた。

まず、シンガポールのサーキット場というのはこの話。

Super Formula 公式ページ

54億円を投資した相手はここに登場する村橋氏。シンガポールのサーキット場は「チャンギ・モータースポーツ・ハブ」。

これに関しては日本ではほとんど報道されていないが、シンガポールではちょっとした事件として話題になったようだ。まず、2011年中に完成するはずだったこのサーキット場は建設工事着工直後に工事がストップし、事実上ほとんど工事が行われないまま計画は止まってしまった。工事を請け負っていたのが村橋氏のSCGという会社。工事がストップした理由は資金難ということだが、工事を始める前に資金難とはいったいどういうこと?

さらに入札時に示された東京三菱の預金証明書が偽造だったという話もある。つまり、54億円という金はどうやらどこにも使われていないのだ。

シンガポールの汚職摘発局から、この工事の発注にあたってシンガポールスポーツ委員会に不正があったという捜査も行われたようだ

SCGが工事を請け負った際のSCGの社長は元レーサーの橋本某氏。橋本氏はマレーシアの国営石油ペトロナス製高級モータースポーツオイルの日本代理店になったということを2007年の東京オートサロンで発表。マレーシアにレースを誘致する等の活動もしていたようだが、SCGからは早々に身を引いている。しかしその後、東南アジアからコピー版DVDナビ地図を輸入し販売したとして逮捕された。

橋本氏の後に実業家の佐久間某氏が取締役としてSCGに参加したようだが、この佐久間氏もヤバい話まみれ。ゴールドバレルソシアルクラブというアジアのリゾート会員券のMLMビジネスをしていたが、この名前で検索するとだまされた人の恨み節みたいなのがぞろぞろでてくる。

ということで、このシンガポールのサーキット場、建設されずに終わっているがここに絡む日本人はみな何らかの暗い一面を持っている。54億円はいったいどこに行ってしまったのだろうか。

 


カーシェアリングと自動運転

2015年06月16日 | 自動運転

中国に駐在するにあたり日本の車は売却をした。日本に家は残してあるが家人は誰も運転しないし、年に数回しか帰らないのだから車を置いていく理由は全くない。しかし帰った時にはやはり何かと不便なのでTIMESのカーシェアリング会員になったということは前にも書いた。

偶々日本の自宅から徒歩3分程度の場所にステーション(シェアリングの車をおいてあるTIMESのパーキング)がある。TIMESは15分200円、距離制限無し、ガソリン代保険料込という料金で、短時間であれば非常に便利なのだが、出先で長居すると結構料金がかさむ。これはレンタカーも同じで、使っていない時間も課金されるのは仕方がない。

しかし、ダイムラー・ベンツが欧州と北米で展開しているCar2Goというカーシェアリング、これも前に書いているが、は決められた街の中であればどこでも乗り捨て自由で、乗ってから降りるまでの課金となる。片道15分の場所にいって、半日用事をして戻ってきた場合、30分間の課金ですむ。これがTIMESであればたったの400円。使っている時間だけ課金されるようになれば、経済的に考えて車を保有するよりはるかに有利になる。

もちろん帰るときに乗ってきた車がそこにある保証はないのだが、Car2Goであればだいたい徒歩10分圏内で空いている車が見つかるようだ。

もし完全自動運転が実現すると、カーシェアリングの車は呼べばきてくれることになる。そして行き先の玄関先でそのまま乗り捨ててもよく、さらに使った時間だけの課金となる。この状況を想像すれば、よほど趣味的な理由がない限り自分で車を持とうとは思わないだろう。

これが自動運転とカーシェアリングという、一見あまり関係ないような事柄が密接に結びついている理由なのだ。

ただし、完全自動運転の実現までにはまだまだ相当の時間がかかる。技術的にはもう大きな障害はないが、万が一の事故発生に対するリスクを自動車メーカーもしくは運営者がとる仕組みができていない。先進運転補助システム(ADAS)はかなり自動運転に近い所まで来ているが、運転者による操作を可能としており事故発生時には運転者の責任となる。しかし完全自動運転の場合はそうは行かない。そのリスクを完全に排除するためには道路のインフラ整備が必要で、とてもじゃないが東京オリンピックまでに実現なんていうスパンでの話ではない。 誤字訂正 車→者


中国のウナギ養殖にまつわるデマ

2015年06月12日 | インチキ・疑似科学

中国に住んでいるからといって決して中国の肩を持つつもりはないし、むしろこの国の拝金主義やいい加減な管理はいやというほど見てきている。

しかしそれにしても最近の日本での中国に関するネット情報にはとんでもないものがたくさんあり、さらにはそれを真に受けてしまう人か多いのはどうしたものか。

たとえば。

まあ、日刊ゲンダイをソースにしているあたりでどうかと思うのだが、ブログ書いてるってことはネットにつながってるんだろうから、もうちょっと調べてからものを書いたほうがいいのではないかと思う。

大手のウナギ養殖場は福建省に多く、その設備はかなり近代化されており日本の養殖場と変わりはない。品質管理がどこまでされているのかといわれると私は工場見学をしたこともないのでコメントは控えるが、少なくとも死体を餌にするなんてトンデモ話はやめてほしい。また、成長ホルモンと奇形児の話はかなり調べたが日刊サイゾーの記事くらいしか出てこなかった。

中国のウナギ養殖場はスケトウダラをベースにした「ホワイトミール」を使っているが、これは日本では高いので高級品にしか使われていない。それが中国産ウナギの肉厚の理由であり、実際ブラインドテストをすると国内の養殖ウナギよりも評価が高かったという。また、ウナギの養殖は高いシラスウナギを仕入れなければならず、かなりの投資が必要であり「50元で買った死体を餌にする」というレベルの事業では全くない。(以上、多くはここから)

餌代をケチって死体を使う業者がどうして極めて高価な成長ホルモン剤を過剰投与するのか。薬品投与で以前問題になったのは抗生物質。(中国に来ると風邪ひかない、なぜなら食品に抗生物質が入っているから、という駐在員の冗談では使われる話)

この死体の話の根っこは「中国では水葬する際に手間がかかるのでウナギ養殖業者に売り払う。すると50元で売れる」という別ソースだと思うが、そもそも中国に水葬という習慣はない(チベット仏教を除く)。

大体、人間の死体という供給不安定な餌をたよりにしているわけがないし、そんなに粗末にされる死者(身寄りがないとか、浮浪者とか?)がごろごろいるとは到底思えない。こんな常識で考えてありえないような話は疑ってほしいのだが、FB等で拡散するひとが多いのが残念だ。


滴滴快的と北京汽車、自動運転車などで戦略提携、

2015年06月11日 | 自動運転

北京日報によれば中国自動車大手の北京汽車集団(北京市順義区、北京汽車)はこのほど、タクシー配車アプリ中国最大手の滴滴快的と戦略提携を結んだと発表した。自動運転車に関しての連携とみられる。

適適快的はタクシー配車アプリ会社。大手二社が合併したので事実上中国のタクシーアプリの独占企業となっている。タクシー配車アプリは日本ではなじみがないが、東南アジア各国ではきわめて日常的に使われている。スマホでアプリを立ち上げ、行先を入力(音声入力も可)すると数分で近くのタクシーから応答があり、その後運転手から電話がかかってきて詳細の居場所を伝える仕組み。タクシー運転手は自分のスマホで応答する。これが流行しているためスマホを持たない人や運転手としゃべれない我々外国人はタクシーを捕まえるのが非常に難しくなってきている。とんだデジタルデバイドだ。

(余談だが、日本も今後オリンピックに向けて外国人訪問者が増えるからタクシーアプリを導入する、というニュースがあったが、正確な居場所の伝達は運転手との会話なくしてはできない。英語が喋れる運転手は少なく、さらに海外携帯しかもたない旅行者に国際電話を掛ける運転手がいるとは思えない。これは全く実情を無視した話だと思う。)

自動運転は将来ロボットタクシーになる。DeNAがいう2020年に実現というのはあまりに楽観的で、まだ10年以上かかると思っているがいずれはそこに落ち着くことになる。その際に滴滴快的の持つノウハウが生かさせることになると北京汽車は考えているのだろう。


Appleがカメラ搭載車両を走らせている理由

2015年06月11日 | 自動運転

GIGAZINEによれば、Appleはアメリカの一部地域で走らせているカメラ付車両は地図データ収集用だと発表した。

Apple運用の謎の自動車は地図データ収集のためと公式発表、ストリートビューを開発中か?

GIGAZINEでは、AppleもGoogleのようにストリートビューを始めるのか、と書いてあるが、わたしはそうは思わない。単純なストリートビューだとしたら、Appleが今更Googleマップに対抗するために多大の費用をかけるとは考えにくい。おそらくこれは自動運転試行の準備だろう。

Googleの自動運転車は自社位置の確定を単にGPSとGoogleマップで行っているわけではない。カメラでとらえた映像と、その場所のすでに撮影した映像(道路、建物、標識等)をマッチングさせてきわめて正確に自社位置を割り出している。

市街地において完全な自律走行をするためにはここまでやらないとならない。そのためには走行エリアの映像を記録してデータベースにする必要があるのだ。

噂通りAppleが自動走行車を計画しているとするなら、その準備として自社で道路映像情報を入手しなければならない。この話はそこにぴったり結びついている。


夏野剛氏のApple Watch評

2015年06月10日 | モバイル・ウエアラブル

東洋経済オンライン「夏野剛のググっても絶対出ないハナシ」 Apple Watch、使い倒して分かった強みと弱点

読んでいただくとわかるが、強味は「時計機能」、「デザイン」と「UI」。弱みは「別に必要ない」「腕がつかれるので長く使えない」。氏もかなり厳しい見方をしてるということになる。いうまでもなく、時計機能なら時計のほうがいいし、デザインは好みの問題。四角い時計という制約の中ではかなり頑張ってきれいに作ったとは思うが、私はこのデザインの時計はいらない。また、UIがいくら良くても使うアプリがなければ意味がない。

とりあえずの結論として、UIはいいんだからこの先キラーアプリが出れば、というようなことになっているのだが果たしてあるのだろうか。ポケットからiPhoneを取り出す以前に即座に確認しなければならない情報を表示する、というニーズがそれほどあるとは思えない。

氏は「iPadとの連携」に可能性があるといっている。これは当然の話で、取り出すのに手間がかかる大型画面の母艦に対する腕時計型の表示器ならば意味がある。

私も2014年1月のエントリーで同じことを書いているのでご一読ください。 ウェアラブルについて思うこと


新疆ウイグル住民虐殺画像(ガセ)

2015年06月06日 | インチキ・疑似科学

一年位前に「新疆ウイグル住民弾圧」ということでTwitterで流布した画像らしいけど、最近FBで回ってきて初めて見た。

閲覧注意

主にネトウヨ系の方が拡散していたようだが、ここに写っている車のナンバープレートは明らかに中国のものではないし、写っている人物(被害者を含めて)にウイグル人的な特徴を全く見ることができない。顔の特徴だけでなく。必ず頭に帽子をかぶっている人がいるはず。(写っている人たちは私から見ると漢民族に東南アジア系が入っているように思える)

少なくとも車のナンバーなんてちょっと検索すればすぐわかる。そういったことも一切せずに拡散するのはもはや知の放棄だと思う。ガセネタに惑わされないように。(そもそも中国内ではこうしたヤバいネタはそう簡単に流布しない。すぐ消される)

この画像を少し推測して見るに、アルファベット3文字+数字3文字のアジアのナンバーはフィリピン。また、相当古い80年代の三菱ランサーだがこの時代には中国は西側から車の輸入をしておらず、こんな古い日本車は中国にはない。古い日本車が現存しているのはマレーシア、インドネシアやフィリピンなどの東南アジア。

また車の横の人がPSCと書いてある制服のようなものを着ているが、中国でアルファベット略称の制服はありえない。

車の左で傘の下にいる男の人が笑っている。この状況で笑えるのはよほどのことなので、これは演習かもしれない。これだけの出血で地面に流血がないのも不自然。とはいえこれは真実が何かはよくわからないのであくまで憶測。


韓国水泳選手カメラ窃盗事件

2015年06月06日 | 雑記

冨田選手のこの件、控訴断念というニュースが流れてきた。

選手生命を絶たれ会社も解雇という状況で本当に冤罪なら断念なんてありえんでしょう。断念の理由が「これ以上やっても意味が無い」ではね。やっぱりそういうことか、と解釈されてもこれは仕方がない。

支援してきた人や嫌韓ネット民もがっくりだよね。

今までのネットの反応では韓国の警察や司法がめちゃくちゃいい加減なのだ、というような意見が山ほどあり、私も一瞬それを信じてしまったが、多分実際の現場ではそれなりにちゃんとした処理がされていたのだろう。

逆に冨田選手には盗癖があったのだ、という記事も沢山あるが、これも結局確実なソースを見つけることはできなかった。


Apple Watchの現状と、「Edition」の意味

2015年06月05日 | モバイル・ウエアラブル

Apple Watchが発表されたとき、このブログで「こんなかっこ悪いものはいらない」と書いた。その後のメディアの反応は、まあなんというかなんか微妙だなという雰囲気を見せながらも全体的には好意的であったことにちょっと驚いたのだが、現在はどうなっているのだろうか。

Appleは6月から直営店でのApple watchの販売を開始するとアナウンスした。また、オンラインショップからの発送も始まっており、現在は注文すればすぐに手に入る状況のようだ。

噂では振動装置の不具合で生産が遅れたことから、発売後注文したユーザーはしばらく入荷待ちだったようだが、おそらくここにきて全面的に解消したのだろう。Appleは今月中に販売国を拡大するといっているのですでに供給面での不安はなくなったと考えられる。

そうなると転売屋さんは厳しい。もはやだれもプレミア付価格では買わない。しかし、5月のヤフオクの落札状況をみてもたいしたプレミアはついていなかったというのが実情だ。Apple Watchの入手についてはネットでもさほど話題になっておらず、入手できない時期でも消費者は冷静だった。

ある調査では、Apple Watchというキーワードでの検索状況から、この商品に対する人気は通常のApple商品よりも低いという。とりあえずApple信者の方たち(私もそうなんだけど、四角い時計はいらない)が一通り買った後はかなり落ち着いてしまうのではないか、と思う。

ちょっと話はそれるが、なぜAppleは200万円もするEditionというバージョンを出したのだろうか?

私は、ファッション商品としての価値を高めるための超プレミアムモデルで、実際の販売はさほど期待していないのではないかと想像する。このモデルを買うのは当然金持ちだけだが、ハリウッドのセレブが着用すればその効果は計り知れない。実際、後発の超高級時計メーカーは有名スポーツ選手に提供し着用してもらうような手法をとっている。ビヨンセをはじめとするセレブがBlogやインスタグラムにEditionを着用した写真を掲載しているが、これも怪しい。というか、間違いなくステマだろう。

しかし、この商品に関しては決定的な欠点がある。高い時計はムーブメントが違う。しかしApple Watch Editionの場合は違いは「ガワ」だけなのだ。「ガワ」にお金を払う人がどれだけいるのか?中国の金持ちは金がすきで、かつほしいものは値段に関係なく買うからある程度は売れるかもしれないが。

しかし中国では偽物時計は山ほどあり、Editionのガワの偽物もすぐに出てくるだろう。このガワを付け替えれば、肝心の中身は本物なので機能的には何の問題もない。偽ロレックスとは根本的に違う。またAppleにしてみても、偽のガワがでてきても実際ダメージはない。Editonがたくさん売れるとは思ってないだろうし、本物が1個売れることに変わりはないんだから。通常のApple Watchに1万円程度をプラスしEditionもどきにして、セレブな気分を味わえるならそれもありだと思う人は結構いるかもしれない。

Appleはこういったことも含めての「ファッションブランド品的」話題作りだと考えているのだろうが、今のところあまりうまくいってないように感じる。


上海の日式中華と中式和食

2015年06月04日 | 上海生活

上海は国際都市なので世界中の料理のレストランがある。和食のレストランは正規に登録されているものだけで400軒、実際にはその倍はあるだろう。当然、どんな和食でも食べることができる。

唯一食べることができないのは、意外なことに我々が慣れ親しんだ中華料理。天津丼が日本にしかないというのは良く知られているが、酢豚、エビチリ、ピーマンを使ったチンジャオロース、中華丼、五目あんかけ焼きそば、固い焼きそば、八宝菜、チャーシュー麺、タンメン、五目そばなど、日本人にとっていわゆる定番の中華は市内に数軒しかない「日式中華」の店に行かないと食べることができない。

意外なことにチャーシューも手に入らない。スーパーの惣菜売り場には様々に調理された肉類があるが、似たものはあってもいわゆるラーメンに乗っかってるチャーシューはない。

逆に、この地で中国人がイメージする代表的な日本料理は我々の常識とちょっと異なる。人気メニューはサーモンの刺し身、ゆでた北寄貝の刺し身、銀だらの焼き物、フォアグラの入った茶碗蒸し、牛たん塩焼き等。特にサーモンの刺し身と銀だらは日本料理の代表メニューだと思われているようだ。これらをメインにしている店はなぜかオーダーバイキング方式となっていて、主に中国人向け。日本人は居酒屋系の和食屋で地味にさつま揚げやポテトサラダ等を食べている。

中国人はひとつの料理をみんなで食べる。基本的に直箸。サイゼリアで若い男二人が真ん中にスパゲッティをおいて同時に食べてるのを見た時は不気味だった。


中国(上海)でiPhoneをつかう

2015年06月04日 | 上海生活

主に転勤等で中国に来られた方への記事です。

まず今まで日本で使っていたiPhoneをどうするか?頻繁に日本に戻られる方なら契約をそのままにしておいてもいいと思いますが、あまり帰ることがないなら日本の契約はストップしてしまったほうがいいでしょう。電話番号をキープしたい方は、最廉価の契約に切り替えて持っておくしかありません。

では、電話機本体はどうするのか?中国で購入することは可能です。中国で売られているiPhoneは基本的にSIMフリー(ただし中国電信、聯通と中国移動は3Gの方式が違うので別モデル)。でも、高いです。iPhone6で10万円。4や5ならもう少し安いけど、それでも7-8万円はします。

日本で使っていて解約したiPhoneをSIMロック解除して使うのが最も合理的な選択肢になります。日本に帰った時は月額が安いMNVO(b-Mobile等)を使うことができます。 SIMロック解除はiPhone5,6の場合、少々高いですがロック解除サービスをつかうしかありません。4系であれば下駄と呼ばれるアダプターで比較的安価に解除できます。(キャリア、OSバージョンなどで微妙に可否があります)

これら、SIMロック解除の方法は小龍茶館様を参照ください。(トップページ

さて、無事中国SIMで動くiPhoneを手に入れたら、次は?

キャリアを決めます。電信、聯通、移動の3社がありますが、聯通(China Unicom)の代理商であるT-GAIAさんは日本語のできる店員さんがいるので安心です。中国には定額データ使い放題プランはありません。FB等、通信データの多いソフトを外で見る方は1Gぐらいはあったほうがいいと思います。4Gのデータ1G,通話関係は一番少ないタイプで約130元/月。一年契約にすると100元を切ります。なお、基本的に通話料金はチャージ式です。

中国ではGoogle関係(Google Map,Gmail,Google検索等)、SNS(FB, Twiteer等)はVPNを通さないと使えません。無料もありますが有料サービス(月50元~)を使ったほうが確実です。これも小龍茶館さんを参照してください。なお、iPhoneではVPNを使ってもLINEを見ることはできません。今のところメイバンファー(没办法 どうしようもない)

以下に必須アプリを紹介します。

微信:SNSアプリ。中国内ではこれがないと話になりません。また、LINEがだめなので私は日本の家族、知人にもこれ(英文名We Chat)を使ってもらってます。

大衆点評:食べログ。オンライン予約や下に記す支付宝でクーポン購入(100元分を80元の先払い等)もできます。

订餐小秘书:レストランオンライン予約サイト。ある程度の中国語力がつくまで電話で予約するのはハードルが高いので、これを使うと便利。

支付宝:光熱費、通販、携帯チャージ、切符手配等の各種オンライン支払が可能になります。これはアプリインストールの前にPCで登録申し込みが必要。そのためには中国国内の銀行口座、中国携帯が必要になります。ちょっと登録手続きが面倒ですが、圧倒的に生活が便利になります。

公共交通系ソフト:虹彩公交、上海公共、メトロマン等色々あり、それぞれ特色がありますがポイントはバス。上海は公共交通機関が発達していて地下鉄とバスで行けないところはありませんが、こうしたソフトなしでバスに乗ることはまず不可能です。たとえば上海公共は通常の乗り換え案内はもちろん、いまのっているバスが今どこを走っているかとか、次のバスが何分後に来るかなども表示されます。

使いやすさでは虹彩公交ですが、なぜか地図表示が遅すぎで地図上での目的地指定は事実上使い物になりません。

去那儿:航空切符、ホテル予約サイトですが、航空切符はここで検索するのが一番安いように思います。支付宝か、銀行カードで即支払い可能。

pm2.5関連ソフト:いろいろありますが、どれも上海気象台とアメリカ大使館発表値を表示します。まあ、よほどのことがないとマスクなんてしないのですが小さいお子様がいらっしゃる場合はチェックしたほうがいいかと。

快的打車、適適打車:タクシーを呼ぶアプリで空車が見つからないときはこれが威力を発揮します。中距離~だとすぐ応答があります。但し必ず運転手から電話がかかってきて自分の居場所を正確に伝えなければならないので、中国語力が必要となります。

辞書系:無料サービスで優れているのはありません。有料の大手出版社の日中辞典をインストールすることをお勧めします。

地図:Google MapはVPNを通さないと表示されませんが、Apple標準の地図でも中国最大手の地図ベンダー高徳のものなので不満はありません。

中国語学習:いろいろありますが、瞬間中単をお勧めします。1300ほどの基本単語を例文つきで学べます。ソフトのUIは最悪でバグもあるけど、聞き流しでの学習効果は高い。無料ですが例文の音声データはAPP内課金。

生活関連のソフトだけを記載しましたが、著作権のない国なので動画や音楽関連のサイトは無法(そもそも法律がない)状態です。この辺はご自身でお調べください。


自動運転がもたらすイノベーションとは

2015年06月02日 | 自動運転

NewsPickの特集、モータリゼーション2.0 無料で読める漫画。

https://newspicks.com/news/957993/body

まあ、たわいもない内容ですが、注目してほしいのは自動運転車がもたらすとされるイノベーションの部分。

・生体認証を活用し緊急時には救急車になります。

・常時インターネットと接続し、あらゆるアプリケーションと連動し搭載させるコンテンツをカスタマイズできます。

二番目はなんか言ってるようで何にも言ってない。つまり、車が自動運転になってネットに繋がるとどんな「モータリゼーション2.0」な世界が訪れるかがよくわからないからだろう。車に乗って移動している間も家にいるようにネットに繋がるのは結構なことだが、それと移動機器がどう連動するのか?それこそ最初の「いざというときに車が救急車になる」ということくらいだろう。それも一人乗車時に気絶するような特殊なケースでの話。

結局、自動運転車とネットで実現する新しいビジネスなんて、そんなにない。だって居間にいるのと変わらないんだから。というか、自分では操縦しない移動手段という意味では電車やタクシーがもう既に存在する。自動運転で新しいビジネスが成立するなら、同じことが今あるタクシーや新幹線でも成立するはずだけどね。

なんだかこうしたIT系の夢物語みたいなのが先走りしすぎてるように感じる。そもそも自動運転車の最大の目的は事故を無くすということと。そして高齢者などのモビリティ確保(これはこの漫画でも結論のところに書かれているけど)。これがスタートでなければいけない。

あと、この漫画にはいいことばかり描かれているが、完全自動運転の世界が実現すると巨大マーケットが消失し相当数の雇用が失われるということも考えなくちゃね。これはまたいずれ。


長江「東方の星」沈没事故と新華社報道

2015年06月02日 | 上海生活

昨夜遅く、中国湖北省の長江で450人乗りの客船が暴風雨と竜巻により沈没し、今のところ30人程度しか生存者が見つかっていない。

中国の官メディアである新華社のWEBページでは当然この事故がトップニュースとなっているが、その見出しは

1番 「習近平国家主席が救助に全力を尽くせと指示」

2番 「李克強首相が現地へ」

であり、事故の様子や現場の状況はその次。

これで思い出すのは韓国のフェリー沈没事故。あの事故の当日にパクウネ大統領が行方不明だったとかいうことで相当たたかれ、支持率を下げたこと。

この二の舞は絶対にさせなければならないので、党の官メディアである新華社はまずは指導者が全力で対応しているということを一番に伝えている。

やはりここは中国。町で買い物をしたり食事をしたりしている限りにおいては、ここが共産党一党支配の社会主義国だなんてこれっぽっちも感じないのだが。


三菱,Android AutoとApple CarPlay 両対応の車載ディスプレイ搭載へ

2015年06月01日 | ITS

三菱自動車は、Google Android Auto、Apple CarPlayの両方に対応するスマートフォン連携ディスプレイオーディオを、今夏発売予定の欧州向け2016年モデル『パジェロ』に搭載する。

http://response.jp/article/2015/05/29/252305.html

両方に対応するディスプレイオーディオを搭載するのはごく当然の話だ。iPhoneを使っている人もしくはAndroid スマホを使っている人にしか売れない車を発売し、対象ユーザーを狭める意味は全くない。これはおそらくカーAVメーカーにとっても同じだろう。

CarPlayやAndroid AutoでApple ,Googleによる自動車のインカ―エンターテイメントの覇権争いになるの、というシナリオにはならない。CarPlay 搭載車だからiPhoneに買い替える、というような話ではない。

前にも書いたが、CarPlayやAndroid Autoというのものは「車の運転に支障が出ないように機能を制限し、使いやすく車のディスプレイに表示するインターフェース」であり、それ以上のものではない。