ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

海外旅行とへんな帽子

2007年04月29日 | 雑記
帰国前に時間が空いたのでチューリップで有名なキューケンホフ公園へ。
このところの異常な暖かさで若干旬を過ぎていたようだが、まだまだ十分きれいだった。
外国からの訪問者の多さに驚く。駐車場は半分がドイツナンバー。フランス、ベルギーなどが混じる。
アジアからも多くの人が来ていた。日本人はもちろん、韓国、中国、タイ、インドネシアの言葉を聞いた。

以前オランダ人に、日本人観光客は女性がへんてこな帽子(strange hat)をかぶっているからすぐわかる、といわれたことがある。
昔は首からカメラといわれたが、今の日本人の象徴は「へんな帽子」なんだそうだ。

それを思い出してキューケンホフを歩いたが、まさにそのとおり。
女性の7割は帽子をかぶっていますね。それも、まず日本じゃまずかぶりそうもないやつ。

おそらく、ツアーの説明会で「日差しが強い時には必ず帽子をかぶってください」といわれているのだろう。
ツアー主催者はトラブルをできるだけ防ぐためにいささか過剰とも思える用心を強いる。
そして、団体行動では皆さんとても従順にその指示に従う。

まあ、これが国民性というものでしょう。
だからこそ世界一品質のいい車を作れるのだ、ともいえるわけで。

アムステルダムから

2007年04月28日 | 雑記
3日間、アムステルダムは通常では考えられない初夏の陽気が続いた。

色々な都合で今回は日本人のアテンドがなく、一昨日、昨日と現地スタッフと洋食。一昨日は牡蠣3個、ホワイトアスパラとサーモン、トルネードステーキのフォアグラ添え。昨日はオランダ小エビをスターターに、メインは子牛肉とドライトマトのリゾット。

洋食は嫌いではなく、むしろたいしてうまくない海外の和食よりは全然いい。
とはいえ、年と共に胃がついてこなくなる。

ドイツを中心にヨーロッパの経済はすこぶる好調で、まあそれだからユーロが高いのだが、アムステルダムも非常に活気がある。

昨夜はアムステルダム旧市街のNieuwmarkt(新しい市場の意)にあるWaag(計量所)をそのままレストランにした店で夕食をとり、その後レンブラント広場のカフェで11時まで現地マネージャーから愚痴やらなんやらを聞いていたが、三連休前の金曜の夜ということもあり路上は人であふれていた。
来週の月曜は女王の日で祭日。この日はオランダ中が一日お祭り騒ぎになるという。

これから有名なキューケンホフ公園。ラッキーなことに、花はベストタイミング。
最近サポートしているプロジェクトで付き合いのある女性スタッフが付き合ってくれることになった。
と書くとなんだか素敵な休日だが、しゃべっているかマルボロを吸っているか、という肝っ玉かあさん。(私よりは多少年下だけどね)

午後のフライトで成田へ、ゴールデンウィークを逆行するように戻る。

車椅子の寄付について考えた

2007年04月27日 | インチキ・疑似科学
赤星選手が寄付した車椅子がヤフオクに出品されていたという。
盗塁数に応じて病院や福祉施設に車椅子を寄贈し、既に204台が寄贈されているが、これが「赤星の車椅子」ということでヤフオクに出品された。

もちろんこうした善意の寄付を転売するという行為はとんでもないことだ。

しかし、日本において車椅子の寄付って意味があるか、という事がこの話の裏に潜んでいるように感じる。

医療保険や自治体の各種補助金などで、必要とされる人たちには車椅子がいきわたっている。逆に、お年寄りの車椅子というのは(不謹慎だが)そのうち不要になるので、かなりの数が家庭で死蔵されているはずだ。
また、高齢者の場合は介護保険を使えば500円/月からレンタルできる。

どうやら車椅子を必要としているが経済的な理由でかなわない人というのは、日本にはさほどいないようなのだ。

確かに車椅子の寄付は良く聞く話で、具体的に物が介在するから「寄付する側」にとってわかりやすいんだろうけど、肝心な「もらう側」にとっては本当は現金がありがたいんじゃないのか。

アムステルダムにて

2007年04月26日 | 雑記
アムステルダムからアップしている。夕方スキポールに到着し、そのままホテルに入った。今回もアテンドなし。オランダでは一人でレストランにはいって食事する価値もないので、空港でフライドポテト。

実質仕事は2日。3泊5日のとんぼ返り出張。
携帯2台、iPod、ニンテンドーDS、デジタルカメラ、PCと各々の充電器やモバイル関連機器を全部合わせると結構な荷物になる。
結局11時間30分のフライトといっても、映画を見たり寝たりしているとそんなにこうした機器を使うこともないけど、それでもDSは絶好の暇つぶしになることが今回よくわかった。

二世帯同居の母親にかったDSだが、出張行くから貸してね、といったらしぶしぶ貸してくれた。老人をもユーザーにしてしまったゲーム機というのはたいしたものだ、とここまで書いたら今、オランダのTVでも「脳を鍛える大人の~」をつかったDSliteのCMが流れた。74Jaar(才)とか出ちゃっておじさんががっくりするような内容で、ターゲットカスタマーは日本と同じらしい。
タッチスクリーン方式の携帯ゲーム機がこういった市場を新規に開拓するとは、私もまったく予想できなかった。

しかし、ユーロ160円という状況は旅行者には非常に厳しい。
今回はCourtyard by Marriottに泊まっている。決して高級ホテルではないが、一泊2万円を超える。マックやバーガーキングのセットメニューでも700-800円。
感覚的には1ユーロは100円だから、日本の物価からすると何でも5割以上高い。

アムステルダムは夏のような気候で、東京よりも気温が高い。これは予想していなかったので、無駄にコートを持ってきてしまった。
土曜はフライトまで時間があるので、まさに今真っ盛りのチューリップをみるつもり。

とここまで書いて眠くなりました。日本時間で朝の5時。
また日記みたいになっちゃいました。

日産、カーウイングスでドライブ情報を提供

2007年04月26日 | ITS
日産と館山市、南房総市は、CARWINGSで館山市と南房総市のドライブルートや観光情報をドライバーへ提供するサービスを共同で開発すると発表した。
プレスリリースを見る限り、ドライブ観光向けにはかなり使い勝手がよさそうな内容だと思う。目的別のルート設定が出来ること、通りかかった観光地(POI)を逐次音声で案内することなど、ドライブ時に欲しい要件はすべて備えている。
問題は情報の質だろう。WEB2.0に慣れた消費者が自治体発のお仕着せ情報で満足するかどうか、ということだ。

昨年秋に登場した日産の新世代CARWINGSはRSS受信機能を備えていたものの、フィックスされた番組しか受信できなかったのだが、今後はCARWINGSに情報を配信するための仕様を一般公開するという。
今回のこのサービス同様、仕様に準拠してRSSを記述することによって商業施設などがCARWINGS向けに情報配信をすることが可能となる。

まあ、これもいかに情報の質を高めるかがキーとなる。
商業施設からのPR情報って、結局は割引クーポン以外に消費者の興味を引くコンテンツなんてないし、クーポンにしたってインターネットやチラシ、携帯など、どこでも手に入る。

価値ある情報は利害のない第三者の評価で、それはいわゆるWEB2.0型のサイトでなければ手に入らないが、そうした情報が見やすくまとまって提供されることはあまりない。なぜなら、そうした情報を加工するコストを回収するビジネスモデルが簡単には存在しないからだ。多かれ少なかれボランティアに頼っているのが実情だろう。

しかし、車で使う場合は画面を注視しなくても内容が理解できるような形で情報を提供する必要がある。この加工は手間がかかるし、またそこに広告を載せることが難しいという意味でビジネスモデルが築きにくい。

だからといってスポンサーの施設を中心に紹介するようなWEB1.0的な情報では、通信料を負担してまで受信しようという魅力がない。

POI案内は車がネットにつながることで享受できるコンテンツとしてはプローブについで有望だろう。
しかしビジネスとして成立させるのは相当にハードルが高い。

地図更新は通信型ナビのキラーコンテンツなのだろうか

2007年04月16日 | ITS
トヨタのB-BOOK mXの売りのひとつに、地図更新がある。
DSM(車載通信機)ユーザーなら、3年間は自動的に無料更新。携帯でつなぐユーザーの場合は通信料ユーザー負担だが、やはり同様にコンテンツ料は無料。

この地図更新は差分更新であり、データの書き換え量が少なくてすむ。

レスポンスにmXのインタビュー記事が載っているが、この機能は今回の目玉の一つとなっている。
今までも、通信ナビのメリットとしていつも真っ先にあげられてきた機能だ。

確かに地図は最新のものでなければ意味がない。で、通信でつながっているならいつも最新のものが手に入るだろう、これは紛れもない事実であり、消費者にとっても非常にわかりやすい話だ。

一方で、本当にそんなに地図を更新する必要があるのか?という疑問がある。
私が前に乗っていた車のナビは9年間地図更新をしなかった。
ナビ画面にない道を走ることはしょっちゅうだったが、それで困ったことは殆どなかった。目的地設定していればそのうちまた自然と軌道修正される。
また、仮に新しい道がないことによって遠回りをさせられても、結局気が付かないから困りはしない。

倒産して名前の変ったゴルフ場が検索できなくて深刻に困ったことが一度あったけど、まあ通常の利用であれば2年に一回程度更新すれば十分だとおもう。

ということで、私はリアルタイム地図更新機能は冷静に考えれば不要なものだと思っているのだが、先に書いたようにこれは消費者にとって「わかりやすい」話であり、「実はそんなに困らない」というのは逆に「わかりにくい」話なので、ある種のキラーコンテンツのようなものになるのかもしれない。


ユビキタス

2007年04月15日 | モバイル・ウエアラブル
出張が多くてメールを読みきれないと文句を言ったら、会社からPHSカードを支給された。これで完全にユビキタスになった、というか、させられた。

まあ、メールが読めないと苦情を言ってはいるものの、読めないんだからしかたねぇだろみたいな部分もあったわけで、出張先どこでもつながるというのはある意味どこへ行っても会社に縛られるということでもある。

今、勤め人ならたいていの人は会社でも自宅でもネットにつながっていて、移動中だって携帯ではネットにつながっている。そんな状況の中でそれ以上のユビキタスを求める人がどのくらい存在するのだろう、なんてことを考えると、果たして新規参入したイーモバイルなどがどこまで市場を伸ばせるのかが気になる。

切実にモバイルが必要な営業マンや客先仕事の多いコンサル系のいわゆる「road warrior」達は会社からの支給だろうが、それは大概の場合私のようにコスト優先のPHSだろう。

また、なかなか先は見えないけどWimaxが出てきてもHSDPAに生き残りの道があるのかどうか。
まあ、イーモバイルがきっかけかどうか知らないが既存携帯各社もやっとパソコン接続の定額化を検討するらしいし、競争によってサービスが向上しコストが下がる事になるわけで、それはそれで結構なことだと思う。

それにしても「指きたっす」って、よくもまあこんな脱力系フレーズで勝負する気になったな、と思うけど。

トヨタ G-BOOK mXを発表

2007年04月11日 | ITS
トヨタは10日、自社テレマティクスであるG-BOOKの新世代サービス、「mX」を発表した

今年はカーメーカーテレマティクスに大きな動きはないだろうと予想していたが、大きく外れてしまった。
それほど、今回の内容にはインパクトが大きい。

それはこういうことだ。

まず、カーメーカーによるテレマティクスの方向が明確に定義されたということ。
大きく言って2つの事項が挙げられる。

ひとつは、完全無料化の宣言。
日産のCARWINGSも3年無料、+2年無料キャンペーンなど、事実上無料のようなものだが、G-BOOKの完全無料化でもはや誰もサービス料の徴収は出来なくなるだろう。

昨年年初のエントリーで、カーメーカーは完全無料を視野に入れてくるだろうと予想したが、一年遅れで現実のものになった。
これでテレマティクスはそれ自身プロフィットモデルとしては成立せず、車の顧客獲得・囲い込みツールとしてのコストモデルであることが決定したことになる。

ふたつ目はプローブ。
ホンダのインターナビプレミアムクラブは、あくまで運転補助サービスであり、そのキラーコンテンツは渋滞回避経路誘導である、と始めから宣言していたが、トヨタもそれに追随する。
携帯での接続は通信料ユーザー負担で利用料無料、トヨタの車載通信機DCMの場合は年間利用料12000円(初年度無料)。
DCM搭載車が10万台あれば、正確な渋滞情報が提供できるという。
トヨタ車の台数を考えれば、DCM搭載10万台は現実的な数字だろう。

やはり、これがテレマティクスに残された唯一可能性のあるキラーコンテンツなのだということが、はっきりしたのではないか。

但し、言うほどのキラーコンテンツかどうかは疑問。
インターナビによる目的地到達時間短縮は8%だそうだ。1時間の移動で5分。これに対価を払う価値があるかどうかは、議論が分かれるところだろう。
事実インターナビをもつホンダが国内の車両販売で一人勝ちしているわけではない。
キラーコンテンツといっても、その他の言われてきたテレマティクスの機能に比べれば可能性がある、という話だ。
実際、G-BOOK mXにはこれ以外にも地図更新データの差分配信や一時停止監視などの新機能があるが、やはり目玉となりうるのはプローブ情報による渋滞回避だろう。

そしてこれは、官の動きにも影響を与える。
この辺は2006年5月28日のエントリー(二件目の方)を参照ください。

トヨタも始めるということになると官のP-DRGS構想も動きが鈍くなるだろう。
民間が進める事業に対抗して税金を投入する是非ということもあるし、折角投資したカーメーカー大手にとっては、官製プローブは迷惑な話でしかないから活発なロビー活動をするはずだ。

しかし、消費者ニーズは特定のメーカーとの契約や通信料負担が必要なテレマティクスではなく、実感として無料提供されているVICSの精度アップだと思う。

より正確な渋滞情報、渋滞予測は特定カーメーカーの差別化ツールではなく、社会資本として整備するのが筋だと思うのだが。

ITS事業企画 サービス会費を無料化

2007年04月10日 | ITS
DSRCで駐車場キャッシュレスサービスなどを手がけるITS事業企画は、サービス会費(月額262円)を無料化する。

このサービス会費、もともと入会後一年間は免除でその後発生するような仕組みだったようだが、当時のWEBサイトでは備考欄のようなところにひっそりと記載されており、超一流企業の子会社のやり方としてはおかしいんじゃないの、と以前指摘したことがある。

まあ、それ以前にこのサービス内容で会費を払うユーザーがいるとも思えず、(ETCだって会費はない)そもそもサービス会費をとるという設定に無理があったのだろう。

利用料がかかるなら脱会する、というユーザーが出てきたのでやむなく対応したのかもしれない。

年会費がないとなると、この会社のビジネスモデルは提携企業からの決済手数料や広告メールの宣伝料だけということになる。

しかし、現在のIBA会員数からみて提携企業側にさほどのメリットがあるとも思えず、まあ三菱グループ企業のお付き合いで継続している、というのが正直なところだろう。

ところで、IBAの神戸空港の駐車場サービスは4月末から始まるらしい。
このサービス、空港を定期的に利用するユーザーにとってはインパクトがありそうだ。しかし、これによって集客効果があるわけではなく、集金業務が簡略化できることもなく、空港側にとっては話題性以上のメリットはないように感じる。

参宮橋実験を体験して

2007年04月05日 | ITS
このブログで参宮橋実験を散々批判してきた。
参宮橋実験に関するエントリー

批判するばかりでは無責任だと思い、昨年4万円弱の自腹を切って装着したビーコンVICSであるが、先日やっと首都高4号線で事前警告を受け取ることが出来た。
その状況を報告しておこう。

まず、参宮橋カーブの手前で前方に「この先渋滞」という大きな赤い電光掲示板が見えた。車が3台重なったような絵柄の奴だ。
その数秒後、ピッという音と共にナビ画面に警告画面(簡易図形)が表示された。
その内容は、「この先渋滞」。つまり、目の前の電光掲示板と同じものだ。

正直、がっかりした。はっきり言おう。
目の前の電光掲示板と同じ内容をナビ画面に映すだけなら、殆ど注意喚起向上効果はない。
むしろ視線と注意をそらされる分、かえって安全性は損なわれる。

あんなものがAHS(Advanced Cruise-Assist Highway Systems)の切り札だなんて、冗談のような話だ。

カーオーディオとメモリー

2007年04月04日 | ITS
もう10年以上前になるだろうか、ある電機メーカーからカーオーディオのメディアについて話を聞いた。
DATとかDCCとか、色々なメディアがある中でCDが車載機器でもスタンダードになった、次はMDになるだろう(これはあたらなかった)その次世代はメモリーだ、というような内容だった。

まだMP3もなく、アルバムデータで600MB。メモリーがカーオーディオのメディアになるには「ギガバイト」級のメモリーが必要になるが、半導体ムーアの法則で必ず実現するだろう、というようなことを言われてもまったくピンとこなかったものだ。
「ギガバイト」という言葉自体、その当時は殆ど聞くことがなかった。

そして今、iPodをはじめとするメモリーオーディオとカーステレオの連携はごく一般的になってきているし、「バーチャルCDチェンジャー」と称して実際に512MBのメモリーを内蔵したカーオーディオも既にある。

最近のエントリーで私は「ナビゲーションとの連携もありカーオーディオはHDDに行き着くのでは」と書いているが、実はメモリー価格の動向によってはHDDは橋渡し的なソリューションに終わる可能性もあるのだ。
ムーアの法則で行けば、あと数年で余裕をもって地図データを収めるメモリーがリーズナブルな価格で手に入ることになる。

その最大のメリットは「メカレス」ということだ。
8トラックのカセットカーステレオ以来、カーステレオには必ずデッキ、プレーヤーなどの読み取り機構がついていた。それがなくなるかもしれない。

これは、自動車のインテリアにとても大きな変革をもたらす可能性がある。