ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

NOKIA撤退

2008年11月29日 | モバイル・ウエアラブル
NOKIAがキャリアへの供給を含め、日本市場からの完全撤退を決めた。6630を使っていた(海外出張ではSIMをいれて今でも使用中)の私としては、さびしい。
N82の国内発売直後というなんともすごいタイミングでの発表だが、経済激変のなかで欧米企業のリストラはドラスティックに進んでいく。

撤退の理由は収益が上がらないからだろう。
日本仕様にするためには日本語変換など、結構な投資がかかる。
さらに、日本ではワンセグやおサイフ機能がないと競争は厳しが、こうした日本特別仕様に対応はできない。結果ボリュームが伸びず、収益が上がらない。

海外ケータイは使いづらい、という話をよく聞く。もちろん、これはUIの考え方の違いだけのことで、世界の視点でいえば日本のケータイが使いづらいのだが。

この、よく言われる「ガラパゴス」状態は、国内メーカーにも大きな重荷となっている。日本の消費者が悪いわけではないし、国産メーカーが日本市場向けに作っている商品がグローバルスペックとかけ離れていることも、国内での競争を生き残るためにはそうなるしかなかった。
GSMを採用しなかった日本市場においてグローバルスタンダードと全く異なる商品が進化したのは当然のことなのだ。

しかし。
日本人は海外ケータイ(のUIや簡素なフューチャー)を受け入れない。一方で、料金制度の変更で日本人のケータイ保有年数が長期化しており、販売数量は頭打ちになる。今後日本ローカル専用商品で利益を出していくのはかなり難しい。

そうした中で、国内メーカーにとっての望みはタッチパネル操作タイプ携帯かもしれない。
海外メーカーを含めてタッチパネル方式のUIを模索しているが、おおむねPC感覚のものに統一されてくるだろう。普通のケータイとスマートフォンの垣根があいまいになってくる、ということこともできる。
結果として国内メーカーもグローバル仕様の商品を作りやすくなる。
あと何年かすればガラパゴスも崩壊するのかもしれない。

バンコクに行けなくて良かった

2008年11月29日 | 雑記
25日の夜、NW21便へバンコクへ向かったが香港国際空港に緊急着陸。一泊して帰ってきたわけだけど、今となってはバンコクに行けなくてラッキーだった。
同じ時間にシドニーから飛んだカンタスは夜中の12時にスワナプームに着陸し、同じ打ち合わせで来ていたオーストラリア人はなんとかタクシーを確保して市内に入れたが、現在彼は帰国のめどが立っていない。

さて、経済の激変で自動車関連産業は本当に大変なことになっている。
このことは私個人の仕事にも非常に大きな影響をもたらしていて、ここしばらくは相当厳しい状況を覚悟している。

それはそれとして。

ガソリンの価格は、すでに春の「暫定税率空白の一か月」の価格を下回っている。首都圏では110円を切っているGSもある。
この状況で週末高速道路1000円走り放題を実施したら、収拾のつかない渋滞を引き起こすことになると思う。確かに地方観光地にとっては恵みの政策だろうし、自動車産業全体にある程度の活性をもたらすことにはなるのだろうが、慎重に進めたほうがいい。
そもそもリッター180円のときに勢いで考えた政策なんじゃないの?

数か月前までだれもがインフレを懸念していた。
今、すでにデフレ懸念が大きな問題となっている。
ITの進化は情報伝達スピードを劇的に早くした。それが、経済状況の変化を極端なものにしてしまっている。
もはや人間のコントロール能力を超えているように感じる。

ビジネスクラスで行く香港1泊ツアー

2008年11月26日 | 雑記
昨日、半年ぶりのバンコク出張に出発。
エコノミークラスがオーバーブッキングということでビジネスクラスクラスへのアップグレードをゲット。こりゃ超ラッキー、さい先がいいやと思っていたら大間違いでした。

会社がビジネスを許さなくなってもう10年以上たつので、最新のリクライニングシートは初体験。ほぼ完全に横になって気持ちよくウトウトしていたら、バンコクのスワナプーム空港が反政府デモで閉鎖されているため香港に向かうというアナウンス。

香港に着陸、エアライン負担でパンダホテルにご案内するという。パンダホテル、ねぇ。

まあ、これは名前ほどはインパクトがない普通の中級ホテルでした。
(WEBサイトのフラッシュムービーはかっこよすぎだけどね)

香港はランタオの新空港ができてからはじめての訪問。空港から市内へは立派な高速道路が通っている。

何の予備知識もないままパンダホテルに放り込まれたので、そのまま就寝。

今朝は空港へのバスが11時半にでるということなので、それまで周辺を散歩。庶民的な食堂でフィッシュボールヌードル(魚蛋河)を食べる。タイのセンレクナームルークチンといい、シンガポールの魚丸湯といい、このメニューはアジアの定番だ。日本でもうどんに蒲鉾は普通だから、これはアジア人に共通している嗜好なんだろう。

ホテルではいろいろな噂が飛び交って、群衆は12時には解散するとか、逆に増えているとか。でも、みんな基本的にはタイに行けるものとして空港に向かったが、到着後係員から説明があり、空港閉鎖はまだ解除されないので、成田に戻るという。座席はそのままということで、帰りもビジネスクラスというのが不幸中の幸い。

結局、空港で買ったペニンシュラの紅茶をおみやげに家に向かっています。(京成スカイライナー内からのアップです)

国交省、交通量マイナス予測

2008年11月24日 | ITS
11月23日、国交省から「道路交通量重要予測は下方修正します」という発表がされた。
このことは予告されていて、このブログの3月初めの記事で紹介している。

3月初めの私の記事で、下方修正に決まっていると書いた。そんなこと誰にでもわかる。なんでこの結論に半年以上もかけたのか?秋に出る調査をもとに再策定するとは言っていたけど、こんなに時間をかける必要がどこにあるのか。

ハッキリ言って時間稼ぎだろう。新しい交通量重要予測にしたって、どれだけ正確なのだろうか。
この先、クルマを使ったモビリティの需要はますます減少すると思っている。

この需要予測を前提とした場合、ほんとうに第二東名はいるのだろうか?
はたしてこの半年の間に、第二東名の工事でいくら使ったのだろうか?

前に書いたことの転記をするが、第二東名の工事費10兆円は

・日本の国家予算(年)の1/10
・日本の自動車産業の年間売り上げの1/4
・トヨタ自動車の利益10年分
・カンボジア人の総年収15年分
・発展途上国の子供4億人の食費・教育費10年分
・世界中の地雷を撤去しても、まだあまると思われる。
 (一個除去に10万円かかっても、1億個除去できる)

に匹敵するのだ。(7兆円にコストダウンしたというけど)

ペットボトルのふた800個集めてワクチン一本、なんて言っている場合じゃない。

27日訂正 転機→転記

ブルートゥース接続GPSとebay

2008年11月22日 | モバイル・ウエアラブル
いま使っているスマートフォン「X01HT」にブルートゥースで接続できるGPSユニットがあることを知り、ちょっと調べてみた。
台湾のHaicom社製 HI-408BT

正直、そんなに携帯にGPS機能が欲しいと思うことはない。知らない場所に電車、徒歩で出かけるということが少ないからだ。しかし、せっかく大画面のスマートフォンだから、試してみるのは面白いかと思った。

価格を調べると、マップルの地図つきで1万円。
う~ん、実際ほとんど使わないと思える機能に1万円は高いな、と思いつつ、試しにebayで検索したら、なんと送料を入れても半額で手に入ることがわかったので、思わず購入ボタンを押してしまった。

香港や台湾の出品者からebayでデジものを購入するのは結構面白い。PAYPALを使って決済するから簡単だし、小さなものは郵便、ちょっと大きくても郵便小包で1週間ほどで届く。送料も安い。
自動車用のLEDバルブなどもかなり安く手に入る。まあ、品質に関してはギャンブルだけど、この前買ったポジション球は2個1500円で十分明るい。

最近、店販の落ち込みと通販の伸長がより顕著になってきている。
さらに、通販もグローバル化するとしたら、流通業は大変革を余儀なくされるのだろう。

GPSが届いたらまた報告します。

NY ITS世界会議

2008年11月21日 | ITS
ITSを疑うとしてはニューヨークで開催されているITS世界会議に触れないわけにはいかないだろうが、あまりぱっとした話題もなく、書くことはない。
VIIという言葉が出てきているようだ。Vehicle Infrastructure Integrationの略で、所謂車車間や路車間通信のようなことを言っているらしい。
これの実験も行われたようだ。

前にも書いたが、この車車間通信が地デジへの移行の理由の一つにされていることをご存じだろうか?アナログ停波した後の周波数をITSに割り当て、交通事故防止に使うという、「安全」という誰にも否定できない理由をこじつけてアナログ停波を正当化している。でも、この車車間通信ってのは全く進展がなく、私は結局そんなものは実現しないと思っている。
どう考えても費用・実現性と効果が釣り合わない。

歩道に穴が開いていたら、看板を立てて注意喚起するのが普通だろう。
それを、「近づいた人の携帯電話に警告を発信する」といっているようなものなのだ。言うまでもなく、この仕組みは100%の人が携帯を持つまでは機能しない。

来年度からスマートウェイということでこの車車間、路車間通信の大規模社会実験を行うとITSジャパンはぶちあげていた。
しかし、この経済状況の中でスポンサーである自動車メーカーとしては収益に直結しない事業へ投資する余裕はない。
ITS世界会議では、GMが直前になってデモを中止したそうだ。

かなりトーンダウンしているように感じるのだが、どうなんだろう。

AU BOX

2008年11月21日 | モバイル・ウエアラブル
すっかり更新を怠ってました。

最近AUが宣伝している;AU BOXという物がなんだかさっぱりわからなかった。機械を月額315円で貸し出すというからには、がっちり通信料をとるんだろうな、と想像していたら、意外にも通信料は全くかからない。

ようするにこれはいわゆるセットトップボックスで、テレビにつなぐことで次のことが出来るという。

CDから音楽をAU携帯に取り込む。
DVDを観る。
さらにブロードバンド回線に繋げば
rismoを使って音楽を携帯に取り込んだり、動画をダウンロードして携帯に取り込むこともできる。これらが有料サービスで、ビジネスを成立させるのだろう。

基本的にパソコンを持っていない人、つまりrismoを使いたくても使えないユーザーを取り込みたいと言うことのようだ。

しかしパソコンを持っていないがブロードバンド回線を引いている人は存在しないだろうから、個室にパソコンがない高校生などがターゲットだという。

本当にこれって需要があるのかね?
ダウンロードなんか家のパソコンでやればいいし。
パソコンがない人が携帯に音楽を入れることもできる、という使い勝手はあるけど、そもそもパソコンを使わないタイプの人って携帯で音楽聴くなんてことしない系でしょ?

そうはいっても月額315円ならDVDプレーヤー買うより安いから、結構申し込みはありそうだけど、ビジネスとしては難しいんじゃないかと思う。

湾岸ミッドナイト

2008年11月08日 | 雑記
最近、湾岸ミッドナイトというアニメを見ている。

R32スカイラインとか、日産RBエンジンとかいわれてもほとんど興味がないのだが、主人公の「悪魔のZ」と呼ばれるS30フェアレディZ、北米仕様のL28を3.2までボアアップして、キャブ仕様のままツインターボで600馬力、というあたりになんともいえない郷愁がある。
しかし、実はこの物語自体には相当の違和感を感じる。

まじめでストイックな主人公や準主役、およそ反社会的な人間ではないのだが首都高環状線を200キロでスラロームしたり湾岸を300キロオーバーで走ることに人生をかけている。
事故を起こせば一般人を巻き込む大惨事になる。この行動と主人公たちの普段の常識ある生活や考え方の差はどうしても理解できない。

まあ、それはそれとして。
このアニメにはチューナーという職業が登場する。ストリート車の改造をするショップだ。
最近のエントリーでカー用品店が苦しいと書いたが、このチューニングショップも相当に厳しい。若者のクルマ離れで、いわゆる走り屋が絶滅しつつある。
最近も大手のチューニングパーツメーカーであるTRUSTが民事再生となった。
コミック原作がスピリッツで始まった1992年頃は走り屋全盛だったが、今となってはどうしようもない寂しさを感じる。

ここにきてオープニングテーマがTRF(lights and any more)であることも、その寂しさに拍車をかけている。

ETC不正通行

2008年11月08日 | ITS
ETCになって不正通行が増えた、と言われていることについて過去のエントリーで疑いの目を向けた。

バーを押しのけてまで突破するような連中なら、そもそも有人ゲートだって突破してるんじゃないの?不正通行はカード入れ忘れなどがほとんどだろう、という趣旨。

でも、「カード入れ忘れ・読み取り不良」という言い訳があるので故意に突破するという心理はあるだろうね。
まあ、その言い訳にしたって常習は通用しない。

不正通行にはすべて請求書を発行し、すぐ払えば通行料+手数料、滞納すれば罰金を科すようなシステムを採用するべきだと思う。駐車違反と同じように長期滞納の場合は車検が取れなくなる仕組みにすればいい。
というか、ETCは通行車両の情報をとっているんだから、むしろそれをしていないことが驚きだ。

不正通行の多さから考えるとそんな膨大な事務処理は対応できない、ということなのだろうが、仮に問題とされている不正通行が故意なのであれば減少につながるし、過失であればたいていのユーザーは正直に支払うはずだから回収できる料金が増加する。

高速道路会社は「有料道路事業は、すべてのお客さまから公平に通行料金をご負担していただくことにより成り立っております。通行料金を不法に免れる不正通行は、許されるものではありません。」と言っているが、利用者としてみれば高速道路会社は過失を含めた不正通行からの集金努力をもう少し考えたほうがいい、と思うのだが。

カー用品店が苦しい

2008年11月04日 | 雑記
カー用品店の経営が苦しい。
大手のオートバックスセブン、イエローハット、オートウェーブなどが軒並み業績予想を下方修正し、経営の大幅な見直しに入っている。

若者のクルマ離れにより、もう数年前からカー用品店の売り場はガラガラの状態で、整備事業の取り込みで生き残りを模索している。
しかし、顧客名簿を握るカーディーラーに打ち勝つことは容易ではない。

カーナビゲーションはいまだにカー用品の主力商品だが、商品的には成熟がすすみ、いわゆる用品ナビゲーションの将来も決して明るいとは言えない。

かつてカーステレオは「カーコンポ」「グライコ」「DSP」といった機能を競い、カー用品店で10万円を超える商品が販売されていたが、現在では99%のユーザーは標準装備のオーディオで満足している。
カーナビだって絶対に同じ道をたどる。
今後メモリーの大容量、低価格化により標準装備化がすすみ、この傾向を加速させるだろう。

クルマの日用品化、若者のクルマ離れ、新車販売の不調、車齢の長期化、自家用車の稼働低下など、すべての状況がカー用品に逆風となっている。