ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITSスポット対応車載器モニターキャンペーン

2014年01月27日 | ITS
久々にITSな話題。

ITSスポット対応車載器モニターキャンペーン、またやってる。

http://www.mlit.go.jp/road/ITS/j-html/pdf/poster.pdf

20000円助成は2011年10月頃からやっているから、もう2年以上になる。
前にも書いたけど、すでに250億円を投入して路側機を設置してしまっているのに、いまさら何をモニターするのか?

今回のキャンペーンのチラシには台数制限のことが書かれていない。ふつう考えたらこんなモニターキャンペーンはあり得ないでしょう。
これは「台数制限するほど数がでない」のか、「よほどの事情でたくさん数を捌きたい」かどちらか。

キャンペーンを2年やっても普及しないということはユーザーから望まれていないわけで、もうここまで来るとメーカー在庫処分のためにやっているのではないかと勘繰ってしまう。
官民で進めてきたから、メーカー在庫処分は官が面倒見てあげる、ということか?

20000円助成ということは、ITSスポット対応車載器が通常のETC並み、もしくは安く買えるということ。
でもそこに使われている台あたり20000円の財源はどこから出ているのか?
税金か高速道路料金か。
これ、カー用品店さんはフルマージンが保障されてるってのも、なんだかなぁと思う。

何台対象か知らないけど、億のお金が出ていくことは間違いない。

認知度も上がらず、事故防止の実効もないITSスポット。路側機の250億円も含めてどれだけ無駄使いをしたか。
私のような素人が10年前からこの結果を予測できたくらい筋の悪い話だったわけで、強行した国交省は一度総括してほしい。

細川護煕氏について

2014年01月26日 | 雑記
あまり政治関連の話題を書くことはなかったけど、これはどうしても書いておきたい。

いったい、あの細川護煕って人はなんなんだろうか?

東京都知事ってのは世界有数の大都市の責任者なんだから、その職務を遂行できる人間がやらなければならない。
対処するべき問題は沢山ある。都庁は大組織だから、相当なリーダーシップが必要だ。
隠居して粘土いじりしていた老人にそんなもん期待できないでしょう。
脱原発を進めるために声を上がるのは一向に構わないけど、それは他でやってもらわないと。

選挙演説でのTV報道字幕からひろったフレーズですが、
「今までのような大量生産、大量消費 そういう経済成長至上主義という物ではたして日本という国はやっていけるのかどうか、私は難しいと思います。
これからは原発をあちこちの国に売り込んだりするような欲張りな資本主義ではなくてもう少し自然エネルギーとか脱成長とかそうした心豊かな生き方というもので満足できるような国つくりを進めていかなければならないのではないか」

一言でいえばステレオタイプな「ご隠居の茶飲み話」としか思えない。もし隣にすわった爺さんがこんな話始めたら、早々に退散する。

彼は大量生産、大量消費を否定するのか?じゃあどんな経済を標榜しているのか?
昔の商店街復活か、個人向けにカスタマイズされた職人による高級品の世界か?
でもどうやって時計の針を逆に戻すのか?
大量生産、大量消費は経済成長至上主義なのか?
安くていいものをたくさんの人に提供する仕組みじゃないのか?
なぜ経済成長を重視すると日本という国はやっていけないのか?
原発を他国に売り込むのは欲張りなのか?だれの欲を満たすのか?おなじみ「原子力村」?
自然エネルギーでやっていけるというのは単なる情緒論なのではないか?自然エネルギーが成立しないことはほぼ立証されているのではないか?
脱成長、本気でするのか?財政破たんを目の前にして脱成長なんかして、若い世代の老後が保障されるのか?
成長戦略をやめることと心豊かな生き方に何の関係があるのか?

だいたい、プレゼンで「とか」という言い方を多用する場合はそのことを本気で検証していない証拠。自信があるなら言い切る。

経済成長と心の豊かさには正の相関があることは、貧困国の犯罪率などをみれは言うまでもない。成長戦略をやめて心豊かに生きるなんて、夢物語。
昔はみんな貧乏だったけど、人の心があったかくて幸せだった、なんていうのは何重にも郷愁のフィルターがかかった幻想でしかない。

ウェアラブルについて思う事

2014年01月22日 | モバイル・ウエアラブル
携帯通信端末がいずれウェアラブルになることは鉄板だという。
確かにそれが進化の方向ではあるだろう。

日本の電器関連メーカーがスマートフォンで完敗したことから、ウェアラブルについては絶対に負けるわけにはいかない、というような声も聞く。

しかし、携帯端末のウェアラブル化に対する懐疑の意見も多い。
私もどちらかというとそういった見方をしている。
今年のCESショーではウェアラブルが目玉だといいながら、結局のところはキラーコンテンツと思しき商品は出てこなかった、というのが大方の見方のようだ。
すでに技術は確立している中で、ここにいたってもキラーコンテンツが出てこない。未だに「いずれ誰も思いつかないような商品がでる」というのはあまりに楽観的かもしれない。

確かに、メールの着信やSNSの確認を腕時計でできる、というような程度であれば、あまり面白いものではない。ポケットからスマートフォンを取り出すか取り出さないか程度の違いしかない。

また、よく言われるが、Googleグラスも結局は際物でしかないのかもしれない。
一番言われるのは「あんなもの恥ずかしくてつけれられない」だか、仮に傍から見て不自然でないウェアラブル端末が完成したとしてもそれはそれで厄介なものになるだろう。
歩いている最中にメールやSNSをメガネ的なデバイスでチェックしたいという気もするけど、これはかなり危険なことになる。前は見ていても意識の9割はどこかに行ってしまっているので、「歩きスマホ」となんら変わりない。というか見た目は普通に歩いてるので運転者からはむしろ危険な存在になるだろう。

それ以前の問題として、カミサンと二人っきりで食事なんかしてたら話は全部上の空。間違いなく離婚される。

確実に市場を形成するであろうものは血圧や心拍数、消費カロリーをフィードバックして健康管理をするタイプだが、これは限定された市場だ。そんなこと気にせずに生きている人のほうが数でいえばマジョリティ。

では、いったいどんなものなら市場が受け入れるのか。
それを踏まえてアップルはどんなものを出してくるのか?

私が思う一つの可能性は、7インチタブレット。

7インチタブレットは携帯性と視認性のバランスが最もとれていると思う。
なんとかポケットに入るし、画面の見やすさとかエンターテイメントコンテンツを見るクオリティはスマートフォンとは比べ物にならない。

しかし、ネックは通話や、手軽にすぐ取り出して画面を確認するということができないこと。
これを補完するウェアラブルなら、ありだと思う。

以下は私が思う理想形。

1.母艦端末は7インチ程度。できれば尻ポケットに無理なく入るほどに小型化してほしい。折り畳みでもいい。
2.通話、メール等のチェックは腕時計型のような身に着けるタイプとの連携。
3.腕時計型は電池問題があるので、仕事中などは外して母艦かクレードルと簡単につなげられるようにする。
4. 以上を満足し、かつ身に着ける気になる優れたデザインと使い続ける気になる「気持ちのいい」UIが備わっていれば、市場形成は可能だとおもう。

噂されてるiPhoneの大画面化とiWatchはこんな組み合わせになって欲しい。

鰻のこと

2014年01月02日 | 雑記
この話、前にも書いてくどいけど、元日の毎日新聞に気になる記事があったのでまた書く。
これも自国の食文化に対して不合理なバイアスがかかる一例。

<ウナギバトル熱帯へ>稚魚激減 でも皆が待っているから

この記事、ニホンウナギが稚魚の乱獲で激減し、ヨーロッパウナギに切り替えたらこれも激減、ワシントン条約に記載されて輸入規制。
だから今度はインドネシアのウナギに目をつけ、地元民に稚魚をとらせている、ということが書いてある。

このままではインドネシアのウナギ稚魚も乱獲されることは目に見えている。
そもそも大量に人間に捕獲されることは前提としないで今まで種が保存されてきているのだから、稚魚をとったら間違いなく絶滅する。

稚魚の養殖(完全養殖)が可能となるまではウナギの稚魚は禁漁にし、日本人はどんなに高くなっても伝統漁法で取れる天然のウナギだけを食べるしかない。

しかし、環境問題にうるさいマスコミもウナギは庶民の伝統的な食べ物だ、日本の文化だ、という空気からか、危機感がまったく感じられない。「でも、皆がまっているから」という見出しにそれは現れている。
いままで人間の欲望のために絶滅した動物のことを散々批判的に書いてきたはずなのに。

そうじゃないだろう。
庶民がいくらウナギを安く食べたいといっても、熱帯まで出かけていって世界中のウナギを絶滅させるバトルなんて、絶対しちゃいけない。

Times Car Plusのカーシェアを使ってみた

2014年01月01日 | ITS
正月の一時帰国中。
東京の家は親族が住んでいるが、誰も運転をしないので車は売ってしまった。
ので、かえってくると車がない。
たまたま自宅から300mほどのところにTimesのカーシェアリングステーションがあるので、上海からTIMESにWEB経由で入会申し込みをしておき、使ってみた。

予約はWEBから簡単にできる。
しかし、案外車が空いていない。そこのステーションには3台あるのだが、当日すぐ使おうとするとなかったりする。

予約の変更は利用時間の1分前までノーペナルティで受付けている。また予約時間より早く返せば、実際に使った時間しか課金されない。
直前に実際の都合に合わせて変更し、早めに帰ってくるという使い方になるので、勢い予約は長めに入れることになる。それが「車が空いていない」原因かも知れない。

課金は15分200円。ガソリン代は無料。今回は渋谷に買い物に行き、帰りに家内の実家によってお茶を飲んで2時間15分の利用、1800円。
よく考えると、車を持っていた時でもこんな感じで月に4-5回しか使っていない。せいぜい1万円、行楽に使っても2万円/月程度の利用だろう。
これはここら辺の駐車場料金と大差ない。維持費、ガソリン代も掛からないわけで、都内のサラリーマン家庭の使い方なら、確実にカーシェアのほうがお得。車に所有価値を見出さない人なら、絶対にこちらの方が合理的だ。カーシェアは今後、間違いなく拡大すると思う。

まあ、私は車に所有価値を見出す旧世代なので、不合理とわかっていても帰国したら車を買うだろうが、最近の若い世代の考え方は明らかに使用価値の側だろう。
一方でカーメーカーとしては、安い、儲からないフリート車ばかり売れるようになり、あまり面白くないことになるかもしれない。

車の解錠、施錠は会員カードでできる。またナビはエンベッドの通信機能付きで、「後30分」というようなメールが入る。車の鍵はグローブボックスに入っていて、それを取り出すと「利用開始」になる。この辺のIUはとてもうまく出来ている。

しかし不満もないわけではない。
携帯連携がiPhoneに対応していない。iPhoneからだとWEBページをブラウザで開いて操作しなければならない。ログインのオートコンプリートも効かず、小さい表示から予約の変更などをやる気にはとてもならない。
想像するに、TimesもiPhoneアプリをつくろうとしたが、技術的もしくはコスト的な問題でまだできていないのだろう。
しかし、未だにiPhoneに対応していないというのが今後の普及にとって障害になる。なぜiPhoneアプリを最優先で開発しないのだろう?

食の安全に関するバイアス

2014年01月01日 | 上海生活
新年明けましておめでとうございます。
上海から一時帰国し、東京の我が家で新年を迎えました。
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中国の食の安全に関する「とんでも」な状況については日本で散々報道されている。
帰国すると友人から「食べものはどうしているんだ?」ということを聞かれるが、実のところそんなには気にしておらず、せいぜい「野菜はよく洗う」程度のことしかしてない。また外食の場合は何を使っているかもわからず、気にしてもどうしようもない。
本当にそんなに危ないとしたら中国人は皆早死するはずだけど、上海に限って言えば平均寿命は先進国と大差ない。

そもそも誰もが、身近な食材は安全でかつ美味しい、というバイアスを持っている。
紀行番組をみれば、洋の東西を問わず地元の人だれもが「ここのXXは他よりうまい」という。
例の車海老騒動で、「国産の車海老(芝海老、伊勢海老)は輸入物とは比べ物にならないくらい美味しい(甘い、身が締まっている)」系の話を散々聞いたが、どちらも甲殻類であり近海の天然物が美味しいという科学的根拠はない。食べ慣れている、という程度の違いだ。

中国のお菓子をおみやげにもらっても危ないから捨ててしまう、という話だって聞く。おみやげ一個食べたくらいで危ないのなら、中国人はすでに全員死んでいる。
逆に中国は未だに放射能が危険だとして日本の食材を制限している。

そんな中で、マルハニチロの事件。日本の安全神話も怪しくなってきた。
確かに中国では農民の農薬に関する意識も低く、また地方の小さな食品工場の状況はひどいものがあるが、メーカー品はそれなりに管理されている。
マルハニチロは日本の大手だ。もちろん、どこかで意図的に混入されたということなんだろうけど、発生から公表までの時間や、毒性に対する間違った発表、それの言い訳が「よく知らなかった、厚生省への問い合わせは失念した」というのでは、中国企業以下かもしれない。

先日の食品偽装騒ぎは、マスコミの過剰追求と企業の過剰コンプライアンスで行き過ぎの結果になってしまったように思うが、メスが入るまでは企業側もズブズブな認識だったことは紛れももない事実。
日本は安全、中国は危険とまるで白と黒のように考えるのはやめた方がいい。