ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

京都の僧侶がETCすり抜け42回 → 無罪 → 控訴

2012年03月31日 | ITS
以下、毎日新聞から。

ETCを大型二輪で計42回すり抜けたとして、道路整備特別措置法違反罪に問われた京都市左京区の僧侶(64)に無罪(求刑・罰金200万円)を言い渡した3月23日の京都簡裁判決を不服として、京都地検は30日、大阪高裁に控訴した。

 判決は「ETC車載器にカードの表裏や方向を間違って挿入したまま、正しいと思い込んでいたと言える」と認定し、「故意があったとするには合理的な疑いが残る」と判断した。

 京都地検の杉山治樹・次席検事は「有罪とすべき事案を事実誤認により無罪としたものと判断し、控訴した」とコメントした。

過失か故意かの判断は私にはできないので保留するけど、「カードの表裏や方向を間違って挿入したまま、正しいと思い込んでいた」という主張が通ってしまうと、この先各NEXCOは非常に困ったことになるので、控訴して戦うことは当然だろう。

しかし、過失で突破してしまうことはよくある。後ろから車が来る状況で、カード挿入忘れなどで突破したからといって路肩に車を寄せることは難しい。その場を走りさってしまったからと言って、責められない。

前にも書いたけど、海外のETCはWEBサイトに「過失で未払いになった場合の処置方法」がわかりやすく記載されていて、期限内に支払えば罰則なし、というような仕組みが多い。
例えば、アメリカのEZ-PASSはVilolationというタブから、違反通行の料金支払い、確認ができる。

最近は我が国でも料金所の周辺に、過失で突破した場合の電話連絡先 0570-024-024が看板に書かれているけど、どうやって電話番号を記憶しろというのだろうか。

首都高速は過失で突破した場合の対応方法についてわかりやすく記載されているが、トップページからたどり着くのは簡単ではない。NEXCO西も東も、同様に連絡先をWEBサイトから探すのは簡単ではない。
それでいて、「不正通行は犯罪です」みたいな主張はトップページにリンクがある(NEXCO西)。

なんかおかしいと思う。




新聞の電子化

2012年03月31日 | 雑記
気がつけば、この一年間新聞を全く読んでいない。
ニュースの入手はPCとスマホ、むしろ新聞で記事を読む時点ではその情報はネットで入手済みということがほとんどになっている。
子供の頃、新聞の役割はテレビ欄だったけど、それも今はTVに表示される。

家人が読むのでまだ購読は続けるが、ネット接続料金よりも高い新聞代は冷静に考えればやめるべき出費だ。

いま、ほとんどの会社でペーパーレスとか、プリントアウト節約(データで保管、会議へのPC持ち込み、裏紙利用、両面コピー)を実施していると思う。
それは、経費節減はもとより、紙資源の節約というエコに対する企業としてのコミットでもある。

一方で、新聞は毎日のニュースやその他の情報、さらには広告を数十ページの紙に印刷し、エネルギーを使って宅配してる。
新聞はリサイクル紙を使っているから森林破壊には繋がらない、ということらしいが、それでも再生紙を作り、印刷し、配達し、廃棄されるなかで相当な環境への負荷がある事は間違いない。
しかし、それは決して新聞紙上では語られない。

新聞の電子化は電子書籍の一環で語られているが、まだ明確なビジネスモデルは確立されていない。安易な電子化は現在のビジネスモデルの急速な崩壊につながるおそれがあると考えているのだろうが、「紙契約をしていればプラス千円で電子版」なんてのは全く成功する見込みのないやり方だ。多分それはわかってやっているんだろう。

しかし、全国の家庭にあれだけの紙印刷物を毎日配るビジネスがこの先長く続くことはありえない。
全国の新聞販売店にとっては壊滅の危機となるが、全国で商店街の小売業がシャッターを閉めていることを考えれば、仕方がない。

新聞ビジネスが成立しなくなると、国民は優秀な記者による報道や社説を失うことになる。
紙メディアによるディストリビューションをサポートするために月何千円も払う気はしないが、優秀なジャーナリズムを維持するためにそれなりの対価を払う気はある。

出版界にとって電子化への移行は大変革だが、ビジネスモデルの構築は可能だと思う。

次世代ITSは自動運転

2012年03月29日 | ITS
26日、国土交通省は次世代ITSに関する勉強会について報道発表を行った。
次世代のITSは高速道路の自動運転ということらしい。

この方向は好ましい。
私はこのブログを始めた当初から、ITSの真の目的は交通事故の防止であり、高速道路の重大事故が居眠りによる追突や車線逸脱によるのもであることから、自動運転はその一つのゴールで有るべき、といってきた。

さらに、アドバンスドクルーズコントロール、もしくはそれ以上に道路側で交通流をコントロールする仕組みは、サグや合流による渋滞を解消する効果がある。

こうした取り組みが2020年をゴールに進められるとしたら、それはとてもいいことだろう。

報道発表資料で気になる点といえば、こうした取り組みを外部物流業者などに委託して、有料サービスにする、という可能性に言及しているところ。
これはどうかなと思う。むしろ道路側は社会インフラで用意し、車両側はカーメーカーに委ね、自動運転対応の通行自体は無料で提供するべきだろう。それ専用の車線を作って、車載器の普及を促せばいい。

下手に民間を活用するといって有料化でサービスをした場合、普及速度はかなり限定されると思う。
この施策が交通事故の減少に寄与するなら、社会インフラ化が正しい。

ところで、巨額の費用を投じて建設した第二東名は、将来自動運転化に対応できるように設計されているのだろうか?

スマホ連携ナビの課題

2012年03月25日 | ITS
ASUSのULTRA BOOK 「ZENBOOK」を購入。それを使っての初めてのエントリーです。
MacBook Airのコピーと言われてるけど、デザイン、質感共に所有満足を感じる程度まで仕上がっていると思う。キーボードも打ちやすい。(ステマじゃないですよ。)

最近、「車載器はディスプレイ付きオーディオで、ナビはスマホ連携となるのだ」という見方が急速に出てきている。
各ナビメーカーにしてみれば、そこからいかに利益を得るのかという深刻な問題でもあり、車とのインターフェースを強調した商品開発を進めている。
ユーザー的には、スマホの画面がもう少し大きくなったら、そのままスタンドに立てて使えばいいじゃない、とい考え方も出てくる。
そうするとナビメーカー(PNDも含めて)は全滅となる。

ナビメーカーやカーメーカーが進めているのは車載端末との連携がデータ通信定額内に収まるように、車載端末へのテザリングではなくスマホ画面を車載端末に表示するという考え方。さらに車載スクリーンをタッチパネルにしてどちらからでも操作可能にしようというのが基本コンセプトのようだ。

また、単にスマホをつなぐだけでは、車速やステアリングコントロールなどのとの連携が取れないので、車両のCAN情報連携などを考えているメーカーも有る。さらに、車載器側での音質向上に注目しているメーカーもある。

確かに、通信速度が今後更に早くなれば地図ソフトをクラウドにおいて常に最新化するというのは自然な流れだろう。
しばらく前まで私はこれに否定的なことを言っていたが、インフラと定額データ通信という環境が整えば事情は変る。

更に、リアル渋滞情報をサーバーで持って、クラウドに経路誘導ソフトを置いて最適経路をだしたり、音声認識をクラウドで実行することでローカルでは置ききれない情報量をベースにしたサービスが提供できる。
特に、車の中からの音声認識は今後重要になるだろう。
(ちなみに、周りに人がいる状況でSIRIを使うのってなんか変でしょ? やっぱり音声認識は一人で運転している時とかのものだと思う)

そうは言っても、まだ問題はある。
ドライビングディストラクション(運転注意妨害)を考えると、現在の車載ナビと同じようなインターフェースと使用制限が求められる。これには結構手間がかかるかもしれない。しかし、スマホをそのまま使ってしまうユーザーにとってはそんなの関係ねぇ、ということになる。ここには行政的な介入が必要だろう。
IT評論家の中には、ドライビングディストラクションについて楽観的、もしくはほとんど無関心な人もいるが、これは非常に重要な問題なのだ。ITSが事故を増やしてしまっては全く意味がない。

また、まえにも書いたけど、一家に一台の車だとすると家族みんながスマホを持たなければならない。なんせ電話機だから、貸し借りは基本できない。
特に「アンドロイド限定」「iPhone限定」とかいうとユーザーはかなり限定されるだろう。

3月27日追記数カ所。
最近あまりエントリーしないので、前に書いたことを忘れてしまって同じようなことを書いてますが、ご容赦ください。

フラッシュフォワード

2012年03月17日 | ITS
雑談です。

動画サイトのHULUで、アメリカの連続TVドラマ「Flashforward」全22話を見終わった。

アメリカのTVドラマ、というかビジネス全般に言えることだけど、視聴率がよければ終わらせずにシーズンを重ね、だめだと無理やりでも打ち切ってしまう。この作品も、視聴率はさほどひどくはなかったようだけどコストとの見合いでシーズン1で終わっている。

全世界が未来を見るというシチュエーションはかなり刺激的。毎回「次が見たい」と思わせるアメリカドラマ得意の作りになってるので、見ている間はかなり楽しめるけど、いろんなことが未解決のまま最終回を迎える。
これにはどうしようもないフラストレーションを感じるので、それがいやなら最初から見ないほうがいい。

日本市場を意識してか竹内結子が登場する。東大を主席で卒業したロボット工学の専門家だけど、一流企業に就職しても会議のお茶汲みをやらされてやめちゃうという、あまりにステレオタイプな展開。彼女の家は玄関引き戸で磯野家みたい。
香港も出てくるけど、いまどきの香港で三角藁帽子をかぶった通行人を歩かせるというのもひどい。

特に「謎の組織にとってブラックアウトを起こすことに何の意味があったのか?」という根本的なことがわからないのが気持ち悪い。

マクドナルド、ITSスポットを利用した次世代ドライブスルーの実証実験

2012年03月03日 | ITS
12月26日の当ブログ記事内容が、どうやらスタートするらしい。

ITSスポットの商業利用として、マクドナルトと国交省による実証実験がつくば学園都市で開始される。
同じく日経の記事魚拓

マクドナルドにしてみれば、事前注文とキャッシュレス決済で客処理数を向上させて混雑をなくし、客数増加を図りたいということだけど、カーウォッチの記事にある絵を見ると、なんだかむしろ複雑に見える。事前ポストで注文しなければならないとか。指定場所に止まってやるのだろうか?走りながらや信号待ちではできない。

例えば、ドライブスルーに限らず店内だって「フェリカ決済専用レーン」を作るだけでも混雑は緩和すると思うのだけど、それもしてない(フェリカ使用者がまだ少ないのでできない)状況で、ITSスポットによるキャッシュレス決済で混雑緩和なんて無理でしょう。仕組みが複雑、導入費用がかかる、その割にはユーザーにとってのメリットはほとんどない。

夢の未来はこうなる。

特定の場所に設置されたITSスポットに入って「パパはビックマックセットだ」とか言ってメニューをナビ画面で選んで、マックの店舗に向かい、そこで注文を再確認・確定し、ITS車載器に挿入されているETCカードを決済用のカードに替え、クレジット決済の内容確認にOKのボタンを押して、商品を受取る。

おれは今のやり方でいい。