ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

てにをはのむずかしさ

2015年04月30日 | 上海生活
うちの上海オフィスのスタッフはみな日本語が堪能だが、それでも「てにをは」を間違える。
彼らの日本語力を向上させたいのでできる限り修正した場合は説明をするのだが、てにをはに関しては説明できないことが多い。
たとえば「工場へ訪問する予定」を「工場を訪問する予定」に直した時に、「工場へ行く」といいますよね、「工場を行く」とは言わないですよね?と聞かれると、合理的な説明ができない。

「行く」という言葉は方向があるから「へ」を使うのだといっても、訪問だって行くわけだから方向があるでしょ、といわれると、答えに窮してしまう。さらに、じゃ、「に」はだめですか?「工場に行く」はOKですよね?といわれ、「工場に訪問する」はだめだよといっても、それがなぜだかを説明できない。多分自動詞、他動詞とかの説明もあるんだろうけど。

こればっかりは日本語ネイティブじゃないと無理。

同じようなことはどこの言語でもあるはずで、僕らの英語もかなりおかしいんだろうが通じる。いわゆるcollocationはネイティブでないとわからないけど、間違っていても意思疎通はできる。

日本語もてにをはが間違っていても全く問題なく通じるから会話では何の不都合もないんだけどね。

中国ネット WPKG 強制リダイレクト対処方法

2015年04月27日 | 上海生活
今日4月26日夜、突然中国国内から特定の中国国外サイトへ行くとWPKGのサイトへリダイレクトされるようになった。WPKGはWINDOWS用オープンソースソフトウェアのサイトで、ここが仕組んだものではなさそうだ。
訪問先のサイトに Facebook connectのスクリプトが埋め込まれてるとリダイレクトされるようで、マルウエアに感染してるわけではないらしい。
OSXでの対処方法は以下のとおり。とりあえず、wpkgをブロックしてしまう方法。

移動→フォルダに移動から /etcをタイプ。hosts ファイルを一旦デスクトップにコピーし、最終行に
127.0.0.1 wpkg.org
をタイプ(httpは不要)し保存、元のファイルに上書き。この時パスワードを入力。
次にDSNキャッシュをクリア。
ファインダー→アプリケーション→ユーティリティからターミナルを開き、コマンドを入れる。
これはOSXのバーションによって違うので、OSX DSN キャッシュクリアで検索してください。
YOSEMITEなら$ sudo discoveryutil udnsflushcaches

$の後にコマンド、enter. パスワード(画面では非表示)を入れてenter.
最後にサファリのキャッシュをクリアして再起動。 

Windowsはsystem32/driver/etc/hosts をエディタで開いて 127.0.0.1 http:// wpkg.org を追加
その後ブラウザのキャッシュクリアでいいようです。

上海に大丸がオープン

2015年04月21日 | 上海生活
商業施設が完全に過剰となっているうえに、通販の拡大により上海のショッピングモール、百貨店はどこも苦戦している。
パークソン等は確実に集客できる飲食の比率を上げて対応しているのが現状だ。
さらに在留日本人の数も最盛期から2割以上減っており、特に日本人を相手にした商売でこの先成功するのは至難だろう。

そんな中で、大丸が中国資本の新世界と組んで新たに百貨店をオープンした。
(現時点ではソフトオープン。5月にグランドオープン)

場所は南京東路。三菱電機製らせん型エレベータを設置した内装が話題を呼んでいる。

しかし、問題もある。
最初に書いた百貨店の不振が最も根本にある問題だが、私が懸念するのはその立地。
南京東路という場所は上海のガイドブックでも最初に紹介される繁華街なのだが、その客筋はいわゆるお上りさん。上海の金持ちや日本人が買い物に行くエリアではない。
週末ともなるとものすごい人出となるが売れるものは土産物ばかりという場所で、高級志向の百貨店にどれほどの勝算があるのだろうか?

とはいえ、誰もいかない場所にデパートを作ってしまった高島屋よりは期待できるけど。

オバマ TPPに関連し「東京にはアメリカ車が走ってない」の謎

2015年04月21日 | 雑記

4月18日の日経新聞記事を読んで本当かな、と思った。

米大統領、TPPは「日本市場を開放」 妥結へ強い意欲

これによれば、オバマ大統領は

対日貿易に関し「ワシントンではたくさんの日本車が走っているのに、東京にはクライスラーやGM、フォード車がどれだけあるか」と指摘。「現状は米国にとって良くない」と述べ、TPPを妥結させることで日本に自動車や牛肉など農産物の輸出を増やしたいとの考えを示した。

と発言したというのだ。ネットではかなり大きな反響を呼んでいる。

本当にこう言ったのだろうか?そうだとしたらオバマ大統領はちょっとヤバいんじゃないか?
そもそも日本は車に関税をかけていない。車に関してはTPPで日本が譲歩する部分なんてない。(軽自動車規格撤廃という内政干渉的な話を除いて。これは単なる駆け引きで、日本が軽自動車税優遇をやめたとしてもアメリカに売る車はない)
TPPを締結してもアメリカから日本への自動車輸出は増えない。逆にTPPでは日本がアメリカの関税撤廃を求めている。

海外を含め他のメディアでのこの記者会見の報道は「TPPに参加することでアジア市場での中国の独走を止めるべき」ということだけで、この日本車に関する記載はない。
私は日経の勘違いではないのかなと思う。そもそもこの記事内容に矛盾を感じないこと自体おかしい。

原文を読んでみたいけど、検索しても見つかりませんでした。

中国人向け激安ツアーで済州島にいった話

2015年04月15日 | 上海生活
ちょっと古い話だけど、去年の秋に上海発の中国人向け韓国済州島激安ツアーに行った。

会社の社員旅行、今年は利益も結構上がったので一発海外に行くか、でもハワイとはいけないので一番安い済州島、それも激安ツアーで申し込んだ。
旅行会社から、なんと中国人と日本人は値段を変えるという回答。なぜなら日本人はお土産買わないからだという。

確かに中国人は海外に行くとガンガンかうから、土産物屋からのコミッションが違うんだなというのはわかるけど、日本人は5000円ほど高い。中国人が平均して数万円お土産買うとしても、コミッションが5000円ということはどれだけ暴利な土産物屋か、ということになる。

ツアーは三泊四日で二日目、三日目はバスでの観光なんだけど、二日目の観光は観光というよりは土産物屋めぐり。
おなじみ高麗人参、何とかいう木の実で作った肝臓保健薬、化粧品、キムチ、テディベア。これら土産物屋は「博物館」という名前になっていて、入店すると簡単にその薬の歴史やら作り方の展示があり、その後グループごとに個室に監禁される。
まあ話のタネに小さいのでも買うか、とおもって値段を聞くと、一番安いセットでも1万5千円とかいうことになっていて、日本人的には全く興味がわかない。(ちなみに、その名前の木の実が入ったペットボトル飲料が他の場所で100円程度で売られてたのには苦笑)
うちの会社の中国人スタッフも日本に留学していたようなどちらかというと日本人的な連中なのでそんなものに興味ないらしく、全然売れなかった。

ここからがすごい。
バスに戻ると、ガイド(30歳くらいの女性)が、誰も買わなかったのでノルマを達成できないから、一人2000円のオプショナルツアーに全員強制参加しろという。冗談じゃないと拒否すると、狂ったように怒り出し最後には泣きながら業務を放棄。途中で降りてしまった。
これ、いわゆる韓国人のファビョって奴なのかな?これにはうちの中国人スタッフもびっくり。

今、中国人が行く海外旅行先はのトップはダントツで韓国。安くて近いからだろうが、でももう一度行きたいかというアンケートをとると最下位レベルになってしまうそうだ。

それがよ~くわかった。
こんな商売してたら長くは続かないよ。

ETC2.0の経緯

2015年04月07日 | ITS
前回のエントリーで、そもそもこのブログを10年近く前に始めたきっかけはETC2.0批判にある、と書いた。
過去記事は相当な量があり、きちんとカテゴリー分けもできていないので、その経緯を簡単に以下にまとめよう。
簡単といってもけっこう長文。かつ、かなり辛口な内容になる。

国交省がETCを普及させようとしたときに、「ガソリンスタンド、ドライブスルー、ドライブインシアター、駐車場等の決済にも使える」「これらの民間の活力を利用して普及する」といううたい文句があった。
これに私は強烈な違和感を持った。その根拠は以下の通り。
ガソリンスタンドやドライブスルーなんて、どっちにしてもノンストップではない。現金、クレカ等に対してどれほどのユーザーメリットがあるのか?ドライブスルーなんて年に何回使うのか?、ドライブインシアターなんて今どこにあるのか?駐車場は確かにノンストップになるけど、割引券等はどう処理するのか?
そして、これが一番の問題だけど、この決済装置を設置して客数が増えるのか?増えなければ誰もそんな投資しないだろう。

これは全く私の予想が正しく、10年たってもこのビジネスは存在しない。正確に言えば、三菱商事系のITS事業企画という会社が始めたが結局会社はなくなり、サービスもほぼ消滅している。

次に国交省は、「カーブ等の先の見通しの悪い場所での事故、渋滞を事前に知らせる」というメリットを出してきた。
これは少なくとも「より安全になる」ことから、誰にも否定できない内容であるが、それを補強するために国交省は首都高速4号線、通称「参宮橋カーブ」での実験を行った。
このカーブは首都高の事故多発カーブとして知られている。
ここに、ビーコンVICSを使って事前渋滞予告を表示させるという実験を行い、国交省は事故が劇的に減少し大いに効果があったと宣伝している。
しかし、これは全くの嘘なのだ。この実験に2か月先だって、首都高はこのカーブ途中の大きな路面段差を修復している。同時にカーブ手前に減速を促す路面標示を設置した。そして、実際に事故が減少したのはこの「2か月前」からであり、ビーコン設置期間との相関は見られなかったのだ。
ところが、国交省はむりやり「参宮橋で効果が実証された」と言い続けた。

そして、国交省はこの参宮橋の結果をよりどころに250億円のETC2.0路側通信機の設置予算を通過させ、高速道路と主要道路に設置を行った。
この路側機はETC2.0専用の受信機がなければ使えない。
受信機があっても、せいぜい「渋滞情報がVICSより広域でわかる」程度のメリットしかない。それもすでに民間のプローブによるリアルタイム渋滞表示、経路誘導が普通に始まっている中、決してキラーコンテンツではない。

さらにもう一つ。ETC2.0ならSAや道の駅の専用駐車スペースでナビ画面に情報提供が行われるという施策を実施した。
しかしこれもかなり非現実的だ。普通の人はそんなとこに止めて画面で情報みるより、さっさと施設の中に入るだろう。
この設備は今や廃墟のようになっていると聞く。

だからETC2.0専用受信機は全く普及しない。普通のETCよりも1万円以上高価で、それに見合うメリットがよくわからないんだからそんな商品が売れるほうが不思議だ。それまでの「ITSスポット対応車載器」から「ETC2.0」という名称に変更してリローンチを図り、3回にわたり5000円補助キャンペーンを実施したが、それでも普及しない。←いまここ。

はっきり言って、こうなるのは100%予測していた。
私は自動車用品関連の仕事をしているが、実際ITSに関しては「中の人」ではない。そんな私でも簡単に予測できた失敗をなぜしてしまったのだろうか?

この分析はまた時間があったら書きます。

ETC2.0 モニターキャンペーン玉砕の模様

2015年04月03日 | ITS
今年の初めから始まったETC2.0普及促進キャンペーン(すでに3回目)についてはここで書いた。
最終的な結果は発表されていないのでわからないが、Carview様のこの記事が正しければ、2月末時点での応募は607人だったらしい。2か月経過して進捗率6%。
どんなに控えめな言い方をしても、大失敗だろう。

そんな中でETCポータルサイトはETC2.0に関する新しいコンテンツ「ETC2.0のサービス」をオープンしている。

この内容をみて、普通のETCより一万円以上高いETC2.0をつけようと思う人がどれくらいいるのだろうか?

特に表現が微妙なのが最後の二つ。
平成28年に予定されているゲートがない新料金所については、ETC2.0でないと利用できないとは書かれていないが、いかにもそう思わせるような感じを受ける。実際に技術的には現行のETCでノンストップ通過はできるが、普及のためにわざと2.0でしか使えなくするのかもしれない。しかしそれにしても2.0は普及しないので困っているのだろう。
その辺が「ETC2.0の導入に合わせ、一定速度で通過できる新設計料金所を設置」というあいまいな表現になっているのだと思う。

あとは、「広がる民間サービス」。これはタイトルとは裏腹に全然広がっていない。唯一ビジネスで参入したITS事業企画(IBA)もタイムズに吸収され消滅し、細々と続いていた駐車場サービスは神戸空港を除いてすべて廃止された。本当は「消えゆく民間サービス」なのだ。
その辺は十分わかっているので説明文はかなり苦しい表現になっている。
「ETCの多目的利用が推進されています。将来的には、まだまだ工夫することで新しいサービス展開の可能性があります。」

長くなるので今日はここまでにしますが、これ(今、ETC2.0と呼ばれているもの)を批判するのがそもそも10年前にこのブログを設立したきっかけです。そういう意味で、今の失敗は始まる時から予測していました。それに対してさまざまな技を使って国交省はこのプロジェクトを推進してきたわけです。
後程改めて経緯を簡単にまとめてアップします。