ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

EVについて真剣に考える

2024年03月10日 | 雑記

今年に入って「EVの急減速」が話題になっている。やはりEVはダメなのだろうか?
ここですこし突っ込んで考えてみたい。

「急減速」はまさに加速力が弱まっただけで、対前年での増加は続いていることを間違えないほうが良い。
この2年くらい急拡大したということでいまでもEVは増加している。

しかし、ここにきてEVよりも価格と使い勝手にまさるHEVが売れているのは事実であり、急拡大にブレーキがかかったという表現に誤りはない。

日本のインターネット世界には相当な数のアンチEV派が存在する。YahooニュースEVに関する記事には山のようにアンチのコメントが付く。
これは非常によくない状況だと言わざる得ない。
(なぜ日本のネット民にアンチEVが多いのか、という考察も興味深い分野だが、それは改めて)

先ず誤解してほしくないのは、私は決してEV 推進論者ではない。しいて言えば「反アンチEV」であり、その理由はアンチEVが日本の自動車産業、ひいては日本そのものを衰退に追い込むという危機感を持っているからだ。

 アンチEV派の主張は、「EVはまだ使い勝手が悪い商品である」、「EVはその実ガソリン車に比べてカーボン消費が大きい」、「燃える」「電池の処理が確立していない」といったあたりに集約される。それはどれも事実であることを認めよう。
そのうえでの懸念があるのだ。

EV はまだ使い勝手が悪い。走行距離、充電時間等。しかし、忘れてならないのはEV及びそのインフラはまだ発展途上製品だということ。
世界中で研究開発が進められている以上、今後個体電池等のバッテリー関連のブレイクスルーはいくらでも起こり、実用上不満のない製品になるのにそう長い時間がかかるとは思わないし、充電インフラの整備はガソリンスタンドよりはるかに簡単であり、その気になれば時間の問題だろう。
これはバッテリー発火問題しかり。

もう一つ、EV は実際にはエコではない、という意見があるが、これは試算によりいろいろ意見が分かれると思うが確かにEVは車両と電気の生産過程を考えればカーボンニュートラルではない。
しかし、これは「だからどうした」なのだ。世界中でEV化が進められており、いまさらそんなことを言ってもEV化の流れは止まらない。ここが重要。グローバルな視点では正論が通用する世界ではない。いくら日本が「EVは実際言うほど環境によくない」と主張したところで大きな流れを変えることはできない。

EVはその成長スピードが弱まり、その需要がHEVに流れている。これはHEV で世界トップのシェアと技術をもつトヨタを利している。
これは大変結構なことだ。しかし日本のアンチEV派が主張するように、EVは衰退しHEVが主流になる、トヨタ、ひいては日本の自動車産業一人勝ちになる、という考え方は極めて危険だと言わざる得ない。

当面トヨタはHEVで相当な利益を得ることになる。これはトヨタにとっては追い風になることは間違いない。しかし、それは将来のEV開発の十分な原資が確保できた、という意味だ。
じっさいトヨタはその辺を理解していると思う(理解していてほしい)

しかし、日本の世論がアンチEV(およびアンチEVになんとなく影響された大衆)によって「EVなんてだめだ」という方向になってしまうと、国内向け車両でEVが売れない、国内の充電インフラが進まない、つまりさらにEV後進国になってしまうだろう。事実すでに日本のEV普及はタイよりも遅れている。日本市場では中韓ブランド車は全く売れないから国産メーカーが魅力あるEVを発売するまで日本のEVシェアは拡大しない。(韓国ブランドにネガティブなイメージがあるのは世界で日本だけ)
日系メーカーも輸出向けにEVを出して進めていけばいいといえはその通りだが、足元の市場でネガティブだとなかなか進まないし、なにより部品サプライヤーといった裾野の拡大が遅れてしまう。
前述のタイですでにその危機が迫っている。タイはアジアのデトロイト、かつ日本メーカーの独壇場なのだが、中国EVメーカーに浸蝕され始めた。産業ごと中国に取られる可能性がある。中国メーカーが本格的にタイ生産をはじめたらアジア市場は完全に持っていかれる可能性が高い。

一般にネットのアンチEV派の人たちは多分に愛国的な人たちが多いように思うが、アンチEVの世論が逆に日本車の国際競争力を奪ってしまう可能性を考えたほうが良い。
中華EV?燃えるんでしょ(笑 で思考停止してはならない。彼らはかなりのスピードで進化している。

スマホでした失敗は日本の基幹産業である自動車では絶対避けなければならない。


新型クラウンクロスオーバー、なぜ作った?

2022年07月20日 | 雑記

トヨタが新型クラウンを発表した。SUVになる、という大方のうわさはその一部でしかなく、実際はSUVを含む4車種であり最初に登場するのがクロスオーバーと称するSUV的モデルだ。

このクロスオーバーという車、私には疑問しかない。
若干背が高かったりサイドに大型のモールをつけたりしているがぱっと見はセダン。真っ先に特徴は何かといわれれば「ボンネットが何故か黒い」としか言いようがない。

ネットの記事によれば、「若手デザイナーに任せた」という。

 

あぁ…大事……新型クラウン「反対もあった」大胆な路線変更を成し遂げた鍵は若手起用と「壁」(ベストカーWeb) | 自動車情報サイト【新車・中古車】 - carview!

 2022年7月15日、トヨタは新型クラウンを世界初公開した。新型クラウンは4種類のボディバリエーションを持っており、その第一弾であり中心的存在となるのが「クロスオーバ...

日本最大級のクルマ総合情報サイト、カービュー!

 

年寄りの干渉を排除し若手に任せる、って美談のように語られているけど本当にそうなのか?
はたして若手デザイナーはEセグメントのセダンを買うのか?多分買わない。ほかにもっと選択肢がある。
記事中に『若者にとってクルマとは「乗って楽しいもの」だけでなく、海にもキャンプにも行けて、乗り降りもしやすい、荷物も積みやすいかたちであることが重要だったという。』
とある。その通りだろう。ただ残念なことにそれに適したボディ形状の車は世の中にはいくらでもあって、クラウンでそれをやる意味はまったくないということなのだ。

買わない人にデザインや商品企画をさせるって、「女性向け商品を男性がしている」ようなものだと思う。

日本においては、Eセグセダンって個人経営者や子供が独立した夫婦が主たるユーザーであり、やはりそこを見ないと商品企画ではない。
おそらく40代以降、また個人経営者で外車やレクサスではなく敢えてクラウンを買う人はどうしても保守的、もしくは取引先などの関係から華美にしたくない、という気持ちがあるだろう。

この人たちがボンネットが黒い車を買うとは到底思えない。のちに出現するというセダン型以外の選択肢はない。
つまり、クロスオーバーという類別は新しいユーザーを獲得する必要がある。

しかし、これを選ぶユーザーの顔が想像できないのだ。
いま、日本ではセダンよりSUVのほうがはるかに売れている。でもSUVを選ぶユーザーはもっとSUV的見た目や広い収納スペース、悪路走破性(それは多分にイメージだけのものだが)を求める。
この車を選ぶ必然がない。

セダンはクラウン後継、スポーツは海外市場向け、エステートはRAV4の上位、という感じで位置づけがわかるが、どうもこのクロスオーバーは蛇足のように思う。


ジャケット着用のゴルフ場で思ったこと

2022年06月03日 | 雑記

名門ゴルフ場にはかなり厳格なドレスコードがあって、ほとんどの場合入退場時のジャケット着用が必須になっています。
中にはハーフパンツでの来場禁止とか、ポロシャツの襟立てるの禁止とか、髑髏マークのシャツ禁止とか中学の校則かよ、みたいなのもありますが、今日はジャケットの話。

名門ゴルフ場はそもそもメンバー中心で、ビジターはメンバーのお友達に限られるわけだからどんなルールがあろうがそれに文句をいう筋合いは一つもありません。
でも、ブームで乱立し今となっては来場者はネット予約のビジター中心というゴルフ場でも同様のルールが残ってる。

ということで、夕方のロビーで精算したり待合せたりしてる人たちはみんなジャケットを着ているわけだけど、どうみてもスポーツウェアの上に会社に来ていくダークな背広を仕方なくひっかけてる、という人が多いですね。正直いってやぼったい。

30年くらい前までは、中年以上の男子はレジャーに行くときにジャケットを着たもんです。私(現在還暦+5さい)よりも10歳以上うえの世代。
だから、ゴルフ場に来ていってさまになるジャケットを持っていた。
もしくはその世代はアイビーを経験しているのでカジュアルなブレザーを持っていた。

でもいまの人ってレジャー用のジャケットあんまりもってないですよね?
わざわざゴルフ用、それも合計10分程度の入退場用に買う人もいない。なので会社用をひっかける。まさに入退場用です。

これってバカらしいくないですか?
ジャケット着用ルールでゴルフ場の雰囲気が英国紳士の集まりみたいになるんならまだわかるけど、単にやぼったいだけになってる。
暖炉やアンティークな家具のあるサロンがあるならまだしも、宅急便受付にはプラスチック椅子も置いてあるようなロビーでそんなこと言っても意味ないですよ。

ビジターをたくさん入れてるゴルフ場も形式的にはまだベースはメンバーシップ制になっているわけで、「マナー委員会」とかがある。
そうした非営利の意思決定機関には摩擦をおこしてでも改革しよう、という人はほとんどいない。
うるさい古参メンバーが「ジャケットは着用だ」といったら、はいそうですね、といっとくのが一番楽。

まあ、あと10年もしたら自然に変わるでしょう。

蛇足ですが、
以前はハーフパンツにはハイソックスというルールが一般的だったけどさすがに今はなくなったようですね。
さすがに中年男性のハイソックスは気持ち悪い、と誰もが思うようになったんでしょう。


現代自日本再参入で思うこと

2022年01月27日 | 雑記

現代自がその呼称もヒュンダイからヒョンデとし、改めて日本に再参入するという。
ヒョンって響きはなんだかなので呼称はゲンダイでいいのでは、と個人的には思うがそれはさておき。

業界に端くれにいる者として先に言っておきたいことは、現代の車は決して悪くない。
日本では対韓国イメージが悪く、特に嫌韓な人たちがSNSでボロカスにいうのでいまだに品質の悪い3流メーカーであると思っている人も多いかもしれないが
性能、品質、安全性に関しては日欧車と変わらない。デザインは好みもあるが系列のKIAも含め場合によっては日本車よりいいものもある。
私もKIAのK6はかなりいいと思う。

現代は欧米でもかなり売れている。しかし日本では全く売れず、最近では中国で大幅に落ち込んでいる。
そこには明確な理由がある。

まず、そもそも現代もKIAもブランド価値は確立していない。一方で日本車はどうかといえば、やはり欧米ではレクサスやホンダ等を除いては明確なブランド価値は確立されていない。したがって欧米人からすれば日本車も韓国車もおおむね同じようなセグメントの商品ということで、トヨタに乗っていても現代に乗っていても特に「所有価値」としての差はない。

なので、価格が安いとかデザインが気に入るということで韓国車が選ばれる。

一方でアジア諸国では日本車ブランドはそれなりにブランド価値を維持している。
反日感情も残る中国でも、日本車と韓国車では明確なブランド価値の差異がある。それでも中国では中国ローカルメーカー車より品質性能面ですぐれ日本車より安いということから現代が売れていたが、中国ローカルブランドの品質性能が向上してきたことで韓国ブランドのポジションがなくなってしまった。

さて日本だが、結論から言えば全く売れないだろう。

当たり前のことだが、品質性能面で日本車と肩を並べる商品になっただけでは日本車に勝てない。何かが大きく日本車を凌駕しない限りはわざわざ買う理由はないが、今のところそれはない。
周知のことだけど韓国ブランドにマイナスのブランド価値がついてしまっている日本において韓国ブランド消費財の販売は難しい。唯一それなりに販売されてるのはサムソンのギャラクシーだけだが、これは日系スマホメーカーの凋落によりそれ以外の選択肢がないからに過ぎない。

車の販売は全く見込めないだろう。

 


オートウェイ、アルミホイールJWL偽装の顛末(不起訴)

2020年01月02日 | 雑記

11月14日にオートウェイのアルミホイール、JWLマーク偽造品販売の件を書いた。

https://blog.goo.ne.jp/maikawa/e/a9723dc2f902c3f9ae9f3efe86f76bb6

このエントリーで、オートウェイが意図的に粗悪品にJWLマークを付けて偽装し販売したということではないだろうと書いたが、実際に12月になりいったん逮捕された3名は不起訴処分(=無罪)になっている。

本題からそれるが、あれだけ「中国製粗悪品を偽装販売」と報道したメディアが不起訴についてはなんら報道しないというのはどうしたものなのか?オートウェイがこれにより被った風評被害は相当なものだろう。

本題に戻る。
私の推測は結論から言えば間違っていた。私の推測は実際にJWL試験で不合格となったホイールにJWL刻印がされていた、しかしそれはメーカー試験なので販売者が意図的にやったことではないだろう、ということだった。

しかし、オートウェイの報道発表をみるに、実際はさらに些細な問題だったようだ。

簡単に言えば、JWLマーク表記には二種類あり、荷重条件が厳しい試験はJWLだけの表示、適応タイヤに制限がある試験はJWLマーク+適応条件を表記しなければならないが、オートウェイのホイールは後者であったがJWL表記しかなかった、ということ。現実的に装着されるタイヤサイズはだいたい決まっているから後者の条件の試験でもクリアされているなら強度的には全く問題がない。
むしろ事務的なミスというレベルの話であった。

ただ、一つ見落としてはいけないのは、かつて販売されていた輸入ホイールに無届でVIAマーク表記がされていた、という点。こちらの問題はあっさりと書かれているが、むしろこちらは偽装と言われても反論できない内容だ。

VIAはそのホイールがJWL適合であることを日本の機関が承認した、というマーク。JWL試験はメーカー自己認証であり第三者が確認していない。それを日本の機関で確認する認証がVIA。これを無届で表記していたということははっきり言って偽装にあたる。

この問題はオートウェイが過去のホイールについて調査し出てきた問題のようだ。これは過失ではなく明らかな故意の偽装であるから突っ込まれたくないのか、報道発表資料にはそこにあまり焦点が当たらないような書き方になってる。

いずれにしてもオートウェイの発表によれば問題のホイールはJWL試験に合格していることを確認しており安全面での問題はない。なおかつ既販売品の交換にも応じるということであり、決して「粗悪品を偽装販売」というような悪質な問題ではないことは明らかだ。


タイヤ・ホイール通販大手のオートウェイ、粗悪品(中国製?)販売の疑いで社長らを逮捕

2019年11月14日 | 雑記

タイヤ・ホイールの通販大手「オートウェイ」(福岡)が粗悪アルミホイールを販売したとして逮捕された。

タイヤ・ホイール通販大手のオートウェイ、粗悪品販売の疑いで社長らを逮捕

本件に関して特に内部情報を持っているわけではない。これから書く内容は完全に私の憶測であることをお断りしておく。

報道内容では『粗悪なホイールに安全基準を満たしていることを証明する「JWL」マークを偽装表示して販売した』とされている。
しかし同社は偽装について否定している。
私の経験からも、おそらくオートウェイが意図的にJWLマークを偽装表示したということはないだろう。粗悪品を販売した責任は問われるべきだが、「偽装表示で逮捕」は無理があるように感じる。

まず、JWLについて。これは日本の国交省が定めたアルミホイールの安全基準で、JISで定められた試験(主に負荷耐久試験と衝撃試験)に合格したホイールに刻印することができる。
ただしこれはあくまで自己認証であり、公的機関での証明を取る必要はない。メーカーが自ら試験を行い、合格すればマークを付けることができる。
これが刻印されているホイールであれば特段の証明なしに車検を通す事ができる。

ここでポイントとなるのは、オートウェイはメーカーではなく販売業者であるということ。
単純にメーカーから定番品を仕入れただけなのであれば、販売業者に偽装の責任はない。もちろん粗悪品を見抜けなかったという責任はあるが。

しかし、オートウェイがメーカーに専用品を発注していたとするとちょっと話が違ってくる。
オートウェイは販売者ではなく、メーカーに製造を委託した製造者ということになる。その場合はJWL試験に本当に合格しているのか、また実際の量産品は試験品と同じ品質であるのかについての責任をとらなければならない。

今回のホイールがどういうものなのかわからないが実際のところ前者と後者の区別は曖昧なのだ。アルミホイールの金型は案外安いのでメーカーはお客の要望による専用品を作ることが多い。それはお客に対するOEM供給なのだが、お客の立場からすればメーカーから仕入れただけで、製造委託してホイールを製造したという認識にはならない。

そもそも日本で販売するホイールはJWL規格品であることが前提となる。オートウェイもその前提でメーカーに発注しているだろう。
あえて合格しないホイールを作らせ、それにJWLを刻印するということにインセンティブはないと私は思う。

オートウェイはJWL規格ということで発注した。しかしおそらくJWL試験に立ち会っていないだろう。試験に立ち会わない限り試験結果の偽造は見抜けない。場合によっては試験成績書の確認もしてないかもしれない。
もしくは、試験品と量産品でアルミの材質変更や熱処理工程の省略等が行われていたとしても、実物を試験しない限り見抜けない。

さて、真の問題はここから。

中国の激安アルミホイールについてるJWLマークなんておまじないのようなもの、というのは業界では知られた事実。
専業のオートウェイがそれを知らないはずはない。JWL試験をしたら合格しない可能性があることはうすうすは知っていたのではないか、という憶測ができる。
であれば、積極的に偽装してないとしても責任は免れない。

ホイールは重要保安部品。なぜそんないい加減な事ができるのか?
実際には粗悪ホイールで事故が発生したという話はあまり聞いたことがない。通常走行であればJWL基準を下回っていても問題ないのだ。
でも高速道路での落下物乗り上げや縁石乗り上げ等では破損する恐れがある。事故でホイールが破損し車がコントロールできずに事故を大きくしてしまうことは十分にあり得る。
しかしそうしたケースでは最初の事故が問題とされ、それで破損したホイールの責任は問われることがない。

そんなことで現実的にはJWL規格を下回るホイールを販売しても大きなリスクはない、ということなのだろうが、とんだツケが回ってきてしまったようだ。
いずれにしても中国でものを作る場合はよほど注意しないといけない。(と中国の工場にいる私が言っております)


老年ウツについて考えてみた

2019年01月29日 | 雑記
還暦を2年すぎ、高齢者と呼ばれてもまったくおかしくなくなってきたこの頃感じること。

人間は、好奇心の塊で生まれてくる。これはしばらく前のチコちゃんに叱られるでもやっていたが、子供の頃は何も知らないから何にでも興味を持ち、ワクワクする。
それが年をとり、いろんなことを経験するに従ってワクワクしなくなってくる。それが20歳位までの体感時間が非常に長く、それ以降時間が経つのが早く感じる理由だそうだ。

さて、私の場合は20才を過ぎてもさほど好奇心は衰えず、趣味や勉強にしても手当たり次第いろんなことをやってみた。
ある程度出来るようになる、もしくはできないと諦めると飽きてしまい違うことを探す。でもそんなことを繰り返しているうちに、この年になって気がついたのはもう面白そうなことってあんまり残っていないな、ということ。こんな事できたらすごいな、と思ってた事をある程度実現してしまうと、もう潰せるプチプチがない、って感じ。

昔は海外旅行にとてもワクワクした。しかし、日常が海外に居るということも影響してるのか、今はさほどワクワクしない。
趣味にしても、最近は少しやってみてもう良いや、という感じになっている。
今年にはいってクルマを新しくし、PCを新しくしたんだけどさほどの高揚感はない。

高揚感に対する麻薬効果、というのもあるし、いろいろ経験していると、まあこんなもんだろう、という気持ちが出てきてしまうからかもしれない。
困ったことにこれは仕事にも当てはまり、新商品の企画とか大口の受注とかに対する情熱を維持することが若い頃に比べると難しくなってきている。

ということで、年々楽しいことがなくなってきている。決してウツというような重篤なものではないが、何をしても以前のような高揚感を味わえないというか、カラー写真がだんだん色あせてきてると言うか、そんな感じ。

多分、これは加齢によって誰にでも訪れることなのだろう。

麻薬効果と書いたが、効かなくなってやめてしまう人と、エスカレートする人が居るように思う。
最近、左右を問わずツイッターなどで極論を繰り広げる過激な団塊世代が話題になっているが、これはそうしたことなのかもしれない。

ということでおそらく私は老年ウツの予備軍なんだろう。
それは非常に危険なので、数年先の完全リタイヤまでになんとか興味を失わずに長く続けることが出来る趣味を探しだしてきれいな爺さんになろうと思っている。

出国税(国際観光旅客税)で思うこと

2018年12月11日 | 雑記
来年の1月7日から通称「出国税」、正式名「国際観光旅客税」の徴収が始まる。日本出国時に一人1000円。2歳未満の赤ちゃんと24時間以内のトランジット客以外はすべて該当する。
来日観光客に対する観光基盤の拡充・強化を図るのが目的ということだが、日本人も納税しなくてはならない。これは国籍によって課税差別をしてはならないという租税条約によるもので、仕方がない。

納税方法は空港使用料と同じで航空チケット代金に上乗せされる。近距離格安チケットでも3万円程度はするし、時期による振れ幅が大きいので1000円増加はほとんど気が付かないレベルだろう。
(余談だが、ある旅行系WEBサイトでアンケート調査をしたら、13%の人が出国税により旅行をやめる、減らすと回答している。1000円負担が増えたからやめる人って本当にいるのだろうか?)

航空チケットに巻き込む方式は支払っている実感がないので徴税感がなく、また外国人観光客からは文句の出ようもなく、さらに他国(オーストラリア等)が導入済みという言い訳もできるため、国的には「非常に取りやすい」税金だと言える。
そうはいっても実際にその税金が来日観光客の利便を向上し、日本の観光資源をより魅力的にするために使われるなら、それは良しとしよう。

では、その具体的な使途はどうなっているのか?

財務省HPからの抜粋では
「基本方針では、(1)ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備、(2)我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化、(3)地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上、の3分野に税収を充当することとされました。」
と書かれている。
これ以上の具体的な記載はないが、tabizineによれば「具体的には、Wi-Fi環境の改善や多言語表記、海外に向けた宣伝活動、空港整備など」だそうだ。

このtabizineの記載が事実かどうかはわからないが、こんなことだけに使われるのなら出国税はやめたほうが良い。

1.フリーwifiって、そんなに便利なものか? その場所その場所でいちいち設定しなくてはならず、場合によっては登録やらパスワードやらあり面倒くさい。どこでもつながる通信SIMのほうが圧倒的に便利。日本には基本的にSIMフリー携帯がないため日本人にはピンとこないのかもしれないが、海外からの観光客の多くは日本対応の通信SIMを刺したり格安ローミングで自分のスマホを使っているのでフリーwifiはいまさら、という気がする。むしろトラベルSIMを空港など入国時やコンビニなどで気軽に購入できるようにするべきだと思う。

2.多言語表記は本当にいるのか?ピクトサイン、日本漢字、英語(ローマ字)だけでほとんど事足りるのではないか?カタカナと畑等、特殊な日本独特の漢字以外は中華圏旅行者は理解できる。
当ブログ関係記事「観光客向けハングル、中国語表記について考える
誰でもわかるトイレのピクトサインの下に日本語、簡体、繁体、ハングル、英語、スペイン語、ドイツ語、フランス語の表示をつける、といかいうお馬鹿なことに無駄使いされたらかなわない。
むしろ、上記ブログでも指摘している通り、本当に外国語表記がないとわからないものについて補足記載をするべきだろう。これは自身が日本語読めない旅行者になったつもりで総点検してほしい。

3.海外に向けた宣伝活動っていうけど、「この商品の良さを知らない人にもっと宣伝しようと思います。ついては購入いただいてる皆さんにその費用を負担してもらいます」といって納得する消費者はいないだろう。実際に企業はそうして広告費を捻出しているわけだけど、それは表立っていうことではない。

4.空港整備って、じゃあいま徴収している空港使用料は何に使っているのか?

以上のように簡単に疑問符がつくことばかり。この税金、結局のところ実効ある使われ方がされないのではないかと非常に危惧する。
私が思うには、主要観光地には公的、かつサービス内容を国が規定した「ビジターセンター」を設置し少なくとも英語ができる係員を配置する、等の施策が良いのではないかと思う。


観光者向けハングル、中国語表記について考える

2018年07月16日 | 雑記
駅名などの表示を日、英、中、韓にしている交通機関などが増えてきている。
これについて、ツイッターなどで全く不要であるとする意見が提起されているが、ほとんどは嫌韓嫌中クラスタによる感情的なものに見える。
ここではそうした感情論を抜きに実際的に考えてみたい。

まず考慮するべきは、訪日観光客の半数は中国、台湾、香港の中華圏、25%は韓国であり、中韓で75%を占めているという事実。(3017年:ソース日本政府観光局)
なので、中韓に配慮するのは至極当たり前のことだ。
75%の人たちに利便を提供することは、インバウンドを取り込みたいのなら当然行われるべきであろう。

しかし、ならば全ての表示を4ヶ国語(もしくは簡体、繁体を分けて5カ国語)で表示するべきかというと、それは別の話だと思っている。

特に駅名表示は私は日本語と英語(ローマ字)だけでいいと思う。表示が煩雑になり見にくいというのもあるが、実際にあまり意味がないからだ。
その理由は、中華圏からくる観光客は当たり前のことだが、漢字が読めるということ。中華圏の人にとって日本漢字はほとんど読めるし、例外的に読めない字があっても駅名全体では理解できる。
また、韓国語は表音文字だからハングルがなくともローマ字があれば瞬間的にはわからないかもしれないが理解可能。また漢字も結構知っているから、漢字駅名もそのままハングル読みで認識する人も多い。
例を上げれば、品川は中華圏訪日観光客は「品川」(PinChuan)で覚える。「Shinagawa」表示は理解できないが、当然「品川」でまったく問題ない。韓国訪日観光客は「시나가와」(Sinagawa)で覚えるからローマ字で問題ない。
実際にまったくよめなくて問題となるのは全部カタカナの駅名だけ。これは英語がローマ字ではなく英語になるので全く読めない人も出てくるからそこだけ補足してあげればいい。

逆に筆者がソウルを旅行したときは漢字表記が非常に助かった。(ソウルの地下鉄は英、日、中表示)ハングルとローマ字ではほとんど理解できないが、漢字表示が出るとすぐわかる。

駅名表示以外はどうなのだろうか?
まずは中華圏。入口、出口など日中共通の言葉に二重表示は要らない。ともすると律儀に日本語、中国語簡体、中国語繁体ということで出口、出口、出口と微妙に違うフォントで書かれているケースがあるがこれは笑ってしまう。
(余談だが、簡体、繁体表示は気をつけたほうがいい。台湾、香港からの訪日客は中国大陸からの訪日客と思われることを好まないし、簡体字表示しかないとへそを曲げることがある。どちらか一つを選択するのであれば、大陸客も読める繁体字にするべきだ)
また、改札口、洗面所、自動販売機等など日中で言葉が違う場合でもほぼ想像できるし、一旦認識すれば次からは覚えることができるのであまり必要ない。切符、精算等まるで意味が通じない言葉は補足がいるかもしれない。カタカナは全くだめ。地下鉄を地鉄と表示する必要はないが、バスはわからないから公共汽車や巴士の表示は必要。
韓国に関してはハングル表示が親切だと思うが、英語と漢字でほぼ理解できるのではないか。これは実際に調査してみればいいと思う。

むしろ感じるのは、本当に説明がないとわからない表示に外国語表示がない、ということ。例えば新宿駅の自動販売機では1600円くらいまでの切符しか買えないが、それに関する多国語表示はなく新宿駅の自動販売機の地図で甲府が見つからず途方に暮れる、ということになる。

本当に訪日外国人にとって何が必要なのかをきちんと考えたほうがいい。

日本は息が詰まる社会を目指すのか

2018年06月20日 | 雑記
先週末から昨日まで私用で一時帰国していた。
羽田からリムジンバスに乗車。国際ターミナルで7割方席は埋まり、半分近くは外国人だった。
前の方に雰囲気からシンガポールか香港人だと思われる中華系外国人家族が乗車。小さい子供二人がちょっとはしゃいでいたが、特に気になるような騒ぎ方ではなかった。

国際線ターミナルから国内線ターミナルに移動する間の赤信号で停車したとき、ドライバーが車内にやってきて子どもたちにむかって指を口に当てる仕草をし、親にQuiet pleaseと注意をした。
そこまでのことではないにの、と思ったのだが、その後国内線ターミナル出発後ドライバーは改めてマイクで日本語で車内では静かにしてほしい旨の注意を行い、最後にBe quiet pleaseと付け足した。

その後新宿に着くまで車内はお通夜のようにシーンと静まり返り、横の若い白人カップルは口を相手の耳に当てて話をしていた。彼らは日本は怖い国だと思ったに違いない。

帰国時の羽田空港。カードで入れるラウンジでコーヒーを飲んでいたら電話が入った。
ラウンジにはたいてい電話するための個室のようなスペースが有るのは知っていたが、とっさに見当たらなかったので周囲に誰もいない隅に移動して受話したら、すぐに係の方から電話ブースへ行くように促された。それがそのラウンジの規則なんだから文句をいう筋合いはまったくないし、係の方の対応も規則通りなんだろう。しかし、間違いなく誰にも迷惑をかけていない。

通話はご遠慮ください、という日本のルール、私は全く理解できない。通話を遠慮するべきシチュエーションなら会話も禁止だろう。図書館とか。
公共交通機関等は普通の会話レベルで通話をする分には全く問題ないと思う。むしろ新幹線車内で大声で酒盛りをする会社員や、東京から大阪まで一分たりとも途切れることなく話をするおばちゃん連中を規制してほしい。

日本人はマナーがいいという。しかし、マナーとは人の迷惑にならないような声で話をすることであり、携帯電話をしないことではない。
いや、日本人はマナーがいいのではないのだ。同調圧力が強いだけ。ゴミが落ちていないところには絶対にゴミを捨てないが、たくさん落ちているところなら捨てる。
また、これが問題だと思うが、同調しない人に対する批判が異常に強い。携帯電話はマナー違反ということになれば「自分に全く被害が及ばないことでも」それを無視する人間を許せない。苦情が出る。

苦情は昔からあったんだとおもう。しかし最近SNSで簡単に拡散するもんだから企業側が炎上を怯れて過剰に対応する。そしてそれが風潮となって広がっていく。
公務員や消防団員が制服で飲食したりコンビニで買い物したりしてるだけで苦情がはいり、役所が記者会見をして謝罪するというのも過剰な苦情対応によるものだろう。

この過剰なコンプライアンスはゼロリスクの追求にもつながる。
企業が問題を起こすと、昔ならそれほど話題にならなかったような話であってもSNSで拡散し、いまやSNSを主情報源としているメディアが飛びつく。企業はそれを怯れ徹底的にリスクゼロを追求する。
社内に監査専門部門ができ、すべての企業活動はその部門の監査を通すことになる。監査部門はそれが仕事だから重箱の隅をつついてくる。以前よく言われた80点ならGOだ、という考え方はもう日本にはない。95点でも5点とれない理由を延々と説明させられる。

当然、スピード感がなくなり、かつ冒険的な企画は潰されるか、もしくは説明が大変なのでそもそもだれも言い出さなくなる。

こんな状況でイノベーションは生まれない。
実際、この10年間で日本発のイノベーションって何が有る?

中国偽国際免許

2018年06月13日 | 雑記
この件は前にもちょっと書いたけど、メディアもSNS界隈も非論理的な意見が溢れているからもう一回。
なお、私は偽の国際免許を認めろと言ってるわけではない。そこは論点ではないことをお断りしておく。

よく見る意見は大体こんな感じだ。
「偽の国際免許で中国人にレンタカーを運転させるとはとんでもない。日本の道路法規も知らず、めちゃくちゃな運転をする中国人に無免許で車を運転させ、事故が起こったらレンタカー会社は責任を取れるのか?国は早急に対応をするべき」

この話には独立した3つの事柄が含まれているのだが、しかしこれら論調はそれをごちゃごちゃにしているのだ。

1.中国人が持ってくるフィリピンの国際免許証が偽物であるという問題。
2.日本の道路法規を知らずに慣れない中国人がレンタカーを運転するのは危険だという問題。
3.中国人の運転は荒いので、日本で運転させるべきではないという意見。

1については、前提として彼らは中国の運転免許は持っているので無免許ではない。ただ中国は国際条約に加盟していないことから国際免許が存在しないという制度の問題が根本になる。だから偽の国際免許というものが出てくる。一方、旅行者がレンタカーを借りたいという需要は存在するわけで、実際英国、ドイツを含む多くの欧州国家、カリファルニアを含む多くのアメリカ州、オーストラリア、ニュージーランド等では規定の翻訳書があれば中国の免許での運転を認めている。日本人もハワイなら国際免許は不要。
我が国が中国からの観光インバウンドを重視するなら欧米豪のような処置をして法的な問題をクリアすればいいし、それよりも偽免許問題に厳格に対処するというなら中国人のフィリピン国際免許での運転を禁止すればいい。

2についてはそのとおりだが、どこの国の人間であろうが関係ない。そもそも国際免許というものは免許証の翻訳書であり、その取得にあたって外国の交通法規の試験や講習などまったくないのだから、どこの国の人間であろうが皆日本の交通法規なんか知らずに運転している。実際、沖縄では結構外国人による事故が発生しているようだが正規の国際免許で運転している台湾、香港、韓国からの観光客で9割だそうだ。これを問題にするなら国際免許での運転は一切禁止にするべきだろう。

3については一般論として運転が荒いことは事実だが、それをもって全体に適用するのは差別的だろう。黒人は犯罪率が高いから宿泊禁止なんて言ったら大問題になる。それと本質的に同じことを言っている。

つまり、理屈的には2.3は問題とは言えない。存在している問題は1の「国際免許がどうやら偽物である」、ということだけ。運転免許自体は持っているが、制度的に必要となる国際免許が偽物だということ。
(蛇足だが、中国の免許で正式に日本で運転する方法はある。香港は中国の免許保有者に対して香港の免許を無試験で交付している。香港免許を取得しその国際免許を持ってくれば100%合法。中国人が香港免許を取得するためには2回香港に行く必要があり手間がかかるのでこの方法は一般的ではないようだ)

一番の解決策は他国のように中国の運転免許があれば運転できるようにすることだが、政府は踏み切らないだろう。
まず、中国ということで感情的な反対論が噴出する。韓国は済州島に限り中国免許での運転を認めたが、そのときもかなりの反対論があったらしい。
許可することで交通事故死者が出たりしたら叩かれる事は必至。しかも、事故というものは必ず起きる。日本人による海外でのレンタカー対人死亡事故だって発生している。そんなリスクを役所がとるはずがない。

そんなことで、問題だ、問題だというばかりで今の状況から全く何も変わらない状態が続くんだろう。

神社というビジネス

2017年12月11日 | 雑記
富岡八幡宮の事件で思うこと。
まあ、簡単に言っちゃえ姉弟ともに金遣いに問題ありだったようだけど、金のなる木があれば人間は贅沢をするものだしそうした場面で骨肉の争いが起きるのは世の常。
問題は、どうやらそれがあまりに美味しい金のなる木だった、ということなのかもしれない。

そこで、神社というビジネスモデルについて考えてみたい。

神社は歴史的な名声が確立されていれば失敗のないビジネス。何かを仕入れて加工販売するわけじゃないからオペレーションも難しくなく、新商品を出さなければいけないとか、品質管理とかの心配も殆どない。また、氏子を除けば一般参拝客に関しては顧客管理も顧客満足度も関係ない。経営失敗リスクが非常に少ない、つまりは誰でもできるビジネスだといえる。

業態的にはアミューズメントパークに近い。そもそも日本人は本気で神様を信じてないんだからその宗教的な意味はディスニーの魔法と似たり寄ったりだろう。
アミューズメントパークのように計画的にアトラクションを更新する必要もなく、歴史的な重みがあれば何もしなくてもリピート客は離れることはない。
このビジネスが顧客にもたらすものはなんなのだろう?
メーカーであれば、良い製品。サービス業であればサービス。アミューズメントは思い出に残る経験。
一方で神社が基本的に顧客へ提供するサービスは「ご利益」という目に見えない、またその効果も誰にも証明できないものだ。
たから顧客満足度は余程のことがない限り下がることはない。少なくとも顧客は喜んで数百円のお賽銭を支払い、満足して帰る。

宗教法人という税制優遇と領収書発行の必要がないお賽銭という収入がある一方、コスト側は設備の保守と一定数の管理スタッフ、お守りなどの販売スタッフだけでいいので利益率は表向きの財務表でもかなりのものになるだろうし、間違いなく簿外利益もあるだろう。

このビジネスのトップになれば、それは美味しいということは誰にでもわかる。
神様に捧げられたはずのお金でベンツを買います、クラブに通います、豪邸建てます、というのはとても品位がない行為だけど、いざその立場になったら人間は弱いものだ。

だからこそ上部組織の神社本庁があり宮司の任命権を持っているのだが、神社本庁加盟の神社だからといって経営上特段のメリットもないわけだからそのグリップには限界がある。
実際、その疑惑と身内内紛から神社本庁が宮司就任を認めなかったから離脱したわけで。

ということで、このビジネスを健全にすることはとても難しい。社会的権力者のような人が監査役(氏子代表?)になるくらいしか解決策はないのかもしれない。

余談だけど、今回の件に関しては姉弟のどちらか一方、もしくは神社本庁が極悪人だとするメディア記事が複数存在し、これは当人たちのメディアを使った印象操作工作合戦だとおもうんだけど、週刊誌の記事は余程疑ってかからないといけないという教訓。

LAエアポートでハーツを借りて驚いた

2017年11月07日 | 雑記
ラスベガスのSEMAショー(改造車関連のトレードショー)に出展者として参加したあと、LAに移動。LAで客先を訪問するので空港でレンタカーを借りた。
ハーツはニッポンレンタカーのゴールドメンバーズカードがあるので、ゴールド資格ということになっているのだが、到着しカウンターで名前を言うと「あなたはゴールドだからゴールド駐車場の車の中から好きなのを選んで出発して良い」と言われ、カウンターでの手続きは一切なし。
駐車場にはミニバン、Bセグ、Cセグ、SUVの日米韓の車が色々並んでいて、今回は一人なのでシボレー・マリブにした。
鍵がついていて、これを乗っていっていいのか?と聞くとOKだという。
一体どういう手続になっているのか不審におもいながらスタートした所、出口に料金所ブースのようなものがあり、そこで免許を見せて、オプションの要否を聞かれで手続き完了。ここでの手続きはそれこそ1分もかからなかった。

随分と簡略化されてきたものだと感心した。

JR西、東海新幹線の交通系ICカード対応と海外観光客

2017年08月26日 | 雑記
東海道、山陽新幹線は9月末から主要交通系ICカードでの新幹線予約、チケットレス乗車サービスを始める。
乗り物ニュース 交通系ICカードとクレカで乗車OKに 東海道・山陽新幹線で9月30日、新サービス開始

クレカとの紐付けをする手間があるが、通常交通系ICカードに何万円も入っている人は少ないだろうからこれはまあ当然のやり方だと思う。クレカは通常のものであれば全部対応しているようだ。
何れにせよ、エクスプレスカードだか専用クレカだかでしかできず、またスマホからの予約がサードパーティーのソフト経由でしかできなかった以前の状況から考えると、やっとまともになったなと感じる。(日本を離れて5年経つので最近の状況はあまりわかってません)

しかし、なぜ東北新幹線は同じシステムを導入できないのか?分割民営化ってそんなことだったのか?

さらにNHKの報道によれはJR東海の柘植康英社長は25日の記者会見で「外国人観光客など多くの方に、さまざまな場面で気軽に利用してもらえると期待している」と述べているが、本当にできるのだろうか?

個人手配の海外観光旅行は数ヶ月まえから計画する。まずは飛行機の手配、安いチケットに合わせた日程の設定、ホテルの予約、そして滞在国での交通手段確保。ここで肝心なのは、最後の国内移動手段の予約が確実にできていないと計画が立てられない、ということ。
実際、日本の新幹線はほとんどの場合自由席でもなんとかなるのだが、予約無しで慣れない海外での移動計画を組むことは不安だろう。

最近イタリア、スペインで高速鉄道を使ったが、どちらも海外からネットで予約・支払いができる。(スペインの公式サイトは激遅。結構エラーが多くて苦労したが)
さらに、発券はなく2次元バーコードのみ。これもスマホ画面での表示が推奨されていた(無駄に紙を使う必要ない、とわざわざ書かれていた)
JRもこんな対応で良いのではないか?バーコードリーダーなんて安いものだ。勿論その新しいシステム開発は大変だろうが。

今回のJRの仕組みでは、交通カードとクレカの紐付けができて初めて予約ができる。海外観光客はどうやって旅行計画の時点で日本の交通系ICカードを手に入れるのだろうか?さらにいえば、現在自動発券機で使えない海外発行のクレカ(これは非常に不評)には対応するのだろうか?
社長が明言している以上はなんらかの方法を考えるのだろうが、本当に気軽に利用できる仕組みが作れるか甚だ疑問だ。

ここからは蛇足かもしれないが。
この話はキャッシュレス決済と似ている。現在中国ではスマホとバーコード読み取りによるキャッシュレスが急拡大している。中国では偽札が多いからという意見があるが、在住者の感覚ではそれが主たる理由ではない。
日本はFeliCaによるキャッシュレスが始まり相当な月日が経つが、まだ一般的ではない。私はその理由は店舗側の設備投資のハードルが高いことと、チャージやクレカの紐付けが面倒(特定のカードしかできない)なことにあるのではないかと思う。
どうも日本ではこれに限らずセキュリティを厳重にするあまりコストや手間等がかかり普及しないという事例が多いように思う。

国際免許に関するあれこれ

2017年08月21日 | 雑記
国際免許に関して最近思うことを2つ。

一つは中国人が日本でレンタカーを借りる際の免許の話。
中国はジュネーブ、ウィーンの運転免許に関する条約に参加していないので、海外で使える国際免許証を発行できない。
これら条約が締結されたころは人民が自家用車をもち、海外旅行をしてレンタカーを運転するなんて中国としても想像もできなかっただろう。

中国人も最近は団体旅行から個人旅行に変わってきており、特に沖縄や北海道は個人旅行にはレンタカーが不可欠になる。
しかし、上記の通り中国人は日本でレンタカーを借りすることができない。しかし実際にはかなりの訪日客がレンタカーで旅行をしている。

どういうことかというと、香港もしくはフィリピンを経由して国際免許を取得するのだ。
例えば香港は大陸住民に対して試験免除で免許証を発行している。中国にはこの仲介をする業者がおり、本人は出向かなくとも1-2週間で香港もしくはフィリピンの免許証と国際免許が手に入る。通販大手の淘宝網でもちょっと検索すると業者が沢山見つかる。これらは合法であるという。

このことに対してネットではそんな免許でレンタカーを運転させたら危険ではないか、事故が起きたらどうする、という意見がだされてる。
しかし、これはおかしい。条約を結んでいる国の国民と中国人でその運転に安全、危険の差は無いはずだ。一般論として中国の運転マナーは良くないが、それは個人にもよるし条約国でも運転マナーが中国と大差ない国は沢山ある。
免許の取得の適法性と運転が危険であるか否かの間には全く関連がないのだ。

少なくとも偽造や違法手段での取得でない以上、問題ない、としか言いようがない。彼らは悪事を働くために香港やフィリピンの免許を買っているわけではないのだ。
本来であれば、日本も中国からのインバウンド観光需要を重視するのなら条約とは別に地域限定で中国免許での運転を許可すればいい。
韓国は中国免許での運転を済州島で開放しているし、さらに欧州の多くの国やカリフォルニア州も認めている。

しかし、これに対しては相当な反対があるだろう。特に中国人ということでバイアスがかかった反対論がでる。
で、必ず事故は起きる。何人だろうが、いきなり左側通行の世界に放り込まれれば危険な場面には出くわす。私も昔アメリカでセンターラインのない道のすれちがいでとっさに左に避けてしまい非常に危険な思いをしたことがある。

中国人が事故を起こせばメディアは鬼の首を取ったような報道をし、その責任はどこにあるのかというようなことを言い始める。
したがって誰もこんな法改正はしたがらないので、将来にわたり今の不明瞭な状況が続くんだろう。

次に、日本の国際免許について。
国際免許ってのは、実は免許証ではなく役所が発行する日本の免許証の翻訳書である、ということを知る人は少ないと思う。
日本の免許にはアルファベット表示はなく、年号も西暦が使われていない。したがって翻訳書がないと海外では理解してもらえない。

一方、アルファベットを使う国の間では翻訳書がなくとも理解できるからその国の免許をそのままで使える、という協定を結んでいる事が多い。
(日本の免許もハワイやグアムでは国際免許が不要で、レンタカー会社は西暦と和暦の変換表を持っている)

国際免許は有効期間が一年しかない。次に海外にいくときには期限が切れている事が多く非常に煩雑だ。
免許証の表記をアルファベット併記にし、年号は西暦にするだけで国際免許なんていう面倒なものは多くの対象国で廃止できる筈だと思う。
こうした行政改革はなかなか進まないものだが、これは早急に改善してもらいたいものだ。