ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

おサイフケータイ、まだ少数派

2006年10月31日 | モバイル・ウエアラブル
おサイフケータイに関して、いくつかの調査結果が報告されている。
日経ネットナビ
インプレス

どちらの調査でも、95%程度の消費者はおサイフケータイの存在を認知しているが、利用者(利用したことがある、を含めて)は10%以下。
対応する携帯を持っている割合が3-4割なので、持っている人で言えば利用率は30%程度ということになる。

利用されているサービスは圧倒的にEDY。

さて、この数字をどう評価するべきか。

日経ネットナビでは、この調査がインターネットアンケートであり、ハイテクリテラシーの高い人である可能性が高いことから、実際の市場ではこの半分程度ではないか、としているが、それはその通りだろう。インプレスの調査もネット調査だ。

インプレスの調査では、使った人の中には「試してみたかった」という人も多く、実際のユーザーニーズとしてはまだまだなのだろう。

インプレスの調査結果から、30%程度のユーザーが使う理由としてポイントやマイレージをあげている。
半年ほど前の日経の電子マネー特集ででてきた、「遠回りしてでも電子マネーが使えるコンビニを使う男」は、ANAの陸マイラーさんだったようだ。

事実、街中ではまだあまり見かけないEDYの「シャリ~ン」決済を、空港の売店ではまったく普通に見かる。

ポイントなどのインセンティブがなければ電子マネーは離陸出来ないのではないか、と私は疑っているのだ。
しかし、手数料をはらい、インセンティブまでつけて普及させなくてはならないものなのだろうか?

インプレスの調査では、ネットアンケートのほぼ半数が「おサイフケータイ」を利用していない理由で「今のところ必要性を感じないから」としている。

実は、これが現在の電子マネーの商品ポジションなのだ。
落としたら不安、セキュリティが不安(この二つはサイフやカードとどう違うのか?と聞きたいけど)、電池切れが心配(これは誤解で、フェリカに電池は関係ない)などの理由も挙げられているが、この「必要性を感じない」が一番大きな「使わない」理由だ。

あれだけDOCOMO、JR東、三井住友などがTVCMを投入してもこの程度、ということは、インプレスがいうように「おサイフケータイ」を利用しないと不便なくらいのサービスが出てくるか、よっぽどのインセンティブが付与されない限り、急速な普及は無いと思う。


ソフトバンクモバイルの混乱

2006年10月27日 | モバイル・ウエアラブル
つい先日、ナンバーポータビリティでソフトバンクモバイルは苦戦するだろうと書いたが、例の予想外割で予想外の健闘をしているらしい。
今日、ソフトバンクのHTC製スマートフォンX01HTを見てみようと電器店へいったところ、「ソフトバンクの混雑により本日中の手続きは出来ない」というような張り紙があった。

さて、そのX01HTだけど。

物欲が萎えたのは、傍らにあったソフトバンクモバイルの立派なPOP。

「ウィルスの驚異から保護するセキュリティ」云々
と書いてある。

確かに最近のウィルスは驚くべき物ではあるが。まあ、「胸囲」でないだけましか。

社名変更に伴うWEBサイトのリニューアルで相当ばたばたしたらしいが、こうした販促物の校正にもそれが表れているような気がしてしまう。

ETCカード未挿入お知らせアンテナ

2006年10月27日 | ITS
首都高速道路は、2006年4月から運用を一時停止していた23カ所の「ETCカード未挿入お知らせアンテナ」の運用を再開する。このアンテナが稼動する料金所は合計40箇所になる。

このアンテナは、ETCカードの挿入、未挿入を検知し、挿入OKの場合は通過可能、未挿入の場合通過不可能警告をするというもので、カード入れ忘れによる事故を防止する。(カード期限切れでも警告するのかな?)

これ自体は極めて結構な話なのだが、このアンテナはあくまで車載のアンテナが生きている時だけ機能する。

たとえば、ETC車載器の電源が落ちていたり、アンテナの接触が悪かったりした場合は、警告はでない。

確かに、この確認アンテナを通過した時に何もアナウンスが出ない場合はETCに問題があるということがわかるのだろうが、アンテナの設置場所に「ここでETCが反応しない場合は通過できません」というような表示がない限り、ドライバーにはわからない。

事前アンテナの路側表示というのは確かあったはずだが、そこで反応が無い場合はエラーである、ということがドライバーに周知されているとも思えない。

この辺は改善したほうが良いと思う。

ナンバーポータビリティで思うこと

2006年10月24日 | モバイル・ウエアラブル
ナンバーポータビリティが始まった。

この制度、朝日、読売などの大手新聞は「番号持ち運び制度」と表記しているが、こんな醜悪な邦訳を誰が考えたのだろうか。
カタカナ濫用から日本語を守ることが和名を付ける理由だろうが、こんなわけのわからない直訳のような和名を付けては、かえって日本語をおかしくするとしか思えない。

産経新聞等の表記「番号継続制度」が正しいだろう。

さて、この制度、大騒ぎするほど多くのユーザーは利用しないだろうと思う。
ただし、ソフトバンクからの流出は大きいだろう。

昨夜、急遽孫さんが記者会見で新割引制度について発表したが、これも相当ばたばたしている。
YahooBBの立ち上がりの大混乱を思い出してしまう。

しかし、そうした不安よりも、もっと大きな理由があるのではないか。
私自身、旧ボーダフォンユーザーであるが、何かきっかけがあったらキャリアを変えたいと思うようになった。

その理由は名前だ。

私のような中年男でも携帯電話にSoftBankブランドはかっこ悪いと思う。
このロゴが付いた電話機を使う気には全然なれない。

ブルートゥースハンズフリーは絶望的?

2006年10月23日 | ITS
DOCOMOの新903iシリーズが発表された。
ところが、ハイテク系の雑誌の特集をみてもどれにブルートゥース(BT)が搭載されているか、まったくわからない。主な機能の欄にBTが無いのだ。

おそらく、松下(Pの携帯)は搭載していると思うのだが、どうも他社の電話機には搭載されている気配がない。

雑誌でも紹介しないくらいだから、わが国の消費者にとってはまったくセールスポイントではない、ということなのだろう。

この理由は、どうも単純にBTがキャリアにとってメリットがない(通信料を取れない機能)、ということだけではなさそうだ。
むしろ、消費者ニーズがない、というほうが正しいように感じる。

欧米では車の中でのBTによる自動接続ハンズフリーは、ほとんど常識のレベルまで普及が進みつつある。
また、韓国や台湾でも、イヤフォンタイプのBTハンズフリーがかなり一般的になってきている。

ところが、日本の消費者にはBTはほとんど認知されていない。これは謎だ。

以前に、携帯キャリアとカーメーカーはこれの普及啓蒙をすすめるのが責務だ、と書いた。この気持ちは変らない。DOCOMOも、プッシュトークなんていうどうしようもない機能をアイドル使ってテレビCMするお金があるなら、こうした交通安全につながる機能の普及に貢献するのが社会的な責任だろう。

しかし、一方で日本と欧米の交通事情の差が普及の障害になっていることは認めざるえないと思う。
少し走れば信号待ちがあり、路肩に停車することもたやすい日本の道路では、運転中の電話もハンズフリー無しでも「何とかなる」のが実態だ。
しかし、やはり運転中の携帯使用による危険運転は未だに後を絶たない。

(いや、電話ならまだマシ。メールをしている人もいるよね。信号が青になっても発進しない車は100%メールを打ってます。)

高速道路に関する世論調査

2006年10月22日 | 高速道路
10月21日、内閣府による高速道路に関する世論調査の結果が発表された。

まだWEBで結果の全文をみることができないので、新聞報道からのサマリーをしてみよう。

まず高速道路の料金について。

1.27.8%が「サービスや管理体制を落としてでも値下げすべき」
2.24.0%が「新たな財源を確保して値下げすべき」
3.21.3%が「新しい道路を作ったり管理するためには(高いけど)やむを得ない」
4.適切だ、としたのはわずかに7.9%。

ここから新聞各社は「約半数の消費者が高いといっている」と見出しを付けているが、実体はもっと多くの消費者が高いと思っていることは間違いない。

まず、この質問に罠がある。
1.の質問の聞き方は、「管理の質を落として値下げ」としている。こう聞かれると、それはいかがなものか、と思うのが心情だ。そうではなく、たとえば「道路会社の関連企業の数をへらしたり、天下りをやめたり、合理化を進めることで値下げをすべきだ」という質問だったら、どうなっただろうか。
80%ぐらいが賛同するんじゃないか?

2.の質問。これは危険な質問である。新たな財源を確保して、っていう意味を、正確に理解して回答しているのだろうか?新たな財源ってのは、税金にしろなんにしろ結局利用者にふりかかってくるのだ。世論の支持があるから、などといって自動車関連税の更なるアップの口実にされたらたまらない。

次に、ETCの料金割引制度について。

1.22.3%が「利用したことがある」
2.48.5%が「知っているが利用してない」
3.29.3%が「知らなかった」
そして、極めつけは「高速道路の利用料金には様々な割引サービスを実施している。広報活動を通じて制度を知ってもらいたい」という国交省のコメント。

まず言いたいのは、その「様々な割引制度」があまりに複雑で、誰も理解できないのが問題なのだということを国交省は認識するべきだ。
たとえば全国一律「ETCなら終日1割引」ということにすれば、広報活動なんてしなくてもあっという間に認知は完了する。

深夜、早朝、土日、近距離通勤などの割引はあまりに複雑で、私は未だに料金所を通過して金額を見るまでいくら割引になるか見当がつかない。
結局、割引制度は一般のドライバーにとっては高速道路利用のインセンティブにはなっていないのだ。
首都高速なんかは入り口に630円とか、560円とかのETC割引料金を表示すればいいと思うのだが。

マイレージにしても、その申し込みは宝探しのように難しい。
まず、インターネット以外で情報を得ることはほとんど不可能だ。
そして、インターネットの情報にしても、決してユーザーフレンドリーではない。
ためしに、Googleで「ETC」と打ち込んで検索してみてほしい。ORSEのETC総合ポータルサイトのトップページが最初に現れるが、このページにマイレージの記載はない。
ここから割引情報という階層をたどらないといけない。

広報活動を通じて知ってもらいたいなんていっているが、本気で知らせようとしているのだろうか?

電子マネー・携帯クレジットが変えるロードサイド???

2006年10月17日 | モバイル・ウエアラブル
レスポンス主催で
拡大するロードサイド決済ビジネス
~電子マネー/携帯クレジットが変えるロードサイドとカーライフスタイル~

というお題のセミナーが開催される。

中心となっているのはクルマと通信やケータイが融合すると主張する「自動車ITS革命」の著者、神尾 寿氏だ。

しかし、講義内容の概要を読んでも、携帯クレジットや電子マネーと車を無理やり結び付けようとしているだけにしか思えない。
というか、高速道路のサービスエリアが電子マネーを採用しただけで「電子マネーがカーライフやロードサイドビジネスを変える」といわれても、ねぇ。
自転車でコンビニに行って、おサイフケータイで支払ったら自転車と電子決済の融合ということになるのだろうか?

そもそもロードサイド決済なんて概念は無いんじゃないか。
車の運転席でお金を支払うケースってのは、高速道路、駐車場、給油所、ドライブスルーに限られる。高速は当然ETC。その他はまあ、Felica決済が導入されるのは結構な話だが、それでカーライフが変るとはとても思えない。

実際私はESSOのスピードパスという多分Felicaのような仕組みのキーを使っているが、何度も言うけど「クレジットカードを差し込むか、そのキーをかざすか」だけの違いだ。何故使っているかというと、リッターあたり1円安いから、という理由以外ない。カードのほうが安ければ、カードを差し込むだろう。少なくとも、これがカーライフを変えるような何かを私にもたらしてはいない。
どちらにしても、これは車と電子決済の融合だなんて大げさな話じゃない。

「今回のセミナーイベントの企画を担当した通信/ITSジャーナリストの神尾寿氏はETCに続くクルマ周りの電子決済市場が爆発的に拡大すると予告している。」(レスポンスより)
そうだが、爆発的に拡大なんてしないと、私は予告しておこう。

少なくとも私はこのセミナーに39800円(昼食付き)を支出する気にはならないが、興味のある方はまだ募集中のようなので、是非参加してください。

テレビ電話で思うこと

2006年10月16日 | 雑記
子供のころ、21世紀には電話はテレビ電話になると思っていた。
多分、誰もがそう思っていたんじゃないか。典型的な未来の象徴。空を飛ぶ車や、高層ビルの間をつなぐ動く歩道は多分、実現しないと思ったが、電話はテレビ付きになると思っていた。

そして、2006年。技術的にはテレビ電話はとっくに実現しているが、まるで普及しない。携帯で出来るが、ほとんど使われていない。PCならスカイプで安価にTV通話が出来るが、それほど流行しているとも思えない。

なぜTV電話が離陸しないのか?

WEB上でそれに関する意見を見てみると、大体以下に集約される。
1.料金
2.画像が悪い
3.かける相手に対する遠慮
4.100年続いた音声電話の伝統的習慣が破れない
5.女性はすっぴんを見られたくない
6.携帯の場合、公衆の面前では恥ずかしくてやってられない
7.相手が持っているかどうかわからない
などなど。

1番、2番を理由に挙げている人は、残念ながらマーケティングセンスが欠落している。

7番はチキンエッグの話だが、これはドライブがかかってくれば自然と解決していく。ドライブがかからないのが問題なのだ。

4番は一見もっともらしいが、電話にまつわる環境はこの10年でポケベル・携帯・メールとめまぐるしく変っている。特に毎年新しく電話市場に入ってくるティーンエイジャーにとっては100年の固定電話の伝統的習慣なんて関係なさそうだ。

3番の理由が良い線をついていると思う。それは5番、6番とも関係している。

相手の顔が見えたほうが、もしくは見せたほうが良い事もあるし、見えない/見せないほうが良い事もある。親密な関係なら双方で顔を見たいだろうが、通常の会話ではそんなことはあまり無い。

見せたくないという相手に配慮して、結果として誰も使わない。あらかじめ双方が合意された状況以外では、使うチャンスがないのだ。

結局「ごくプライベートな関係で無い限り、テレビ電話なんて別にいらない」というのが市場の答えだろう。
したがって、これ以上宣伝しようが、画質をあげようが、価格を下げようが、普及はしないと思う。

ハイテク技術があれば市場はかならずついてくるというようなことを言う人たちは多いが、基本は消費者ニーズなのだ。
ハイテク型プロダクトアウトで成功した例も、結局はそれに消費者ニーズがあったからに他ならない。幻想に惑わされてはいけない。

チップについて

2006年10月15日 | 雑記
結構あちこち出張していると、チップについて戸惑うことが多い。

基本的な私の対応は:
・アメリカでは飲食、タクシーに15+%(15で計算して適当に切り上げ)
・その他では飲食はおつりの小銭、タクシーも多少の上乗せ程度
 (ただし、社費で落とせる時は多め)
・枕銭はしない
・ベルボーイは使わない、もしくはその国の物価感覚における100円相当
ということにしている。
(こう書き出すとどうもセコイね。領収書がもらえないチップは経費清算できないというのも事実なんですよ。やっぱりセコイか。)

アメリカの飲食店の場合はチップ収入を勘案した賃金となっているため、これはチップというよりも料金だと思ったほうが良い。
その他の国は、本当にそのサービスの質に応じての心付けだと理解している。
しかし、たとえば欧州でも国によって相場は結構異なるようだ。

議論があるのは枕銭だろう。
旅行書には絶対に置け、と書いてあるし、ツアーでは添乗員が必ずおくように指導するらしい。しかし、「そんな風習はないのだ」と言い張る人も結構いる。

地球の歩き方ではPillow Tipと英訳が紹介されているが、一般的な言葉ではない。Pillow tipという言葉は、強いて言えば「枕に関するヒント」という感じだろう。
枕銭に相当する言葉はHousekeeping Tipping (Gratuity)だと思うが、これも決して一般的な言葉じゃないと思う。

で、実際この風習は存在するのか、という疑問だが、私の取引先の欧州人に聞く限りヨーロッパでは一般的ではないようだ。
しかし、これも国によって多少は違ったりするのだろう。

ある米国の旅行サイトがこれに関する調査をしている
これを見るに、30%の米国人は枕銭をしない、40%が1-2ドル、30%が2-5ドルということで、米国ではまあ2ドル程度の枕銭をするのが多数派のようだ。(ただし、このサイトはカリブクルーズなどを得意としており、顧客は多少アッパーな人たちかもしれない)

不便な通貨敬遠 電子マネーが駆逐っていうけど のフォロー

2006年10月13日 | 雑記
去る5月のエントリーで、電子マネーが貨幣を駆逐している、とする日経記事を疑ったが、そのフォローアップをしてみよう。

最新の日銀統計によれば、2006年9月の貨幣流通量は2005年9月に比べて

・500円玉 増加
・100円玉 増加
・ 50円玉 横ばい
・ 10円玉 横ばい
・ 5円玉 減少
・ 1円玉 横ばい

となっている。
この一年間でスイカ、エディ、おサイフケータイなどが飛躍的に普及した事になっているが、ここに示す統計結果からは通貨流通が減少したと読むことは、残念ながらまったくできない。

唯一5円玉が減少しているが、それは前の記事で書いたように内税表示によるものだろう。

大体、この日経記事のタイトルは「不便な通貨敬遠」っていうけど、どこの店でも使える通貨のほうが電子マネーよりも便利だと思う。

電子マネーってものが皆さん言うほどに普及しているとは、私はとても思えないのだ。

アルコール検知装置のジレンマ

2006年10月13日 | 雑記
最近飲酒運転による事故が急にクローズアップされ、ボルボが作っているようなアルコール検知装置の車両への装備を進めるべきだ、という世論を良く聞く。
息を吹きかけ、アルコールが検知されるとエンジンがかからない、というような物だ。

しかし、もうご承知の方も多いと思うが、この装置の普及は途方も無く困難である。

まず第一に、こうした新コンポは最初は数が少ないので高額になる。
通常、先進新コンポは高級車から導入されたり、メーカーオプションとして設定される。
ところが、アルコール検知装置というコンポは以下の矛盾を内包している。

・この装置が本来必要とされる飲酒運転常習者は、多分買わない。
・こうした装置の装着を好ましいと思う消費者はそもそも飲酒運転をしないから、こうした装置は必要ない。

つまり、このコンポの普及には、規制による強制装備という道しかのこされていないのだ。しかし、コストを考えると全車強制はなかなか難しい。
特に、善良な運転者にとってそのコスト負担はまったく納得がいかないだろう。

どこかの国では飲酒運転で検挙されると、それ以降、自己負担でこの装置を自分の車に装着しなければいけないというルールがあるらしいが、この辺が着地点のような気もする。

モバHOの状況から思うこと

2006年10月12日 | モバイル・ウエアラブル
去年の7月の記事で、モバHOについて書いたが、やはり相当に苦戦をしているようだ。100万人以上を目指していた加入者は2万人程度。
累積赤字も300億を超えているらしい。もちろん、親会社の東芝が支えている、という状態だ。

地デジワンセグが逆風になってしまっているが、はっきり言って放送開始時にはわかっていたことだ。私のような素人でも「こりゃ無理だね」とわかることに、大企業が何百億もつぎ込んでしまう、という事態がなぜ起こるのだろうか。

それは、こういうことだ。

1998年にモバイル放送㈱は設立され、2001年には放送衛星を発注している。地デジなどの環境変化があろうとも、もはやこの時点以降、後戻りはしにくい。そして2004年3月に衛星打ち上げ。もう完全に後戻りは出来ない。

さらに、東芝が筆頭株主であるが、びっくりするくらい多くの会社がモバイル放送に出資している。このあたりも撤退の決断を鈍くさせる。

たとえて言えば、多くの支援者からお金を集めて周到に準備したエベレスト登頂隊が悪天候でも頂上を目指してしまうようなものだ。

しかし、どう考えても勝算がない話だったんじゃないだろうか。

三洋から外付け車載ワンセグチューナー

2006年10月11日 | ITS
以前ちょっと可能性をにおわせたが、やはり三洋電機が外付け車載ワンセグチューナーを発売した
シガーライタ電源でミニジャック入力のタイプと、シート下にきちんと付けるRCA入力式の2タイプ。どちらにしても入力端子さえあれば手持ちのナビ画面でワンセグ放送を見ることが出来る。価格も4万弱とこなれており、これは大ヒットするだろう。

車載用外付けワンセグチューナーについては、アンテナの原田工業が商品化を発表し、かなり注目されたが結局中止となった。

この商品はSANYOというコンシューマーブランドということもあり、広範囲な需要を獲得すると思う。

ETCの普及と今後

2006年10月10日 | ITS
昨日はめずらしく、一人で栃木まで車で出かけた。
帰路についたのが夕方の5時。三連休の終わりということで、佐野藤岡周辺でかなり渋滞していたが、浦和の料金所の一般ゲートはまったく拍子抜けするぐらいすいていた。

やはり、ETCの効果が出てきているということだろう。
逆に、ETCを付けていないユーザーも、あの程度の料金所待ちならあえてETCは必要ない、と思うかもしれない。
そこで、ETC普及のためには新たな促進策が必要となるのだろうが、ちょっとまって欲しい。
いまの状況でなにが不満なのだろうか?

料金所渋滞は概ね解消された。ETCを付けたい人はもう付けた。
これでもういいんじゃないか?

確かに高速道路会社は出来る限り有人ゲートを減らしてコストを削減するべきだろう。
でも、それは段階的に有人ゲートを減らしていけばいいだけのように思える。

少なくとも、今の状況に至ってETC普及に金を使って欲しくない。

あるいは、消費者ニーズが希薄な「ETCのサービス利用」に対する夢を追いかけて100%装着を目指しているのかもしれない。
確かに、これを放棄するとITS構想は本当に雲散霧消する。

しかし、消費者ニーズが無いのであればどうしようもないのだ。
厚生年金で作った田舎のリゾートと大差ない。
もうこんなことに無駄使いをする余裕はないだろう。即刻考え直すべきだ。

スキポール空港

2006年10月08日 | 雑記
スエーデン・イーテボリからフォッカー70でアムステルダム・スキポール空港へ。

この飛行機はここ以外ではほとんど乗ることができない。
フレンドシップで知られたオランダのフォッカー社が1993年に初飛行させ、1997年に倒産するまでにわずか46機しか作られていない。そのうち21機がKLMの近距離キャリアであるKLMシティホッパーで使われている。

ビジネスへのアップグレードをもらったが、違いは機内食だけ。それだって所詮さめたサンドイッチで大差ない。

私の隣はアジア系のキャリアウーマンという感じの人だったが、FAはその人には英語でチキンかチーズかと聞き、その後私にはオランダ語でキップ(チキン)かカース(チーズ)か?と聞く。
その程度のオランダ語単語ならわかるのでオランダ語で答えたが、何故私をオランダ人だと思ったかまったく不可解。
そもそもオランダ人はほとんど英語をしゃべるので、オランダ人と仕事をする時にオランダ語の知識はまったく不要だ。唯一、食べ物の単語は知っていたほうがレストランやファストフードで役に立つ。
欧州ではどこでもそうだが、英訳されたメニューはなんだかさっぱりわからないことが多いのだ。

スキポール空港は異常に大きく、離れた滑走路に着陸するとゲートまで運河を超え、高速道路を超え、まるでジェット機でドライブをしているかのようだ。
Google Earthで見比べると、空港はアムステルダム旧市街よりも大きい。

ラウンジやショップエリアの大きさも並ではない。
出発案内の画面には、その表示からゲートまでの所要時間も表示される。まだ15分あるから大丈夫、と思っても、ゲートの端にいるとそこから歩いて20分かかるということがあるのだ。

驚いたのことに、空港内のDVDショップで堂々とアダルト物が販売されている。特に一画に隠すということはなく、入り口近くの一等地で販売されているのだ。お客も、堂々と見ている。今まで気がつかなかった。
確かに、オランダなどでは駅のキオスクでも無修正の雑誌などが表から見えるように陳列されていることがある。
ここらあたりの感覚はどうも理解できない。

空港内にラーメンカウンターができた。
まずいとは言わないけど、1500円出す価値はない。

どうも食い物の話ばかりで恐縮です。
ITSは帰国後ゆっくり再開しましょう。