ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

高速道路割引

2009年01月27日 | 高速道路
高速道路の割引、「土日走り放題1000円」が正式にアナウンスされた。
すでに事前報道され、与党としては選挙を前にして引っ込めるわけには行かないだろう。

前にも指摘した通り現在のガソリン価格なら公共交通機関よりもクルマの方が安くなる。これが環境にとってどうなのかと言うことは大いに議論の余地がある。
また週末の大渋滞は避けられないだろう。

しかし、自動車業界で生計をたてている私としては、クルマには走ってもらったほうが有り難い。

そうはいっても、今までの「世界一高い」高速道路料金からの見直しとしてはいささか極端に映る。
科学的な分析に基づいた決定にはみえない。

また、この話と昨秋ポシャった首都高速の距離別料金制とはどうやって折り合いをつけるのだろう。

首都高速は不公平感の是正といっていた。一方NEXCOは週末「地方に限り」「乗用車だけを」千円定額にするという。

そもそも空いている高速道路は安くして通行量を増大させた方がいい、とは思っている。自動車専用道は一般に比べて遙かに安全で、燃費も良い。多大な費用を投じて作ったインフラなんだから、使われない方が税金の無駄になる。

どうやら土日千円は景気対策として期間限定で、その後土日半額、また現在の夜間、通勤割引などは今後も継続というあたりに落としどころがあるように感じるが、果たしてすんなり千円を元に戻せるのだろうか。

2009東京オートサロン

2009年01月10日 | 雑記
東京オートサロンへ行ってきた。

国内のモータースポーツ・カスタマイズ市場はざっくり言って最盛期の1/4位に縮小してしまっているような感じがする。
とくにここにきてホンダがF1、スバル、スズキがWRCから撤退し、モータースポーツに対する関心はまったく凋落してしまっている。
現在ダカールラリーが進行中だが、報道すらされない。

そんな中でのオートサロンだが、それなりの規模は保たれているがやはりなんとなく地味な印象をうけた。PIAAが出展していないのには驚き。また、会場の真ん中にベンチが並んでいる空き地もあって、ドタキャンしたメーカーがあったのだろうと思われる。
チューナー各社もいつもより即売に力が入っていて、出店費用を少しでも回収しようという感じ。

オートサロン名物のレースクイーンも少なく、それを察知していたのか撮影オタクの方々もいつもより少ないように見受けられた。

アルパインが、市販では初めてオールラウンドビューモニターを発表(参考出品)していた。
日産が工場装着で市場導入をしTVコマーシャルもしているのでご存じの方も多いとおもうが、複数のカメラの映像を合成して車の回りの障害物を上から見たような映像でナビ画面に表示するもの。
フロント、リヤと両サイドのミラー下部にカメラを装着していた。
これは注目商品になるだろう。

ホンダ(アクセス)が新型ライフにピンクのシートカバーやらスワロフスキーのキラキラなどを装着して2台展示していたが、女性向けにはピンクという発想は志が低く、どうにもホンダらしくないと思う。こんなもん絶対売れない。

一時はアメリカンカスタムやVIP系のヤン車で鳴らしたDAMDも、今年の展示は白いエボXやインプにカーボンのアクセントといった、妙にすっきりしたおとなしい車を展示していた。

ギャルソン名物の全面スワロフスキーを貼りつめたメルセデスだが、今年は金銀で2台並んでいてすごかった。
ロシアの成金だったら本当に買うかもしれない。

「暇つぶしが忙しい」marj.jpとは?

2009年01月08日 | インチキ・疑似科学
年末年始に大量のCMを流している携帯SNSサイト「marj.jp」(マージュ)。
女子大生がケータイいじっている横でおじさんが踊ったりする奴ね。

これだけの広告資金を投入するからには大手企業がやっているのかと思いきや、設立されたばかりの資本金900万円の会社が運営している。

しかも、肝心の携帯SNSサイトは内容・サーバー能力など、およそ数億円(と思われる)費用をかけて広告するようなものではなく、むしろ未完成というべき状態らしい。
GOOGLE検索 marj.jp

資金がどこから出ているのか?何が狙いなのか?

謎だらけです。

年末年始のご挨拶ってのは

2009年01月07日 | 雑記
昨日今日と年始のご挨拶にお見えになる方が多いが、年末にもいらっしゃって10日もたたないうちにまたお見えになるわけで、そういう妙に律儀な営業マンに限って「ご挨拶」と「世間話」以外に話題がなかったりする。
年末か年始か、せめてどっちか一回にしてほしい。

ハッキリ言って、付加価値をもたらさない営業の訪問は不要だ。

自戒をこめて。

2009年

2009年01月01日 | 雑記
新年あけましておめでとうございます。

2009年波乱の幕開けとはうらはらな、穏やかなお正月となった。
しかし、この先の自動車業界を考えるととても素直に新年を祝う気持ちにはなれないというのが正直な感想だ。
国内はクルマの日用品化が進んでしまい、2009年は自家用車の買い替えはほとんど望めない。
今までの不況では、日本がだめならアメリカ、先進国がだめならBRICS、自家用車がだめでも商業者というような逃げ道があったが、今回はすべての市場がダウンしている。さらにアフターマーケットも恐ろしく冷え込んでいる。
正確な統計はないと思うが、感覚的にはモータースポーツや改造車といった市場は一時の1/3以下に縮小したように感じる。巣ごもり消費の影響で走行距離が伸びず、整備需要も伸びない。

日経の元日版恒例となったIT特集では、ユビキタスやクラウドコンピューティング、SNS、スマートフォンなどが生活を変えるという内容になっているが、車と通信の融合については全く触れられていない。
このブログも、今年あたりから内容的に方向転換を余儀なくされるかもしれない。

IT特集でいちばんに取り上げられていたユビキタスについて考えてみよう。
未だにユビキタス社会の実現は既定路線的に語られているが、どうなのだろう。
オフィスと家庭にパソコンがあり、通勤途上も携帯でつながっている現在の社会で、これ以上のユビキタスって本当に必要なのだろうか?

ある程度の改善、進化(ケータイの広い意味でのスマートフォン化など)はあっても、革新的なマーケット創造の余地はもはやないと思うのだが。
実際、オープンカフェでノートブックを広げるとか、出張先で急に調べものといったオケージョンって、実はそんなにない。

このマーケットが存在するなら、WiFiのホットスポットビジネスはもっと普及しているはずだが、たいした進展がない、というのが本当のところだ。

結局、ITは生活を便利にして、消費者が外に出なくてもよくなってしまったのだ。昔は家の中の娯楽は地上波TVしかなかったから、車でどっかいこうぜ、というのが普通の休日パターンだった。
今、インターネットがあれば暇がつぶせる。動画、ネットショッピング、ブログ、SNS、ゲームなど、いくらでもやることはある。
少し前までは家にこもってインターネットをするのは特殊な人種とおもわれていたが、今やだれでもそうだ。
巣ごもり消費を牽引しているのはITなのだ。ITが生活を変える、という言葉はいままで一貫して肯定的に使われてきた。
しかし、モビリティを必要としない巣ごもり消費は明らかに景気の回復力を鈍らせる。
日経記事とは裏腹に、ITの進化はユビキタス不要の方向に進んでいるのかもしれない。

これは実は結構深刻な問題だと思う。

正月早々長文で失礼しました。今年もよろしくお願いします。