ITSを疑う

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ITSスポット対応ナビ、ETCが普及しない理由

2010年12月21日 | ITS
昨日のエントリーで、ITSスポット対応のナビやETCは「普及に時間がかかる」のではなく、「普及は望めない」と書いた。
その理由を簡単に説明しておく。

確かに、ITSスポット対応ナビは今後ある程度市場に投入されるだろう。ITSスポット情報の表示対応であれば、それほどのコストアップではない。当然のことだが、ITSスポットビジネスに与している電機メーカーはこの機能を自社のカーナビに搭載するだろう。
しかし、全部ではない。上位機種だけになるだろう。

ポイントはITSスポット対応のカーナビをつけても専用のETCをつけないとITSスポット情報は表示されない、ということだ。これの普及は絶望的だと思う。その理由は以下の通り。

1.そもそもビーコンVICSがどれだけ普及しているのか?市場認知すらあやしい。一般的なユーザーはビーコンVICS(光、電波)がなんであるか知らない。
光ビーコンは旅行時間情報も発信するので、渋滞迂回ルートを案内するが、それもほとんど市場認知されていない。
ビーコンは光と電波で4万カ所に設置され、すでに10年の歴史があるのだが。

2.ETCはすっかり普及しており、ITSスポット情報のために買い替える人がいるとは思えない。しかも、ITSスポット対応ETCは高い。ETCの本質はノンストップ高速道路料金支払い機であり、ITSスポット情報機能はおまけ機能にすぎない。おまけのために買い替えるユーザーは多くはないだろう。