ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

首都高の距離別料金検索がよくわからない

2011年12月31日 | 高速道路
首都高㈱のWEBサイトにある距離別料金検索がとてもわかりにくい。

首都高速距離別検索

例えば、出発地を高井戸にし、到着地を外苑出口にして検索にすると、距離は9.9km、ETC割引料金600円、現金料金900円となる。
しかし、その手前にある代々木出口を到着地にすると、距離は23.3km、ETC割引料金800円、現金料金900円とかえって高くなる。
激しいのは、さいたま見沼から6キロほど離れた与野へいく場合。なんと距離が70.9kmと表示される。

これはつまり、「その出口は反対車線にあるのでそこから出る場合ははるか先の環状線までいって一周して戻ってこなくてはならない」ということなのだ。
理屈では全く正しいのだろうが、そんな出口の表示は不要だろう。

例:高井戸からの距離早見表
4号新宿線の出口を見ると、代々木、幡ヶ谷などの反対車線の出口の距離が大きく表示される。

さらに意味分かんないのは入った高井戸が、30.9kmとして表示されている。
これは、C1をサーキットにして帰ってくる暴走族用の表示なのだろろうか?

実際には大きく遠回りしなくては降りることができない反対車線の出口を表示する必要はないだろう。むしろ、出口がどちらの車線にあるかを知らない人は混乱するばかりだ。
記載するにしても、そうした出口には何らかの注記をつけるのが普通だろう。

利用者にとってどうしたら使い勝手がいいか、理解しやすいかを考えずに機械的に掲載しているとしか思えない。
やっぱりまだ民間会社ではないね。

明日から首都高の距離別料金開始

2011年12月31日 | 高速道路
明日から首都高速の距離別料金がスタートする。

一昨日高速道路を走っていたら、結構それを知らせる掲示板が目についた。また、メディアにもそれなりに告知を出しているように思える。
しかし、ETCをつけていないと無条件で最大料金という一番ネガティブなポイントはあまり強調されておらず、むしろ横浜から埼玉まで行く場合は大幅に安くなる、というメリット系を強調した記事が多かったように感じる。

実際に最大料金を当初計画していた1200円から900円に下げたため現行料金との差は200円に過ぎず、ETC未装着車のユーザーもたまに使うだけならあきらめが付くのかもしれない。
首都高Xがやめになったのも、この金額差ならETC未装着ユーザーから大きな苦情が出ないのでそこまでする必要はないということか。

いろいろと批判があって上限を900円に抑えたのはいいが、なぜ下限も引き上げたのだろう?
シミュレーションの結果で下限も引き上げないと収入減になるということなのかもしれないが、当初は短距離の料金を下げることで今まで利用しないユーザーが利用するようになると言っていたように思う。これはその通りだと思うのだが。500円では短距離で使おうとは思わない。

今回の改訂で、埼玉、東京、神奈川のゾーン別料金を廃止したことでの最大料金ダウンはかなり大きい。というか、私にはずいぶんな大盤振る舞いにみえる。
なんとなく、このあたりの整合性がよくわからない。 まあ、この区間を使う人にとっては朗報でしょう。

ということで、首都高速株のWEBサイトにある新料金早見表を見てみたのだが、これが全くわからない。
詳しくは次のエントリーで。

米国家運輸安全委員会、運転中の携帯通信機器の使用を全面的に禁止すべきとの提言

2011年12月30日 | ITS
そもそもこのブログを始める切っ掛けのひとつに、テレマティクスが実現するサービスのうち「車の中でメールを受け取る」というのにひどく違和感を持ったということがある。
奥さんを隣にのせた状態で着信メールがナビ画面に表示されても全然OK、という人はどのくらいいるんだろう?
別にガチで浮気していなくても、飲み屋の営業メールや悪友の誘いなんかあんまり見られたくないものが結構あるはずでしょう。だからといって、一人で乗る時と家族で乗る時でいちいち設定を切り替えるのも面倒。
そもそも、携帯メールなんて信号待ちで見ればいい。返信はよっぽどのことがない限り、車を降りてからする。緊急なら路肩に停めて対処する。
下道が一般的な日本では、まあそういった使い方をするのが普通なので、わざわざ車がメールを受信する必要は全くない。
これが、高速道路を数時間走り続ける欧米では、ちょっと事情が違うだろう。

実際、先日米国家運輸安全委員会は運転中の携帯通信機器の使用を全面的に禁止すべきだとの提言を発表した。
米道路交通安全局によれば交通事故による昨年の死者のうち392人はドライバーの携帯電話操作による不注意が原因だという。
今回の提言は法的拘束力はないものの、カーメーカーの用意するものを除いてハンズフリー機器による通話すらも禁止すると言っている。
私はハンズフリー通話まで禁止にする必要はないと思う。まあ、現実問題としてハンズフリー通話は外から見てわからないので、それで違反を切符を切られることはないだろうが。

何れにしても、携帯と車の関係で一番怖いのはテキストインプットだろう。FACEBOOKやツイッターで他人の書き込みにすぐ反応したいという状況は、ある。
仮に音声認識で送れるとしても、それはかなり気を取られることで運転中にやるべきではないのだが、この先確実にこれに起因した事故が増えるだろう。


日本型最新テレマティクス「ITSスポット」は本当に必要か?

2011年12月27日 | ITS
ダイヤモンド・オンラインにジャーナリスト 桃田健史氏の『日本型最新テレマティクス「ITSスポット」は本当に必要か?』という記事が掲載されている。

私と同じ趣旨のことが書かれているのかと思ったら、全く違った。

ほんとうに必要か?の部分は、今後スマホがナビを含むクルマの車載端末を劇的にかえる(これは同意する)中で、ITSスポットがそれとの関係を明確にしていないことに疑問を呈している。
そもそもDSRCの交通情報活用構想自体ETCを始めたころからあった話で、スマホどころか携帯電話自体まだ十分に普及していない頃の構想であり、これは仕方がない。

まあ、リンク先を見ていただければわかるが、基本的に桃田氏はITSスポット自体は肯定しているようだ。

マクドナルド、ドライブスルーでDSRC決済の実験

2011年12月26日 | ITS
マクドナルトは道路新産業開発機構(HIDO)と共同し、ドライブスルーでのDSRC決済実験を始めるらしい。
らしいというのは、平成22年度のHIDOの報告書には平成23年秋に、と書いてあるけど、今のところやっている様子はないのでいつになるのかはわからない。

聞くところによれば、マクドナルド側はメニュー選択と料金収受のスピードアップによる客数向上が狙いで、「ETC専用レーン」を作ることによりユーザーにも待ち時間短縮というメリットをだす、というのが基本的な考え方らしい。

将来的にナビの画面でマックのメニューがでて、それをタッチするなりして注文することが出来て、かつ料金決済が自動的にできるようになるらしい。確かに便利な未来だけど、それにお金を払うかといえば毎日マックのドライブスルーを使う人以外、NOだろう。
さらに、メニューの注文に関しては、少なくとも私は画面をタッチしたりスクロールしたりするより窓開けてマイクで頼んだほうが楽だと思う。

料金収受を合理化し待ち時間や客処理数の向上をはかりたいなら、エディやおサイフケータイなどの専用レーンを作ればいい。それなら今すぐできる。それすらやらないのは、まだフェリカ決済ですら一般的ではないからだろう。

こうした民間決済はETCカードではできないらしい。都度クレジットカードを入れ替える必要がある。これはダメでしょう。
さらに、店舗に設置する機械もまだ一千万円近くするようだが、店舗側にそれに値するメリットはない。
まあ、実験ならやればいいけど。

このしくみに普及はない。キャズムを越えるどころか、始まりもしないだろう。

携帯の非接触充電はくるか?

2011年12月20日 | モバイル・ウエアラブル
携帯電話の非接触充電は、家電、電話機メーカーが参加するWPC(ワイヤレスパワーコンソーシアム)のQi(チーと読むらしい)という規格があるが、さほど普及しているというイメージはない。
しかし、アメリカではすでにパワーマットという商品がかなり売れている。iPhone用、BlackBerry用で400万台も販売したという。
2007年に設立されたイスラエルの会社だが、P&Gからの出資がきまりDuracellブランドをつけて小売チャンネルを拡大するので、今後更に販売を伸ばすだろう。

アメリカでは、すでに一部の空港の待合テーブルなどにもPowermat規格の充電装置が設置され、このまま行けばスタンダートとなる。

日本でもネット通販で手に入るので買ってみようかと思ったが、2つの理由でとりあえずやめた。
まず、iPhoneにジャケットを着せなければならないこと。次に、日本では公共施設やカフェなどのテーブルで充電出来るようになる見込みが今のところないこと。

iPhoneにしてから、毎日複数回、会社の机や自宅で必ず充電口にジャックを差し込んでいる。大した手間ではないのだが、もし自宅、オフィス、クルマ、新幹線、カフェ等の立ち寄り先でどこでも置くだけで充電出来るようになるなら、それはそのほうが良い。
Powermatは小売50ドルとユーザーの値ごろを捉えている。商業施設は集客になることから充電機能付きのテーブルなどを導入し、さらにこれが普及を加速させることになる。また、デトロイトスリーは車両への装備も検討を始めているらしい。
そのうち、電話機メーカーも顧客獲得のために内蔵することになるだろう。

アメリカではどうやらこのエコシステムがもうすぐ離陸しそうだ。

国内スマートフォンのシェア、シャープが一位という驚き

2011年12月19日 | モバイル・ウエアラブル
国内に限っていえば、スマホのシェアはシャープがNo.1なんだそうだ。山手線の中で観察している限りでは、アップルがダントツだけど。

勿論単一機種ではiPhoneがトップで、シャープは全キャリアに出している複数の機種の合計という事になる。どちらが効率がいいかは言うまでもない。
そして、これも言うまでもないか、これは国内限定の話。

しかし、驚くべきことは矢野経済研究所の分析では、国内に於いてはシャープやソニエリ、パナソニックのスマホがこの先順調に拡大し、iPhoneは横這いだという。これはにわかには信じられない。
矢野経の調査は単にメーカーへのアンケートがベースだったりすることが多いから、国内メーカーの数字はかなり楽観的と言うか、建前上の計画値かも知れない。

しかし、それにしてもハードウェア以上の仕掛けがないシャープやパナソニックのスマホが、いかに日本国内市場とは言えこの先iPhoneを尻目にシェアを拡大するとは到底思えない。

スマートフォンとスマートTVの根本的な違い

2011年12月18日 | モバイル・ウエアラブル
この先TVはネットに接続され、携帯がスマホに取って代わったようにスマートTVになることがもはや既定路線であるかのような見方がされているが、果たしてそうなのだろうか?

ソニーのストリンガー会長は、4スクリーンという言葉を使っている。つまり、茶の間のTV,PC.タブレットとスマートフォンの4つのスクリーンがクラウドで連携するということを意味しており、これらを統合する企業が今後のTV市場を制すといいたいのだろう。
すでにアップルはPC、タブレット、スマートフォンを有し、来年にはTVを出すという噂がある。これに対しtソニーは相当の危機感を持っているだろう。
Googleは主にクラウドとソフトでそれを手中に収める戦略だが、ソニーと組んだGoogleTVはあまりうまく行っていない。

PC、タブレット、スマートフォンがクラウドで連携し、パーソナルツールとして様々なことを可能にすることについては私は全く異論はない。まだまだこれから様々なサービスが登場するだろう。
しかし、スマートTVについては私はどうしても懐疑的にならざるえない。

その理由は以下のとおりだ。

PC、タブレット、スマートフォンはすべてパーソナルなデバイスといえるが、大画面TVは果たしてそうなのだろうか?もちろん、一人暮らしであればパーソナルなデバイスに違いないが、家庭にある場合は家族で共有するのが普通だろう。
いまだに、家族の食事中の話題の半分はその時見ているテレビ番組に関するものだという。
それは、くだらないバライティかも知れないし家政婦のミタかもしれないが、話題共有という観点からも家族で見るコンテンツは通常はサイマル放送ということになる。

家族揃った団欒で誰かのツイッターTLやFACEBOOKのウォールを見ることは絶対にありえない。共有デバイスとソーシャルネットワークは全く親和しない。
さらに、YOUTUBEでオモシロ動画を家族でワイワイやりながら見るというような状況も、あまり想像できない。

ネットに接続されたTVならなんでもスマートTVと呼ぶなら、それは普及するだろう。というか、今でもアクトビラのようにネットにつないで映画を有料で見ることが出来るTVは普通に存在する。
これは、将来的にはレンタルビデオという業態を駆逐するものになるだろうが、しかしこれだけでは「スマート」とまでは言えないだろう。

では、スマートTVとは何をするものなのか?

クラウドの情報を通信で共有するということは、これはやはりパーソナルデバイスだとしか考えられない。
ということは単身者がターゲットなのかもしれないが、PCとの住み分けを明確にしないと商品としてのスタンスが見えてこない。
一人で楽しむ限りにおいて、目の前の17インチと3メーター先の40インチは同じようなものだ。

スマートフォンにできてパソコンに出来ないことは明確だ。電話をすることと、ポケットに入れて外に持っていくこと。
では、スマートTVにできてパソコンやタブレットに出来ないことは何だろう?私には画面の大きさ以外思い浮かばない。


GoogleTVの失敗は、コンテンツ不足とリモコンのUIの悪さに起因するという記事が多いが、これは本当なのだろうか?
3Dテレビも、最初、普及しないのはコンテンツ不足と専用メガネの使い勝手のわるさだと言っていたジャーナリストが多かったが、本質はそこになかった。

実際の使用シーンを思い浮かべながら商品企画をしないと、スマートTVは3Dテレビの二の舞になる。

日本の自動車市場を開放しろだって?

2011年12月17日 | 雑記
日経記事を転載。

米通商代表部(USTR)のカトラー代表補は15日に都内で記者会見し、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への日本の参加を巡る日米間の事前協議で、米国産自動車の対日輸出の拡大が一つの焦点になるとの見方を示した。「日本の自動車市場について懸念を示すだけでなく、いかに米国車に市場開放できるか提案したい」と語った。

自動車に関税をかけていない我が国に一体なにを言っているのかと思ったら、どうやら軽自動車に対する税制優遇が非関税障害だというらしい。

馬鹿馬鹿しくて話にならない。じゃあ、軽自動車を作って挑戦すればいい。
百歩譲って軽自動車の税制優遇を廃止したとしても、それでアメ車が売れるというのは風が吹くと桶屋が儲かると言っているようなもの。
軽の税制優遇がなくなればその需要は1000ccの小型車に移行するだけで、アメリカ製のクルマに関係あるセグメントではない。

アメリカ製の自動車補修部品が売れないのは日本の非関税障害だということで、1995年に日本はアフターマーケット部品の装着に関する法規制を大幅に緩和した。これは、アメリカで大きな発言力を持っていたショックアブソーバーメーカーが「モンローブランドのショックアブソーバーが日本で売れないのは非関税障害による」と主張したことに起因する。
USTRはその結果何かアメリカにいいことがあったかを一度チェックしたほうがいい。
7-8万キロで廃車になる日本ではショックアブソーバを交換する風習がないなんてことは調べれば分かったはずだ。

多分、通商代表部にしてみても日本が軽自動車規格をやめたってそれでアメ車が売れるとは思ってないだろう。思ってたら相当お馬鹿だ。これは自国民及び自動車産業に対するポーズなんだと思う。

ITSスポット体験試乗会

2011年12月14日 | ITS
13日、国交省はマスコミ向けにITSスポットの体験試乗会を行ったらしい。
Googleニュースで検索してもレスポンスの記事 その1 その2 しか引っ掛からないので、殆ど注目はされていないようだ。

さて、面白いのは上のリンク先(その2)の記事。
国交省も結構正直に回答している。

DSSSが次世代のITSスポットをビーコンで展開していることについては、「庁間でそれぞれに考えがある」と答えているし、“ITSスポットの情報は必ずしもDSRCに頼らなくてもいいのではないか?”との質問に対しては「スマートフォンの普及状況をみれば、通信によって情報提供する方法も考えられる」と回答。

前段についていえば、私には警察側の既存業者優遇策としか思えない。

後段については、それはそうだろう。ITSスポットの最大の長所としてあげた「広域の渋滞情報」は、先週からGoogleマップが無料で提供している。
でも、そんな話に今年250億円かけて1600カ所に路側機を設置したのだ。
1000カ所の計画だったが路側機の価格が下がったので1600ヶ所に増やしたらしいが、予算は全部使いきるという役所発想なのだろうか。

でもそれは税金だ。

それ以上に、今だに「将来的にはDSRCをつかったガソリンスタンドやドライブスルー決済を」と言っているのはどうなのか。これは10年前から言い続けて実現しない。
財布からクレジットカードを出す程度の手間が省けるだけ→その程度の利便性では集客効果はない→店舗側が投資しない という単純な理由から、このビジネスのエコシステムが成立しないのは自明のことだろう。

Googleマップがプローブ渋滞に対応した衝撃

2011年12月11日 | ITS
先週東京モーターショーに行って来たが、カーナビ、カーメーカー、インターネットITS協議会などどこもスマホを使ったテレマティクスの可能性について前向きな展示がされていた。
今現在はスマホではカーナビとデータ通信ができないが、車に通信デバイスを搭載してスマホでそれをコントロールするようなものが多い。
トヨタがトヨタフレンドと称して、車がツイッターでつぶやくというのを大々的に宣伝していたが、これは個人的には疑問。それってなんか楽しいか?

それはさておき、モーターショー出展者にとって今回のGoogleマップのプローブ渋滞情報対応はまったくの寝耳に水だったのではないか?

トヨタ、日産、ホンダ、パイオニアなどが今まで自社のプローブ発信ユーザーとサーバーを構築し、プローブ渋滞情報を自社ユーザーへ提供し、それを自社囲い込みに使うべく相当の手間と費用をかけてきたわけだが、いまやiPhoneを持っているだけで誰でも無料で渋滞情報が手に入ることになった。

Googleの渋滞情報の精度についてはまだ何も報告がされていないのでわからないが、これが十分使えるものだとしたら既存テレマティクス陣営にとっては相当の衝撃だろう。

問題は、スマホという小さい画面でどこまで運転中に活用できるかということになる。
活用できなければ意味がなく、また活用できるとしたらそれは運転の妨げになる可能性がありかなり危うい。
運転中はナビなどの画面を「注視」してはいけないということになっているが、3.5インチレベルのスクリーンは注視しなければ理解はできない。
また、操作規制もされていないので、運転中にスマホの画面を操作することも可能であり、これはもっと危ない。

しかし、こうした問題がクリアになればVICSにしてもITSスポットにしても、カーメーカーのテレマにしても、全部一気に「オワコン」になっちゃうかもしれない。

急増するスマートフォンのトラブル???

2011年12月03日 | モバイル・ウエアラブル
国民生活センターは12月1日、「急増するスマートフォンのトラブル」という発表を行った。
発表には「スマートフォンに関する相談件数(注2)は、年々増加し2010年度は携帯電話全体の相談の約9%であったが、2011年度は約20%を占めている。」とあるが、2011年9月のスマートフォンの所有率は22.9%、昨年9月は9.0%(インターネットメディア総合研究所)ということだから、単に電話機に占める比率に応じた相談が寄せられているに過ぎない。
急増しているのは事実だが、スマートフォンにはさほど責任がないと見るべきだろう。

また、相談内容も

■修理に出しても不具合が続く
  →ソフトのハングアップを故障として修理を要求しているようなケース。
   実際、うちの家内はiPhoneのfacebookソフトのバグ(実際、これはヒドイね)を「故障」といってた。
■すぐに電池がなくなる
  →(iPhone4S問題は別にして)スマホなんてそんなもの
というように、これは国民生活センターも認めているが、商品を理解していない購入者による苦情であり、売る側も「誰にでも売っていい商品ではない」ことをきちんと自覚しなくてはいけないんだろう。

50代男性、月々3000円だったが、月額が9000円になったという苦情の例がPDFにある。定額契約をしていなかったがソフトの自動更新等で通信が発生と思われるが、ガラケーで月に3000円(=電話とメール少々)しか使わない50代男性にスマホを売ってしまうことが問題だね。

スマホと車載機器の関係

2011年12月03日 | モバイル・ウエアラブル
前にも書いたけど、G-BOOKやCARWINGSの通信機能はガラケーじゃなくちゃ使えない。
Web上では「iPhoneに買い換えたのでもう使えません」というような書き込みがいくらでも見つかる。

これに関して、カーメーカー側は通信キャリアに対して何らかの対応を依頼しているらしいが、キャリアには全く対応する気は無いらしい。

スマホがシェアを拡大していくなかで、テレマティクスにとっては致命的な問題となる。

一方で、スマホ自体をテレマティクスに使うという考え方が出てきており、それは極めて自然な流れだけど、今のところクルマの装備との連携は出来て無い。
そうした中、携帯画面を車載モニターに出すのが数年先のスタンダードになるという見方が急浮上している。
Nokiaの「Morror Link」という外部機器接続プロトコルで車載モニターにつなぐことが欧州では始まった。
でも、ノキアじゃねぇ。アンドロイド対応も始まるらしいが。

これのポイントは、運転中の操作規制にある。
運転中にGoogle検索したりYoutube見たりしたら事故が多発する。これについては欧州委員会などで検討が進められているようだが、運転中に一定の操作を規制する専用アプリのみが走行中に表示されるような事になりそうだ。
ここではかなり進歩しているクラウドを使った音声認識がキーになるだろう。

残された課題はスマホの置き場所と性能。キツイ処理をするとかなり発熱し、しかもダッシュボードに据え置いたからこれも熱でやられる。
さらに、視野角妨害やエアバッグに干渉して吹っ飛んできたりしたらたまらない。

と、いろいろ課題はあるものの今のところはスマホをメインにしてクルマは「モニター」「アンプ」「スピーカー」を提供すればいいのだ、という方向で進んでいる。
スマホにはカメラも付いているので「ドライブレコーダー」「車線逸脱警報」「接近警報」なんかも出来る。実際にそうしたiPhoneアプリはもう存在している。
この市場はかなり面白いものになる可能性を持っている。

だがしかし、それでも私はちょっと懐疑的。
クルマにはラジオとナビが付いていればよくて、それらのコストが十分安くなれば、専用のインターフェースで車に標準装備されてたほうがいいかも知れない。携帯プレーヤーがクルマのオーディオを駆逐しなかったように。
自分のスマホに好きなアプリ入れて、それをクルマの機器を使って活用するってのはかなりITリテラシーがないと難しい。(高齢化している)フツーの自動車ユーザーにはハードル高いように思う。

スマートTV?

2011年12月01日 | 雑記
つい先日、「インターネットTVはブレイクしない」というエントリーをしたばかりだが、最近は「スマートTV」という言い方がされていて、今後のTV関連の目玉商品であるという見方もあるようだ。
JBプレス記事「スマートテレビは間違いなく普及する
JBプレスは全文を読むのには無料の会員登録が必要。面倒な方のために要旨をしるします。

スマートテレビの定義は、ネットに接続されていて、かつ高い処理能力のあるCPUを搭載していること。
前者だけの場合をインターネットTVというらしい。

で、この記事では「スマートTVが間違いなく普及する、その根拠はユーザー調査で判明した」とあるが、実際の調査結果は「TVでYoutubeなどを観たい」19%、「TVでオンデマンド有料映画を観たい」10%という内容で、どちらかと言うとあまり消費者は関心を持っていないとしか、私には思えない。

さらに、「スマートTVはスマートフォン並に普及する」というタイトルでグラフが示されている。
現時点でインターネットTVの国内普及台数が400万台、スマートTVはなし。それに対して「スマートテレビ普及によるネット利用率の増加によって、2016年度には現在の4倍近い1532万世帯にまで拡大すると見込まれる。そのうち、スマートテレビを利用する世帯は、約半数の770万世帯に上ると推計する」と書かれているが、その根拠はどこにも示されていない。
その根拠が無い予測が、文末では「5年後までにスマートテレビがテレビ関連市場にもたらす変化の規模は、スマートフォンが携帯電話市場にもたらした規模と同程度となる」という断言に変わっている。

全く分析の体をなしていないレポートなのだが、これがかの有名なNRIに属する研究員のレポートだとはちょっと信じられない。

我が家では、リビングに40インチ液晶があり、それはアップルTVが接続された「インターネットTV」だが、私一人の時しか使わない。テレビの前のテーブルに私と娘の各々のノートブックがあり、ネットコンテンツはそれで各々が見ている。さらにふたりとも傍らにiPhoneを置いている。
ネットはパーソナルかつプライベートなものだから、どうしてもそうなるのだ。家人がいるときにそうしたコンテンツを大画面で見ようなんて誰も思わない。

多分この先、大概のTVには差別化のためにネット接続機能が装備され、そういう意味では「普及」するだろうが、それはガラケーがスマホに代わっってしまったようなパラダイムシフトを意味するものではない。