ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

衛星ラジオ

2008年03月30日 | 雑記
最近、モバHOの車載受信機を向こう一年間の受信契約をするという条件で無料で提供する、というような話があった。
どうやらこれは誰にでもオファーされているわけではなく、モバHOの販売拡大に寄与する業界関係者限定、というようなもので、私にも話が回ってきたらしい。

しかし、残念ながら契約はしなかった。

結局のところ、これは衛星ラジオだ。月額1000円程度で好きなジャンルの音楽が聞き放題。
でもHDDミュージックサーバーが付いていると「CD80枚程度入っているし、音楽に関してはもうこれで十分だな」と思う。

衛星ラジオがかなりの普及を見せているアメリカでも、HDDナビの工場装着が拡大するといわれており、それにより車載音源メディアの構造が劇的に変化する可能性もある。

まあ、それ以前にアメリカではiPodの車内接続が予想をはるかに超えて普及しており、またPodcastを通勤で聞くというスタイルも定着しているようで、これらも衛星ラジオにとっては逆風だ。

つい最近、XMとシリウスの合併が承認され、アメリカの衛星ラジオ会社は一社になることが決定したが、司法省は「MP3プレーヤーなどさまざまな音声娯楽形態の普及を背景とした競争激化により、安易に値上げによる収益確保はできないと判断した」といっている。

前途は多難だ。

アメリカの通信型カーナビ

2008年03月29日 | ITS
一昨年の末にアメリカの通信型カーナビDASHについて書いた。2007年夏にはサービス開始といっていたが、やっとサービスが開始されたようだ。 DASH
本体価格は399.99ドルで、アマゾンでも買える

面白いのは、昨年末に予約注文を開始したときには599.99ドルだった、ということだ。この価格では高かったのだろう。200ドル下げるということは、本体は赤字で販売しても利用料で利益を得るというビジネスモデルを選択した、ということのようだ。
(追記 この話、なんかどっかで聞いたことがあると思ったら、iPhone8ギガモデルのケースと同じだね。)

このナビは単体ではGPS方式のPNDのように使える。
しかし、10~13ドルの月利用料で渋滞情報・地図アップデート・YAHOOの最新情報等が提供される。キラーコンテンツとなりうるのは、渋滞情報だろう。
DASHの場合、加入者が双方向通信で匿名位置情報をサーバーに送ることで、プローブによるリアルタイム渋滞情報を提供する。
携帯通信ユニットは内蔵され、通信料は月利用料に含まれるようだ。
また、Wifiでも通信可能。これは、主に自宅車庫で自宅の無線LANを使って通信、という使い勝手を想定しているらしい。ただしホットスポットでの接続などは料金に含まれず、各個人で用意する必要がある。

本体を購入すると3ヶ月の無料使用期間が付いてくる。3ヶ月たって契約しなくても単体でGPS方式のPNDのように使える、というところがこのデバイスのリスクだろう。それをされたら大赤字だ。

これについては、以下のとおりちょっといいすぎなんじゃない、と思える表現で説明されている。結構マジなんだろう。

Note that a service plan is not required. Even if―for some crazy reason―you choose not to subscribe after your initial trial period, you'll still have a great GPS device in Dash. It will simply be missing the life-changing connected features including live traffic, search, and Send2Car.

ケンウッド、ガーミンと独占販売協定

2008年03月27日 | ITS
ケンウッドはPND最大手のガーミンとAVN型メモリーナビについての独占販売協定を締結した。

これは、車載2DINサイズで見た目はAVNだけど中身はPND,というタイプのナビゲーションで、2007年度は10万台をすでに販売しているという。
主たる市場は海外で、家電量販店向けというより、装着技術のある自動車販売ルートに流れているらしい。海外にはオートバックスのような装着ピットを完備した量販店はあまりない。(DYIで装着可能なPNDが主流となっている理由のひとつ)
プレスリリースでも「ディーラーオプションやOEMへの展開」と言及されている。

4GBくらいのメモリーが内蔵されていれば、道案内に関していえばなんら不都合はないだろう。昔は地図データはCDだったんだから。でも、国内市場ではなぜかこうした廉価タイプはあまり売れない。
売れるだろうと思っていた三洋OEMの日産向け5インチメモリーAVNもいまいちだと聞いている。

しかし、私はこれは認知が低いだけだと思う。使用価値を冷静に考えれば、この程度の商品で十分なのだ。まだしばらく時間はかかるだろうが、いずれ市場が成熟すれば、真の利用価値に見合った価格帯の商品がボリュームゾーンを占めるようになると思う。


そういう意味で、ケンウッドのこれからの商品展開に注目したい。

舞洲工場

2008年03月23日 | ITS
そういえば、先月大阪で結婚式があった。
USJに隣接する日航ホテルの最上階から、トルコ風の塔がある遊園地の建物が見える、と言ったら地元の人が「ありゃちゃうで」

なんと、大阪市のごみ処理場なのだ。

オーストリアの世界的芸術家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサー氏の遺作だそうで、それはそれでいいんだけど、なんでごみ処理場なんだろう。
映画や漫画の話のようで、とても現実とは思えない。

当時の大阪市では、かなりおかしなことがまかり通っていたんだろうな。

ガソリン税

2008年03月23日 | 雑記
もしかしたら来月からガソリンがリッター25円値下がりするかもしれない、という。
この暫定税率にまつわる議論は、どうもよくわからない。

暫定税率で、なおかつ、どうやら道路はもうそんなに頑張って作らなくてもいい、という状況なら廃止は当然だろう。

でも、日本のガソリン価格は世界的に見て決して高くない。アメリカ、ロシア、中東という資源国を別にすれば、むしろ安い部類に入る。
(たいていの欧州各国でリッター150円を超えている)
石油資源をほとんど持たないわが国が、ガソリンの小売価格を他国より下げる必要があるとは思えない。

だからといって、うやむやのうちに特定財源から一般財源へ振り替えるというんじゃ、納税者を馬鹿にしているだろう。本来と違う使い道をするというんだったら、きちんと国民に説明して筋を通すべきだ。

でも、もう一週間しかないから、いまさら筋なんか通せないよな。

4月からいったん税金がさがり、その後再度あげることになると「民主党が値下げし、自民党が元に戻した」ように映るから、民主党としてはオイシイ展開なんだろうけど、どうも本当に国や国民のことを考えているようには思えない。

などといいつつ、とりあえず給油は20リッターにしておきました。

週刊ダイヤモンド

2008年03月22日 | 高速道路
週刊ダイヤモンドの道路に関する特集を読んだ。
いろいろと書いてあるが、一番納得させられたのは国交省の道路を作る/作らないの評価方法がかなり恣意的である、ということ。

民間企業ではこうした事業投資に対する評価は、当然のことだがかなりシビアだ。
役員会の承認が必要で、そこで相当な議論が行われる。サラリーマンとして、一番胃が痛くなる手続きだ。

ところが、道路建設の評価方法にはちょっと見ただけでもかなりゆるい数字が出てくる。時間短縮効果を一時間あたり3771円で計算しているのだが、平均乗車人数1.2人で割り戻しても時給換算3000円/時間を越えている。平均って考えると、これはちょっと高すぎるように思える。

しかも、この数字を遊びの車が大半となる土日の通行量にも適用しているというのだからおそれいる。
さらに、今後の通行量の推移予測とか、通行量の算定とか、いろんなところで「作るありき」の数字つくりがされていることは想像に難くない。

道路特定財源

2008年03月15日 | ITS
道路特定財源のことはあえて避けてきたけど、少しだけ。

野球セットやマッサージチェアを買ったり、社員旅行(ということ自体が相当時代錯誤だけど)費用に使ったりということが批判されているけど、私は別にそんなのは全然かまわない。それでいい仕事をしてもらえるなら全然OK。

問題とするべきなのは、道路関係者の金銭感覚だ。じゃぶじゃぶにお金が余っているから、その程度の金額にまったく罪悪感を感じないんだろう。
一声10兆円。多分、「億円」が最低金額単位なんじゃないの?

マッサージチェアはもうどうでもいいから、そっちを早くはっきりして欲しい。本当に7兆円だか10兆円だかを使って東名高速をもう一本作らなくてはいけないのか?
社会情勢の変化を織り込んだ費用対効果分析に秋までかかる、とかいうわけわかんねぇ言い訳を認めちゃだめだろ。俺たちが出した金だよ。

それ以上に、慰安旅行代の返却なんかでうやむやにされてはかないません。

インターネットITS

2008年03月15日 | ITS
東京ビッグサイトで今日まで開催されてたインターナショナルアフターマーケットEXPOに行ってきたが、インターネットITS協議会が「2007年の成果」という内容の展示をしていた。
2002年ころから一生懸命やっているけど、なかなか実現しない、というのが正直な感想だ。今回、6つのシーンを想定した展示をしていたが、ビジネスケースが成立するようなモデルにまで持ち上げるのはかなり難しいな、というようなものばかりだった。

たとえば:
1.ドライブ計画を自宅のPCで立てる
2.それをネット経由で車載器で受信し、計画に従ってルート案内
3.ドライブ中に車載器から通信で計画の変更もできる
まあ、こんな面倒なことやる人がどれだけいるか、その効用はいかほどか、ということだね。

名だたる会社が112社も参加しているから、撤退のきっかけを作るのは難しいのだろうが、正直、もうあきらめたほうがいいんじゃないかと思う。
賛助会員である三菱総研の「ITS Club」だって去年の9月でリニューアルといいながら更新を停止しちゃったし。

それでも、インターネットITS専用車載機を来年発売するらしい。

香港

2008年03月12日 | 雑記
ITS関係の話題も見つからないんで、しょうもない話。

香港スターエディソン・チャンの画像流出事件というのが起きて香港は大騒ぎだ。

しかし、何故だかわが国のマスコミはまるでこの事件が「なかったこと」のように無視をしている。
先週、民放の朝のワイドショーで知ったのだが、その後まったく報道されないし、google ニュースで検索しても出てくるのは中国情報局ニュースや朝鮮日報の記事ばかり。

今週の週刊アスキーの検索ワードベスト10みたいな記事でも「エディソンチャン」は一位か二位だったけど、それに関して何の解説もない。

流出した画像はいまだにネット上にたくさん転がっているに決まっているから報道を自粛しているのか、それともどこからかの要請があったのか、いずれにしても不思議だ。

もし報道関係の申し合わせのようなものだとしたら、ちょっと不気味だね。

燃費グッズに排除命令

2008年03月10日 | インチキ・疑似科学
ちょっと古い話になってしまったが、2月8日、公正取引委員会は燃費グッズ製造販売の19社に排除命令を出した。
科学的根拠のない具体的な燃費改善数値の表記が問題となっている。
公正取引委員会は表示の裏付けとなる合理的な根拠の提出を19社に求め、資料が提出されたが、どれも合理的な根拠を示していないとされた。

このブログでも数ヶ月前に燃費グッズについて2種類ほど、これはちょっとどうなの、と書いたが、なぜかこの二つは含まれていない。

どうやら公取は小売店の店頭を調査してターゲットを決めたらしい。
だから、専売店方式を採用している「SEV」(物質を活性化する特許技術)は関係ないのかもしれない。

しかし、それ以上にSEVのオフィシャルWEBSITEを見て感心したことがある。

ここでは、燃費が向上するとは一切言っていない。
向上するという言葉が修飾しているのはすべて「トルク感」「加速感」「走行フィーリング」等であり、全部「感覚」なのだ。

お見事。

20代は「かわいそうな世代」?

2008年03月08日 | 雑記
一番の関心事は貯金 20代は「かわいそうな世代」なのか(J-CASTニュース)

いわく、今の20代は酒も飲まず、車も持たず、一方で「自由に使えるお金の使い道」(複数回答)については、「貯蓄」を挙げた人が36.0%(日経)

将来への不安から、自己投資を控え堅実な生活を行う20代を「かわいそう」とするジャーナリストの意見を載せている。

これに対して、コメント欄は反論一色。
一言でいえば、「酒飲んだり車を持つことのどこが投資だ、それにハマルほうがよっぽど痛いぜ」ということだ。

その中でも、車についての議論はなかなか考えさせられる。
20代と40代との間には車に対する考え方にとんでもないギャップがある。

20代の意見は、「別に車がなくても困らない」なのだ。買えなくてかわいそう、なんていわれても全然ピンときていない。

では、なぜ困らないのか?

都市部では公共交通で十分、なんていうけどその状況は30年まえからそんなに変わっていないので、解にはなっていない。

-昔はなぜ若者に車が必要だったのか?
-そして、今はなぜ必要ではないのか?

これを本気で分析しないと、若者のクルマ離れの本当の理由はわからない。
だから、いくらトヨタが嵐の桜井翔に「3年分ください」とかいわせて買いやすさをアピールしても、あんまり効き目はない。

20代には戻れないし、20代の気持ちを理解することも物理的にできないが、おそらく簡単にいえば
「昔は(自分の)クルマを持っているのといないのでは生活の質(交友関係、男女関係など)にかなりの違いがあったけど、今はあんまり関係ない」
ということになるんだろう。

省エネで深夜放送自粛の時代錯誤

2008年03月07日 | 雑記
町村官房長官やら森山元官房長官は、「いつの間にかテレビは24時間やるようになった」と指摘。
70年代の石油ショック当時、放送局が深夜放送を自粛した例を引き、「(温暖化対策も)それぐらいやらないといけない」と訴えたそうだ。

彼らは、夜中にテレビ放送をやめたら国民の皆さんはさっさとベッドに入り、もしくは小説を読んだり、あるいは炉辺で語り合ったりと電気を使わない生活をするとでも思っているのだろうか。起きていたい人たちは、取りためたビデオを見たり、レンタルビデオを見たり、ネットで動画を見たりオンラインゲームをしたりするのが普通じゃないか。
むしろネットトラフィックが増大してサーバー運営の電力が増加するおそれもあるんじゃないか。

今の深夜放送は昔の低俗放送とは違い、一定の文化的価値を持っている。
それを禁止するに値する省エネ効果なんて、どう考えてもないと思うけどね。

1970年代と同じ施策がそのまま通用するという発想を持った人間が政治をしていると思うと、これはもう絶望的になる。

駐車場整備推進機構 続き

2008年03月07日 | ITS
結局のところ、冬柴国交相は駐車場整備推進機構を駐車場事業から完全に撤退させ解体するという。
駐車場は民間に譲渡されるのだろう。

しかし、上のリンク先を見てもらえばわかるが、確かに「なくてもいい」ような仕事しかしていないように思える。日本ベストパーキング賞って、必要?

ただし、駐車場事業については少なくとも設立時点ではそれなりに必要性があるものだったようだ。
たとえば水戸の泉町駐車場についていえば、設立当時は路上駐車を減らすなど一定の効果があったが、その後郊外大型スーパーが中心地の商業地区を過疎化させ、人出が減り、さらに空き地がコインパーキングになるという悪循環で利用者が激減してしまった、というような事情があるという。

それはともかく、この財団法人がなくなるとETCの駐車場利用を推進する母体もなくなってしまうのかもしれない。

動画と省エネ

2008年03月06日 | 雑記
数日前、動画と省エネについて偉そうに書いたけど、実は私自身、最近The world of golden eggsの動画にはまっている。日産NOTEのCMキャラクターになっている奴ね。

なぜか登場する車は大胆にデフォルメされていて、しかもアメリカの地方都市をモチーフにしているのに右ハンドル左側通行、ってのがどうも気になるんだけど、なんか理由があるのだろうか。

というわけで、ネットに転がっている動画ファイルを見ているんだけど、いくらサーバーに負担をかけるから電気使用量が増大するといっても車でTSUTAYAに行くよりはCO2排出は少ないだろう。でも、わざわざレンタルDVD借りてみることはしない、ってところが問題なんだろう。
PCをちょいといじって簡単に見ることができる、無料ならではの手軽な暇つぶしメディアだから、サルのように次から次へとみてしまう。

誰だって地球環境によくないからやめようなんて気持ちは持たないだろうし、まして著作権を考えて自重するべきだ、なんて頭では理解できても、実際はねぇ。なんたってタダだからね。

こうした暇つぶしメディアがインターネットのトラフィックだけでなく地球環境にもインパクトを与えるとしたら、それこそ冗談ではない。

首都高速 ETCが当たるキャンペーン 続報

2008年03月04日 | ITS
先週、首都高速㈱の1万人にETCがあたる、史上最高のキャンペーンについて書いたが、早速締め切り期間が3月12日から31日に延長された。

好評だから延長、というけど12日締め切りでは目標の1万件に到達しないからであることは明白。

たいした宣伝もせずにやっている話だからいまいち盛り上がっていないのかもしれないけど、それにしても「無料」という太っ腹なキャンペーンだ。

ETCは「ただでもつけない」レベルまで普及した、ということなんじゃないの?

[同日追記]

この記事の内容は間違っていました。
コメント欄をご覧ください。maikawa