ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITSスポット車載器標準装備のストラーダ R500WD-D

2013年08月26日 | ITS
Responseに掲載されているAV系ライター会田肇氏による、パナソニックITSスポット車載器標準装備ナビ「ストラーダ R500WD-D」の紹介記事
「高速通信を実現する“次世代ETC”、DSRCはカーナビをどう変えるか」という期待を持たせるようなタイトルとは裏腹に、中身ははっきり言って無理やり褒めてる感じ。
まあ商売でしょうからそれは仕方ないね。

一般道と高速道でITSの通信方式が異なることもさり気なく書いてあるけど、ナビ系自動車評論家ならこの辺もっと厳しく国の政策を批判したらどうなの?と思う。

坂田理論の事とか、消費税のこととか。

2013年08月24日 | ゴルフ
坂田信弘のゴルフ本をKINDLEで読んているが、この人は「理論」というけど全く理屈が書かれていないので、これが理論だとは思えない。
例えば、「Aなれば当然Bとなる.しかるに人間だれしもBであればCたるもの。したがってAを避けたけばCをしないこと。それでハンディ10切りは誰にでも容易い」的な話が延々と続くが、その科学的理由が示されない。「あご浮けば左が伸びるのは必然。さすれば珠右にも左にも曲がる」みたいな感じね。
なんでこれが「理論」といってもてはやされるんだろう。彼の本を読んで「なんで?」と思わないタイプの人は、部下にしたくない。
とはいえ、最大の彼の主張である「ハーフスイングで基礎を固めよ」というのは間違っていないと思う。

さて、本題。
ここ上海でも日本のテレビを見ることが出来るが、まあニュース関連番組を見ているとどうにも何がいいたいのかわからない。
安倍内閣は本当に消費税を上げるのか、といってみたり、国の財政が破綻したらどうする!といってみたり。
じゃあどうしたらいいんだ?
完全にポピュリズム的な空気を読んで、恐る恐るそれに迎合するようなことしか言わない。

一方で「国の借金が増えてもそれは国の責任だから自分は関係ない」と思っている人が多い。で、極端な言い方をすれば「悪代官が越後屋からもらっている小判を国庫に戻せば全て解決する」ぐらいに思っている。
国にお金を貸しているのは自分で、国が破綻すると損をするのは自分だ、とは夢にも思っていない。

一番判りやすい例が、街頭インタビュー。
「少ない年金だけで暮らしているから消費税の増税には反対です」

お金が余っていて高いものを買う人に沢山税金を払ってもらってもらわなければ、そのあなたの少ない年金すら危なくなる、という単純なこともわからないのが大衆。
正しい認識を広めるのがマスコミの役割だと思うが、しかし彼らははこうしたインタビューをまず最初に、あたかも国民全体の意見のように報道する。

更にいえば、消費税増税は不景気を招く可能性がある、ということで政権は増税に躊躇しているし、それを言うマスコミもある。
その根拠に3%から5%への増税後の景気悪化をあげているが、それは駆け込み消費の反動(これは当然)からたまたま山一破綻に代表される金融破たんに起因する景気悪化につながってしまった、と見るべきだろう。
増税をしないで様子をみたって今後景気が上向くとは思えない。今ちょっと景気が持ち直しているのは、単純に輸出企業に為替で利益が出ているだけ。販売数量は増えてない。様子なんて見ていたらもっと実施しにくくなる。
もはや消費税に増税以外の選択肢はないし、延期の猶予なんてないと思う。

有識者を呼んで意見を聞くとかいっているが、そんな問題ではなく政府として断行するべき話じゃないのか?
まさに「決められない」日本の組織の典型だ。

ITSスポット対応車載器がタダで手に入る!

2013年08月20日 | ITS
VICSセンターはDSRC対応のETC、「ITSスポット対応車載器」のモニターキャンペーンを8月21日から実施する
計4回のアンケートに答えるだけで、20000円の謝礼がもらえる。今、パナのCY-DSR110Dは実売20000円を切っているし、デンソーのDU-A050も実売で20000円程度だから、実質無料で手に入れるチャンスだ。先着3000名ということなので、お早めに。

とはいっても、対応しているナビにしか装着できない。
パナ、パイオニアなら最近の市販機は大体対応しているようだが、カーメーカーの標準装備品やちょっと古いナビには装着できない。

デンソーのDU-A050はナビ接続ではなくスマホ連動なので、もしアンドロイドユーザーであればブルートゥース接続で画面表示が可能。
でも、この商品はほとんど売れてない。ナビがついているのに何が悲しくてスマホをダッシュボードに貼り付けて情報を見なければならなのか?しかもiPhoneに対応しない。

ということで、このキャンペーンを享受できる人は限られる。まあ、実際のところ、ITSスポット対応車載器はあんまり売れてない。
だからキャンペーンをやるのだろうが、先着3000人に2万円、期間は1ヶ月半というキャンペーンの数量、金額、期間設定をみれば、どの程度売れてないのかが想像できる。

モニター謝礼金で6000万円。告知ツールや運営等でどの程度の費用をかけたかわからないが、まあ合計で一億円程度の予算は使うのだろう。
その効果は3000人からの口コミ効果。普及促進のための費用対効果はかなり悪いように思える。

ITSスポットの市場認知が進まない中で、なんかしない訳にはいかないねぇ、ということでの施策だろうが、なんとも役所的ですね。

ということで、キャンペーン告知に微力ながらお役にたてば。

高速道路での大型トラックによる追突事故

2013年08月03日 | 高速道路
先日、名古屋の高速道路で走行車線に止まった車に大型トラックが追突し、子供がなくなるという痛ましい事故が発生した。
走行車線に止まるのがいけないのだ、という人もいるかもしれないが、レンタカーで奥さんが運転していたということなので、急にトラブルが発生した時に路肩に寄せることができなくても仕方がないだろう。都市部の若い人を中心に車を持たない派が増えるなかで、こうした事故は増えると思う。

どんな理由であれ、追突はしたほうに責任があるのでトラック運転手の責任は免れない。しかしこうした事故は、何か普通と違う状況が発生したことに起因しており、起きやすい過失であることは間違いない。

大型トラックが高速道路で乗用車に追突すると、死亡重大事故につながる可能性が高い。乗用車同士と比べて死亡事故になる確率は10倍以上と言われている。
事故死者を減らすための課題としてはかなりプライオリティが高いはずだ。
最近、TVで盛んに宣伝されているように、レーダーとカメラ認識技術による追突軽減ブレーキは技術的には確立している。
大型トラック用も既に商品としては存在する。価格は50万程度であり、「運送業者の負担」が問題にされているようだが、業務用装置で50万円の投資、しかも死亡事故に対する保険と考えれば金額的に問題となるものではない。
トラック用は完全に安全に停止するまでの技術が確立されていないようだが、それでも軽減効果はあるだろう。

国交省もようやく装着義務化の方針を出したらしいが、遅すぎる。
現時点ではほとんど死亡事故軽減に寄与しない「路車間、車車間通信によるITS」なんかより、こうした自律型ASV技術へ援助や運送業界への補助金のほうが税金の使い道としてははるかにプライオリティの高い案件だったんじゃないか?

ITSは、「前に止まっている車があるよ」ということを路側センサー(若しくは車載通信機)か察知し、通信で後方車の車載器に警報する。専用車載器があまねく普及するまでは機能しない。それ以上に、なぜそんなまどろっこしいことをしなければならいのか。路側表示で注意を促し、車載レーダーで警報を出すほうが確実で手っ取り早い。
今やっているITSは「車と通信の融合は既定路線である」、という固定概念から抜け出せず、また産学官で進んでいるプロジェクトを止める事もできずに空気で進められているだけだろう。一旦リセットしたかどうなのか。今年の10月に東京で行われるITS世界会議でも、実効性の低い我が国の取り組みなんてたいして注目されないだろう。
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以上は10年近く続けてきているITSを疑うの根源的な指摘の一部です。私が指摘し続けている通り、通信を使ったITSは10年たっても一向に普及していません。