ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

まだ進化しそうな中国の駐車場ノンストップ決済

2018年09月29日 | ITS
中国ではいま、駐車場のナンバー読み取り化が進んでいる。
センサーによるナンバー読み取りとスマホ決済(ウィーチャットペイ、アリペイ)の組み合わせで利便性はかなり高い。

入り口はナンバー読み取りで、チケット発券はなし。
決済は駐車場や付帯商業施設内に掲示されているスマホ決済のQRコードを読み取り、車両のナンバーをインプットしそのままスマホ決済することで出口でもノンストップ出場となる。
飲食店などにはQRコードが用意されていて、支払い時に申し出てスキャンし車両のナンバーをインプットすれば割引を受けることができる。
一度利用すると車両ナンバーが記憶されるので二回目からはナンバーインプットの必要はなく、表示されるナンバーをクリックすればOK。

そして、これがさらに進化しようとしてる。

中国大手ITのテンセント(ウーチャットペイ)、アリババ(アリペイ)はコネクテッドの車載OSを開発中だが、そこにスマホ支払いの機能を入れてくることは間違いない。
これらのコネクテッド車載OSが搭載されれば上記のような駐車場はスマホによるQRコード読み取りの必要はなくなり、完全ノンストップになる。
商業施設でウーチャットペイもしくはアリペイで支払うことで割引処理もシームレスに行うことができるだろう。

コネクテッドカーにオンライン決済機能をもたせるという考え方は以前からあったが、ドライブスルー決済、ホテル予約のデポジット支払いなど、あまり利用頻度が高いとは思われない絵空事のような話しかなかった。よく言われるガソリンスタンド決済もよく考えると「フルサービスなら店員さんが授受してくれる」「セルフサービスはいずれにしても下車し機械のところで操作しなければならない」から、結果として車載機器で支払うことによる利便性向上はあまりない。私は一貫してこれには懐疑的だったし、実際これらは普及していない。テレマティクス~コネクテッドカーともう20年近く言われ続けている割には車+通信がいうほど活性化しないのは、まさにユーザーにとってのキラーコンテンツがないからなのだ。

しかし、上記の駐車場完全ノンストップはキラーコンテンツになる可能性がある。

日本ではETCを使った駐車場ノンストップ決済の実験が行われている。しかし、このためには駐車場は高額な読み取り機を設置しなければならず、また商業施設割引問題も解決できていない。
一方でこのナンバー読み取り+スマホ決済なら遥かに手軽だ。決済プラットフォームも既存のものを使うだけ。

どうも日本は先行しても完璧にリスクを排除することで高額となり普及せず、その後の環境、技術の進化の中から生まれたより廉価で便利なシステムに負けてしまうというパターンが多い。