ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

なぜ民主はまだ高速道路無料化を言うのか?

2010年12月25日 | 高速道路
高速道路平日2000円の発表に伴って、馬淵澄夫国交相は今後の無料化政策について「今は財政的な制約があるが、しっかり進めていく」と説明。新料金を導入した後も無料化の対象区間を拡大していくとした。

民主党が「しっかり」という副詞をつかうときは、たいてい「出来るか出来ないか分からない」場合で、かつそれはほとんど実現しないので注意が必要だが、これに限っていえば、なぜここに至っても無料化に拘泥するのだろうか。

ほとんどの調査で、無料化に対しては世論はネガティブだ。
自家用車を保有する20~60代自動車運転者を対象にした三井ダイレクト損保の調査で賛成反対はおおむね拮抗。
クルマ好きの人しか見ないと思われる「みんカラ」のアンケートでも何故か反対が8割。その他、自動車を持たない人まで対象を拡大した調査ではすべて反対が賛成を上回る。
政策コンテストでも散々な結果だったはずだ。

確かに高速道路無料化は馬淵氏の公約だったのだろうが、いまやそれは国民の意向に沿っていない。なのにまだ「しっかり進めていく」という大臣の意図は何なんだろう。


高速道路料金とETC

2010年12月25日 | ITS
昨日の報道では高速道路料金について、普通車平日2000円上限、土日1000円上限、軽・エコカーは常時1000円、中大車は従距離だが、大口、早朝深夜割を継続、というようなことで落ち着くらしい。

中大車が従距離となったが運輸業界からは特に反論が出ていない。各種割引を考慮すると、上限5000円よりは現状の方がいいのだろうか。
このへんがよくわからないが、我が国の高速道路料金は外国に比べ異常に高かったので、上限2000円というのはそれなりの落とし所だと思う。
ただ、70キロまで2000円、それ以上いくら走っても2000円というのはちょっと近距離利用に対して不公平な感じがする。

いずれにしても国交省が苦労してシミュレーションし決めた料金だろう。それを選挙対策とかで土日1000円の継続についてあっさりひっくり返されるんじゃ、役人の皆さんもやってられないだろう。

私が一番不満に感じるのはETCの扱いだ。どうも国交省は割引にETCを必須にしたいが、政府内に反論がある、というような感じを受ける。
はやくETCがいるのか、いらないのかを明確にした方がいい。

民主党のなかにはETCそれ自体の機能とそれにまつわる天下りや不透明なセットアップ手数料などをゴッチャにして、感情的に反対を唱えている人がいるのではないか?
いま、ETCの普及で有人収受でもさほど時間がかからない。ETCから割引特典を取ってしまったら、ユーザーにとってETC装着によるインセンティブは「ノンストップ」だけになり、これ以上の普及は望めなくなる。

しかし、そもそもETCを始めた理由は料金収受の合理化や、ITSへの活用だろう。ここで普及を止めてしまっては、今までかけたコストが無駄になる。
また、ETCによる合理化がコストを下げているのであれば、ETC装着車だけが割引を享受できる、ということにはそれなりの理屈がある。

いずれにしても明確にしないとユーザーにはETCをつけた方がいいのか、無駄になるのかの判断ができない。メーカーも来年の生産計画が立てられない。
ETCをどうするのかの方針を早く決めてアナウンスするべきだ。