ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

中国メディアからも指摘された上海高島屋の状況

2014年08月29日 | 上海生活
このブログでも何回か書いた上海高島屋だが,中国メディアでもその不振について報道されている。
上海高島屋で相次ぐブランド撤退、3階以上は「空白」目立つ―中国紙
中国の商業専門紙は,不振の原因として高島屋は古北新区という悪い立地,知名度が高くない日本ブランドがメインという中途半端な品揃え,日本の百貨店というにはイマイチなサービスの質を問題として上げているが,それは私のような素人でもすぐにわかることだ。
特に立地に関しては,2009年に高島屋が計画を発表した時点でネットでは心配する声が上がっていた。それほど,だれでも「こりゃダメでしょう」と感じる場所なのだ。

ここは高島屋にとって社運を左右する投資案件だったはず。にも関わらず,こんな致命的な欠点のある案件が何故やすやすと取締役会を通過してしまったのだろう?
相当に粉飾された楽観的な事業計画が報告がなされたとしか思えない。そうでなければ,経営陣に問題がある。

契約更新時期を迎えた店子がどんどん撤退してしまった結果,高島屋としては以下の発表をせざる得なくなった。

高島屋,直営売り場を強化

店子が去った後は自前で調達する日本製品で埋める,という意味だ。
残念ながら,もうこのお店に入ってくれるブランドは無いのだ。

日本製の工芸品や日用品で埋めるのだろうが,それも限界があるだろうね。
まだ「10年かけて黒字化」なんて考えているのだろうか。出血は直ちに止めたほうが良いのではないか。

日本のカジノに関する議論で思うこと

2014年08月19日 | 雑記
最近,政府内で外国人観光客誘致の一環ということでカジノ解禁に向けた動きがあるようだが,この議論については色々思うことがある。

基本的にカジノは作ってもいいと思う。私はギャンブルは一切やらないが,やりたい人はやればいい。それで破産するなら自己責任。ギャンプル依存症問題の議論があるが,依存症がダメなら酒も禁止だろう。

問題は立地。海外のカジノの成功例を見るに,魅力ある観光地に立地している必要がある。カジノだけをしに行く場所じゃ,殺伐とする。日経新聞曰く,小樽・苫小牧、幕張沖人工島、お台場・青海地区、横浜、大阪臨海部人工島、長崎ハウステンボス、宮崎シーガイア,沖縄当たりが候補地らしいけど,海外(というか,狙いは中国)から子連れで遊びに来るとすれば,成功するのは幕張,お台場,大阪UFJ近辺,ハウステンボス,沖縄位だろうね。

特に中国人を狙うならマカオに対する優位性を出す必要がある。マカオは男性天国という側面もあるがこれに公に対抗することは不可能だから,家族向けの設備を相当充実させて違う客層を狙わないとダメだろう。

まあこれはそこそこ現実的な話だと思う。
むしろ全く納得いかないのは厚労省の「日本人の利用は禁止にすべき」という見解。
「日本人はパチンコなど、ギャンブルに比較的のめり込みやすい傾向が統計上見て取れる」ので「ギャンブル依存症患者が増える事態を懸念。それを避けるため、日本人の利用を認めないよう訴える」という。

駅を降りれば目の前に身分証明書の提示も不要で誰でもできるカジノ「パチンコ」が存在するという異常な環境で,その依存症患者がこの程度で済んでいるということは,私は日本人はギャンブルにむしろ「のめりこみにくい」のではないかと思う。
我が国から最も近いカジノである済州島,ソウル,マカオに出かける日本人の数もたいしたことはない。
更にいえば,最近の若い人たちのギャンブル離れ。パチンコ,スロット,公営ギャンブルすべてにおいて右肩下がりだろう。

一体,どういう根拠で日本人がギャンブルにのめり込みやすいといっているのか,私にはわからない。

注)その後,実際の数字で日本人のギャンプル依存症の割合が他国に比べ
  極めて高いという記事がでました。
  しかし,やはりそれはパチンコによるもので,それを問題にするなら
  「カジノ利用禁止」ではなく,「パチンコの禁止」が筋でしょうね。

MIZUNO MP15 チタンマッスル 試打

2014年08月12日 | ゴルフ
ゴルフの話。

ある筋からミズノの未発売MPアイアン、MP15の8本セット(3-P)を入手。
ミズノさんも全英オープンの会場で披露されていたので、秘匿ではないだろうからアップします。

MP15はチタンインサートのマッスルバック、ということで、MP59の後継。MP59よりもかっこいいように思います。
38g分の鉄を取ってそこに10gのチタンとインサートした、ということです。MP59は20gをとって11gなので、よりチタンによるキャビティ(?)効果を狙っているようです。

シャフトはDGのS200にしようと思いましたが、広州の老板からトゥルーテンパーのプロジェクトX5.0があるからこれにしない?といわれアドバイスに従いました。なんか在庫処分の協力をしたような感じでしたが,軽いシャフトにした結果は悪くなかったと思います。グリップはゴルフプライドのツアーラップ2G。これは握った感じは良いけど見た目が安っぽいのでちょっと後悔。
追記:ツアーラップ2Gは手に汗かいてると微妙に滑るので,昨夜MIZUNOロゴ入りのツアーベルベットに付け替えました。

構えたときの小ぶりな感じがトップブレードの薄さとあいまって、振りぬきのシャープさを予感させます。
レンジで打った限りは特に難しいということもなく、球もよくあがり、なんと言っても軟鉄鍛造なので打感がよく,打っていて気持ちのいいクラブです。ただ芯を外した時の飛距離のブレは,やはりあります。

初の実戦投入は新天鴻名人ゴルフリゾート。初使いが1番パー4のセカンド、120ヤードやや打ち上げをピッチングで。高い球で2ピン程度に寄せてパー。その後スイングの悪さで左の引っ掛けがいくつか出ましたが、それ以外は高い球でびしっとグリーンに止まりました。結果88とまずまず。

ITSスポット対応車載器改めETC2.0について

2014年08月07日 | ITS
この前突然,ETC2.0という言葉が出現して一体何かと思っていたが,色々な方から情報を頂いた結果,いわゆる「ITSスポット対応車載器」のことを指しているらしい。

ITSスポットは既に全国に1600箇所設置されており,殆どその認知がないまま僅か10万台程度の車両に対してひっそりと情報を流している。
実際のところはITSスポットの情報を受け取っている車が何台あるかはよくわかないのだが,昨年末頃の時点で「ITSスポット対応のナビゲーション」の出荷累計が16万台,という情報があったので,そこから類推して10万台程度かなと思う。
「ITSスポット対応ナビ」でも,普通のETCをつけたらITSスポットには対応しない。果たしてどれだけの車が「ITSスポット対応車載器」をつけているかはよくわからない。出荷統計等,探したけど見つからなかった。

ITSジャパン等の資料では,ITSスポット対応の車載器は2015年には1000万台になっているはずだから,これはどう控えめに言っても失敗だろう。(成功するはずがない,とずっと言い続けているのがこのブロクなんだけど)

で,それをなんとかリスタートさせようというのがETC2.0なのだ。
たしかに,「ITSスポット対応車載器」は長いし,何なのかを説明するのも大変だ。

まあ,名前を変えても根本的な消費者ニーズなんか全然ないんだから成功しないだろうが,1600箇所の路側機を設置した以上は途中でやめられない。むしろ,路側機は増やすことになる。
そして,現在交通情報を車と通信しているVICSのビーコンは8年後には廃止するらしい。
VICSユニット搭載車は3000万台もある(まあ,FM多重だけが大部分だろうけどね)のに!

こうした状況のもとで,その「ETC2.0」を何とか普及させるために考えたのが,今回の2つの施策。
ひとつは,ETCゲートの完全ノンストップ通過。
もう一つが,渋滞回避のために一旦一般道に降りて,また乗る場合の割引。

でも,果たしてどれだけの人が今のETCの「20キロ徐行」に不満を持っているのか?
今のETCをゲートの問題はそこじゃなく,過失による不正通行でゲートが下がった場合急ブレーキなどによる事故が起きることだろう。安部首相の車列だって追突事故起こしてる。

料金計算については,どれほど効果があるか分からない。まあ,私の経験では高速道路が混んでいて一般道に降りてうまく行った試しがない。
遠回りしても料金を高くしないようにして全体の交通流を最適化誘導するような仕組みであれば,それはとても良いことだと思うけど,それは今のETCの仕組みの中でもやることはできるように思う。実際,首都高出口ではかなりのスピードで通過する車両から車両データを読み取っている。

いずれにしてもETC2.0じゃなきゃ出来ないことでもなさそうだし,それ以上にこれがETCの買い替えを促進するようなキラーコンテンツでもないし,正直これでITSスポット対応機が普及するなんて全然思えない。

でももう路側機1600個作っちゃったし,ビーコンなくすっていう以上は今後さらに増やすんだろうし,なんとかしなれけばならない。できることはただひとつ。今後のナビ,ETCは強制的にITSスポット対応とし,非対応機の販売をやめさせるしかない。

そのつけは消費者は直接払わないから,補助金出すしか無い。その財源は通行料や税金という見えない形で消費者に乗ってくる。

ああ,こうなるぞと10年批判し警告してきたけど,個人のブログでできることなんてしれてるな,と思う次第です。


上海陸家嘴 黄金置地ビルという謎の物件

2014年08月07日 | 上海生活
中国の不動産事情は全く日本人の想像を超えるものがある。

上海の金融センター,陸家嘴。東京で言えば丸の内といったところだろうか。
このどまんなかの一等地に2007年にほぼ完成し,そのまま廃墟になっている高層ビルがある。

黄金置地大廈

https://www.google.co.jp/maps/place/%E9%BB%84%E9%87%91%E7%BD%AE%E5%9C%B0%E5%A4%A7%E5%BB%88/@31.241244,121.505489,2a,90y,90t/data=!3m5!1e2!3m3!1s68515397!2e1!3e10!4m6!1m3!3m2!1s0x35b270e37712491b:0x1b921497c00dbef5!2z6buE6YeR572u5Zyw5aSn5buI!3m1!1s0x0:0x1b921497c00dbef5!6m1!1e1?hl=ja

専有面積は1万平米,高さ40階建て程度だろうか?
インドネシア系華僑資本が建築し,ある程度分譲もされたようだがその後の資金難で開業には至っていないらしい。
敷地は雑草に覆われ,庭にある欧州風の噴水や彫像は塗装が剥げてしまっている。

こんなものが7年間放置されていて,でもそれがさほど話題になっていない。それが中国の不動産事情なのだ。
入居者がいない高層マンションは中国国内のいたるところにあって,全く珍しくない。

どう考えても極めて異常な状態で,この先とんでもないことが起きることは間違いない。

CarPlayやAndroid Autoとはなんなのか?のおさらい

2014年08月06日 | ITS
どうもIT業界の方はこのCarPlayとかAndroid Autoというスマホと車をつなげる仕組みがなんだか革新的なものだと勘違いしているようだ。
しかもAppleやGoogleが車のIT周りを支配するための布石なのだ,みたいなかなり見当違いな見方をしてる人もいる。

これについては前にも書いているが,そんなに凄いもんじゃない。

スマホの画面を車載モニターに映す方法はすでにある。
簡単に言うと,ブルートゥース経由でやる方法とHDMIかWifiで接続する方法。車載モニターのタッチパネルが使えるつかえないとか,iPhoneはSNSできないとか色々の制約があるけど,できる。実際に市販のナビゲーションにはこの機能が付いているものが出てきている。

でもそれは基本的にはスマホコンテンツをそのまま表示するわけで,その気になれば運転しながらパスドラだってできる。

そんなのは危なくてしょうがないし,これに起因して事故が発生した場合,カーメーカーはPL訴訟で負けるからこれを標準装備にするわけにはいかない。
一方でスマホの情報を車載のモニターに表示したいというユーザーニーズにカーメーカーとしても対応したいし,Apple,Googleとしても囲い込みのためにカーメーカーに採用してもらえる安全な接続インターフェースを開発することには意味がある。
多かれ少なかれ,スマホ画面が運転中に表示されていれば,音楽D/LやPOI検索でそれにまつわるe-コマース系のビジネスチャンスはあるだろう。

また,今までスマホ側のOSアップデートで散々苦労させられてきたカーメーカーやナビメーカーにとって,AppleやGoogleが純正でインターフェースを用意してくれるのは大変ありがたい。

ということで登場したのがCarPlayとAndroid Autoなのだ。
だからこれらはスマホの情報から一部を切り取って運転に支障のないようなインタフェースで表示するだけのものであり,決してAppleやGoogleが車のIT周りに入り込む布石,ということにはならないだろう。

カーメーカーはCarPlayだけ,あるいはAndroid Autoだけに対応した車載ディスプレイを搭載するワケがない。わざわざユーザーを限定するような車を作るメリットはなにもない。多分,標準装備のカーナビ(か,ディスプレイ)がCarPlayとAndroid Autoの両方対応になる。

ということで,これらはあくまでスマホをカーナビ画面につなぐソフトウエアであり,スマホを車の中でより使いやすくするというレベルの話でしかない私は考えている。

スマホナビの性能が上がってきているので車載のナビはなくなる,と見る向きもあるが,私はそうは思わない。これについては改めて。

SONYと小米

2014年08月01日 | モバイル・ウエアラブル
アパートのテレビが壊れたので,大家さんに買い替えてもらった。
もともとあったのはSKYWORTH(創維)というメーカーのもの。日本じゃ知名度ゼロだけど,中国では結構よくみる。

新しいTVはSONY BRAVIAの48インチHD。大家も奮発したな,と思ったんだけど,発送伝票に記載されていた金額はなんと3980元(64000円程度)。ローカルメーカーと大差ない。

もうテレビという商品では日本ブランドで勝負するのは無理なんだろうな,とおもう。大画面液晶TVもすっかり「普通の」商品となり,それにプレミアムを求める人は少なくなっている。4Kになったからといってこの状況が好転するとは思えない。
消費者が観たいのはコンテンツであり,毛穴ではない。

しかも,すでに中国メーカーでは4KTVを販売している。
中国ローカル企業「小米技研」は5月に49インチの4Kテレビを65000円程度で発売した。日本では所詮中国製なんて,といった醒めた反応が殆どだけど,実はこの小米というメーカーは侮れない。

私も社用で使っていたHTCのアンドロイドスマホがあまりに使いにくいので,最近小米の安い「紅米1S」に買い替えた。4.7インチのデュアルコア。組み立てはあのフォックスコム。価格は1万円。これが全く不満のない品質で,アンドロイドベースの独自OS(ROM)「MIUI」の使い勝手も良い。
実際,小米のスマホは新発売時には品薄になりネットでプレミアが付く。

小米は自社で生産設備を持たないファブレスメーカーだが,スマホ同様にテレビもSONY等が使っている大手のEMSで生産している。それなりの品質は確保されているだろう。

小米に限らず,中国でも海外留学経験のある若く優れた経営者は品質を追求し始めている。

チキンナゲットにかぎらず,中国のずさんな品質については大きく報道され,誰もが「中国製は危険,品質はカス」という認識を持っていると思う。それはまあ正しい。でも,優れた中国企業はものすごいスピードで進化する。

中国製品がこの先いつまでも低品質だとは思わない方がいい。