ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

モバHO!事業撤退へ

2008年07月29日 | モバイル・ウエアラブル
モバHO!は来年3月末をもって放送サービスを停止すると発表した。

過去の記事その2でも書いたとおり、スタート時点でほとんど勝ち目がない事業だった訳で、このニュースは驚くにあたらない。

いろいろと事情があったことは良くわかるが、それにしても決断が遅すぎたのではないか。

ITSで5兆円の市場創出だって!? 地デジ効果の欺瞞

2008年07月26日 | ITS
まず、この記事を読んで欲しい。
ITメディア 地デジ「10兆円超の経済効果」 政府が試算

簡単にいえば、地デジへの移行に関して、チューナー支援などの公的資金投入が必要となることなどいろいろご批判はあるでしょうが、デジタル移行で空くアナログ放送用の周波数による経済効果が10兆円もあるから文句をいわないでね、ということらしい。

そして、そのうちITS関連は2015年時点で5兆円の市場創出をするという。市場創出とあるから現状にプラスでの需要が発生すると考えているらしい。

これは、多分いまだにあの悪名高い平成11年の電気通信技術審議会答申「2015年までのDSRC関連市場累計予測 11.5兆円」を引きずっていると思われる。

5兆円といったら、車1台当たり10万円近い。市場創出という以上は、機器なり使用料なり税金なり、なんらかの形で車の使用者にプラスアルファで降りかかってくる。
このご時勢に車に10万円の追加支出なんてありえないことくらい、ちょっと考えればわかるだろうに。

地デジに対する批判をかわすためにいい加減な数字を並べ立てているに過ぎない。
もしいい加減ではない、というならその算出根拠も発表して欲しいものだ。

首都高距離別料金導入は?

2008年07月24日 | 高速道路
2008年の秋から導入と言っている首都高の距離別料金制度だが、2月頃に「500円~1000円の料金幅で調整」というような憶測かリーク記事が一部で出て以降、音沙汰がない。
少なくとも現時点でユーザーの合意が形成されているとは到底思えないし、また秋の実施に向けてメディアでの周知活動が行われている様子もなく、秋の実施というのは本当にあるのだろうか?

最近のガソリン高で、首都高のトラフィックが減少し渋滞が減っているという話もある。ガソリン高はトラフィックの減少以外にも、車関連支出の絞込みという消費者心理を生むので、距離別料金に対する風当たりも強いだろうし、有料道路の利用を控えるという行動も出てくるかもしれない。

こんな状況なので、様子見状態なのだろうか?

と思っていたら、レスポンスによれば6月末に就任された佐々木社長は
早急な実施は難しい
というコメントをされたようだ。

首都高のWEBサイトには、まだ2008年秋と書いてあるが。

スズキアメリカ SX4にガーミンナビを標準装備

2008年07月19日 | ITS
スズキアメリカはコンパクトカーSX4にガーミンのナビを標準装備したスペシャル車を発売した。
Press Release
センターコンソール上に開閉できるドッキングステーションを設け、4.3インチのガーミン製PND(NUVIの700系)を収納する。
ドッキングステーションにより、電源供給は勿論、車両のオーディオシステムと連動し音声案内やMP3を車両のスピーカーで再生する。車速信号は取らないようだ。

また、MSNダイレクトに対応し、渋滞、POI等のリアルタイム情報を表示する。
MSNダイレクトとは、マイクロソフトが提供するFMVICSのようなもの。但し有料サービスとなる。ガーミンナビの場合、初年度無料、次年度以降の再契約は年間50ドル程度。もしくは130ドル払えばずっと使える。

PNDなので脱着可能だが、付けっぱなしで駐車時はふたを閉めて隠すような使い方を想定しているようだ。

アメリカでは「16000ドル以下の車両ではじめてナビを標準装備」した車になるという。

こうしたPNDとOEMの連携が今後増えてきそうだ。


LA 続き

2008年07月17日 | 雑記
オレンジカウンティのビジネスモーテルにて。また時差ボケで目が覚めた。
インターコンチネンタル系のビジネスモーテル「Cabdlewood Suites」は一泊100ドル+程度だが、部屋はきれいで広く、フルキッチンもついている。

面白いのは、ミニコンビニのような売店は野菜の無人販売所のように自分でお金を入れて持っていくシステム。無断持ち去りのリスクよりも販売員を置くコストの方が大きいということなのだろうか。フロントから見えるところにはあるのだが、11時以降はフロントも不在となる。アメリカでよくこのシステムが成立するな、と思う。

立派なフィットネスセンターもあり、無駄なサービスは切り詰めて、要望の高いサービスを継続するということだろう。
なかなか満足度が高いホテルだと思う。

しかし、これはアメリカの安いホテルに共通する問題だけど、エアコンや冷蔵庫がうるさい。

LA

2008年07月17日 | 雑記
昨日からLAに来ている。

アメリカでもガソリン高による影響で走行量が減っている、というのは先日のCNNの記事を引用したが、確かに渋滞は減り、カープールを走る車(複数乗車)が増えているとこちらの駐在員が言っていた。

LAをはじめ、車社会のアメリカではガソリン高は大事件で、むしろ過剰反応になっているらしい。
ある統計データ(WEB上のリンクが見当たらなかった)では、アメリカ人の所得に占めるガソリン支出割合は、オイルショック直後の1980年に比べればまだ半分程度だという。
しかし、そうはいっても安いガソリン価格を前提に生活をデザインしてきているわけで、毎日100マイル以上を通勤で走る人も珍しくないこの国では確かに大きなインパクトだろう。

こうした消費者マインドは今までのSUVブームを一変させ、むしろSUV=悪というイメージが出てきているらしい。
燃費は決してわるくないRAV4などの小型SUVも売上が落ち込んでいるという。

ガソリン高と交通事故

2008年07月15日 | 雑記
まだ正式な統計などがあまり見つからないのではっきりしたことはいえないが、どうもここ数ヶ月のガソリン高で交通量が減っており、それに準じて交通事故もかなり減ってきているらしい。
この数ヶ月、自動車板金修理台数が確実に減少しているというレポートがある。

6月の事故件数、事故死者は全国的にかなり低い数値になっているのではないかと思う。
真偽のほどはともかく、アメリカでは交通事故死者が1/3になるのでは、とCNNが伝えている。

追記:今、CXのニュースでもこのCNNの内容をやっていた。
「ガソリン価格が10%上がると事故死者が2.3%減少」と「今年は1/3になる」って、全然計算が合わないように思うんだが、どういう意味なんでしょうね。

ETC再セットアップの問題点

2008年07月13日 | ITS
車を買い換えたり、中古車にETCが付いていたりする場合、再セットアップをしなくてもETCが使えることが結構知れ渡ってしまっている。
「ETC 再セットアップ」で検索すれば、車のランクが変わらなければしなくても大丈夫、というアドバイスが沢山出てくる。

ETCの路側機はナンバープレート情報との照合機能は備えているのだが、誤作動を配慮してそれによるゲート遮断はしていない。とりあえずはお金を払ってくれるならOK、状態なのだ。
中古車業者では、シガーライターで電源をとる「ポータブルETC」を自作して使っている人もいるらしい。

まあ、それはそれでいいし、再セットアップの度に手数料を支払う現在の仕組みの方が消費者にとっては不愉快なものだ。

しかし、現在の状況がこのまま続けばETCの情報とナンバープレート情報が異なる車がどんどん増加する。是正しようにもその際の混乱が大きすぎて、目をつぶるしかないような状況に陥る。
多分、このままでは永遠にナンバープレートとの照合は出来ないだろう。

そうなるとこれはETC機器と利用者をひもつける利用車番号構想(ETCの街なか利用)を根底から揺るがすことになる。

エコキャップ運動

2008年07月13日 | インチキ・疑似科学
エコキャップ運動というのがある。PETボトルのキャップ(PP樹脂?)を集めて、素材リサイクルを行い、その利益で発展途上国の子供にポリオワクチンを寄付するということで、いくつかの団体があるが、基本的には「400個集めると10円になり、20円でポリオワクチン注射が一回可能」という。

一番大手で活動されているように見える団体の報告では、この一年間で回収35,624,085個、売却益890,602円、ワクチン44,530人分という。

4万5千人の子供にワクチンを提供したという実績はたいしたものだと思うが、年間で90万円弱程度の寄付を得る活動にしては極めて規模が大きく、あまりに経済効率が悪いのではないか?

この団体を維持する費用を考えても、その予算は90万なんてものじゃないだろう。
それ以上に、協賛する企業や個人がキャップを収集し、それを本部まで運ぶ費用だって相当なものだ。

キャップのリサイクルでCO2発生を抑えるという環境面のメリットも謳われているが、日本でのPET容器の回収率は60%。キャップを資源として再利用するなら、この仕組みに乗せるほうが余程効率的。ボランティアは結構だが、小規模な活動は効率が悪いし、むしろ活動による排出エネルギーを考えるとマイナスになっちゃうかもしれない。

まあ、PETリサイクルには違う問題もあるのが事実。60%が回収されるが、リサイクルされるのは、20%程度で、多くが中国へ輸出されているらしい。政府はリユースの検討を始めるという。

いずれにしてもキャップを400個集めて、送料負担で送付し、それで10円しか寄付できない活動というのは、どうも釈然としない。
負担する送料分を募金した方がよほど良いように思うのだが。

7月16日追記 昨日発売の週刊新潮にまったく同じ趣旨の記事が掲載されてました。結びの文章も同じ。

都内がすいている

2008年07月12日 | 雑記
燃料高が社会にいろいろな影響を及ぼしている。

車での来店者が減って、ファミレスの来店客が減少しているという。
3-4kmの外出も控えているのか、と思ったら、そうではなくて行楽としてのドライブが控えられているため、ロードサイドの外食産業に影響が出ているらしい。

一昨日の来客は、高速道路がまったく渋滞していなかったので江戸川から15分でついてしまった、という。
交通量減少については今朝の日経にも出ていた。中央環状線の効果もあり首都高の渋滞はかなり減少しているという。

駐車場も空いているらしい。確かに、最近駐車場待ちとか、あき探しをした記憶がない。

こうした状況のなかで、「ETCの街なか利用」といわれている駐車場の料金収受ビジネスは、非常に厳しいものになってきているといわざる得ない。

売り上げが落ちてきている中で、集客効果に対する確証もなくコストダウンにもならないETC決済サービスの設備に事業者に投資の意欲はおきないだろう。

余談だが。

上記国交省リンク先にある「ETCを使った街中でのサービス展開(イメージ)」に、各施設から「周辺店舗情報も併せて発信」と書いてあるが、この手の「携帯にお得な情報をお届け」系のビジネスはことごとく失敗し、事業撤退に追い込まれていることをご存じないのだろうか。

どうもこの街中ETCは事業計画が楽観的に過ぎる。

というよりも、こうした企画をしている方は、一個人として携帯やらナビ画面やらに周辺店舗から頼んでもいない販促メールが送られることをありがたく思っているのかね。

燃費グッズのビジネスモデル

2008年07月12日 | インチキ・疑似科学
ガソリン価格がここまで上がってくると、燃費グッズが話題になってくる。

私の知っているある販売チャンネルが、どう考えても非科学的な燃費グッズ(マイナスイオンで冷却水を活性化、って系)を販売したところ、数千セット販売しても苦情はほとんどなかった、という。

前にも言ったとおり、これは一種のプラシーボ効果。
高い値段を払って燃費グッズをつけると、アクセル開度が控えめになる。これがポイントなのだ。省燃費運転と燃費を意識しない運転では10%程度の燃費差がでて当たり前。

しかし、これを利用(悪用)したビジネスは後を絶たない。
あえてリンクは張らないが、たとえば以下のような商品がある。
この世界では結構メジャーな商品らしい。

・価格は19950円。
・バッテリ端子につなぐ。
・燃費が向上する科学的原理は一切かかれていない。
・唯一、「車の電気系のノイズをとる」という表現がある。
・多分コンデンサーが入っていると思われる。
・効果がなければ完全返金保障。

自信があるから返金保障する、といっているが、コンデンサーを19950円で売るなら、半分が返品になっても儲かる。
しかも、先に書いたとおり燃費グッズは過半数の人に「効いてしまう」のだ。

数百円のコンデンサーで燃費がよくなるなら、30年前に標準装備になっている。

パイオニア エアーナビAVIC-T10

2008年07月11日 | ITS
去る6月に新発売されたパイオニアエアーナビ 「AVIC-T10」だが、購買者の何割が通信契約に行き着くかが問題だろうと5月12日のエントリーで書いた

実際どうなのか。

価格.COMのクチコミでは、7月5日に通信契約申し込みをなさった方の受付ナンバーは1100番台だったという。

やっぱりというか、まあ正式サービスが開始されるのは7月末頃かららしいので始まればもう少し増加するだろうが、それにしてもね。

月額通信料が発生するカーナビが一般的な商品になるとは、私にはとても思えない。

モバイルキャストが新商品を発売

2008年07月10日 | ITS
ITS関連企業であるモバイルキャストが、約一年の沈黙を破って新商品を発売した。これには正直驚いた。

でも、マーケティング的にいってこのコラボモデルって、どうなの?
BTヘッドセットを欲しい消費者と、ガルシアマルケス(クリスタルボール)というブランドを好む消費者に接点はあるのか?

地名で繋がる東西文化

2008年07月06日 | 雑記
スエーデンのヨンショーピンからゴーテンブルグ空港まで陸路を2時間、そしてアムステルダム経由で帰国。

ITSとはまるで関係が無いが、ゴーテンブルグで思い出した。
このブルグという地名が、極東の日本にまで連綿と繋がっているという話をご存知だろうか。
(以下はネットでいろいろ聞きかじった話と、私の推測が入り混じっています。)

BURGという地名は、ハンブルグなどに代表されるようにドイツに多い。
ドイツ語でBURGは城、要塞、城砦といった意味がある。
このBURG地名は広く欧州に広がっている。シェルブール、ストラスブルグ、ザルツブルグ、ルクセンブルグ、エジンバラなど、ドイツ以外にもベネルクス、フランス、UK、オーストリーなどにいくらでも存在する。

そして、東へ目を向けていってもBURG地名はブル、バル、ボルなどと変化しながら存在している。イスタンブール(コンスタンティノーブル)、インドのジャイプールをはじめとするPURで終わる地名、シンガポール、ジョホールバール、コタキナバル、タイのチョンブリなどの「ブリ」。
そして、日本に来れば沖縄、九州などに多い「丸」「原」(バル)地名。

日本の「丸」地名はこじつけじゃないか、と思われるかもしれないが、これには証拠がある。本丸、二の丸、丸の内などでわかるとおり、丸という言葉には本来、城の意味がある。(ただし、城の曲輪の意味で使われるようになったのは江戸時代という説もあるが)

中世以前の日本の小都市は、木で周囲を囲むことが多かった。高い柵で周りを丸く囲むようなものが一般的だったろう。吉野ヶ里で再現されている外壁をイメージすると判りやすい。
これが「丸い」という言葉に、根っこの部分で繋がっているようにも思う。

さらに言えば、大型船の船名「XX丸」。
昔の木造の大型船は、外から見ればまさしくこの「丸」のイメージだろう。
もうひとつ、(ここまでいうとこじつけかもしれないが)物の名前に丸をつける場合、何かしら「自分を守る」ものであることが多い。刀とか、犬とかね。

もともとサンスクリット語で城砦都市を意味する「PUR」という言葉が東西に拡大したという。

東西文明にこうしたつながりを思うと、感慨深いものがある。

公務員とマイレージ

2008年07月05日 | 雑記
航空会社のマイルをためることについて、役所が個人への帰属を禁ずるようで、民間企業でもこれに追従する動きがある。ためたマイルは、社用に使うということのようだ。

これは航空会社にとってまるでメリットがない。そもそもロイヤリティプログラムであるマイレージなのだが、利用する個人にとってメリットがなければ、キャリア選択のロイヤリティは働かなくなる。
さらに、空き席の消化につかっていた無料航空券が本来お金の取れる業務用に使われるとなったら、これは踏んだり蹴ったりでマイレージプログラムの意味がまるでなくなってしまう。

それはそれとして、私があまりピンとこないのは、役人のマイレージの利用が本当にそんなに騒ぐような問題なのか、ということだ。
確かに、いわゆる「役得」には違いない。
でも、税金を無駄使いしているわけでもなければ、すべての利用者に与えられているルールであり賄賂ではない。

海外出張がある部署とない部署で不公平だ、というような意見は当然あるだろう。
それはそれで役所内でルールを作って公平性を保てばいい。
役人がマイレージチケットをプライベートに使ったって、私は気にならない。

むしろ、公費出張のシートクラスやホテル代が気になるね。未だに偉い人はファーストを使っていたり、若いのにビジネスとか、仮にエコノミーでもリファンド・変更が可能なフルフェアチケットとかを使っているんじゃないか、と疑ってしまう。
「海外視察の予算」などの金額を見ると、そうとしか思えない。