ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

広東均安ゴルフクラブ

2017年12月29日 | ゴルフ

よく行くゴルフ場ですがネット上にほとんど情報がないのでホール攻略を上げておきます。
結構広州近辺の日本人がよく行くコースです。
どれほど需要があるかわかりませんが、検索で見つけた方は参考にしてください。

住所 广东省佛山市顺德区均安镇翠湖路1号
18ホール 土日料金700元〜800元(カート一人利用は高い)

全般:トリッキーなホールが多く、距離もそこそこあり、全ホールでバンカーと池がこれでもかというくらい効いている手強いコースです。400ヤード越えのミドルホールだからといってグリーン周りをやさしくする等というような軟な発想はありません。(アベレージゴルファーだと日本の平均的ゴルフ場白ティーより10ストロークは違うと思います)。正面のガードバンカーはどれも顎が高く、フェアウェイバンカーも顎があり、バンカーに入れないマネージメントが必要となります。また夏は日本のゴルフ場では体験できないボールがすっぽり埋まる粘っこい洋芝のラフに悩まされます。
以下攻略は中国の通例通り青ティーからのものになります。その日のティー位置により状況は異なります。


1番:距離のない打ち上げミドル。右のバンカーは朝イチショットがスライスすると必ずつかまる。顎が高くたいていの場合ピンは狙えない。左の池は気にならないが、チーピンがでると傾斜しているので入る。距離がないので楽にバンカー左に落とす。
2番:距離が有るショート。ティー位置にもよるが、後ろの方だとティーグラウンドからグリーンの右は見えない。右はやや広いけどブッシュにはいればワンペナ。左のバンカーも入れるとパーセーブは難しい。
3番:距離のない左ドッグのミドル。ドライバーの落とし所は全部バンカー。ティー位置によるが210~230で入る。バンカー越えはキャリー230~250でギャンプル。スプーンかUTでバンカー手前が良い。210までならフェアウェイ広くノープレッシャー。バンカー右はカート道越えても土手ありセーフ。左につけるとグリーンは見えないが木の高さがないので林超え可能。但しこの林はOBなので勇気を持って。グリーンは打ち上げ、一番手アップ。
4番:短いが非常にトリッキーなロング。正面に沢山見えるバンカー、右のほうが近く200で捕まる。捕まるとセカンドが池越えなので出すだけ。しかも先もバンカーなので60y前後の難しいバンカーショットが必要。ティーグラウンドからは見えないバンカーの左は広いので、思い切ってバンカー左狙いでいい。バンカー左からだとキャリー160-80の池越えでグリーン左の半島に持っていければ、そこからのアプローチは難しくない。池越えに自信なければ池の手前6-70ヤードにレイアップし、池越えの150グリーン狙い。たいていの場合はセカンドショットがウエッジ、サードショットがミドルアイアンとなる不思議なホール。サードショットは池超えなのでセカンドは絶対ラフに入れないように落とし所を確認してから打ったほうが良い。ラフに捕まっても刻めずきっちり150打つしか選択肢はない。
5番:ミドル。正面に見えるバンカーは200ちょっとで越えるので気にせずバンカーの左狙いで。
6番:ショート。正面のバンカー以外ハザードはないけど砲台バンカーの左右に落ちたボールはグリーンエッジに残らず手前まで転がり落ちるので大き目のクラブで。バンカーは顎が非常に高く厄介。また間にあるグラスバンカーもラフが深く砂以上に手強い。グリーンはY字型の奥が高い二段。ロングパットは2パットで収めるのが難しいグリーンなのでピン位置をよく確認して。
7番:距離が有るミドル。ハンディキャップ2のパーセーブが難しいホール。ティーグラウンドから見えない右奥は広く少々スライスしても大丈夫。ただし230ヤードから先は狭く、FWは左の池に向かって傾斜しているので飛ぶ人はスプーンか。ティーショットは思い切り打てるものの、グリーンは半島風になっており正面をバンカーがガード。残り200近くを直接狙うのはかなり難しい。セカンドは刻むか、グリーン右の広い所狙い。
8番:距離のないミドル。左は大きなバンカー、右はせり出したブッシュで200~220ヤード付近が狭く厄介。左バンカーの後は広いので240以上打てるならバンカー越え。距離がないのでドライバー使わなくても良いが、右に打つとスタイミーでグリーンは狙えない。グリーンには強い左傾斜の窪みがあるので右狙い。
9番:ロング。左池、右カート道越えはOBとティーショットのプレッシャーが大きい。池の上からスライスが安全。セカンドは水の手前まで200程度残るが、これも左右狭くアイアンのラインだしショットでフェアウェイキープ。
10番:380だがセカンドは打ち上げなので実質400以上ある。ティーショット左の木がスタイミー、右はバンカーと池でスライサーにはとても厄介。木の後ろは広いので、右からドローでいくのがベスト。グリーンは左ドック打ち上げで見えないが左は割と広い。セカンドは一番手以上アップ。
11番:短い右ドッグミドル。右の池越えショートカットは200ヤードで越えるがバンカーと木があり、バンカー越えはキャリー230。あえて勝負することもないので正面鉄塔狙いでセカンドは100yを切る。グリーンは廊下のように細長く、また奥からの3段グリーンで傾斜きつく絶対上につけてはいけないし、横からのアプローチもラフが深く厄介。ピンが手前なら最もやさしいパー4だが、ピンが奥だとガラリと難易度が上がる。
12番:アイランド風だが難易度は低いショート。右バンカー奥は池に入る。ピン位置にかかわらずグリーンセンター狙い。グリーン手前は広く寄せワンも十分可能なので、力ます軽く打つ。
13番:距離のないミドル。右バンカーの後ろは見えないが池で、かつFWは右傾斜なのでナイスショットがちょっとでもフェードしたら100%入る。ティーグラウンドから見えにくいが左はカート道の左が池。池に向かて傾斜しているので軽いフックでも池に入る。左バンカーは230以上あるのでその方向へ。ティーグラウンドから見える景色以上に落とし所は狭く曲げるとトラブルになるのでドライバー使わない選択肢もある。グリーンは奥から早い。手前の広いガードバンカーは顎高く厄介なので絶対に入れてはいけない。セカンドはきっちりピンまで届くクラブか左狙いで。刻む場合もバンカーに入らないよう短めに。
14番:打ち下ろし。広いように見えるが左のOB,右のブッシュは打ち下ろしで曲がりが大きくなるため簡単に捕まる。また右サイドからだとスタイミーでグリーンは狙えない。グリーンは正面を深いバンカーががっちりガード。しかも奥から高速で奥からのアプローチはグリーン上では止まらない。
15番:トリッキーなロング。池までは打ち下ろし。ピンまでの直線距離は440程度だがフェアウェイは池で三分割されており、ティーショットではフェアウェイの真ん中にどっかりバンカー。バンカー左がベスポジだが、その左カート道からOBなのでリスクあり。右に避けるのが安全策。もしくはキャリー220以上打てるならバンカー越。ただし250で池に届くので要注意。池に向かって下ってるのでランがでます。(ティー位置により状況は変わります)ティーショットナイスショットなら池越えグリーン方向へFWで、飛ぶ人ならツーオン可能。それ以外は左のアイランドフェアウェイへ経由(これも池越え)。バンカーからの池超えは難しく、ティーショットをバンカーに入れたらパーは難しい。
16番:一番距離の有るミドル。唯一ティーショットに全くプレッシャーないホールだがセカンド地点からグリーン手前まで縦長のバンカーがフェアウェイ真ん中に居座る。セカンドはたいてい刻むことになるが、セカンド地点からバンカーの全貌がわからずどこに打っていいかわからない。バンカーの左右は狭いのでFWでバンカーの先まで運ぶ方が落とし所は広い。グリーン左は広いので左狙い。珍しくガードバンカーのないグリーンだが奥から傾斜の非常にきつい二段グリーンで、上につけると厄介。横からのアプローチも難しい。
17番:難易度の高い距離の有る池超えショート。オーガスタの12番のようにグリーンは斜め縦長で前後バンカーのため距離、方向どちらも狂ったらワンオンは難しい。グリーン右のバンカーは大きく、しかも打ち上げで入れると厄介。特に一番手前のバンカーに入れてしまうと距離+高さのあるバンカーショットが要求され、大たたきにつながる。ドローヒッターには花道がなくグリーンに乗ってもこぼれてしまう。安全策はワンオンを捨てて左の花道へ150打つか、大きめに打ってグリーン奥。ここは広いけど左右とも赤杭ではなくOBなので要注意。
18番:ロング。右バンカー後ろは池なのでスライス要注意だが、フェアウェイ広く気持ちよく打てる。セカンドはいずれにしても水の手前に刻むことになるのでティーショットは頑張って打たなくてもいい。セカンドは右池、左カート道からOBとなるので9番同様アイアンのラインだしが吉。


【ゴルフ】カタナゴルフ VOLTIO Ⅳ 高反発 試打

2017年12月27日 | ゴルフ
久々にゴルフの話。

最近またルール適用外の高反発ドライバーが話題になっています。
私自身、年をとってもアスリート系、という自負が有るのであまり気にしていませんでしたが最近果たしてどのくらい飛距離が伸びるのだろうか、ということに興味を覚え、一本購入しました。

シニア向けということが理由だと思うのですが、ネット上にユーザーの記事はほとんどなく、試打レポートも見つからなかったので記事にしてみます。

購入したのはカタナゴルフのVOLTIO Ⅳ Hiのブラックモデル 10度。他にゴールドもあり。Hiがつくと高反発、つかないとルール適合とのこと。
アスリート系を標榜しているので流石にゴールドモデルは勘弁ということでブラックにしました。

シャフトはゴールドがADtour(400g)、ブラックがフジクラスピーダ(360g)。何故かゴールドのほうが重いシャフトが付いてます。私は重めが良いのでブラックヘッド+ADtourの組み合わ。これはどこでもやってもらえるのかはわかりません。

SRシャフトですが、かなり柔らかい。感覚的にはRシャフト。完全な先調子で弾きを狙っているようです。


構えてみると殆ど違和感はありません。クラウンの表面がなにやら高級感のある仕上げになっていますが、特に気になりませんでした。


ブラックモデル。文字はゴールドですがまあ許せる範囲でしょう。ゴールドモデルは裏側とフェースが全部ゴールドでシニア感たっぷりになります。



打ってみて。普通に振るとフックが出ました。捕まりは良いと思います。
シャフトの柔らかさはあまり気になりませんでした。またシャフトが柔らかいから安定しない、という感じもありませんでした。
今使っているテーラーメイド初代M2にはアルディラのかなりハードなシャフトが刺さっていますが、トップからのタイミングは確かに柔らかい方が取りやすいと思います。

オフセンターヒットでもあまり関係なく飛んでいく感じがしました。
また、全般的に曲がりの少ないクラブだと思います。
打音はキーン系ですが、真芯に当たると打った本人がびっくりするような大きな音が出ます。これはなれないと気持ち悪い。

真芯に当たるとかなり高いボールが出ます。吹け上がった感じではないので飛距離は出ているのではないかと思います。
ただ、試打したレンジが250ヤードあり球の落ちどころがわからないので正確な飛距離はわかりません。感覚的にはM2よりは強い球が出ていると思います。

特筆すべきは、軽く(感覚的にHS38くらい)で振ったときもよく飛ぶということ。これは間違いありません。
フルスイングで振ってみてM2とどれほど差が出るか、コースで確認してみたいと思います。

追記 コースで使用。
M2は46.5インチの長尺にしているので、M2とくらべてより飛ぶということはありませんでした。ほぼおなじかな。
ただし、直進性はかなり良いと思います。

自動運転バスが丸の内の公道を走った。だけどフランス製。

2017年12月25日 | 自動運転
ちょっと加筆12/26

ソフトバンクグループで自動運転関連事業を手がけるSBドライブは丸の内で完全自動運転バスの公道走行を行った。
東京23区内で完全自動運転車が走行するのは初めてという。新聞系の記事は消えるのでレスポンス記事をリンクしておく。

写真をみてデザインクオリティの低さに驚いた。中国の無名メーカー製電気自動車かと思ってしまったが、なんとフランス製。どうしたフランス人!
フランスのNavya(ナビヤ)社製「NAVYA ARMA」(ナビヤ アルマ)という車両らしい。
公道上の自動運転といっても、完全に隔離された40mと100mの区間を時速5kmで走行しただけなので、この走行自体、自動運転としての難易度は非常に低い。
隔離された車線に限定するなら、完全自動運転技術はすでに完成している。一般車両や歩行者・自転車と混交する中を安全かつスムースに走行するまでにはまだかなりの道のりがある。

一方、一年前に国産自動運転車両ベンチャーZMPとの提携を解消したDeNAも、DeNA Automotiveという会社をつくり自動運転事業を進めている。
しかし、DeNAも何故か使っている車両はフランスのEasyMile社製のものだ。(こっちのほうがデザインは良い)
こちらはRobot Shattleという名前ですでに公道実験を行い、私有地では実運用も行われている。
この手のマイクロ自動運転シャトルのスタートアップ企業としてはこの仏2社が先行しているようだ。

しかし、何故2社とも外国製なのか?詳細は確認していないが、おそらく車両本体だけではなく自動運転制御もフランス製だろう。
それが日本国内の地面を走った、というだけのことだ。

我が国のカーメーカーも当然自動運転については相当な技術開発をしており、実際には隔離された車線を低速で走るシャトルというレベルよりはるかに先の開発をしているのだとは思う。
一方、我が国の自動運転スタートアップであるZMPはDeNAとの提携解消後あまり具体的な話を聞かない。
SBやDeNAの自動運転事業が海外のシステムを使わなくてはいけないというのは、ちょっとさびしい。

準天頂衛星みちびきは活用できるのか?

2017年12月20日 | ITS
書きかけで公開してしまったのでその後追記完成させています。

今年10月に4号機の打ち上げが成功した準天頂衛星「みちびき」は来年18年度より本格運用が始まる。
この衛星については漠然と「国産GPS」「GPSの精度が良くなる」程度の認知しかないと思われるが、その実情をみてみると結構問題がある。
詳細は非常に技術的になるし私も専門分野ではないので、簡単に書く。

1.位置情報精度
そもそもGPSからの信号だけでは精密な位置情報は得られない。
複数の衛星との距離を信号到達速度から測定し、位置を割り出すのだが、単純な言い方をすれば衛星と地表にある大気の揺れで誤差が出る。その狂いは時に100m以上になることもある。
この誤差が現在どのくらいあるかを定点で測定し、その値を補正することでより正確な位置情報が得られる。これはかなり以前から行われている。
GPS受信器は衛星からの信号と補正信号の両方を受信し誤差数mレベルの正確な位置を表示する。
補正信号は、古くはFM多重、現在は海上保安庁のビーコンと気象衛星ひまわりから送られている。
みちびきは国内1300ヶ所の測定所で計測したより精度の高い補正情報を衛星から発信することで、その誤差を数cmレベルまで向上することができる。

但し現在の補正による誤差(数メートル)はカーナビレベルでは実用上まったく不都合はない。
カーナビは車両走行軌跡とマップデータをマッチングさせて補正する。

では、一体どのようなアプリケーションに誤差数cmが求められるのか?

一般には自動運転車と言われている。たしかに自動運転車は寸分の狂いもなく交差点を曲がらなければならない。
しかし、実際には自動運転車はGPS位置情報だけでは運行できない。地図、地形データの情報はリアルタイム情報ではない。そこが工事で規制されていたとしてもそれを回避できない。
昨日の情報をたよりに目隠しで道を歩くようなものだ。したがって自動運転車は必ずカメラやレーダーなどのセンサーを必要とする。
それらセンサーが最終判断をするのであれば、GPS位置情報はカーナビ同様概ねの現在位置を把握できれば良い。

2.衛星の補足
ビル街など周りに障害物が多いと衛星の信号は受信できない。みちびきは日本の近くだけを飛ぶので、3基あればどれかがほぼ真上にいてくれるため、そうした場所でも受信できるのが特徴。
しかし現在日本では米国のGPS、ロシアのグロナスを使えるので50基以上の衛星から信号を受信でき、必ずしも準天頂衛星が必要かというと疑問が残る。

3.規格
みちびきが発信する誤差情報は日本及びその周辺でしか受信できない。
しかも、現在のGPS信号とは違う規格の信号で発信されるためGPS機器側で対応していないとその情報は受信できない。
今使っているGPS機器の精度が向上するわけではないのだ。
現在すでにみちびき対応機器が存在するが非常に高価だ。これは普及に伴ってコストダウンできると言っているが、果たして普及するかが問題。まず、日本にしか需要がない。そして最大ボリュームゾーンであるカーナビやスマホに関しては数cmの誤差が求められていない。

強いて言えば繁華街でのスマホ歩行ナビに関して今以上の精度アップが望まれるが、これの誤差情報をわざわざ準天頂衛星から受信する必要があるのか、というのも疑問。スマホは通信機器なんだから。

我が国が自前でGPS衛星を飛ばすことについては必ずしも全否定するつもりはないが、みちびきが売り物にしている機能の有効性については疑問が残る。

神社というビジネス

2017年12月11日 | 雑記
富岡八幡宮の事件で思うこと。
まあ、簡単に言っちゃえ姉弟ともに金遣いに問題ありだったようだけど、金のなる木があれば人間は贅沢をするものだしそうした場面で骨肉の争いが起きるのは世の常。
問題は、どうやらそれがあまりに美味しい金のなる木だった、ということなのかもしれない。

そこで、神社というビジネスモデルについて考えてみたい。

神社は歴史的な名声が確立されていれば失敗のないビジネス。何かを仕入れて加工販売するわけじゃないからオペレーションも難しくなく、新商品を出さなければいけないとか、品質管理とかの心配も殆どない。また、氏子を除けば一般参拝客に関しては顧客管理も顧客満足度も関係ない。経営失敗リスクが非常に少ない、つまりは誰でもできるビジネスだといえる。

業態的にはアミューズメントパークに近い。そもそも日本人は本気で神様を信じてないんだからその宗教的な意味はディスニーの魔法と似たり寄ったりだろう。
アミューズメントパークのように計画的にアトラクションを更新する必要もなく、歴史的な重みがあれば何もしなくてもリピート客は離れることはない。
このビジネスが顧客にもたらすものはなんなのだろう?
メーカーであれば、良い製品。サービス業であればサービス。アミューズメントは思い出に残る経験。
一方で神社が基本的に顧客へ提供するサービスは「ご利益」という目に見えない、またその効果も誰にも証明できないものだ。
たから顧客満足度は余程のことがない限り下がることはない。少なくとも顧客は喜んで数百円のお賽銭を支払い、満足して帰る。

宗教法人という税制優遇と領収書発行の必要がないお賽銭という収入がある一方、コスト側は設備の保守と一定数の管理スタッフ、お守りなどの販売スタッフだけでいいので利益率は表向きの財務表でもかなりのものになるだろうし、間違いなく簿外利益もあるだろう。

このビジネスのトップになれば、それは美味しいということは誰にでもわかる。
神様に捧げられたはずのお金でベンツを買います、クラブに通います、豪邸建てます、というのはとても品位がない行為だけど、いざその立場になったら人間は弱いものだ。

だからこそ上部組織の神社本庁があり宮司の任命権を持っているのだが、神社本庁加盟の神社だからといって経営上特段のメリットもないわけだからそのグリップには限界がある。
実際、その疑惑と身内内紛から神社本庁が宮司就任を認めなかったから離脱したわけで。

ということで、このビジネスを健全にすることはとても難しい。社会的権力者のような人が監査役(氏子代表?)になるくらいしか解決策はないのかもしれない。

余談だけど、今回の件に関しては姉弟のどちらか一方、もしくは神社本庁が極悪人だとするメディア記事が複数存在し、これは当人たちのメディアを使った印象操作工作合戦だとおもうんだけど、週刊誌の記事は余程疑ってかからないといけないという教訓。

引き続き首都高(株)のETCキャンペーンを考える

2017年12月10日 | ITS
昨日のエントリーで首都高(株)のETCキャンペーンについて批判した。
問題点を指摘するだけなら誰でも出来る訳なので、もう少し考察と提案をアップしよう。
非常に専門的な内容になってしまうがご勘弁を。

まず、なにが根本的におかしいかを考える。

すでに首都高速のETC決済比率は普通車で95%程度まで上がってきている。一方軽自動車は85%(ソース:首都高)
この状況で、ETC利用について「一般向け」にPRをする意味は殆どないことは誰にでもわかる。
ただし、ETC2.0の普及はまだこれからで拡大の余地はある。

この状況で、首都高は何がしないのか?ありうる二つの課題をあげよう。
A 利用率を限りなく100%にしたい
B ETC2.0を普及させたい

Aに関しては、ターゲットは使っていない乗用車5%、軽自動車15%のユーザーということになる。
まずは、なぜ使わないかの調査が必要だろうが、想像するに以下の4点だろう。
1.ETC割引額とETC導入費用を比較してメリットが有るほど利用しない
2.通常は高速道路を利用しない地域に在住しているユーザーが東京に出てきている。
3.与信が不十分でETCカードを作れない(なお、パーソナルカードという救済策はある)
4.その他(なんとなく面倒、どこでつければいいかわからない)

現在行われているETCキャンペーンは上記の4のケースにしか効果がない。ETCを付けるほど首都高を使わない人にいくら宣伝をしても全く意味がない。
私は軽自動車の比率が高いことからも、おそらく1番、2番に該当する人が最も多く4の人は決して多くないと思う。

私には首都高のETCキャンペーンは非常に魚の少ない場所に高額な投網(大掛かりなキャンペーン、TVCM等)を投げ入れているようにしか見えないのだ。それも、ゆるキャラ、アイドルといったおよそ似つかわしくなく金のかかる方法で。

Bに関しては、ではなぜ今までETCをつけていない新規ユーザーだけを対象にするのか、という疑問が生じる。
初めて車を買う人を除けば、対象は首都高利用者の5%しかいないのだ。ETC2.0を普及させたいのであればETCからの買い替え優遇策を取る必要がある。

では、首都高は何をすればよかったのか。

前にも書いたとおり、めったに高速道路を使わないユーザーにETCをつけさせるのは熱帯地方でストーブを売るようなもの。
どうしてもと言うなら、一番廉価なETC機器を保証金をとって原価でレンタルし、首都高速はETC専用にしてしまえばいい。
わたしは、最初からそうするべきだったと思っている。配布するETC機器の費用は収受コスト低減と相殺される。

なんとなくつけていないユーザーに対しては、装着することによる金銭的メリットを中心にした広告にすべきだろう。
こうした人達はそもそも興味が無いんだから首都高のWEBサイトなんか観るわけがないし、対象数も多くないからマスメディアを使うなんてアホなことはせず、対象者に確実に届く有人料金所を活用した広告(表示やチラシ配布)にするべきだ。これ以上確実なリーチはない。

ETC2.0を普及させたいのであれば、全く違うアプローチになる。これこそある程度マスをつかってアピールしなければならない。
しかし、なぜ費用をかけて2.0を宣伝するかをユーザーに説明する必要がある。もし補助金をつけてまでやるならなおさらだ。首都高の費用は通行料金から賄われているのだ。
2.0が増えればコスト低減や渋滞減少に効果があることをきっちり説明する必要がある。
(ただし私はETC2.0にそうした効果があるとは思っていない)

いずれにしてもキャラクターやアイドルを使ったキャンペーンはマーケティング的にはほとんど意味がない。そんなことは大手広告代理店ならわかってるはずだが、アイドルやキャラクターはお金が取れるおいしいビジネスだから提案するのだ。要はカモだよ。

首都高(株)ETC2.0くんキャンペーンは意味があるのか

2017年12月08日 | ITS
首都高速(株)のETCそろそろ付けとくキャンペーンについては10月27日のエントリーでご紹介したが、取り付け場所がサンシャインシティに加え埼玉、千葉が追加された。ここに持ち込めば取り付け、セットアップ込10000円で装着可能だからお得だけど、それに対する疑問はリンク先の10月のエントリーを参照ください。
さらにこれに加え、ETC2.0くんのキャラクターパーカー、バッグが当たるプレゼントキャンペーンや、ETC2.0大使の真野恵里菜さんと一緒にPRをする「つけとくETC2.0大使」募集なども実施中。

このETC2.0くんというキャラクターはETC2.0全体のキャラクターではなく、何故か首都高速(株)によるものらしい。ETC総合情報サイトG0 ETCには登場しない。
しかし、ゆるキャラを設定したりアイドルタレントつかってキャンペーンしたり、さらにはLINEスタンプ作ったりする必要があるのか?
これらはどう考えても趣味的な消費財、かつ競合社との競合があるような商品にしか向かないキャンペーンで、ユーザーが利便性のために装着する機器の普及促進にこんなものが必要だとはとても思えない。ETC2.0くんキャラクターグッズなんて、誰がほしいのか?アイドルが宣伝してるから、おぅ、ならETCつけよう!と思う人がいるとは到底思えない。

おそらく首都高(株)は予算がたくさんあって、大手広告代理店に良いようにやられているってことだろうね。

はっきり言う。
公共的サービスを提供している会社なんだからこんな担当の趣味みたいなことに経費をかけるのはやめた方がいいし、経営陣もこのキャンペーンの費用対効果をしっかり監督してもらいたい。

EV(電気自動車)に対する中国の本気度とその理由

2017年12月06日 | ITS
中国は2020年までにEVの充電設備を全土で480万ヶ所まで増設すると発表した。現在は19万ヶ所。
2020年までにということは、あと3年。その費用は2兆円を超えるという。中国は中央政府がやると決めたらなんでもできる国なので、これは本当なのだろう。
ちなみに日本のEV充電設備は通常と急速をあわせて2万ヶ所、アメリカでも6万ヶ所程度。

現在の中国におけるEVの状況は、売れている車の数はそこそこ(全世界のEVの約半分は中国国内向けの中国製)なのだが、その実態は決して芳しくない。
(なお、ここでいうEVとはPHEVを含み、HVを含まない)
中国で最も売れているEVはBYDのPHEVなのだが、実態として殆ど充電はされずガソリン走行が主体となっている。なぜそのようなことが起きているかというと、EVが欲しくて買っているというよりは各種補助政策によるものなのだ。
EV,PHEVは購入補助がある。が、それ以上に大きいのは車両増加規制でナンバープレートの発給を制限している大都市でもEV,PHEVは優先的に廉価でナンバーが貰えるのだ。
おそらくは、お金の問題よりもすぐにナンバーが貰えることのメリットのほうが大きい。

こうした大都市部ではほぼ100%の人がアパートやマンションに住んでおり、住居に隣接したガレージはない。自宅では充電したくてもできないのだ。
中国では実際のところ好きこのんでEVに乗っているユーザーは極めて少ないということができる。

そうした中で政府が充電設備の急激な拡充を行うということは、中国政府が本気でEVを推進しようとしているということにほかならない。
今後は公共的な充電設備拡充にあわせ、多分集合住宅等への充電ポスト義務付け等強引な政策を打ってくると考えられる。
その理由は2つある。

ひとつは大気汚染。ご存知PM2.5の半分近くは車から生成されていると言われており、今後更に車両の台数が増える中国では大気汚染対策としてのEV化はもっともなことだ。

もう一つは、自国の自動車産業の発展。このとても大きな目標のため戦略的に国内充電設備の拡充を行うのだ、と私は見ている。
それはどういうことか?

現在、世の中にある製品でおよそ中国製が先進国に輸出できていない(OEMを含め)ものは飛行機と自動車だけだろう。
自動車に関してはすでに日欧米企業との合弁などからローカルメーカーもかなり学んできており、品質レベルも上がってきているが心臓部であるエンジンを自分で作れない。
ローカルメーカーが自社で設計生産してるエンジンも良く言えば日欧米メーカーのエンジンのリバースエンジニアリング、普通の言い方では真似したものでしかなく、国際競争力はない。

EV化によりこの制約がなくなることで中国自動車メーカーのグローバル化が見えてくる。
まず自国市場で圧倒的な数のEVを普及させれば生産台数で日欧米メーカーを凌駕することができる。これは電池、インバーターと言ったEVの主要部品で非常に大きなコスト競争力を生む。
中国ローカルブランドで日欧米に輸出することは難しいかもしれないが、OEMであれば、あるいはすでに手に入れているボルボ等のブランドであれば輸出国になる事は可能だ。よく言われることだがiPhoneが中国製だからといって嫌がる人はいない。

中国政府がEVに関して大きな勝負に出ようとしている事は間違いない。