ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ETCの効果

2005年01月31日 | ITS
一昨日、東北自動車道の川口料金所を通過した。土曜の夕方だったが、全く渋滞はなく、通常の徴収ゲートも殆ど車列が無い状態だった。確実にETCの渋滞緩和効果が出てきていると思う。

ETCは今後も装着率は拡大が見込まれる。今所有している車に取り付けるという人は少なくなっても、新車に買い換えるときに装着する人が多くなるため、装着台数増加率は今年あたりから鈍化するかもしれないが着実に増加するはずだ。

渋滞が緩和されたのだから、ETCは成功と言って良いと思う。

過去の私の記事で、その生い立ちがオーバースペックであり、普及の三重苦を背負っていると書いたが、今更過去は変えられない。
これで良しとするべきだろう。

言いたいのは、そのスペックを活用するという名目で、もしくはここまで来たから引き下がれないということで、DSRCサービス利用や路車間通信への応用をなんとしても進めようということはやめてもらいたい。

別に検討や研究をやめろとは言わないが、本当に必要なことならマーケットから声があがるはずだ。
ドライブスルーの料金をETCで払いたいか否かは消費者が決めることである。
カスタマードリブンで考えるべきであろう。

電車内での携帯禁止で思うこと

2005年01月28日 | ITS
最近、出張が非常に多くなった。いまも新幹線で書いている。しかし、なんで新幹線でLAN接続ができないのか非常に不思議である。メール程度ならH”でなんとか出来るが、普通にネット接続する環境を作ることぐらい技術的にはたやすい事だろう。
それと電源。3人掛けシート側の一番端の壁にはコンセントがあるが、使って良いのかどうかは判らない。

私としては通信環境という意味では車の中よりも遙かに必要度が高いのだが、どうも車に通信を持ち込むという話は良く出てくるが、新幹線への要望ってあまり聞かない。

話はネット通信とはちょっとそれるけど、前々からおかしいなと思っていたことを言いたい。

何故新幹線をはじめとする電車では携帯電話を使用することがマナー違反なのか。
基本的に会話がマナー違反となる図書館や映画館ならよくわかる。携帯はマナー違反だろう。しかし、会話が禁止されている訳でもなく、マナーとしても何ら問題のない電車内で、なぜ通話だとマナー違反になるのか。「会話」がよくて「通話」が悪い合理的な理由はないだろう。
私的には、東京から新大阪までひっきりなしに話し続ける中年女性グループや、帰りに「うちの部長はアンテナが低い」なんて大声で宴会をしているサラリーマンの方が、遙かにうるさいと思うし迷惑だ。こういう場面に遭遇すると、禁酒車両を作って欲しいと思う。

携帯がまだ特権階級の持ち物だった頃、それを見せびらかすかのように使う輩がいて、それに対する妬みを含んだ感情として「迷惑」という声が出た、というのが真相だと思う。
たしかに、バブル頃のグリーン車では携帯で「あっちの3000万はおまえにやるから、その5000万は俺に回せや」みたいな会話をわざと大声でする不動産系親父がいたものだ。

結局、今はもう携帯なんて普通の生活道具なんだから、常識的な声量と会話内容で使うなら電車のなかで使ったって全然構わないと思う。(心臓ペースメーカーって件を除いて)
よく、車内で携帯通話を注意して逆切れされる、なんて話があるが、注意している方だって実際迷惑を被っている訳じゃないと思う。「車内で携帯イコールマナー違反」という常識が我が国では何故か出来上がってしまっているから、マナー違反を注意しているだけだろう。でも、これって一種の「危険な思考停止」なんじゃないか?

繰り返すが、会話と通話に理論的な差はないし、隣で電話されたって大声を出さないでくれれば、全然迷惑じゃない。

愛・地球博のIMTS

2005年01月27日 | ITS
さて、愛・地球博に関係するITS新技術として、まずチェックしなくてはいけないものがIMTS(インテリジェント・マルチモード・トランジット・システム)だろう。

一般入場者にとっては、ゲートと会場間を結ぶ無人運転のバス、といった程度の印象しか残らないかもしれない。
実際、CNG(天然ガス)仕様の50人乗りバスが、2-3台隊列を組んで専用道を自動走行する。自動走行は路面に埋め込まれた磁気マーカーによるコントロール方式。
そして隊列は、いわゆるプラトーン走行という奴だが、車車間通信で前車の走行情報を受信し、間隔を一定に保っている。それに加えてレーダー、カメラによる自律型車間感知をフェイルセーフとして備えている。

これらの開発はトヨタが一手に引き受けている。まあ、この万博自体トヨタ万博という色彩が強いのだが、かなり力が入っていると感じられる。
トヨタ ニュースリリース

さて、IMTSの本当の売りは自動走行やプラトーン走行にあるのではなく、これら新技術がもたらすフレキシブルな地方公共交通システムへの提案なのだ。

トラフィックが多い路線では専用道を鉄道のように走行することで、定時・高速・大規模輸送が可能。そして郊外では切り離して一般道をバスとしてマニュアル運行が可能。この組み合わせが極めてフレキシブルにできるという点が強みだ。

車でインターネットということ

2005年01月26日 | ITS
1月24日の記事で、車内でインターネットが出来ないことが不満だという意見に対して、非現実的だと批判した。

もう少し突っ込んでみたい。

いまや情報入手手段として最も使われており、かつ情報量が豊富なものはインターネット(WEB)だろう。
反面、携帯情報サイトやG-BOOK,CARWINGSなどのテレマティクス情報サイトはあまりパッとしない。

インターネットの情報の良さは、実は玉石混交にあるのだと思う。
今の消費者は、宣伝情報を鵜呑みにしたり、あからさまなペイドパブリシティ(記事にみせかけた広告)を信じるほどナイーブではない。
例えば、定価とスペックはメーカーサイト、相場は価格サイト、評価は掲示板など、その情報ソースを使い分けている。とりわけ商品・サービスに対する評価はユーザーの生の声を求める。

そして、さらにそれらの情報の中からも、消費者は選別している。
「ほんとにおいしくってめちゃくちゃ感激!!!超おすすめです。皆さん絶対いってみて(^_^)v」という記事と
「スープはやや脂の臭みが残るが合格点、麺はこしがある細麺で茹で加減が秀逸」みたいな記事と、どちらを信じるかという話だ。

こうした玉石混交の厖大な情報の中から、各個人が納得できる情報を選択し、それらを頭の中で組み合わせ、ある程度時間をかけながら最終判断するのがWEBからの情報入手というものなのだ。

従って、パケ代が気になる携帯ではやりにくいし、時間をかけることが出来ない車の中でも満足できる情報を入手することは難しい。

車の通信やインターネットを推進したい人たちは、「運転中でも利用できるような、要約したコンテンツで情報提供する」なんてことをすぐにおっしゃるが、そんな情報で消費者の興味を引くことは、もはや出来ないのだ。

愛・地球博

2005年01月25日 | ITS
愛・地球博が近づいてきた。
ITSはこの万国博の売り物の一つになっているようで、このブログでも取り上げなくてはならないだろう。

さて、その前に何でいま万国博なのかが判らない。というか、やる意義があるのか否かという以前に、開催することありきで進んできているような気がする。そういう意味では、ITSと似ている。

例えば、一年足らずの期間のために会場を作り、建物を建てるという事への批判をかわすためのエクスキューズとしか思えない「リサイクル」「環境」への異常な配慮。
リサイクルや環境を考えるなら、こんな催しは行わないのが最も理屈に合っている。

そもそも万国博は普通の人が外国に行けない時代にこそ意味があった。海外の情報が普通の生活では全く手に入らなかった19世紀には本当にエキサイティングだっただろう。
大阪万博でも、メディアでは海外の情報は手に入ったが実際に海外旅行をするということはごく一部の人間にしか許されないことだった。アメリカのニオイを嗅ぎたくて、何時間も並んでアメリカ館に入ったのだ。

誰もが1ヶ月の給料以内の出費で気軽に海外へ出かけ、またインターネットで大概の情報が居ながらに手に入れることが出来る現在、万国博って何の意味があるのだろうか。

更にいえば、TDLやUSJのものすごいアトラクションになれた日本人がエキサイト出来る体験を提供できるのであろうか?

東京在住の私がこの催しに家族で出かけると、1泊するとすれば10万円以上の出費となるだろう。費用対価値を考えたら多分行かない。

本当に目論見(1000万人だったかな)とおりの入場があるのだろうか?

2005年版 ITS関連市場の現状と将来展望調査

2005年01月24日 | ITS
富士キメラ総研は2005年版 ITS関連市場の現状と将来展望調査を行い、現在販売している。(税込み101、850円)

同社は自動車のアフターマーケット系調査を多く手がけている調査会社である。

さて、調査の背景として出てくるこの一文(引用)
「しかしながらクルマに乗っていて不満が残る点がある。それは車内でインターネットがつながらないことである。机の前に座っていれば分かる様々な情報が、ハンドルの前に座ったとたん、ブラックアウトしてしまう。ETCもやっと利用率が20%を超え普及の兆しが見えてきたが、ガソリンスタンドやドライブスルーなどではまだ使用できない。更に車の事故は日常茶飯事ゆえ、安全面はもっともっと充実して欲しい要望がある。」

車内でインターネットにつながらないことが本当に不満か。この人はハンドルの前でラジオやナビで入手できる情報以外にどんな情報が欲しいのか? Yahooのニュースを見たり、気になることを検索したりしたいのか?
“安全面をもっともっと充実”させたいなら、まずあなたが運転に集中した方が良い。
百歩譲って本当にインターネット接続が必要だとしても、どこでも使えるモバイルPCの方が合理的ではないのか?

更に言えば、この人は本当に「自分の生活感に照らして」GSやドライブスルーでの現金・カード支払いが不便だと思っているのだろうか?

この調査報告書は読む前から既に翼賛的なニオイがする。

そもそもが、関連事業者に対するアンケート調査であり、市場規模予測は関連事業者の言う数字がベースだから、あまり信頼性はない。それでも、国交省がいっている数字よりは控えめだ。2004年のITS全体市場は前年比1%増の8461億円を見込んでおり、2010年には倍増の1兆7100億円になると予測している。

私にはこれでもかなり水増しされているとしか思えないが、詳細は購入しなくては判らない。
しかしどうも10万円を出す気にはなれない。

i-Pod シャッフル

2005年01月22日 | ITS
i-Pod シャッフルについて、いまさらこのブログで解説する必要はないだろう。
この商品もHDDのi-Pod同様、発売同時にバックオーダーという人気ぶりだ。

液晶表示をやめ、シャッフル再生を基本とすることで低コストを実現したことについて、トレンド雑誌やマーケティング評論家などが発想のユニークさとか、コロンブスの卵だとかいって持ち上げるだろうが、私はそうじゃないと思う。

これは、ブランド力と勢いの力である。

仮にアイリバー等が同様コンセプトで新商品を出したところで、廉価商品としかマーケットは認識しないだろうし、中途半端な商品という評価しか与えられないと思う。

オートバックがハンズフリー意識調査結果を発表

2005年01月21日 | ITS
1月5日にオートバックスはハンズフリーに関する消費者意識調査結果を発表した。

ポイントは次の通り
Ⅰ.ハンズフリーシステム所有率は51.2%
2.法令化の前後で携帯電話の利用頻度が「若干減った」「極端に減った」と回答
  した人はあわせて4 割近い。
3.ハンズフリーシステムを所有していない理由は「電源はつけているが車内では使用しな
  い」という方が半数以上。
4.現在所有している人のハンズフリーシステムの価格は2,000 円以下が半数以上。
  利用されているのは「イヤホンマイクタイプ」が全体の約7割、スピーカータイプが約2割。

8月15日付け前後のこのブログで予想したとおり、半分の人は「電話にでない」で対応。その他の人も半分は廉価タイプのイアフォンマイクを使用。そして、やはりプライバシーゼロのスピーカー発話タイプは人気がないようだ。

結果として、携帯の車内ハンズフリーはテレマティクスの追い風にはならないだろうという予測は的中していると思う。

一方、簡易なイヤフォンマイクは接続の手間やコードの煩わしさがあり、高価だがブルートゥースを使ったワイヤレスタイプの人気がじわじわ上がってきているらしい。
携帯のブルートゥース内蔵が進めば、将来はこれがスタンダードになる可能性が高いと思う。

まだやっているのか、スマートプレート

2005年01月20日 | ITS
1月15日付けの日刊自動車新聞によれば国土交通省はスマートプレートの実用化に向けて2月4日にセミナーを開き、民間の業態開発を促すとのこと。

スマートプレートとはICチップを埋め込んだナンバープレートで、2000年から実験を行っているが実用化はされていない。
実現すれば、ICチップに車両の登録情報や諸元データ、その他民間利用に関する情報を記録し、車両の出入り管理やロードプライシングに活用出来るとしている。しかし、これはETC(DSRC)のサービス利用と競合する話だ。

実は、元々スマートプレートは旧運輸省、ETCは旧建設省プロジェクトだった。
私はスマートプレート構想は消滅したと思っていたのだが、この話からは国土交通省になった現在も担当する局が異なり、方針が一本化されていないようだ。
これはこの話が国交省のITSホームページ(道路局の所轄)で全く触れられていないことからもよくわかる。

これが民間企業なら単に戦略がチャランポランいうことだが、役所は国民の税金を原資にして仕事をしているのだから、まったくいい加減にしてほしいと思う。

更に言わせてもらえば、スマートプレートは国民にとってどんな良いことがあるのかがさっぱり判らない。
このプレートの機能といえば、「特定の車両が特定の場所を通過したことが自動的に記録される」ことだけだ。
これを必要としている国民・事業者がいったいどのくらいいるのか?利用方法が見つからないからセミナーをやるらしいが、国民がナンバープレート代の値上げに納得するようなサービスが存在するとは思えない。
簡単に偽造できないという意味で盗難問題には有効かもしれないが、組織的な車両盗難の殆どが海外流出ということを考えればあまり関係ないだろう。

むしろ、Nシステムの精度向上かコスト低減が狙いなのかと邪推してしまう。
個人情報・プライバシー保護の観点から強力な反対の声があがるだろう。

いずれにしてもこのプロジェクトはさっさと店じまいして欲しい。

(Nシステムは正式に公表されている物ではないので、興味ある方は検索してみて下さい。)


VICSセンターがVICS(ビーコン)対応ナビプレゼント

2005年01月19日 | ITS
レスポンスの18日付け記事によれば、VICSセンターがアンケートに答えるだけでVICSの3つのメディア(FM多重、光、電波)に対応したナビをプレゼントしているそうだ。
レスポンス記事リンク

(但し、19日13時現在VICSセンターのWEBページにその記述は見あたらない。)

VICS車載器は昨年の7月に累計出荷1000万台を越えて、ITSがらみの施策の中では優等生だ。しかし、その普及の殆どはFM多重による地図上の渋滞と駐車場「空・満」表示であり、光、電波ビーコンの普及はまだまだである。そしてVICSセンターでは、ビーコン系の普及を促進したいという思いがあるようだ。

普及が進まない理由をVICSセンターは認知が進んでいないため、としているが(1000万台突破記念記者会見での森下理事長発言)、私はやはり消費者がお金を出すほどの魅力がないからにつきると思う。

実際、ビーコンVICS付き車を運転する機会は多いが、表示情報と同じような情報がその前後の電光掲示板で表示されており、これは重宝だ、という実感がない。
結果、あまり需要が無く、数が出ないため、車載器の値段も下がらないという悪循環だ。
これを抜け出すためにはもっと魅力的な情報コンテンツが必要だろうが、多分ブレイクスルーとなるような情報は存在しないと思う。

ここが、このブログ全体を通してのキーポイントである。みな「情報」という言葉に惑わされて、大きな市場があるかのように騒いでいるが、実際消費者がクルマを運転している最中に必要とする情報は限定されるのだ。

いずれにしても、これは認知を拡大すれば普及するというような単純な問題ではない。

ホームメディアセンターとクルマの関係

2005年01月18日 | ITS
昨年から、アメリカではしきりとメディアセンターという言い方がされている。まあネット接続されたPCなのだが、単なるインターネット端末を越えて家庭で楽しむ各種メディアの接続センターとなるようなイメージだ。TCP/IP接続で家庭内の端末と接続し、各部屋で異なるコンテンツが楽しめる。

こんな大げさなものが本当にいるのかな、とも思うが、流行するとアッという間に普及するアメリカでは、今後何が起きるか注目したいところだ。

さて、アメリカの事情は良く知らないが、日本では家庭内LANといえば無線が主流だろう。壁に穴をあけてきれいに有線LANを配線することは不可能で、それをプロに依頼するよりも無線LANの方が安い。
そして、無線LANの場合、車庫付き一戸建てならクルマまで電波は届く。

ナビのHDD化に伴って、クルマにHDDがつき始めている。ホームメディアセンターなるものが一般化したら、コンテンツを無線LANでクルマのHDDにダウンロードするという使い方があり得ると思う。

ただし、前にもかいたけどハードディスクごとクルマに持ち込む(イコールi-Pod)方が合理的かもしれない。

東京オートサロン

2005年01月17日 | ITS
東京オートサロンにいってきた。
随分まえから感じてはいたが、最も熱気がある来場者はコンパニオンを撮影する人たちだ。かつてカメラ小僧といわれていた人たちがそのままおじさんになってしまったのだろうか、カメラおじさんと呼ぶべきだろう。小太りメタフレのステレオタイプにオタクな方が多い。
実際に展示を見に来ている人たちも特にチューニング系は多かれ少なかれオタクだから、コミケとまではいわないが、幕張メッセはオタクに支配されていた。

しかしはっきり言ってカメラおじさん達は、じゃまである。クルマの脇にコンパニオンが立っていると、その周りを城壁のようにカメラおじさんが取り囲んで、クルマは見えない。
正直、みんなカメラおじさん達にはあまり近寄りたくないので、その一角が別世界になってしまう。出展者にとって、もはやレースクイーンを使うのは逆効果だと思うんだけど。

さて、本業でチェックしてきたことは色々あるが、このブログではカーコミュニケーションに絞ろう。

モバイル放送/(モバHO)の実演を見てきた。
車載器は小売りで5万円前後、受信料は映像と音楽で約2500円/月。
モバHOは、車載器にむけては音楽コンテンツのみの利用も期待しているようだが、それは無理だ。FMラジオ+CD/MDという現在のコンテンツに消費者は大きな不満を持っていない。有料放送は厳しいと思う。
一方、映像は画像に鮮明さはなく、コマ落ちもわかる。画像は常に安定しているといっても、これで無料放送と勝負するのはちょっと厳しいんじゃないかと思った。
やはり本命は地上波デジタルだろう。

ETCワンストップサービス

2005年01月14日 | ITS
レスポンス記事首都高・大黒PAのETCワンストップサービスが人気

首都高速道路公団が大黒PAで土日祝日に行っている「ETCワンストップサービス」が人気集中のため、同公団では、申し込み状況を問い合わせてから来場してほしいと要望している。

だって。

あふぉか。商品なんだからワンストップで購入できて当たり前。「申し込み状況を問い合わせて来場しろ」じゃなくて、「対応体制を増強させて頂きます」ってのが普通の人間の考え方だろ!

ETCの疑問-フジTVニュースJAPAN

2005年01月14日 | ITS
昨日、フジテレビ系の深夜ニュース「ニュースJAPAN]で「ETCの疑問」という特集をやっていた。
要点は、我が国のETC車載機器の販売価格が高すぎることと、セットアップ料に対する疑問だ。

セットアップ料については、昨年末にORSEに還流されていた500円が廃止されたが、扱い店は依然として従来通りの2500円程度を購入者から手数料として徴収しているが、実際にはパソコンへ車検証記載事項をインプットするだけの作業で、2500円もかかるような事務手続きではない、というような内容であった。
確かにその通りである。
登録する理由は、車種を特定しないと料金が異なり不都合である、ということだが、要するに安い料金車種の車載器が不正や買い換えで高い車種に装着されることを防止したいのだろう。利用者が費用負担する筋のものではないとおもう。これが役所感覚だ。

もう一つは車載器の値段。米国NYでは事実上無償配布をしているという例をあげて、ETCは高すぎるということを問題視していたが、この問題に関してはつっこみが甘い。
なぜ我が国のETCは高いのかといえば、スペックが不必要に高いからである。なぜ高いスペックを採用したか、そしてITSの名の下にその高いスペックを活用するという名目で、さらに道路への投資をしようとしている国土交通省にメスを入れて欲しかった。

車載器の価格問題はもう一つある。結局高すぎて普及しないということで、国交省はインセンティブを打っている。金額補助や通行料割引だが、これは、結局の所は税金だ。
番組に登場した役人は、「欲しい人だけがつければいい」という発言をしたが、それなら何故インセンティブを出しているのか。何故、税金を投入してまで普及させる必要があるのか。

一方では、最近のETC車載器の価格でメーカーは本当に儲かっているのかという疑問がある。ETCが普及し、DSRCサービスビジネスが立ち上がれば路側機などのマーケットが創造される。それを見越した戦略的な価格設定なのではないか、と思われる。さらに、普及に貢献するべく安く売れば、国交省へ貸しを作ることにもなる。

どうもこの辺の官民の関係にすっきりしない物を感じるのだ。

クルマに通信機能が付くことは既定路線なのか、のサマリー

2005年01月13日 | ITS
昨日に引き続いてサマリーを。

ITSに強い評論家の方々は、皆さん色々なご意見を持っているが、総じて基本的に肯定派である。というか、ITS否定派は存在しない。それがこのブログを立ち上げた理由でもある。
そして、評論家の方々が皆さんおっしゃることは「全てのクルマが将来通信機能を持つことは既定路線だ」ということである。

ETCを通信機能だと考えれば、それは間違っていない。全てとは言わないが、カーメーカーの標準装備化が進んで将来殆どのクルマに付くだろう。
しかし、ここで言う通信機能とは、インターネットへの接続、カーメーカーやその他事業者との接続、路側情報発信機との接続や車車間通信と呼ばれる車同士の接続を意味している。

これに対して、いままで例を挙げてそれらの実現性の低さを指摘してきた。
主要な内容は次の通りである。

・つながりたいのは人であり、クルマじゃない。携帯でなにが不足なの?

・携帯はさらに高機能化するであろう。
 そうなったら、クルマに固定する通信情報機器って意味があるの?

・車に乗っている時のユーザーの最大関心事は経路誘導と渋滞情報だけ。
 その他の情報はいわれているほどは必要ない。

・故障診断はオンボード表示されればいい。
 通信でメーカーに情報を飛ばす必要なんて(消費者には)ない。

・路側機からの情報は表示板で十分。それも安全情報だけで良い。
 路側機からの商業情報なんて迷惑メールと同じ。

・実際、G-BOOKやCARWINGSといったカーメーカーのテレマティクス
 はうまくいってないし、通信ナビも成功していない。

詳細は過去ページにありますのでご参照下さい。(本当はリンクを貼るべきでしょうが)