ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITSジャパン スマートウェイの大規模実証実験

2008年12月26日 | ITS
ITSジャパンはスマートウェイの大規模実証実験について発表を行った。
レスポンス記事

これはすでに昨年から計画されているもので、内容も計画通り。
すでに各地で行われてきた実証実験に加えて東京のお台場で公開実験が行われる。
一般人が体験できるのは2月の25日から28日の4日間、それも試乗車に同乗。対象となるのは抽選で選ばれた300人のみ。
この内容を「大規模」と呼ぶべきかは大いに疑問だ。

私のこの4月のエントリーを一度読んでほしい。
この中で、彼らの本当の関心は「ITS技術で日本が一歩先じんる」ことなんじゃないの?と書いたが、今回もITSジャパン専務理事は「官民一体となった日本の取り組みを世界に発信する機会でもあり、そういう意味で真剣さの度合いが違う」と、あっさりと本音を述べている。この仕組みが本当に事故死者を減らすことができるのか、ということよりも世界で初めて路車間通信を実用化するほうが大事なのだろう。

でも、こういうのはもうやめにしたほうがいい。
今の自動車業界を取り巻く環境はそんなことを言っている場合じゃないのだ。

X01HTをGPSナビにする その4

2008年12月21日 | モバイル・ウエアラブル
今朝アムステルダムから戻ってきた。3泊の忙しい出張。
スキポールのトランジットが4時間ほどあったので、電車で15分のライデンを訪れた。
ライデンはオランダ最古の国立大学のある街で、レンブラントの生地でもある文教都市。国立民族博物館、古代博物館などがあり、古代博物館でエジプトの遺物をみてきた。

ライデンへ行ってみようと思っていたので、前もって周辺のGoogleマップをダウンロードしておいた。

スキポールから電車の窓際にGPSユニットをおいてGoogleNavigatorを起動すると完璧に線路上を走っていく。
今回はインターシティ(急行)で次の駅なので問題はないが、はじめての土地で電車に乗るときは助かるだろう。

ライデンの町では観光案内所にもよらず、GoogleNavigatorだけを頼りに歩いた。
GPSユニットは鞄からぶら下げた状態。

結果的は非常に満足いくものだった。レジストしていないので経路誘導はできないが、現在地は詳細マップ上でもほとんど正確に表示される。
(ただし、経路探索はオンラインでないとできないようだ)

運河沿いに週末の市がたっていて、魚屋台で鱈のような魚(ギブリングといっていたように記憶)のフライと、名物生ニシンのサンドイッチをつまむ。
(写真のノースフェースバックパックのアジア人は何の関係もありません)
町を4キロほど歩いて、難なく中央駅に戻れた。

世界中必要なところだけを無料でダウンロードできるのが魅力だとおもう。

X01HTをGPSナビにする その3

2008年12月15日 | モバイル・ウエアラブル
X01HTにBTのGPSユニットを無線接続し、GPSナビにするの件で続き。

歩行ナビとしてはどうかと試してみたが、建物が立て込んでいる都心部では精度が落ちるのは仕方がないのだろう。マップマッチングが付いていないのでギザギザの軌跡を残して、まあ大体どこを通って歩いてきたかはわかる。

クルマでためしたら、精度は全く問題ない。カーナビがあるので無意味だけどね。

本体に組み込んでいたGPSアプリは、「gpsVP」をやめて、有料ソフトの「Google Navigator」に変えてみた。このソフトもgoogleマップをダウンロードしてメモリーにため込む方式。商品名にgoogleとついているが、サードパーティーだと思う。Googleの同意のもとにやっているのかどうかは不明。

gpsVPよりもUIはいい。日本語はないが、音声案内もするようだ。
また、地図データが小さい。都内のそこそこ詳細までいれても30MBぐらいで納まっているように思う。gpsVPは一つ一つの地図を全部ファイルで管理するためメモリーの無駄使いが多いが、Google navigatorでは地図データは1つのファイルになる。

しかし、地図をダウンロードしている時に時々エラーが起きて地図タイルの配置が狂うことがある。そうなると修正は効かず、一度地図データを廃棄して最初から地図ファイルを作り直さなければならない。
PCと連携させながら、まめにバックアップをしないとならないのはちょっとつらい。

表示された地図がキャッシュのようにファイルに保存されていくという方式で、これはgpsVPと同じだが、Google navigatorはPC用バージョンがなく、携帯からダウンロードしなければならない(と思う)。
パケットし放題契約を解約してしまったので、自宅のWiFiを使った。

まだレジストしていないが、レジストすると指定した階層から下がまとめてダウンロードできるようになるようだ。
来週はヨーロッパにいくので、歩行ナビなど試してみて良ければレジストしましょう。ドル安だし。59ドル。

テレマティクスの今後

2008年12月11日 | ITS
かなり手前味噌な話になってしまうが。

2004年の8月にこのブログを初めて4年半近くたつ。
最初に一か月近くを費やして「テレマティクスは自動車業界最大のバブルだ」とし、いちいち反証をあげてなぜそれが成立しないかを書いている。

一方、その頃は、「クルマと通信の融合は議論の必要がない既定路線である」という論調で語る評論家がたくさんいた。

矢野経は2004年10月に出版したITSテレマティクスサービス市場の予測レポートで、ITSテレマティクスサービス市場は今後大きな成長を遂げ、2006年から市場は本格化、2010年には約1959億円の規模になる、と言っていた。
多くの企業がこの調査レポートを15万円だか出して買ったわけだ。

矢野経はITSを推進しようとしている企業にインタビューしている訳だし、さらにそれに参入しようとしている企業にレポートを売り込みたいのだから、肯定的な内容になるのは仕方がないのかもしれないが、素人の無料情報である当ブログのほうが正確な予測をしていたということになる。

しかし、それにしても「クルマ+通信」の市場は、全く活性化をしていない。
その大きな理由の一つに、2004年時点で私が上げた事柄に加えて「若者のクルマ離れ」がある。

ケータイや通信、ハイテクに興味のある若者は車に興味がない。一方、車が好きな親父はいまいちハイテクがわからない。そこに大きなマーケットのアンマッチがあるのだ。

なぜ海外では常識になりつつあるブルートゥースハンズフリーが日本では普及しないのか?
同じく、欧州では標準装備になりつつあるカーオーディオのUSB端子接続によるデジタルオーディオやUSBメモリー上のファイル再生が、日本ではあまり認知されていないのか?
アメリカではほとんど常識のレベルにある車載用i-Podアダプターが、日本ではさして売れないのか?

これらの事実を、若者がクルマに興味を持っていない、自分専用車を保有していないということに起因していると考えると、非常にわかりやすい。

X01HTをGPSナビにする 続き

2008年12月09日 | モバイル・ウエアラブル
携帯X01HTに同じく台湾haicom社製ブルトゥースGPSユニット「HI-408BT」を接続。
いろいろ苦労したが、機能するようになった。

試しにユニットをコートのポケットに入れて電車にのって作動させてみたが、そんな条件でも線路の上を動いていく。
さすがに屋根のある駅のホームでは衛星捕捉はできないが、走りだせば普通に吊革につかまってたっていても結構正確に位置捕捉をしてくれる。
カバンの中にいれると若干感度が落ちるが、それでも大丈夫。

歩行中や車載状態での使い勝手はどうだろうか、今度の週末にでも確かめてみたい。

話はかわるけど、BTといえばモバイルキャストさんが新商品を発表した。
イヤホン型BTハンズフリーで、売りはノイズキャンセル付きということのようだ。

12月26日追記
このモバイルキャストさんの新商品「MP320-MK」だけど、どうもおかしい。
プレスリリースではヤマダ、コジマなどの量販店やアマゾン、セブンイレブンネットの通販で12月初旬に発売とあるが、どうも販売されているように見えない。
型番で検索するとヤマダ電機のサイトがヒットするが、メーカーは携帯小物メーカーのリックスとなっている。定価5,131円に対してweb特価8,980円という表示も、どうやらこのページは未公開(作りかけ)のように見える。
セブンイレブンネットのモバイルキャスト関連商品を販売しているページにもこの製品はない。

X01HTをGPSナビにする

2008年12月07日 | モバイル・ウエアラブル
使用中のソフトバンク「X01HT」(HTC製スマートフォン)にブルートゥースで接続できるGPSユニット HI-408BTをebayで購入。11月22日に注文し、一昨日届いたから2週間で到着ということになる。台湾から郵便小包で届き、個人輸入のような手続きは一切不要。

ところが、この接続までが結構厄介だった。
接続に関するマニュアルは同梱されていない。WEBサイトの個人のブログを頼りに設定を進めていく。

まず、「X01HT」は標準では外部GPS接続の設定アイコンが隠されている。このアイコンを表示させるためにエディタでレジストリをいじる必要がある。
TRE pocket PCを使い、
[HKEY_LOCAL_MACHINEControlPanelGPS Settings]のHIDEの値を1から0に変えると、設定→システムにGPSというアイコンが出てくる。
"Hide"=dword:00000000

それとは別に、携帯にGPSソフトと地図をインストールする必要がある。
私はフリーソフトのgpsVPと、やはりフリーで入手可能なGoogle mapの地図キャッシュデータをマイクロSDカードにインストールした。
X01HTはWM5なのでSDカードは2GBまで。
あまりたくさんの地図は入らないが、23区内のある程度詳細な地図をいれてみた。

その後、X01HTからBT機器としてHI-408BTを認識させ、(パスワードは0000)、シリアル接続を選択してから任意のCOMポートを割り振る。そして先ほど出現させたGPSを開き、設定したCOMポートを指定。

ところが、ここまでやっても、HI-408BTはBT接続しないし、外に放置してもGPSの捕捉もしない。
ここで行き詰ってしまい、販売元にメールで照会をかけた。

しかし、はたと気づいて地図ソフトであるgspVP側のsettingをよく調べたら、ここでもCOMポートの設定が必要だった。そこに先ほど設定したCOMポートの番号をインプットしたとたん、ビーと音がして即座にHI-408BTとBT接続がはじまり、衛星捕捉のインディケータも機能するようになった。

ベランダにHI-408BTを置いてみたところ、見事に我が家の場所を示している。
これでまた一歩、普通の国産ケータイに近づいた。(苦笑)

ということで、利用インプレまではたどり着いていません。
接続に悩んでここにたどりついた方(そんな人いるかどうかわかりませんが)がいらしたら、どうぞコメント欄でご質問ください。

フレッツ光の電話セールス

2008年12月07日 | インチキ・疑似科学
フレッツ光の電話セールスがよくかかってくる。
昨日の朝、ちょっと暇だったので少し会話をしてみた。
というか、開口一番、「お客様の地域は光が導入可能ですのでお早めに」みたいな言い方をしたので引っかかったのだ。

以下、問答。
電:お客様は電話線のインターネットをお使いですか?
私:ADSLだけど。
電:お客様の地域は光への変更が可能になりました。この機会にお早めに切り替えをお勧めします。
私:切り替えろって、ADSLってなくなっちゃうの?
電:いえ、固定電話をご使用のお客様は残るので、なくなることはありませんが。
私:じゃ、なんで切り替えなくちゃいけないの?
電:お客様はインターネットをお使いですので、より品質のよい光をお勧めします。
私:今のADSLに不満はないけど、将来品質が悪くなるの?
電:今後はホームページも高速回線を前提としたつくりになってくるので・・・
私:今は不満がないから、そうなったら考えるよ。
その後、料金の話や、光のメリットについてしつこく質問したら先方が諦めて電話が終わった。

動画をバンバン落とすような使い方をしなければADSLで十分だと思っている。実際に通常のWEBページの閲覧に特に不満はない。光にすると月額で3000円以上高くなるが、私の場合、その費用に見合う効果があるとは思えない。

しかし、ブロードバンドはすでに光が過半を占めているらしい。

こうした電話セールスで、実際の必要性をよく理解しないまま光にした人がどのくらい存在するのだろうか。

そもそも、電話セールスという販売手法を私は全く信じていない。
電話セールスってのは「断わりの滅多打ち」に耐えなければならない。ナイーブな人は3日と持たない仕事だ。
そんな嫌な仕事を続けるために、かなりの成功報酬や歩合が存在する。
だから販売業者は通常の商品よりもかなり大きな流通マージンを取っている。
墓所、屋根、リフォーム、マンション、投資話などなど。

では、なぜNTTのような超一流企業がそんなやくざな販売形態をとらなくてはいけないのか?
それは「回線商売は先にとったほうが勝ち」だからだ。強力な販売促進を進めていかないと負けてしまう。

その陰で、消費者の本当の利益ってのがどうもあまり真剣に考えられていないように思える。

ホンダがF1撤退

2008年12月06日 | 雑記
ホンダがF1撤退。
経済環境の激変に対応してこれほど素早くF1撤退の決断をしたことにも驚いたが、それ以上に年間500億円、400人のエンジニアという厖大な経営資源を投下していたことに驚いた。

モータースポーツは極限性能を追求するためそこから得られた技術を生産車に反映することができる、という言い方がよくされる。
しかしそれは大昔の話であって、今の生産車とモータースポーツ車両は全くの別物だ。
カーメーカーとしてのモータースポーツ参入はブランド構築や広告宣伝であり、その費用と効果が釣り合わなければやめるということになる。

日本ではモータースポーツが全く凋落してしまった。
今年の日本グランプリやWRCラリージャパンで誰か勝ったのか、私は知らない。全くそれに関する報道を目にする機会がなかったからだ。それほどまでに一般人はモータースポーツから関心を失っている。特に若者がまるで興味を持っていない。

アメリカではF1はあまり人気がなく、それ以前にホンダブランドは確立しているのでF1参戦を続けることの費用対効果はあまり大きくないだろう。

F1の人気が高い欧州も環境への関心が高まり、今後モータースポーツに対する消費者の見方がどう変わっていくかは不透明だろう。

こうした状況の中、今の経営環境を考えればF1撤退は正解だと思う。その技術者を環境エンジンや小型車に割り振るホンダは、ブランドイメージの再構築へ大きく舵を切ることになるのだろう。

パーク24がITS事業企画を子会社化

2008年12月03日 | ITS
パーク24がITS事業企画の株式51%を三菱商事から買い取り、子会社化した。
プレスリリース
ITS事業企画は三菱商事の子会社として2003年に設立され、ETC(DSRC)の民間利用についての事業を進めていた唯一の会社だ。

この会社の事業については、ITSを疑うでは2004年のエントリーでこう書いている
その後、4年が経過したがビジネスにさしたる進展はない。
ないどころか、駐車場サービスは次々とサービスを終了している。

パーク24にとっては、今後の駐車場ビジネスにシナジー効果が見込まれる、三菱商事にとっては発展が見込めない新事業の売却、ということなのだろうが、本当にパーク24にとって有益な買収なのだろうか?