ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

第二東名と制限速度

2011年11月30日 | 高速道路
静岡県が、第二東名の制限速度を140kmにしたらどうか、という提起をしたらしい。
記事には、設計速度が120kmとあり、なぜそれが140kmで良いのかかははっきりしない。

私は安全面でいえば120kmでも140kmでもいいと思う。高速道路の制限速度を100kmに設定した昭和40年代から比べれば、クルマやタイヤの性能、安全性は遥かに進化している。
ただし、日本市場向けのクルマは100km制限を前提にギヤ比などが設定されているため、120km以上出すと燃費が急に悪化する。

それ以上に言いたいことは、この時期に140kmとかいう話をする静岡県に意図的なものを感じる、ということ。第二東名はトンデモない巨額の公共投資なのだが、その必要性について真剣に議論がされてきたとは思えない。

東海震災時の大動脈バックアップとして絶対必要、という議論があるけど、バックアップなら中央道がある。
さらに、その費用。
総工費7兆円と言われているが、東日本大震災による住宅や道路、工場設備などへの直接的な被害額の試算は16兆円~25兆円。もし東海大震災があるなら、7兆円の使い道として「東名のバックアップ」よりも、「復興の足し」に確保しておいたほうが遥かに合理的だ。

どうも、今回のリリースはそのへんをかわすために持ち出されたように感じる。
140kmと100kmでは所要時間は相当違う。これはドライバーにとってかなり魅力的なことには違いないし、多くのクルマ好きにとってはワクワクする話だろう。騙されちゃいけない。

それにしても静岡県って、空港やら第二東名やら、巨額公共投資が大好きだよね。

トヨタは86を誰に売るのか

2011年11月28日 | 雑記
トヨタは27日、新型スポーツカー86を先行公開した。

すぐに、ネットでは若者向けと言いながら実は中年に売ろうとしている、だからノスタルジーを掻き立てる86というネーミングにしたんだ、みたいな意見が出てきているが、私は違うと思う。

まずネーミングだが、これは決してAE86トレノ・レビンに憧れた世代を対象にしているわけではないと思う。
新しいネーミングを考えるより、ブランド価値があるネーミングを使ったほうがいいし、AE86(1980年代半ば)は若者に丁度良いレトロさ加減だと思う。
逆にその時代に86に憧れたり実際に所有していた40代~50代は、多分水平対向エンジンを積んだ車高の低い国産2ドアクーペなんか欲しがらない。

では、クルマ自体はどうか?
今の若者も2ドアクーペを欲しがるとはどうしても思えない。というか、一般的な若者は「そういうクルマに乗っている奴とはあんまり友だちになりたくない」ぐらいのイメージすら持っていると思う。

しかし、最近ジャン・レノに「だってのび太くん免許持ってないじゃん」と言わせているのがこれの布石だとしたら、トヨタはマジでこのクルマを若者に売ろうとしてるのだろう。

確かに若者をクルマに呼び戻すことは国内の自動車産業が課せられた大きなチャレンジだし、それに向かっていくトヨタには敬意すら感じるが、残念だけどこのクルマでは無理だと思う。

多分、ハードウェア的には相当な完成度なんだろうけどね。

インターネットTVはブレイクしない

2011年11月27日 | 雑記
昨年末、WEBテクノロジー関連の有力ブログ「ReadWriteWeb (RWW)」主宰者のRichard MacManus氏は2011年のwebに関する予言でインターネットTVがブレイクすると書いている。
それに対する私のコメントは以下のとおり。
以下、ITSを疑う 2010年12月29日エントリー引用
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4.インターネットTVがブレイク

GoogleTVの立ち上がりの不調(米3大ネットワークがコンテンツ提供を拒否)にも言及しながら、2011年は消費者の認知が進み、コンテンツも改善することで(少なくとも北米では)ブレイクするだろう、といっている。

本当かな?どうもTVとネットは「親和性」が悪いように思えて仕方がない。
一人暮らしならともかく、家庭における居間のTVの画面と、きわめて個人的な行為であるネットサーフィンは絶対に融和しない。
それが数々のセットトップボックスの失敗につながっているのではないか?

GoogleTVもAppleTVも、たいしたことにはならないと思う。
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GoogleTVは、Logitechの撤退宣言、Sonyが全く売れていないことなどから明らかに失敗に終わってる。
その理由として、3大ネットワークからのコンテンツ提供が不十分などの分析がされているが、やはり私は大画面TVとインターネットの融合は(単純な形では)無いと思っている。

ソニーのTV事業がずっと赤字であることはすでに報道されているが、国内市場の巻き返しということで今、ブラビアは「家族がつながるTV」というコンセプトでCMを流している。
しかし、家庭の大画面でYoutubeみたり、遠隔地のおじいちゃんにSkypeで孫の顔を見せたりなんて、単にPCの画面をTVで大きくしていることと理屈的には変わらない。こんな事で消費者の購買意欲を掻き立てるとは到底思えない。

何回も主張しているように、インターネットは極めて個人的なもので、だからこそ「パーソナルコンピューター」や「携帯電話」を使う。
一方で茶の間の大画面スクリーンは、そこに集う家族の最大公約数的なコンテンツで茶の間の団欒を維持する装置であり、個人的な通信コンテンツはなじまない。

むしろ、選択肢に制約があっても放送局が流しているコンテンツをみるほうが団欒は成立する。
何故なら、面白くないのは放送局のせいになるからだ。
しかし、例えばYoutubeなり、通信ベースによる多チャンネルオンデマンドだったりすると『お父さんそんなのやめてよ』みたいな話になるだろう。
まあ、TVを軸とした家族の団欒なんてすでに概ね崩壊しているけど、それでも茶の間の大画面TVは依然として家族の共用品だから、共用しているときにインターネットコンテンツが入り込む余地なんて無い。

一般的にいって、こうした家族の共用品(私は家財といっているが)と通信はなじまない。
大画面TVしかり、クルマ(日本の場合)しかり。テレビとネット、クルマとネットが融合するのは規定路線といいながら10年たって、技術的には実現しているにも拘らずたいした進歩が無いのはそこに理由がある。

ソニーはネット接続できるブラビアを売りたいなら「家族がつながる」は真逆だ。むしろ「個人の楽しみを大画面で」と言わなければダメなんだと思う。

テレマティクスや通信型ナビでスマホが使えないという矛盾

2011年11月24日 | ITS
スマートフォンの拡大がクルマと通信の世界では逆風になってしまっている。

例えば日産のテレマティクスサービス「CARWINGS」と使う場合、通信データを受信するためにはガラケーを使わなければならない。(Bluetoothハンズフリーはスマホでも可能)
スマートフォンは通信量を規制するため、外部機器との接続(デザリング)ができないのだ。

車に通信機能を持たせることに興味があるようなユーザーはかなりの確率でiPhoneやアンドロイド端末を使っているだろうから、これはいま、非常に大きな矛盾となってしまっている。

そもそもスマホ自体が通信型カーナビの機能をもっているわけで、最終的には車両にはスマホの画面が表示されるマルチディスプレイが搭載される世の中になるのだろうが、それまでの間はどうしようもない。

通信キャリア側に何らか対応をお願いしない限り、この状況は打破できないだろう。かなり深刻だと思う。
なんか対策を検討しているんだろうなぁ、とは思いますが。

トヨタの「Fun to drive again」はうまくいくのか

2011年11月23日 | 雑記
トヨタが、Fun to drive again / ReBornというキャッチフレーズでキャンペーンを始めた。

まずは北野武とキムタクを使って、信長や秀吉の生まれ変わりという設定で昔のトヨタ車にのって現れる。
この設定には何の説明もなされないが、それをフックにしていることは間違いない。
特に超ビッグタレントを共演させているからには相当気合の入ったティザー広告だ。

「Fun to drive again」「まずは俺らが動く」というあたりで、国内消費者、特に若者がクルマという商品やドライブにパッションを感じていないことに対する啓蒙的な広告キャンペーンであることはわかる。
特に最近の若者の免許取得率低下はカーメーカーにとって極めて深刻な事態だ。

そして、Fun to drive again キャンペーンの流れで実写版ドラえもんシリーズが始まった。
ジャン・レノのドラえもんはかなりインパクトがあるし、「でも、のび太君、免許ないじゃん」という落ちも面白い。
この広告プランナーには力量を感じるが、しかしこの広告には欠点がある。
というか、基本的に最近の若者のメンタリティを理解していない昔ながらの車好きが作ったんじゃないかと思う。

というのも、山下智久扮するスネ夫がしずかちゃんをFJクルーザーに乗せて河原を走り去るシーン。
ああいう自然環境で石を跳ね上げてフルスロットルで走ることに、多分今の若者は嫌悪感を感じると思う。

多分、こんなことでは若者のクルマ離れは防げない。クルマを持ってるということだけでスネ夫になびくしずかちゃんは、実際にはあんまりいない。
今の若者にとって、クルマは特定の場面で生活を便利にする道具以上のものではないのだ。

でも、じゃあどうしたら若者をクルマという商品に引き戻す事ができるのか?というと、これは私にもわからない。

ETC義務化を有識者委員会座長が提言

2011年11月22日 | ITS
「高速道路料金に関する国土交通省の有識者委員会」の座長を務める寺島実郎氏がETC(自動料金収受システム)の搭載を義務化するよう検討すべきだとの考えを示したと共同が伝えた

むしろ、最初から義務化を前提に大量生産し、最廉価なメーカーに一括発注して、義務装着ということで原価で分譲すればよかったんじゃないか?と思う。

市場競争のなかで普及を図ろうとしたのだが、最初はなかなか普及せずに恒常的に補助金を出すことになった。
首都高速の距離別料金で、また5000円の補助金を出すという。もうコストは5000円を切っているんじゃないの?

また市場競争っていっても、ETC自体「通過できればいい」ので、メーカーもそんなに付加価値をつけることが出来るものではない。官支給のもので十分だと思う。

ITSスポット対応ナビへやっぱり補助金投入

2011年11月19日 | ITS
ITSスポット対応ナビ+対応ETC装着を装着すると20000円の補助金がでる。コメントを頂いて知りました。

モニターと言っているが普及促進であることは間違いなく、サイトにも実際そう書いてある。というか、250億円かけて路側機を設置しちゃってからモニター調査なんかされてもたまらない。

VICSの道路交通情報通信システムセンターが主催なので、DSRCだけじゃなく警察所轄のDSSSレベルII対応ナビも対象になっているが、DSSSレベルII対象ナビって一体どこで売っているのか、私ですら知らない。
検索してみたら、日産、トヨタの高級車に標準装備があるようだ。

早い話、ITSスポット対応ナビにしてもDSSSレベルIIにしても、殆ど市場認知が進まずナビ自体も全く売れないのでなんとかしよう、でも補助金というのもいかがなものかで「モニター」と言っているわけで。
でも、このキャンペーンってどれほど認知されるのだろうか?
これ自体「仕事してます」っていうポーズのように見える。
ITSスポット対応ナビにはそれ専用のETCが必要で、これが普通のETCより2万円ぐらい高いから、果たしてこの程度の補助金でどれほどの効果があるかは大いに疑問。

ITSスポットにしてもDSSSレベルIIにしても、絶対に専用車載器は普及しない。それはいままでの類似システムが証明している。

渋滞や事故情報を略図でナビ画面に表示するという仕組み自体はすでにVICSのビーコンで行われている。これの路側機も相当数設置されているのだが、このビーコンによるVICS情報なんて、ほぼ市場認知度ゼロ。
私の車には装備されているが、今までそれについて正確に知っていた同乗者はいない。仕事柄自動車関係の仕事をしている人を乗せることが多いにもかかわらずだ。

さらに、合流などの安全情報が提供されると言っているが、これに類似した情報はナビでも提供される。
さすがにITSのように接近する車両があるかないかは警告されないが、「この先合流があります」といったアナウンス機能は大抵のナビについていて、しかも多くの人が鬱陶しいからその機能はOFFにしているんじゃないか?

やっている人達も本当はこんなの普及しないって思っているんじゃないの?

家電エコポイントの運営者っていったいどうなっているのか?

2011年11月18日 | 雑記
家電エコポイントを電子マネーに替えるっていう申請を随分前にしてすっかり忘れていたら、昨日ハガキがきた。
いわく、12月9日までにPC上で交換しないと無効になるので再度申請しなくてはいけない、というリマインダー。
で、そのためには以前に送付したハガキに書いてあるIDとパスワードが必要だと書いてある。

しかし、そのハガキを受け取った覚えがない。

来なかったのかもしれないし、DMに紛れて捨ててしまったのかも知れない。これはわからない。
仕方が無いのでハガキに書いてあったコールセンターに電話した。

生年月日や電話番号で本人確認をしてもらい、そのIDとパスワードが記載されたハガキを再送してもらうことになったのだが、おどろくべきことに「発送に2~3週間かかります」という。
3週間後は12月9日。9日に届かなかったら再申請をしなくてはならない。

「ハガキが届かなかったのだから、なんとか早く送って欲しい」とお願いしたが、個別対応はしませんということで慇懃に断られた。

このコールセンターの女性には何の罪もない。
問題は事務局の運営。再発行に2~3週間かかるのに、それを通知するハガキを締め切りの3週間前に送付するとは、一体なにを考えているんだろうね。

ブータンと国民総幸福度

2011年11月18日 | インチキ・疑似科学
ブータンの国王が来日し、テレビでは世界一国民が幸福な国、というようなことを言っている。

私は4年ほど前、ブータンについて書いた。
独裁 2007年10月のエントリー

まあ、私自身ブータン国民じゃないし行った事もないのでこれ以上は言わない。

しかし、ブログを書いたきっかけでもある日本テレビの「たけしの独裁国家で何が悪い」という番組では、その他の独裁国も紹介され、リビア・カダフィ大佐は独裁者といわれているがアフリカでは英雄で、アフリカの人々のための善政を行っているから国民に人気がある、というようなことを言っていた。

でも、実際に何が起きたかはご存知の通り。

iPhoneの実質無料機種変更キャンペーンが理解出来ない

2011年11月16日 | モバイル・ウエアラブル
iPhone3GSを2年以上使っているが、SBMはどうもiPhone4Sに換えると6ヶ月間、毎月千円料金を割り引くらしい。
SBMは3GSでまだ割賦期間が残っているユーザーに対して、残債不要というキャンペーンを始めたが、たちまち「払い終わったばっかりの俺達はどうなる」という苦情がきて、その対策として6千円の割引を打ち出した。

もし私が4Sに変えない場合は、料金は変わらず。そもそも割賦代金は月々割で相殺だから、割賦期間が終わっても月々の料金は変わらない。

しかし、4Sに買えると負担増は全くなしで、しかも向こう6ヶ月の料金が毎月千円安くなる。
新製品に交換したほうが「実額で」得をするというこの仕組は、どうにも理解出来ない。

理解出来ないとはいっても得するわけで、しかもこのキャンペーンは11月末までということもあり結局4Sへの機種変更を申し込みました。
3GSで出来てた「アレコレソレ」ができなくなっちゃうとか、新スーパーボーナス強制加入とかのデメもあるみたいだけどね。

それはそうと、夕方7時ころの山手線内の3G通信速度は昔の電話モデム以下。これは何とかして欲しい。

Apple TV のおしゃれな楽しみ方

2011年11月13日 | 雑記
Apple TVを購入して時々映画を見ていたが、もっといい使い方があるんじゃないかと思い色々試してみた。

音楽はインターネットラジオに対応している。この中からお好みのジャンルを選べばいいんだけど、私の場合はAmbientのジャンルからChillとか、Relaxationとか、Loungeというタイトルの付いている局をえらぶ。
まあ、デジタル系だけど落ち着いておしゃれな音楽が多い。

あとは、スクリーンセーバー。
これはFlickrを活用する。「設定」の「スクリーンセーバー」から「写真」にして「Flickr」から、好みのセットを検索・選択する。
人の写真を見させてもらうわけだけど、プロ系の投稿者の「おすすめ」のセットを選べばいい。わたしはちょっと探してChristian Windという人のを使っている。
エフェクトはゆっくりとズームしたり移動したりする「Ken Burns」がおすすめ。

オーディオも、昔買ったヤマハのPC用ウーファー付をテレビのイヤフォンジャックから接続してみたけど、これだけでも随分かわる。

休日家で過ごす時は漫然とTVをつけているよりも断然良い。

歩道を走る自転車の事故の実態

2011年11月09日 | 雑記
ちょっと前に、自転車は規則上は車道を通行することになっていて、歩道通行の自転車は取り締る、ということについて疑問を投げかけた。自転車が車道を走ると、歩行者との接触事故は減っても、車との重大事故が増えるのではないか、という疑問だったのだが、実はちょっと違うらしい。

自転車と車の衝突事故は、殆どが交差点で起きてるという。
しかも、その多くが歩道を青信号で直進する自転車と右左折する車の衝突だという。

歩道には街路樹、ガードレール、歩道橋等があり、右左折する車からは自転車が見えにくい。
特にスピードを出して後方から交差点に侵入してくる自転車は、右左折するドライバーからは殆ど見えない。

しかし、規則どおり自転車が「車道の左側」を走っていれば、右折巻き込みはなくなり、左折巻き込みもサイドミラーで確認出来るため減少するという。

確かにそれはそのとおりだろう。

しかし、自転車が全て車道を走ることになれば、現在は少ない通常走行時の接触事故が増えるのも間違いない。今現在、事故の殆どが交差点で発生しているのは、気合の入ったサイクリストしか車道を走っていないからだろう。

やっぱり、右左折矢印信号や自転車専用レーンの整備が先だと思う。

首都高Xはやめたみたいですね

2011年11月06日 | 高速道路
首都高速が距離別料金を導入するにあたって、ETC未装着車は最高料金を入り口で支払わなければならない。
これを回避するために、電子マネーベースの料金収受システム通称「首都高X」というシステムの開発が進んでいた。 しかし、なんでこんな暴走ゲームみたいなコードネームにしたのかね。

コンビニ等で保証金を払って通信機器を貸与し、カードを作ってそれに課金。
入り口で係員にカードを手渡しすると最高額900円が引き落とされ、出口では自動的に割引額が記録される。
でもその割引額の入金はコンビニの端末でしか反映されない?スイカみたいな自動入金もなく、足りなくなったらコンビニや入り口で入金しなければならない。

ETCをつけていないユーザーからの批判をかわすというか、割引制度を確保するためにとても頭の良い人が一生懸命に考えた迷路のような仕組みで、そんなん無理筋だろ、と私は2007年に書いている。
しかし、本体はパナソニック(と聞いた)、電子マネーはEDYで着々と進んでいたようだったが、結局やめたらしい。
まあ、どう考えたってそんな面倒なことする位なら普通のユーザーはETCをつけるし、(いまや実売1万円を切っている)そこまで頻繁に利用しないユーザーは数百円高くても諦める。

首都高Xをやめたかわりに、首都高速はETCの装着支援をするという。普及の初期に行われていたのと同じ5000円補助。
でも、これだけの数量が普及しておりもうコストは5000円を下回っているだろう。
それを、民間業者の流通を介して15000円だかの価格で販売し、5000円を首都高が補助するというのはなんだかなぁと思う。

首都高距離別料金制へ移行・その理由の怪しさ

2011年11月05日 | 高速道路
首都高速のWEBページには、距離別料金制度への移行の理由として以下の3点が挙げられている。

1.ネットワークの拡大に伴い利用距離のバラツキの拡大及び短距離利用と長距離利用のお客様間における負担の不公平感が拡大してきたこと
2.ETCの整備により、出口料金所がなくても利用距離を把握し料金計算をすることが可能 となったこと
3.多くのお客様がETCをご利用いただく状況となったこと

しかし、2と3は距離別料金制への移行の環境が整ったと言っているだけで、移行する理由ではない。

したがって、首都高速㈱が上げている理由は、「お客様間の不公平感」だけなのだが、そんな消費者感情って、本当にいうほどあるのか?
いつも自分は5kmしか首都高を使わなかったのに、それよりもはるかに長い距離を使うユーザーと同じ金額を支払うことはけしからん、と思っているユーザーがどれほどいる?

更に言えば、首都高速㈱は3月に実施した公開意見調査では長距離の料金アップに対する反対が多かったのだが、それには答えていない。この料金改定によって不公平が是正されると考える「お客様」より、今回の料金改定を値上げだと考える「お客様」のほうがはるかに多いはずだ。

さらに、この改訂と共に首都高速の深夜・日曜割引も廃止になるという。

今回の料金改定は値上げではないと首都高速㈱はいうが、これは絶対に経営対策だろう。
それならそうとはっきり言いい、きちんと利用者と対話をするべきだ。

存在しない「不公平感」なんてものを理由にするのはおかしい。