ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ドンムアン空港で屋台飯

2006年05月31日 | 雑記
バンコクの新空港は、出来る出来るといってなかなか出来ない。
タイ人のスタッフに聞くと、開港は7月とか、秋とか、年内とか、不明とか、聞く人によってみんな話が違う。

で、今回も新空港ができた暁には国内線ターミナルとなるドンムアン空港から帰国。

渋滞を警戒し、夕食をとらずに早めにバンコクをでたら、予想に反して30分もかからずに到着してしまった。空港の中のレストランはありきたりのものしかなく、しかも高いので以前覚えた裏技を使った。

ターミナル2の端の二階、駐車場ビルのところに主に空港関係従業員を対象にしたフードコートがある。
通常の旅行者も利用可能で、普通のタイの屋台飯屋が10店ほど店を構えている。
英語の表記がある店は半分程度しかなく、やや難易度は高いが指差しで注文は出来る。

ここで揚げ麺のあんかけ(ラートナー)とチャーシュー麺(バミーナムムーデーン)とコーラ。
特別美味なわけではないが、普通のタイの庶民食堂。全部で80TB(230円程度)。
街中に比べると5-10TBほど高いが、これがひとたび空港の中に入るとコーヒー1杯60TBだ。

またまたアジアB級グルメブログ風になってしまいました。

ITSより、レガシー設備の改善がさきじゃないの?

2006年05月28日 | ITS
一個前のエントリーを入れた後、シャワーに入りながら考えていた。

そもそも、ITSが目指すものは何なのか?
私は交通事故死者ゼロ社会だと思う。

そして、わが国の事故死者の1/3は歩行者なのだ。
これは、過半数が運転者である欧米との大きな違いだ。

別にわが国のITSが欧米を追従している、と非難したいわけではない。しかし、歩行者の事故死者を減らすことが一番重要な課題だろう。

欧米とわが国の事情の違いは、国土の広さ、人口密度に起因する人車分離の不徹底だ。交通量の多い道路での歩道整備が地道に行われていることは承知しているが、これの加速が一番重要なのではないか?

プローブで渋滞を予測するのは結構。しかし、渋滞予測がすすめば、人車分離の出来ていない道路への車両侵入は増加するだろう。

そもそもの大前提として、いまの信号機システムが渋滞を解消するようにプログラムされているとはとても思えない。されているのかもしれないが、絶対にありえない、むしろ渋滞をさせたいとしか思えないような制御をしている信号機によく出くわす。

さらに、右左折時の横断歩道歩行者との干渉も置き去りにされている。ほとんどの先進国では矢印信号で直進車や歩行者との干渉がおきないようになっている。
わが国の矢印信号は、あまりドライバー教育もされておらず、また赤になる前に黄色になったり、ならなかったりととてもあいまいな存在だ。

人車分離のためには、歩道を整備することと車を裏道に導かないこと。そのためには幹線を渋滞させないこと。また、人車分離のない道路の制限速度をさらに低くし、徹底的に取り締まる、一方幹線道路は緩和する、など、やることはいくらでもありそうだ。

これらは、ハイテクを駆使したITSを論じる以前の問題として今日からでも着手可能なのではないのか?


プローブの行く末

2006年05月28日 | ITS
プローブがITSの数少ない「残された望み」のひとつになってきている。

すでにホンダはインターナビで独自プローブを始め、日産は本年末から横浜でSKYプロジェクトを開始する。国交省もDSRC活用の本命として、P-DRGS(これについては、当ブログの2006年2月26日前後を参照ください)を進めようとしている。

いうまでもなく、プローブの最大のコンテンツは渋滞予測だ。

この話の大前提として、果たして消費者がそれに対して対価を支払うのか、ということにある。現在、消費者の実感としては無料で提供されているVICSがいかに精度に問題があるとしても、それ以上の精度にお金を払う人がどのくらいいるのか、私は大いに疑問である。
しかし、ITSを成就させたい国交省、差別化に血眼のカーメーカーやナビメーカーには、その辺はどうでもいい事のようだ。
カーメーカーやナビメーカーはその差別化でシェアを上げることが出来れば、プローブ自体はコストと割り切る覚悟もあるのだろう。
「日産の車はトヨタより渋滞回避性能が高い」となれば、大きな売りになる。
むしろ「やらなければやられる」という強迫観念で動いているという見方もできるかもしれない。

ということで、プローブのマーケットには色々なプレーヤーが参入しようとしている。国交省、カーメーカー、ナビメーカー。そして自社開発できない中小カーメーカーを狙ってのサードパーティーの参入も考えられる。

国交省以外は路側器を設置できない。したがって、民間事業者は移動体通信をメインに情報収集することになる。
その通信料を誰が負担するか、がビジネスモデルの課題となる。
ホンダがWILCOMと提携して始めた常時接続は、月額1000円であるが半年たっても加入者数は1万人を超えない。
おそらく、ユーザー負担は無理だと思う。

一方、国交省は路側機を設置できるが、プローブとしての精度を確保する量の路側機設置には厖大な費用が掛かる。果たしてナビ機器から上納金を徴収するというVICSのスキームでまかなえる金額に収まるのか。多分、無理だろう。

民間でプロープ情報の共有するという手もあるが、カーメーカーやナビメーカーの本来の目的である自社製品の差別化という面を考えると、まったく意味をなさない。

先行しているカーメーカーにとっては、官がP-DRGSでプローブをやるのは面白くないだろう。折角自分で投資してきた自社製品の差別化要素が消えてしまう。

このように、ITSの数少ない「残された望み」であるプローブもさまざまな思惑が複雑に絡み合っている。

ここでちょっと思い当たるのが、テレマティクス導入にカーメーカーが燃えていた4-5年前の状況だ。あたかも、テレマティクスを導入しなければ市場からおいていかれる、という雰囲気で、自社構築できない中小カーメーカーはG-BOOKかCARWINGSへの参加を表明した。しかし、結果テレマは全然キラーコンテンツではないことがわかり、まるでみんな夢から醒めたかのような状況に陥っている。

プローブによる渋滞精度が車販売のキラーコンテンツにならないとしたら、そのコストは負担以外の何物でもなくなる。そして、現在ホンダがそれで一人勝ちしている、という事実はないのだ。

消費者ニーズを中心にすえていかないと、また失敗するよ。

台湾のETC導入にかかわるごたごた

2006年05月27日 | ITS
タイではインターネット環境がなく、結局帰国後のエントリーです。

タイ航空で台北からタイに向かっている。
朝飯は台北の空港で魯肉飯(肉そぼろ丼)。台湾の代表的な丼もの。
150NT$と市内に比べると4倍近い価格だが、味はいい。牛丼でいう汁ダク状態で、
煮玉子と青梗菜がついて、揚げ玉ネギがかかっていた。
どうも、アジアB級グルメブログとなってしまっているので、ITSがらみも少々。

台湾の高速にもETCが導入されていた。名前は日本と同じETC。
このETC導入については、日本ではほとんど報道されていないが想像を絶するごたごたがあった。3月末に徴収業務を受託した遠通電収に対して汚職疑惑が発生し、また赤外線をつかった読み取り精度試験に対する疑惑も生じ、その受託が撤回される騒ぎになった。すでに装着が完了していた7万台のユーザーの車載器も外すことになったが、その後、これも余りに手間が掛かるということで継続使用が出来るようになったらしい。その後の経緯はよくわからないが、少なくとも、今回ETCゲートは使われていた。

日本と違うところは、バーがないこと。バーはないが台湾の場合赤外線を使っており、通過速度が速いと読み取れないことがあるため、最高速度が40kmに制限される。ETCにからむ汚職疑惑に加え、その40km制限が気に入らない、と批判もあるらしい。

それはともかく、DSRCで高速通過もOKのはずの日本にはなぜかバーがある。
バーがあるから、読み取り不良時に接触事故や追突が起こる。
バーがない場合、不正通行は通常写真で管理する。台北のやり方は知らないが、ロスの場合は郵便で請求書が来て、支払いが遅れるとどんどん料金が高くなるらしい。

なぜ日本のETCはあれほど厳重に管理をしているのか?
その答えは単純明快。料金が高いからだ。なぜ料金が高いかといえば、建設費や維持費が高いから。それが何故かはご承知のとおり。

そういえば、最近ETCゲートの不正強行突破が増加しているらしい。
東北のほうで、「写真での管理をする、しかしプライバシー問題があって慎重な議論が必要だ」、なる話を新聞で読んだ覚えがある。
不正をする人間を取り締まる目的で写真を撮ることなんて何の問題もないように思えるが、どうもこうしたことについて必要以上に神経質になる人が多い。

台北AMPA

2006年05月20日 | 雑記
台北AMPAショー(自動車部用品ショー)を一日見学。
本業ではそれなりに収穫があった。

このショーで面白いのは、アジア市場を狙った「なんちゃって日本製」用品だ。
日本人が「的」がついたら何でも中国語だと思うように、こちらでは日本語の象徴は「の」だ。
「一番の性能を有レた抜群の着火装置です」というような、おかしな日本語をパッケージに印刷しているものは山ほどある。また、しとレ、シとツ、ほを「しま」などの誤りは、日本語表示の中で必ず見つけることが出来る。
なぜネイティブ日本人のチェックをかけないんだろう?

しかし、そのなかで笑ってしまったのはあるメーカーのブランド「尾文字 R」。
いうまでもなく、「頭文字 D」のぱくりだが、頭の変わりに尾をつかうという安直なやり方にはまいった。

ショーの後、定番の鼎泰豊で夕食。「有名店にうまいものなし」とはよく言われることだが、ここはおいしい。ショウロンポーはもちろんだが、鳥のスープをしっかり丁寧にとっているので、何を食べてもおいしい。

明日はタイに移動。

台北

2006年05月20日 | 雑記
アジア最大級の自動車用品ショー、台北AMPAで台北に来ている。
ホテルに夜の11時に入り、そのままタクシーで士林の夜市にいき、雑踏のなかで牛肉麺など食べて戻ってきたところ。アジアは良いですね。
行きのタクシーは降りる直前に5円上がって105円になったけど、100円しか受け取らない。日本人からはぼったくるタクシーが多いアジアで、台湾は特別だ。

バンコクもその傾向があるが、台湾でも力一杯改造した小型セダンが多い。タクシーでもそうしたドレスアップ車を多く見かける。18インチホイールにフルエアロという、日本では最近すっかり姿を消したセダンドレスアップは、今となっては懐かしさすら感じる。

明日はAMPAを見学。95%はガラクタだけど、きらりと光るものもある。それを見つけるのがこのショーの面白さだ。


首都・阪神高速、ETC義務化を本格検討の怪

2006年05月17日 | 高速道路
15日の日経新聞に、「国交省、首都・阪神高速、ETC義務化を本格検討・2008年度メド」という記事が掲載された。
ついに本音がでた、ということなのかどうかは、私には判断できない。
従量制料金制度導入のため、といっているが。(過去の関連エントリー

そもそも、はじめからETCのゴールが明確でないのだ。

1.高速道路をよく使うユーザーに普及させ、渋滞の解消を目指すのか?
2.有人料金所の全廃を目指すのか?
3.すべての車両に装備し、ITSや国家セキュリティに活用することを目指すのか?

ETCの販売を民間に委託して、通常の「商品」として市場導入をした以上、1.のはずだ。なぜなら、2.や3.の場合、義務だから販売拡大努力は不要であり、民間に販売を委託する意味はあまりない。
官や道路会社からコストベース(もしくはコスト割れでも)で支給される、という性格のものだろう。

しかし、今になって2.だ、といっている訳だ。
首都高速を使うユーザーは好むと好まざるとにかかわらず、装着しなければならない。
いままでETC普及に費やされた販売コストや流通業者へのマージンはなんだったのか。

そもそも義務にするなら、自動車関連の税金から負担して配布すればよかったのだ。一般財源なんて議論がされているように、自動車関連の税金は取りすぎだ。
もっというなら、現実問題としてETCの普及対策に台あたり5000円程度が恒常的に支出されてきている。
すでに、配布しているようなものだ。

全国への普及や装着などの業務をビジネスとして民間に委託し、行政コストを下げようということだったと思うが、結果的には大掛かりな回り道をしているような気がしてならない。

で、本題の義務化だけど。

ETC非装着車の締め出しが、現実問題できるとはとても思えない。日常高速を使わないユーザーの利用は、結構あるはずだ。
そんなことをしたら各高速から首都高につながる手前の出口は想像を絶する渋滞となるだろう。
また、知らずに進入した車両の退避路工事を全部の入り口で行う必要があり、日経記事のいう「数億円ですむ」とはとても思えない。

単純に、出口に路側器を設置して、ETC利用車だけが割引を受けることが出来る、ということで十分なように思う。

テレビ東京 ワールドビジネスサテライトを見て

2006年05月16日 | ITS
昨晩のテレビ東京ビジネスサテライトでカー用品について特集があった。
ポイントは以下のとおり。

・最近、新車が売れない
・それは保有期間が長くなったから
・だから、逆にカー用品に金をかける人が多くなった(これは疑問)
・いま、売れている用品は
  ・長持ちするタイヤ
  ・燃費向上機器
  ・カーナビ
  ・車載地デジチューナー

・ナビは、富士通テン、パイオニア、パナソニックの2006夏モデル発表会の模様が紹介された。
  特に時間を割いて紹介していたのは
   ・富士通テンの前方(左右)カメラ
   ・パナソニックの地デジ(12セグワンセグ切り替え)

まとめとして、コメンテーターがいっていたこと
・今後、通信との融合でナビはもっと進化するだろう(これは疑問。みんな失敗している)
・カーナビはまだまだ進化する(これも疑問。もう行き着くところまで来ているんじゃない?)
・そうすれば、車離れした若者を取り戻せるかもしれない(そりゃ、関係ないでしょう)

よくある、車+通信に対する漠然とした期待感に基づいたコメントだ。
しかし、マーケットは明らかに「車は移動するための道具だ」という方向に向かっている。

確かに車内空間を快適にすることに対する市場要望は強いが、誰も車の中で生活したいわけではない。
通信でしか出来ないことは、家に帰ってゆっくりやるか、携帯ですませば十分なのだ。

最後にコメンテーターは、自分の車にナビがついていないことを告白。
なんだかなぁ、でした。

パナソニックとパイオニア ナビ新モデル発表

2006年05月15日 | ITS
最近平日はかなり忙しいので、週末にまとめてエントリーしておこう。

パナソニックは12日、カーナビゲーションの新ラインナップを発表した。

最大のポイントは、フラッグシップモデルである「ストラーダFシリーズ」に地デジチューナー(アナログ、地デジ12セグ、ワンセグ)を標準装備したことだ。
標準装備といっても、内蔵ではなくハイダウェイ(別体)だが、既存の地デジチューナDTV20とは違うもので筐体は一回り小さい。

そのほかは主に従来機能の改善といったところ。ツートップメニューと称するユーザーインターフェースはAVNの中でも出色のわかりやすさだと思う。

また、「あゆはこれ」といっていたにもかかわらず(やむなくだろうが)ipodに対応した。
Webページの紹介でも、DSカードでのD-Snapとの連携を謳った直後に「ついに人気のipodとの連携」と紹介されている。「人気」という形容詞を使う松下さんの度量に脱帽。

まあ、ウォークマンもAACファイル対応を発表したし、これはどうしようもないのだろう。

ほぼ同じ時期にパイオニアのサイバーナビ新商品が発表となっているが、こちらにはあまりいうべき新機能は見当たらない。目玉といえば、スマートループ構想というプローブだろう。これは、「ブレインユニットを(自宅に設置した)リビングユニットに挿入すると、自動的に情報がサーバーに送信される」ということで、車に通信機器を設置するわけではない。なんか、苦しい解決策という感じがしなくもない。こんな面倒なことをやる人がどのくらいいるのか、ちょっと疑問。

実はサイバーナビも携帯電話接続の機能があり、その専用コンテンツだってかなり頑張って整備してきたのだが、カタログをみてもわかるが最後のページに申し訳程度に記載されているだけ。
このブログが一貫して主張している「車と通信の融合の実現は難しい」ということがここでも証明されている。

注目の地デジチューナーはパナソニックの7万5千円に対してパイオニアは10万円。(ともに税別)
この価格差は大きい。

これはパナソニックの価格が破格だ、というべきであろう。
おそらくは、相当思い切った戦略的な値付けだと思う。そしてそこからは、地デジがカーナビの勝負を決める、という松下の信念が見えてくる。

カーナビ関連の総合情報はらくなび大事典様をどうぞ。

ソフトバンクとi-pod携帯

2006年05月14日 | モバイル・ウエアラブル
昨年8月31日のエントリーで、i-pod携帯について書いた。
アップル、モトローラ、シンギュラーの3社が提携し、i-pod携帯を発売する、というもの。それは、ROKRなる商品名で発売された。
個人的には非常に期待をしたのだが、ほとんど売れていないらしい。

実際、ROKRはその商品写真をみてもわかるとおり、まったく退屈な普通の携帯電話であり、消費者がアップルブランドに期待するデザイン品質はまったくどこにも見当たらない。実際に、アップルは端末自体には関与していない。
さらに、オンラインでの曲購入は出来ず、単に音楽再生用にitunesのソフトが内蔵された携帯、というだけの商品であり、まあこれでは売れないのもうなずける。

さて、13日に日経などがアップルとソフトバンク(ボーダフォン日本)が提携し、i-pod携帯を開発すると報道した。
記事では、アップルブランドを採用することも示唆されている。

仮に、アップルブランドが採用されることになれば、スティーブ・ジョブスが徹底的にこだわるだろうからROKRのようなことにはならないかもしれない。

しかし、なぜモトローラのROKRがあんなに中途半端な商品になってしまった理由をよく理解しておいた方がいい。

おそらくアップルはi-podとのカニバリをおそれ、収納曲数を100曲に制限したのだろう。
シンギュラーにしても、音楽ダウンロードビジネスをアップルに独占されるような事態は好ましくない、と思ったのかもしれない。
結局のところ、消費者にとってはまるで魅力のない商品となってしまった。

この辺をうまく克服し、アップルとソフトバンクがwin-winの関係を築けるビジネスモデルが構築できるならば、大ヒット商品の可能性もある。

私は必ずしも「携帯端末から音楽を買える」ということがキラーコンテンツになるとは思っていない。
もしそうなら、日本ではi-podは「着うたフル」に駆逐されているはずだ。 

ポイントはブランド、デザインと電池の持ちだと思う。

9年前のナビとテレマティクス

2006年05月08日 | ITS
前に、地図更新をしていない9年前のCDナビでも困らないのだ、と豪語したが、久しぶりにドライブにでかけてやっぱり困ることがあることがわかった。

それは市町村の統合などによる住所変更だ。

この10年で市が合併したり、周辺の村を取り込んだりと地方では住所表示がかなり変っている。それが原因で住所検索ができない。
当然検索できると思い、住所だけ控えていったのだが、まったくわからなかった。
まあ、3年に一度くらいは地図を買い換えたほうがよさそうだ。

しかし、それ以外にはたいして困ることなんてない、ということもよくわかった。

ITSなどの世界では、観光地をPOI(ポイントオブインタレスト)と呼ぶ。
そして、リアルタイムのPOI案内がITSやテレマティクスのキラーコンテンツのひとつだという論調も多い。

しかし、実際にドライブしてみるとわかるが、いま観光地へ向かう道路にはあちこちに道の駅があり、そこでPOI情報はいくらでも手にはいる。
むしろ、そうしたところに立ち寄って、地元の名産を買ったり情報を集めるのことは旅の楽しみであり、それは決して面倒なことではない。
結果的にカーナビの通信機能をつかってまで情報がほしいと思うような場面はあまりないと思う。

机の上で考えるユーザーニーズと現実の違いというのはこうしたところにあるのだ。

テレマティクスや車と通信の融合で「こんなに便利になる」というが、実際に今現在誰もが感じる「大きな不便」がない以上、普及するとは思えない。

ITSの世界では「あったら良いな」レベルのユーザー調査結果は山ほどある。
しかし、ネガティブ要因や対案を提示しない設問での答えは「あったら良い」になるに決まっている。

実際にどのくらいの対価を払ってでも必要だと思うか・こういう条件でも必要か、というような現実的な調査報告を私は見たことがない。

不便な貨幣敬遠 電子マネーが駆逐 っていうけど

2006年05月05日 | 雑記
ちょっと古いが4月5日付け日経で、「不便な貨幣敬遠」として、電子マネーが50円と5円硬貨を駆逐しつつある、というような記事が出ていた。

いわく、貨幣(硬貨)の流通残高は前年同期で100円は増加、500円と10円は横ばい、50円と5円が減少に転じた、その理由は電子マネーだ、とほぼ断言している。

しかし、生活者の感覚として、電子マネーの利用が通過流通量に影響を与えるほど拡大しているとはとても思えない。
そもそも腑に落ちないのは、なぜ5円と50円だけが減少するのか、である。
スイカの発行枚数が1800万枚。しかし、スイカの決済は大部分が電車賃とキオスクだと思う。どちらも、10円単位の値付けだからもともと5円玉は関係ない。

エディの利用は1500万件/月程度だろう。前年同期との差で言えば、多分1000万件程度だろうか?
わが国の小売店でのお金のやり取りの総数なんて、あまり想像もつかないが、一日一回買い物をすると仮定して30億回/月。自動販売機利用などを入れれば、もっと多いだろう。ということは、1000万件は0.1~0.2%といったところ。

もうひとつ。日銀の統計をみると、実際は通貨流通量は全国的に減少しているのだ。
確かに東京、大阪の落ち込みが大きいが、電子マネーが普及しているとは思えない地方でも減少している。

もちろん、電子マネーに限らずネット販売やクレジットカード決済など、現金決済からのシフトは大きなトレンドとして存在するだろう。

しかし、私は消費税内税化による影響も大きいと思っている。

980円などのいわゆる98価格は、外税表示の時には実際の支払額は1029円だったが、内税移行後、小売店は内税表示での98価格を採用し始めた。
移行直後はそのまま小売店の利益ダウンになってしまうためできなくても、次期商品は内税98価格を前提に企画されるようになる。
さらに外税時代は100円のものは105円、1000円のものは1050円だったが、最近税込み100円、1000円に変りつつある。
それが定着しつつある、ということではないのだろうか?

いずれにしても、電子マネーをことさら過熱させようという報道に思えてならないし、WEB上のさまざまな論調がまったく疑うことなくそれを支持しているのも、不気味である。

スマートICを使ってみた

2006年05月05日 | ITS
一昨日、関越自動車道の駒寄PAに設置されているスマートIC(インターチェンジ)を使ってみた。
スマートICはETC専用の簡易型出入り口で、現時点では「社会実験」の位置づけとなっている。利用は軽・乗用車に限られ、深夜の利用はできない。

駐車場の出入り口のようなゲートでETCが認証、課金される。

このスマートICは、当たり前の話だが、そこを使ったほうが便利なユーザーにはとても便利なものだろう。
というか、ETCで集金係員が不要ならば、すべてのPA,SAに設置すればいいと考えるのが普通だろう。

なぜ「社会実験」などという、ちょっとまどろっこしいやり方で進めているのかといえば、交通量増大に関する地域住民との問題だ。
もともとICとしてのアセスはされていない場所で、IC設置によって事故が増える、騒音が増えるという道路に面した住民からの苦情や反対が起きる可能性は高い。

社会実験ということでスタートし、地域住民が利用することで賛成派を増やして、なし崩しに反対派の意見が出ないように持ち込む、というシナリオが見え隠れする。

まあ、社会インフラ的にはスマートICでもなんでも、高速の出入り口は多いほうがいいに決まっている。
そういう意味ではまったく異論を唱えるつもりはないが、実際に駒寄PAの出口にしても、農地のなかの普通の道路で交通量が増大することには耐えられそうにない。

正攻法で、きちんと周辺道路を整備し、正式にICとするほうが余程すっきりしていると思うが、予算や環境の問題で難しいのだろうか?

地デジつけて その後

2006年05月04日 | 雑記
地デジをつけてから初めて、群馬まで遠出をしてきた。

関越自動車道に入るとほどなく受信は途切れ途切れとなり、あまり快適に視聴はできない。ところが、高崎を過ぎると系列局で受信する。
おそらくは前橋の送信塔だろうが、結構好調に受信を続け、驚くべきことに赤城山の中腹まで良好に受信をしていた。

山道を走行中にTVがくっきり映るというのは、新鮮な経験である。
赤城山と前橋の間にはまったく障害物がないからだろう。
条件がよければオートキャンプ場などでもクリアにTVを見ることができそうだ。

12セグ地デジの車載は都内でしか意味はない、と思っていたが、送信塔のある地方都市ではかなり使える。高層ビルが少ない分、かえって有利かもしれない。

さて、一日地デジの画面をつけながらドライブしてつくづく思ったことは、地デジカーTVが普及したら確実にわき見事故が増加するだろう、ということ。
なにしろ、細かい字でも、ゴルフ中継のボールでも、見えちゃうんだからどうしても見ちゃう。

前にも書いたとおり、ワンセグとか車載は地デジ普及の救世主みたいなところがあって、2011年アナログ停波を確実にしたい政府としては走行中の完全視聴禁止など、流れに水を差すような処置はとりにくいだろう。

しかし車載地デジが普及することは間違いなく、このまま走行中のナビ画面でのTV視聴を法的に放置すれば、多くの犠牲者がでることはこれまた間違いない。
冗談ではなく、深刻な問題だと思う。

日本の法律では、運転席から見えるところにTVが設置されていても違反ではない。ただしそれを注視したら、違反だ。
でも、そんな規則では取り締まることはできない。

運転中に運転席から見えるところでTVをつけていても違反にならない国は、おそらく先進国では日本だけだと思う。

リヤシート用モニター増設

2006年05月04日 | 雑記
先日、地デジチューナーを装着したことがきっかけとなって、車いじりに火がついてしまった。

サンプルで倉庫にあった台湾製のヘッドレスト埋め込み型7インチモニターを試験と称して持って帰ってきて、今日取り付けた。

そもそも私の車用ではないので、大幅に改造が必要だったが、結果としてはきれいに装着ができた。
まず、標準のヘッドレストを外す。ステイの幅が同じだったのはラッキーだった。
ステイのカラーを片側だけ引き抜いて、そこからシートの表皮の下を配線する。これにはコツと道具が要る。

私の場合、地デジを元からついていたアナログTVチューナーにVTRとして認識させているため、ナビにはAVピンジャックでアナログTVチューナー経由で接続している。

ヘッドレストモニターもピンジャックだったため、同時に映像を流すために自動車用の映像分配器をオートテックで購入した。韓国製で5800円。モニター4個まで対応している。多分、これ。(ここだと3500円だった...)

店員さんの話では、ピンジャックで分岐してもモニター二つまでなら映像劣化はさほどでもない、ということだったが、分岐ピンジャックも千円以上するので、どうせならアンプ付きの分配器をつけてみた。電源とってつなぐだけ。結果は上々。

なんか、アメリカのリムジンのような雰囲気が少し漂う。どうせなら助手席側もつけたくなった。

でも子供も大きくなっちゃって、後席に人が乗ることってほとんどないんだよなぁ。