ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

ITS自動決済実証実験

2005年10月28日 | ITS
L.A.に来ている。
めずらしく一日曇り空だ。

さて、DSRCの給油所決済利用について、第2フェーズということでJARIによる名古屋での実験が始まった。

すでに何回か指摘しているように、これの普及はハードルが高いとおもうのだが。
現在のETC車載器では決済が出来ないため、ユーザーは専用ETCを装着しなければならない。
ところがユーザーの車載器投資、給油所のインフラ投資に見合うメリットが、ユーザー側、給油所側双方に見あたらないのだ。

一方でVICSがDSRCを使う方向で検討されている。
これも現在の車載器では対応できないため、新しい規格が立ち上がることになる様だ。これをきっかけにして、ETCがキャッシュレス決済対応になれば、まだ可能性はある。
給油所は無理かもしれないが、駐車場のDSRC決済は成立するかもしれない。

但し、既に現行ETCをつけているユーザーがわざわざ買い換えるとは思えない。
セットアップが1000万台に近づきつつあるという状況をふまえると、仮に物事が上手く進んだとしても普及は当分先の話になるだろう。

モーターショーでみたワンセグのデモ

2005年10月26日 | ITS
モーターショーで地デジワンセグ放送のデモを見た。

結論からいえば、車載の7インチ液晶画面では、全く商品として成立しないだろう。
なんというか、何回もダビングを繰り返したビデオテープを見ている感じ。
これじゃあモバHOのほうがまだ全然良い。まあモバHOの画像も、7インチでは果たしてお金を取るレベルに達しているといえるかどうかは疑問であるが。

一方、通常の12セグ地デジの車載チューナーは松下が早々に発売した。これは縁あって都心部で走行しながら見る機会があったが、ハッキリ言って驚きである。高速道路の高架下などでも一糸乱れぬ映像を見ることが出来る。

12セグ車載チューナーは現状では価格が高い、受信エリアが限られるという制約があるが、数年後には爆発的に普及するだろう。

モーターショーで

2005年10月25日 | ITS
久しぶりの更新である。
最近、異常に忙しくて、ブログ更新どころか、ブログのページすら開けなかった。
日中は殆ど寸暇もない状態、自宅は自宅で6年物のVAIOがお亡くなりになってしまい、ネットアクセス出来ず。
先々週台湾に出張し、今週はロス、ラスベガスからオランダに回り、最後はミラノという世界一周となる。世界一周なんてのは仕事の一人旅なんかじゃなくて、リタイアしてからかみさんとやるもんだ。
まあ、ラスベガスでは5年ぶりのSEMA(世界最大の自動車用品・改造ショー)視察と言うことで、それなりに楽しみではある。
個人日記がこのブログの目的ではないので、この辺で本題に。

東京モーターショーに行って来た。
某大手電機メーカーのDSRC関連展示で聞いたところ、2007年からDSRCでVICSをやることは、既に決定であり、路側機、車載器とも2006年には製品が出てくるとのこと。
当然プローブが目玉となるが、全ての車載器が情報をアップロードするのか、アップロードする情報の範囲はどこまでかなどの詳細はこれから詰めていくようだ。

路側機はおそらく1キロ毎程度の設置となる、ということであるが、ここら辺が言ってみれば課題かもしれない。
多分、交差点の詳細渋滞情報をつかむためには1キロ毎だと少ない。
一方、1キロ毎だとしても、主要道路全部に設置するインフラ整備費用は厖大だ。

まあ、課題はあるにせよ、私はDSRCのVICS利用は正しい方向だと思っている。

アップデート

2005年10月05日 | ITS
最近、異常に忙しくて殆ど更新出来ません。
書き込む時間はあるのだが、内容を考える時間がない...

ということで、自分のコメントは控えめに、最近の話題を少しアップデート。

■日産、車車間通信によるASVを開発  日経へのリンク

車車間通信で出会い頭衝突回避をやるなら、通信機の強制装着などを官主導でやらなくちゃいけないだろう。全車装着が可能なのはスマートプレートだが、そこまで見通した計画がすすんでいるのかどうかはよくわからない。

■新日本石油など、給油時のITS自動決済で実証実験 10月4日付け 日刊自 リンクなし

新日本石油、タツノ・メカトロニクス、松下電器産業、三菱重工業の4社で、JARI(日本自動車研究所)の実証実験に参加する。2つの方式(ETC車載器とICクレジットカードによる専用車載器)のDSRC自動決済を、名古屋地区のENEOS給油所で12月20日まで実施。

新日本石油といえば、日石+三菱石油。何故、三菱商事系のiba(ITS事業企画)がこのプロジェクトには関係しないのか、不明。なんらか大人の事情があるのだろう。三菱重工と三菱電機がETCで競合している、というあたりに答えがありそう。

■国交省と首都高速は、参宮橋の実験を再開する

実証実験なんてこれ以上必要なのか?カーブ先の渋滞情報を手前で伝えれば、安全は向上するに決まっている。その手段として、普及率10%程度のビーコン付きナビと100%のドライバーに伝わる路側表示のどちらが最適解か?という議論だけの話だろう。

路側表示を拡大するべきだと思うが、ビーコンナビが今後普及するなら、それも使えばいい。だけど、今回の実験の成果を宣伝すれば普及を促進できると思っているとしたら、それは考えが甘い。その程度の効用で2-3万の追加出費をうけいれる消費者は少ない。