ITSを疑う

ITS(高度道路交通システム)やカーマルチメディア、スマホ、中国関連を中心に書き綴っています。

連休渋滞予測と通信ナビ

2009年04月28日 | ITS
書いている途中で送信ボタンを押してしまいました。
改めて。

レスポンスで神尾氏が面白いことを書いておられる

要約すると、

今年のゴールデンウィークは1000円走り放題の影響があるため、昨年以前の渋滞データは参考にならない。
したがって、過去データの蓄積で渋滞予測をするスタンドアロンタイプのナビでは正しい予測は不可能である。しかし、テレマティクス(通信型のナビゲーション)であればプローブ(フローティングカーともいう。実際に走行している車両からデータを取り、交通状況をサーバーに送信する)によるリアルタイム情報をナビに送ることが出来る。

これは通信ナビにしか出来ないことで、今後テレマティクスにとって追い風になるだろう。

ということだ。

確かに、その通りだが、果たして『追い風」とまで行くかどうかはきわめて微妙だろう。そもそも高速の渋滞情報はVICSで提供される。

それ以前の問題として、果たしてどれだけの消費者がプローブによる渋滞予測について承知しているのか?正しく理解している人は1割に満たないとおもう。
その理由は、いまだにナビゲーションのキラーコンテンツとして認知されていないからに他ならない。

正直、私もプローブによる渋滞予測はキラーコンテンツになる可能性を持っていると考えていたが、予想以上に市場の反応は鈍い。
やはり実質無料のVICSがあれば、その精度に不満はあってもお金を出してそれ以上を求める消費者はさほど多くない、ということだろう。

高速道路1000円の状況

2009年04月11日 | 高速道路
前に「高速道路を1000円走り放題にしたらとんでもない渋滞になる」と書いたが、スタートした週末は拍子抜けするような結果に終わった。
1000円走り放題はまだ当分続くわけだから、渋滞を懸念して様子をみた人が多かったのだろう。その翌週である先週は通常の行楽シーズン並みの渋滞だったが、まったく報道されなかった。

ということで、消費者心理から「それならこの週末あたり出かけてみるか」となるだろうから、今日はかなりの渋滞になるだろうと思っていた。
案の定7時の時点で中央・関越でかなりの渋滞が発生している。

しかし、この効果はいつまで続くのだろう。この先2年間実施されるということだが、そのうち消費者にとって慣れにより「高速道路の値ごろ感」は下方にシフトしてくるのではないか。

公共交通との価格的比較で、「一人乗車でも」明らかに車が安くなっていることから、公共交通からのシフトは続くと思う。実際に新幹線の乗客が10%程度減少してるという話もある。しかしこれは残念ながら100%新規需要創造ではない。
公共交通機関から車へ交通がシフトするような政策が大きな世の中の流れに逆らっていることは間違いなく、これはもう少し議論されるべきだろう。

これから5月連休~夏に向かってそれなりに渋滞は続くだろうし、連休中はかなりの渋滞を警戒する必要があるだろうが、一方ではそのうち沈静化するという可能性も高いような気がする。
さらに言えば、この価格が消費者にとって「普通」になった後、2年後にすんなり元の従量制に戻せるのだろうか。

もうひとつ気になること。
首都圏在住者にとって今回の割引を享受するためにはある程度遠くまで行く必要がある。ということは、福島・新潟・静岡西部などの観光地は恩恵を被るかもしれないが、北関東や箱根・伊豆といった観光地は「通過」され、逆に観光客の減少につながるのではないか。

民主党の主張する高速道路無料化についてもいろいろ思うことがあるが、また改めて。