写真はシーサンパンナの中心都市・景洪にほど近い村の民宿の夕餉。奥の魚はこの家独特の味付け。レモングラスを使う以外は、魚を開いてあぶる手法や味付けも家ごとに異なる。
テーブルに並んだ野菜も香草の類が多く並ぶ。
【コイのレモングラス焼き】
雲南で食べた魚料理で思わず絶品! と叫んでしまったのが、省南部にあるシーサンパンナの田園地帯に本拠を置くタイ族の伝統料理「香茅草烤魚」だ。
香茅草とはシーサンパンナに自生するレモングラスのこと。水田やため池に泳ぐあまり大きくはない鯉などの魚の内臓を取り去って、各種香料と塩などの調味料を詰め込み、最後にレモングラスでぐるぐる巻きにして、炭火でじっくり網焼きする。
各種香料と調味料の配合は家ごとに多少異なるが、作り方を見ているだけで、レモングラス、刻んだ赤唐辛子、青唐辛子(火が出るかと思われるほどの辛さ)、ネギ、ショウガ、にんにく、ショウガの葉、香菜(シャンツアイ)、荊芥(ケイガイ)、サンショの葉、ハス、ういきょうの茎葉、草果の粉(シーサンパンナ独特のスパイス。ショウガ科シャクシュ属)、コショウ、食塩、醤油、紹興酒など10種以上がごく普通に使われていた。
このように書くとまるでハーブの固まりのようだが、レモングラスがかなり多く使われているので、鼻をくすぐるようなさわやかな香りとさっぱりとした味が淡泊な川魚の身に食い込んで、なんともご飯がすすんでしまうのであった。また香料のコーティングがあまりに大量なためか、見た目より食べるところが少ない、というのも特徴といえるだろう。
さすがに昆明の市場ではこの料理は見なかったが、昆明郊外の雲南民族村(雲南省内に住む少数民族の人々の生活を伝えるというテーマパーク。現地で歌舞に優れて選ばれた人々が居住している。)で食べることができた。
またシーサンパンナに2週間ほど滞在したときは、すっかりとりこになって、気がつくと、ほぼ毎日、餅米の蒸したものとともに、食べ続けていた。まだマラリアが風土病として色濃く残る地域でもあるので、殺菌作用があり、消化も促進するこのハーブの固まりのような料理は、健康維持のためには最良な食事でもあったのだ。
シーサンパンナの市場を行くと、そこら中でタイ族の民族衣装を日常着として身につけたおばさんがレモングラスでぐるぐる巻きにした魚を携えては道ばたに座り込み、ハーブで下味をつけた魚を桶に入れ、ホーロー製の洗面器に炭火を置いて、その上でこの魚をあぶっては、売っている。それを買い物客が気軽に買っては、かぶりついていた。日本でいえば鮎の塩焼きの位置にあるようだ。雑草のように生える各種ハーブが効いた一品である。
ちなみにシーサンパンナ料理でよく使われる草果。独特の香りがあり、以前は森の下草としてそこら中に生えていたらしいが、近年、草果目当ての乱獲と適度に手入れの行き届いた森林が減少しているため、かなり危険な状況にあると昆明植物研究所の黄さんという方から聞いた。
森の下草のような環境を人為的につくって大量生産をはかるところもあるらしいが、一株ごとに必要な面積が決まっていて、効率はよくないという。また同じ場所で2回目の生産ができないので森を荒らす要因ともなっているそうだ。
テーブルに並んだ野菜も香草の類が多く並ぶ。
【コイのレモングラス焼き】
雲南で食べた魚料理で思わず絶品! と叫んでしまったのが、省南部にあるシーサンパンナの田園地帯に本拠を置くタイ族の伝統料理「香茅草烤魚」だ。
香茅草とはシーサンパンナに自生するレモングラスのこと。水田やため池に泳ぐあまり大きくはない鯉などの魚の内臓を取り去って、各種香料と塩などの調味料を詰め込み、最後にレモングラスでぐるぐる巻きにして、炭火でじっくり網焼きする。
各種香料と調味料の配合は家ごとに多少異なるが、作り方を見ているだけで、レモングラス、刻んだ赤唐辛子、青唐辛子(火が出るかと思われるほどの辛さ)、ネギ、ショウガ、にんにく、ショウガの葉、香菜(シャンツアイ)、荊芥(ケイガイ)、サンショの葉、ハス、ういきょうの茎葉、草果の粉(シーサンパンナ独特のスパイス。ショウガ科シャクシュ属)、コショウ、食塩、醤油、紹興酒など10種以上がごく普通に使われていた。
このように書くとまるでハーブの固まりのようだが、レモングラスがかなり多く使われているので、鼻をくすぐるようなさわやかな香りとさっぱりとした味が淡泊な川魚の身に食い込んで、なんともご飯がすすんでしまうのであった。また香料のコーティングがあまりに大量なためか、見た目より食べるところが少ない、というのも特徴といえるだろう。
さすがに昆明の市場ではこの料理は見なかったが、昆明郊外の雲南民族村(雲南省内に住む少数民族の人々の生活を伝えるというテーマパーク。現地で歌舞に優れて選ばれた人々が居住している。)で食べることができた。
またシーサンパンナに2週間ほど滞在したときは、すっかりとりこになって、気がつくと、ほぼ毎日、餅米の蒸したものとともに、食べ続けていた。まだマラリアが風土病として色濃く残る地域でもあるので、殺菌作用があり、消化も促進するこのハーブの固まりのような料理は、健康維持のためには最良な食事でもあったのだ。
シーサンパンナの市場を行くと、そこら中でタイ族の民族衣装を日常着として身につけたおばさんがレモングラスでぐるぐる巻きにした魚を携えては道ばたに座り込み、ハーブで下味をつけた魚を桶に入れ、ホーロー製の洗面器に炭火を置いて、その上でこの魚をあぶっては、売っている。それを買い物客が気軽に買っては、かぶりついていた。日本でいえば鮎の塩焼きの位置にあるようだ。雑草のように生える各種ハーブが効いた一品である。
ちなみにシーサンパンナ料理でよく使われる草果。独特の香りがあり、以前は森の下草としてそこら中に生えていたらしいが、近年、草果目当ての乱獲と適度に手入れの行き届いた森林が減少しているため、かなり危険な状況にあると昆明植物研究所の黄さんという方から聞いた。
森の下草のような環境を人為的につくって大量生産をはかるところもあるらしいが、一株ごとに必要な面積が決まっていて、効率はよくないという。また同じ場所で2回目の生産ができないので森を荒らす要因ともなっているそうだ。
レモングラスのぐるぐる巻きだなんて、聞くだけで花粉症で詰まった鼻がすーっと通る気がします。
>香料のコーティングがあまりに大量なためか、見た目より食べるところが少ない、というのも特徴
ぷっ。
ますます味を期待してしまうなぁ。
白黒のしましま模様が特徴らしいので、今度、じっくり観察してみます!