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たにしのアブク 風綴り

87歳になります。ソロ徘徊。ブログ道連れに、そろそろあの世へ。

海街diary・4姉妹が奏でる鎌倉ストーリー

2015-07-12 16:23:05 | 劇場映画

雨が続き徘徊が出来なかったので先週末、久しぶりに映画を見ることにしました。
いつものシネマックスに行きましたが、
第68回カンヌ国際映画祭に出品された是枝裕和監督作品、
「海街diary」を観ることになった。
「観ることになった」とは変な書き出しになりました。

というのは、若年性アルツハイマーと診断された女性言語学者の苦悩や葛藤、家族との絆を描いた、
話題のアメリカ映画「アリスのままで」を観るつもりでした。



ところが着いてみたら、掛かっていたのは「アリのままでいたい」という昆虫映画でした。
「アリスのまま」と「アリのまま」で勘違いしていたようです。
後で知ったことですがこの「アリのままでいたい」は、
昆虫たちの生態をアリの目線で描くネイチャー映画で評判が高いようです。



そんな訳で上映時間のタイミングで「海街diary」を観ることになりました。
この映画もカンヌ映画祭で入賞の期待されていた作品で、予告編も観ていたので、
機会があれば観るつもりでしたのでちょうどよかったです。
係員に取材すると「アリスのままで」は当館では上映予定にない、
というので他のシネマックスに行かないと観れない。
アルツハイマーの適齢期にいる「徘徊たにしの爺」としては、
ぜひ、観ておきたい映画ですな。

前置きが大分長くなってしまった。
「海街diary」はとても美しい4姉妹の鎌倉物語です。
江ノ電「極楽寺駅」近くに祖父母の残した古い屋敷に住む4姉妹。、
界隈の家並み、坂道やお寺、墓、それに砂浜の海岸、
花に囲まれた家屋敷、庭と梅の古木が、
物語のバックグラウンドとして伏線になっています。



信金に勤める次女の佳乃(長澤まさみ)が、
ベットで男に抱かれながら目覚めるシーンから映画は始まります。

市民病院で働く看護師で、しっかり者で母親役のような長女幸(綾瀬はるか)、
スポーツ・ショップに勤める三女の千佳(夏帆)、
そして山形の山間の村から来る腹違いの四女・中学生すず(広瀬すず)。

この4姉妹が祖母が漬けておいた古梅酒、毎年漬ける新梅酒を飲み分けたり、
それほど深刻とは思えないような悩みを分け合い、
鎌倉ならではの旬のシラスや山菜など食事シーン、
女を作って出奔した父の通った海猫食堂の味を懐かしむ。

自然が多く残る鎌倉の美しい景色のなかに、
4姉妹の心の揺れと情感が描き出されていて、
静かな音楽も優しく、映像美を引き立たせています。



幸、佳乃、千佳の3人が喪服を付けるシーンが3回あります。
最初の山形で緑の濃い山野辺で旅立つ父の葬送のシーン。
二回目は鎌倉の家の法事に家を棄てた母が現れるシーン。
そしてラストの砂浜の海岸を寄せる波に4人が歩くシーン。
それぞれのシーンが物語の起伏になっています。



姉妹間の葛藤とかの深刻な出来事は何もないが、
心に響くいい映画でした。お勧めです。
原作は吉田秋生「海街diary」の少女コミック小学館です。

それにしてもレットカーペットに立つ、
いまが旬の日本の美女4人は魅せています。

映画を観ていて、鎌倉の昔ながらの住宅地が記憶に蘇りました。
爺が勤め始めたころ、東京芸大の彫金科を出た同僚がいました。
鎌倉の材木座海岸の近くに住んでいて、
夏に1,2度、日帰りで海水浴に誘われて、
2,3の同僚とお邪魔したことを思い出しました。
ビーチぞうりを突っかけて垣根をめぐらす路地を、
2つ3つ曲がると砂浜に出ます。
40年くらい前の夏の日ことです。



映画に何回も映った「極楽寺駅」は昨秋の記憶です。
駅に続く坂道と木造の駅舎、「極楽寺駅」の駅札。
改札手前の赤いポスト、江ノ電を跨ぐ赤い欄干の橋。
橋から眺める片方は石垣の下にホーム。
もう片方は短いトンネルの入り口です。
「極楽寺駅」は鎌倉を描く日本映画では外せないですな。

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