たにしのアブク 風綴り

85歳・たにしの爺。独り徘徊と喪失の日々は永い。

切なさをレシピに詰めた『めぐり逢わせのお弁当』

2014-10-09 13:43:32 | 劇場映画

全てを棄てカフェで出会いを待つ女。
何をためらうのか見つめるだけの男。



インド・ムンバイでは、お昼どきともなると、
ダッバーワーラー(弁当配達人)がオフィス街で慌ただしくお弁当を配って歩く。

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<ダッバーワーラーとは>パンフから引用
「弁当配達人」を意味する。家庭の台所から"できたての"お弁当を集荷してオフィスに届けるという、
ムンバイに実在するお弁当配達サービスに携わる人々を指す。
5000人のダッバーワーラーが1日20万個のお弁当を手に往復しているわけだが、
ハーバード大学の分析によると、誤配送の確率はたったの【600万分の1】だそうだ。

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主婦のイラ(ニムラト・カウル)は、
自分に無関心な夫の気を引くために、心を込めてお弁当を作るのだった。
戻ってきたお弁当箱は食べつくして空だった。
しかし、帰ってきた夫の反応は無関心だった。



愛情弁当は誤配されていたのです。
定年退職を控えたやもめ男サージャン(イルファーン・カーン)のデスクに届けられていました。
そして次の日もサージャンのデスクに、豪華なお弁当が届きました。



一方、イラはいろいろ工夫したお弁当を作ります。もう一人子どもが欲しいですと訴えても、
夫はそっけなく、振り向いてもくれません。
「毎日カリフラワー」はいらないという。
ある日、サージャンに届いたイラの弁当に手紙が入っていました。
そして、イラの元に戻ってきた空の弁当箱にもメモがありました。



インド国内最大の都市・ムンバイ(旧ボンベイ)。
逢うこともなく、惹かれあった孤独な男と女。

「人はたとえ間違った電車に乗ったとしても、正しい場所へと導かれる」
映画の脚本を書いたリテーシュ・バトラ監督が好きなフレーズだという。
登場人物たちの人生を方向づける“スパイス”として使ったとされています。

「誤配された弁当だったが、本来行くべき人の元に届いていた」そいうことでしょうか。

やもめ暮らしで定年を控えたサージャンが、イラから出会いを求められて、
珍しくネクタイなどして、出かける朝、ふと気付いた老い、電車で席を譲られる‥‥

出会いのカフェにはイラが待っていた。
明日への一歩を踏み出せるはずの「電車」に乗るのでしょうか。
ラストでは、列車に揺られるダッバーワーラーの歌と手拍子が響く。

とっても古風で、切なさ心に沁みる映画です。
映画館でどうぞご覧遊ばせ。



以前、ブログで2本のインド映画として、
見たいと宣言していた内の『めぐり逢わせのお弁当』公式サイト
「シネスイッチ銀座」でも上映していますが、
立ち見が出来るほど込み合っているという情報もあり、
舞浜のシネマイクスピアリで見ることが出来ました。



デズニーリゾート・イクスピアリはハロウィンの飾りで賑わっていました。
たにしの爺には無縁なので横目で見て帰りました。


2 コメント

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舞浜 (iina)
2014-10-13 08:55:38
シネマイクスピアリを、よく読むと映画館というのがわかりますが、舞浜はカタカナばかりの街でした。
しかし、おかげでゴージャスなハロウィンに、気も高まりました。

「シネスイッチ銀座」は高尚な名画ばかり公開している風ですから、一度出かけたことがあります。↓
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/3f58ccd3ab952e569f820b3fb29c44c6

はじめてのご縁なのに、「凝縮 マイブログ」までたどり着いたとは驚かされました。お礼に、トラックバックの仕方を
ご案内いたします。次のとおりです。お試しください。 m(_ _)m
http://blog.goo.ne.jp/iinna/e/144c738453518054fe1408faca861d7f

ありがとう (管理人の爺)
2014-10-13 09:47:09
iinaさま。

拙いブログに、トラックバックの上、
コメントまでいただき恐縮です。
ブログを拝見させて戴きました。
いい映画を見ておられるようですね。

私の好きな映画館は、
シネスイッチ銀座と渋谷bunkamuraのル・シネマのそれぞれ2つのスクリーンです。
ここは映画好きの大人のファンが多く、静でいいです。
館内飲食も禁止です。
それに舞浜のシネマイクスピアリ。
ここは20スクリーンがあって、
しかもシートがゆったりしていて、さすがディズニーリゾートの映画館という雰囲気で好きですね。
更新頻度は多くありませんが、よろしくお願いします。