たにしのアブク 風綴り

86歳・たにしの爺。独り徘徊と追慕の日々は永い。

当地の「紅葉前線」ただいま通過中です。

2015-12-09 12:13:56 | Lyricism

青天が続いています。
当地の紅葉前線が駆け足で通過中です。
いつも行く自然公園を中心とした紅葉山。
閉園を一週間延長していました。



年々、紅葉の景観が悪くなっているような気がします。
早く色付き早く散ってしまう小葉モミジ。
何時までも斑模様のモミジ。



今年は全国的に色付きがよくなかったようです。
今年はこの10年でもっとも悪い状況だとも言われています。
紅葉の名所に行かれた知り合いも「好くなかった」と言っていました。



柿色の段階、赤くなるとすぐに散っている状況で、
色付いた木と落葉してしまった木と混在しているという。
当地の紅葉山もそんな状態です。



モミジの木に比べて、周りの杉など、常緑高木が育ちすぎて光を遮ったり、
高木につられて、モミジの木が高木になって、
紅葉の位置が目線と合わないのでしょうか。



人間に都合よく自然が振舞うわけもありませんね。
森羅・自然の為せる業には、人は従うのがいいでしょう。





その季節(とき)・旬の美しさを見て、愛でていくのが、
日本人の美的感覚になっています。
美しい言葉にもなっています。





「斑紅葉(むらもみじ)」濃いところと、薄いところと、まだらの紅葉。
日本の百年唱歌『もみじ』に詠われています。
♪♪秋の夕日に/照る山紅葉/濃いも薄いも♪♪



カタカナの外来語で現わせば、
グラデーションとかコラボレーションとでも言えましょうか。



桜の開花にも蕾、ほころぶ、三部咲き、五部咲き、満開、
散り初め、落花盛ん、散り果て、葉桜と言うように、
秋の紅葉にもその程度をいう表現があるようですね。



うっすらと色付いたら「薄紅葉」、そして「斑紅葉」。
輝く「照る山紅葉」から「散紅葉」や「枯紅葉」となる。



枯れ木に「残る紅葉」一枚に移ろう季節と世事を重ねます。
「一葉落ちて天下の秋を知る」
道野辺の草にも霜枯れる前に「草紅葉」を愛でて歩くのは晩秋の楽しみですね。



満開の桜より「散る桜」に、満照の「紅葉」より「黄昏紅葉」に、
詩情を求める lyricism が好きですね。
山は晩秋の「斑紅葉」と初冬の「枯紅葉」がコラボしていました。



ふゆそうび「冬薔薇」が楚々と彩を添えていました。
「ムラサキシキブ」の実が鮮やかに輝いていました。