鳥居の起源については定かでないようですが、天照大御神を天岩戸から誘い出すために鳴かせた「常世の長鳴鳥(鶏)」に因み、神前に鶏の止まり木を置いたことが起源とも言われています。
御笠浜前から見た大鳥居

日本最古という大神神社には、古い形の三つ鳥居が残っていますが、8世紀ごろに現在の形が神域と俗域を分ける門として確立したようです。
坐摩神社の三つ鳥居

今では神社のシンボルとして不可欠の鳥居ですが、吉野蔵王堂前の銅の鳥居、四天王寺の西門前の石の鳥居、そして厳島神社の朱丹の大鳥居が日本三大鳥居とされています。
四天王寺の石の鳥居

中でも、1996年に世界文化遺産に登録された厳島神社大鳥居の優美な姿は、日本そのもののシンボルとしても世界的に有名で、フェリー乗り場では大勢の外国人観光客を目にしました。
平舞台から見た鳥居

宮島観光公式HPによれば、海面にそびえる朱塗りの大鳥居は、平安時代から数えて8代目となり、高さ16m、重量は約60トンとか。

この大鳥居は、満潮時に水没する海底部分に松杭を打って地盤を強化し、さらに布石を並べ、その上に本体の重みだけで建っていますが、今まで地震や台風の襲来を何度も受けてもビクともしていないようです。
本殿前の祓殿越しに見た鳥居

その秘密は、鳥居上部の島木の中にこぶし大の玉石約7トンを詰めて重しとした上、主柱・袖柱あわせて6本足の安定した構造にあるようです。
西廻廊から見た鳥居

しかし、1875年(明治8年)に建て替えられた鳥居は、1950年に海水に浸かる部分が痛んだため、下の部分だけ周囲10mもある新しいクスの木に取り替えられています。
多宝塔のある丘から見た鳥居(沖ではヨットレースが)

この鳥居よりも巨大な鳥居は、熊野本宮大社(高さ34m)、大神神社(高さ32m)、平安神宮(高さ24m)をはじめ全国各地に結構あるようです。
大神神社の鳥居

しかし鳥居の主柱を樹齢600年近い自然木とし、134年間も海の中に置かれたものは少ないのではないかと思います。
平安神宮の鳥居

厳島神社宝物館には、1875年に外された江戸時代の古い扁額が展示されていて、そこには「厳島大明神」と書いてありましたので、江戸期にはそう呼ばれていたようです。
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