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ROSSさんの大阪ハクナマタタ



前回までの記事で紹介したように足立全康(ぜんこう)氏は、新幹線開業直前の新大阪駅周辺で地主から土地を精力的に買収、ほんの2、3年の間に十数億円という利潤を上げたそうですが、その極意を紹介しましょう。・・・美術館の庭園に立つ足立全康像

足立氏は、自分の人生を要約して「ワシの人生は絵と女と庭や」と言い続けています。美術品のコレクターで無類の女好き。庭園つくりも誰にも負けないという文字を戒名にまでしようとしていたようです。(実際の戒名は積善院全道余慶居士)

その著書に<私はもともと無教養な人間、人のようになかなか常識的な座談ができないのでワイ談に活路を求めた>

<ワイ談とはいえ話の中にも、皆が関心のありそうな、時の話題をふんだんに織り込み、あまり露骨にならないよう、その一歩手前で止めて、しかもさも自分がそうであったかのように演出する>

<それに加えて大事なのは、落語のクスグリと一緒で、皆が腹を抱えて笑えるようなシナリオを随所に用意する、そうすれば一遍に相手の懐に飛び込むことができる>

著書には、倒産した東洋バルブが保有していた北沢コレクションの処理委員会(債権者は三井物産など大手商社)から横山大観作品(20点)を一括購入する際、名品を除外して譲渡するという処理委員会メンバーを足立氏はワイ談を持ち出して説得、見事一括購入にこぎつけたとありました。

後日処理委員会のメンバー(大手商社幹部)から「あなたの話にはまいりました。あれで委員みんなの腹が決まった。私もこれまでいろいろな名演説を聞きましたが、あれほどの殺し文句は知りません」と言われるくらい凄い説得力のあるワイ談だったようです。・・・喫茶室

著書には、はっきりと書いていませんが、他の不動産屋なら決して相手にしなかった新大阪駅周辺の地主を、足立氏はこの手法で籠絡し、大成功を収めたのではないでしょうか。・・・喫茶室でケーキセットを注文。竹炭のマドラーが珍しい

足立美術館は、足立全康氏の天才的な話術で稼いだお金と、戒名にするほどこだわった「人生は絵と女と庭や」という情熱で出来たということかも知れません。・・・壁画のような庭

参考文献:庭園日本一 足立美術館をつくった男 足立全康著



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