東京お台場にあるフジテレビ本社ビルの奇妙な形は、以前から興味があり、一度ゆっくりと見学してみたいと思っていたが、やっとその機会がやってきた。

新橋駅から「ゆりかもめ」に乗って台場駅で下り、デッキの広場に出るとフジテレビ本社ビルはもう目の前で、空中にはめ込まれた意味不明の球体「はちたま」が綺麗である。

台場のビルを結ぶ空中デッキからビルの南側に回り、建物の幅一杯の大階段を上ると、7階の屋上広場に出るが、まるで神殿の階段を上るような気分になるのは私だけか。

7階屋上広場から真上を見ると、巨大な宇宙ステーションを見ているような錯覚に陥り、神殿と宇宙の取り合わせに驚くことになる。

南北に細長いフジテレビ本社ビルは、北側にメディアタワーが、そこから太く長い3本の空中廊下を隔ててオフィスタワーがあり、空中廊下の最上部が巨大な球を貫通する奇妙なデザインである。

この神殿的で宇宙的かつ奇妙な建物の設計者は、丹下健三・都市・建築設計研究所で、1996年に完成しているので、既に12年の年月を経ているビルである。

ビルの完成時に丹下健三氏は83歳という高齢なので、細かいデザインにはタッチしていないと思われるが、よくぞこのデザインを決断したものである。
フジテレビ本社ビルは、お台場という広い空間にあるためその大きさが実感できないが、実際にビルの中に入ってみると、建物の高さ約123m、延床面積は約14万3千平米もあり、巨大さに仰天させられてしまう。

フジテレビ本社ビルの完成後、お台場はフジテレビの城下町のようになり、ホテルやショッピングセンターが次々と完成、人気は今も衰えていない。

古さを全く感じさせることの無い、この奇抜なデザインの採用を決断した当時のフジテレビ関係者の慧眼には脱帽である。

ホリエモン騒動の舞台となったフジテレビジョン(旧会社)は、2008年10月、株式会社フジ・メディア・ホールディングスに商号変更し、テレビジョン放送関連事業を「株式会社フジテレビジョン(新会社)」に事業譲渡し、純粋持株会社となっている。
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